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ゲーム業界の偉大な頭脳たちとの仕事の話
ゲーム業界の偉大な頭脳たちとの仕事の話
Shawn Main / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2014年6月29日
いろいろな意味で、マジックはゲーム・デザイナーにとって完璧なゲームです。ゲームの部品は提示されますが、それを使って何をするかはデザイナーの手にゆだねられます。対戦相手とテーブルにつくよりもさらに前から、どんなことをしたいか、そしてそれを実現するためにはどうしたらいいかを考えているものです。攻撃寄り? 防御寄り? いいコンボは思いつきましたか?
《ゴブリンのドカーン物取扱者》 アート:Kev Walker |
カジュアルな状況なら、どうすれば他のプレイヤーが楽しめるのかを考えることすらあるものです。あなたが《歪んだ世界》を使ったときに友達が喜ぶとか、《ハルマゲドン》を唱えたら席を立たれるとか。1ゲームの中にさまざまな可能性が詰まっています。そして、想像力を働かせる余地はいくらでもあります。
マジックをプレイしているゲーム・デザイナーがたくさんいることは知られていますので、『マジック2015』に向けて、これまでやったことのないこと、つまりゲーム・デザイナーを招いてマジックのカードをデザインしてもらうという試みを実行することにしました。
私はその担当になる栄誉を受けました。各カードの最初のアイデアを聞き、それに示唆を与え、デザインをどうするか試行錯誤し、そしてそれらのデザインをブースターパックに入れられるカードにまでデベロップするのです。これはとても楽しい体験でした。ゲーム・デザイナーの中にはマジックに詳しく、最初からホームランと言えるデザインを作った人もいました。一方で、マジックに馴染みがないからこそ独自の視点を持ち、そのアイデアをカードにするために話し合うことになった人もいました。本当に強い創造力を働かせてくれて、私たちはその創造力を活かして、デザインでは通常踏み込まないような独特の部分へとたどり着くことになったのです。
ジョージ・ファン/George Fan:《起源のハイドラ》
「Plants vs Zombies」のデザイナー
《起源のハイドラ》
{X}{G}
クリーチャー ― ハイドラ
起源のハイドラは+1/+1カウンターがX個置かれた状態で戦場に出る。
起源のハイドラが戦場に出たとき、あなたのライブラリーの一番上からX枚のカードを見る。あなたはその中から、点数で見たマナ・コストがX以下のパーマネント・カードを1枚公開してもよい。そうしたなら、それを戦場に出す。残りをあなたのライブラリーの一番下に望む順番で置く。
0/0
ジョージはマジックを本当によく知っているデザイナーの1人でした。本当に。最初にアイデアを出すように彼に頼んだとき、彼は6つもの斬新なデザインを出してくれました。そのうち1つはどう見ても銀枠セット向けのものでしたが、それ以外のどれでもすぐにファイルに入れられるほどのものでした。私と彼はどちらも《起源のハイドラ》(最初からこの名前でした)を選んだので、このカードで進めることになりました。チームの全員がこのハイドラに一目惚れしたので、ルール上のちょっとした問題を手直ししてデベロップ的な調整を少し加えただけで、このカードはジョージが最初にデザインしたそのままで残ることになりました。
ペニー・アーケード/Penny Arcade:《強欲の護符》
PAXのクリエイター、ゲイブ/Gabeとティコ/Tycho こと マイク・クラヒューリク/Mike Krahulikとジェリー・ホルキンス/Jerry Holkins
「......殺されるたびに忠誠を入れ替える裏切りのカードで、今の所有者を何か強化するようなもの」
ジェリーが最初に作ったカード・アイデアのリストから、私たちは「時計仕掛けのゴーレム」という方向に向かいました。謎めいた言及で、死亡したら対戦相手のコントロールで蘇り、元のコントローラーに追加のターンを与えるなり土地を探させるなりするアーティファクト・クリーチャーというような興味深いデザイン上の方向に向かったのです。私たちは丸をつけましたが、クリエイティブはプレイヤーが実際に取り合いをするというアイデアからはるか遠くにいました。そこで私たちは再編し、より文字通りの形でこのアイデアの根本に立ち戻ったのです。対戦相手の死骸から取り上げたいと思うものとは一体何か、という問いかけから、この最終的なカードができあがりました。
マーカス・ペルソン/Markus Perrson:《強引な採掘》
「Minecraft」の作者にしてMojang社の創設者、ノッチ/Notch
《強引な作戦》
エンチャント
あなたは土地・カードをプレイできない。
土地を1つ生け贄に捧げる:カードを2枚引く。
ああ、マインクラフト、ゲーム・デザイナーにとって最高といえるもう1つのゲームです。創造性を発揮し、そして自分が楽しい形でゲームをプレイすることができます。マーカスが作ったこのとてもジョニー(訳注:マジックを自己表現の場として使っている、創造性に富んだゲーマーのこと)向けのカードを、私はすぐにデベロッパーたちに見せました。このカードは、頭をかきむしって、どうやって使おうかと考えたくなるような類のカードです。こういったカードは、パズルのようなもので楽しいのですが、デベロップ的にはかなり要注意になる場合があります。なぜなら、これはエンジンのように働くので、魅力的とは言えないコストをつける必要があるのです。場合によっては、ジョニーでない人からは少しばかり奇妙すぎると思われ、置き換えられることになります。今回の場合、デベロップ・チームはこのカードを見て、「面白そうだ。ターンに1回だけにすれば、土地を全部生け贄に捧げて大量のカードを引き、コンボを立ち上げるソーサリーとしてはプレイできなくなるだろうね」と言ったのです。このいい示唆を、私たちは取り入れました。全てのジョニーがこのカードで何をしてくれるのか、本当に楽しみです。
リチャード・ギャリオット/Richard Garriot:《化身の盾》
「ウルティマ」シリーズの作者、「ロード・ブリティッシュ/Lord British」
外部デザイナーの多くは、彼らのゲームをほのめかすようなカードを作ってくれました(数枚については、私たちが瞬きを加えました)。リチャードは、ウルティマにありそうな、自軍のクリーチャー全ての希望によって力を得る盾、というカードを作ったのです。他のジャンルで働くデザイナーが、そのジャンルのゲームプレイと違うマジックのカードをどうバランスを取るかを見るのは面白いことでした。リチャードの作った最初のバージョンでは、一定量のダメージを吸収したら外れて、持っていたクリーチャーにダメージを与えるということになっていました。私たちはそれを、よりわかりやすい、ダメージを吸収するだけで外れることのないカードに作り直したのです。
デビット・ジルリン/David Sirlin:《窮地の主》
「Super Street Figher II Turbo HD Remix」(訳注:スーパーストリートファイターII Xの高解像度版リミックス。PSN、Xbox Liveで配信されている。日本には配信されていない。)のデザイナー、ヨミ/Yomi
「ゲーム・デザインに関する私の仕事の多くは読み、つまり対戦相手を読むことに特化しているんだ。お互いに読み合うこと。だから、そのコンセプトを掘り下げたカードを作ってみたよ」
《読みの商人》
{1}{W}{U}
クリーチャー ― 人間・ならず者(人間・商人 にできるとなお良し)
{T}, 数を選ぶ:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは「上」「下」「同じ」のどれかを選ぶ。点数で見たマナ・コストがその選択に該当するなら、このターン、あなたはあなたの手札から土地でないカードを1枚、マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。
1/2
「適正価格を決めましょう。」
レア
ジルリンが作ったカードもパズルでしたが、あなたと対戦相手が順番に心理戦を行うという全く違う性質を持っていました。『基本セット2015』がデザインからデベロップに移行し、このカードでのプレイを繰り返していくにつれて、いくつかのことが明らかになってきました。このミニゲームは本当に面白いということ。このカードはゲームで起こるあらゆることを支配する傾向にあるということ。これのテンプレートを完成させるのは本当に難しいと言うこと。タップから戦闘ダメージに切り替えることで、対戦相手は普通のマジックのゲームプレイを通して止めることができるようになりました(このカードの心理戦以外の方法で)。そうして、次はこれを大型の飛行クリーチャーにして、対戦相手が読み勝った場合にもゲームが進行するようにしました。最後に、この心理戦で重要なのは「より重いものを持っているかどうか」で、指定されるのはほぼいつも同じような数字になってしまうので、値を最初から固定しました。それによって、よりわかりやすい表現にテンプレートを改めることができたのです。
ロブ・パルド/Rob Pardo:《ザスリッドの隠し刃》
Blizzard社の主任クリエイティブ・オフィサー兼「ワールド・オブ・ウォークラフト/World of Warcraft」のリード・デザイナー
ロブのカードは、外部デザイナーの手によって普段私たち自身ではデザインしないようなところに連れて行ってもらうというまさに典型例です。最初にロブが求めたのは、非常に単純なことでした。暗殺者を作りたかったのです。ですが、彼はマジックで一般的に描かれている形の暗殺者とは全く違う方向に行き、ワールド・オブ・ウォークラフト型の隠密性を与えたのです。攻撃に重点を置くのではなく、影に潜んで待ち、攻撃の瞬間にのみ隙を見せるという性質に焦点を当てたのです。呪禁は黒のカラー・パイではありませんが、フレイバーから素晴らしい物語が描かれ、そして素晴らしいゲーム上の瞬間に繋がることでしょう。
イザヤ・カートライト/Isaiah Cartwright:《彼方の管理人》
「ギルドウォーズ2/Guild Wars 2」のリード・ゲーム・デザイナー
《虚無の番人》
{W}
クリーチャー ― 人間・クレリック
カードが1枚戦場から追放されるたび、虚無の番人の上に+1/+1カウンターを1個置く。
1/1
イザヤの最初のデザインは、マジックの中で私たちが掘り下げたことのない部分を取り上げていました。追放関連です。この部分を取り上げる場合、いくつもの選択肢があります。そのカードは構築向けか、それともリミテッドで戦略の軸にできるのか? 青天井に増えていくのか、それともある閾値に到達したときに何かを得るのか? 新しい場所の話なので、私たちは可能な限り簡単に通り抜けられるような入り口にしたいと思いました。対戦相手のカードが追放領域にあるかどうかを見て、存在したら巨大化するのです。ここで面白いのは、カードが追放領域に行く方法はいくつもあるということです。《払拭の光》を唱える、《トーモッドの墓所》を使う、待機やフラッシュバックを使ってくる相手に対してサイドボードから投入してもいいでしょう。追放領域はいろいろな形で使われています。このカードの使い道も、対戦ごとに違ってくるのです。
ジャスティン・ゲイリー/Justin Gary:《霊魂の絆》
「Ascension: Chronicle of the Godslayer」や「SolForge」のデザイナー
《守護スピリット》
{1}{W}
エンチャント
あなたがクリーチャーを1体プレイするたび、あなたは飛行を持つ1/1の白のスピリット・クリーチャー・トークンを戦場に出してもよい。
スピリットを1つ生け贄に捧げる:クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは破壊不能を持つ。
ジャスティン・ゲイリーは、ゲーム・デザイナー、Stoneblade Entertainment社の創設者というだけでなく、外部デザイナーの中で一番競技寄りのマジック・プレイヤーでもあり、プロツアーやいくつものイベントでの優勝経験を持ちます。彼は他の外部デザイナーより少し遅れて『基本セット2015』に参加したので、私は彼に、ファイル上で足りなかった白のレアに相応しいアイデアがあるかを尋ねました。彼はすぐに、私たちのテーマにぴったりで、召集と相性のいいカードを作ってくれました。物語性にも富んでいました。
ストーン・ライブランド/Stone Librande:《ゴブリンのドカーン物取扱者》
Riot Gamesのリード・デザイナー、「ディアブロ3/Diablo 3」デザイナー、「SimCity」(訳注:2013年版)クリエイティブ・ディレクター
《ゴブリンの地雷撒き》
クリーチャー ― ゴブリン
{T}: 赤の地雷・アーティファクト・トークンを1つ戦場に出す。地雷・トークンは「これを生け贄に捧げる:飛行を持たない攻撃クリーチャー1体を対象とする。これはそれに2点のダメージを与える」を持つ。
あなたのコントロールする地雷・トークンが1つ生け贄に捧げられるたび、ゴブリンの地雷撒きは1点のダメージを受ける。
1/2「スタークラフト2の拡張での新ユニットについての動画を見て、テランに新しい地雷ユニットがあるを知った。MTGでも同じようなことをする方法を考えた。もちろん赤のカードだね」
ストーンの地雷撒きは、トップダウンのデザインからどれだけ独特なものができるかという好例です。トークンはマジックにおいて重要な位置を占めていますが、クリーチャーでないトークンを作るカードはほとんどありません。《金箔付け》や《黄金の呪いのマカール王》が登場するまで(『基本セット2015』のデザインの時点では、ストーンはこれらのカードのことを知りません)、クリーチャーでないトークンのカードをブースター・パックに入れたことはなかったのです。
《ゴブリンのドカーン物取扱者》において、ストーンは、ゴブリンは自分の仕事が非常に下手である、というマジックの伝統を守っています。残念ながら、彼の最初のデザインでは、このゴブリンは少しばかり地雷を蒔くのが得意すぎました。対戦相手が攻撃できなくなる程度の地雷を蒔くのが簡単になってしまっていたので、私たちは簡単に準備しておくことができないようにこのゴブリンの仕事をさらに下手にしたのです。
ブライアン・ファーゴ/Brian Fargo:《放浪の吟遊詩人、イーサーン》
inXile Entertainmentの創設者兼CEO、「バーズテイル/Bard's Tale」「ウェイストランド/Wasteland」ディレクター、「フォールアウト/Fallout」エグゼクティブ・プロデューサー
一番最初から、ブライアンは吟遊詩人を作りたいと思っていました。彼の手による古典的なロールプレイング・ゲームの「バーズテイル」がありましたし、吟遊詩人というのはファンタジーの要素でありながらマジックではあまり掘り下げられていなかったからです。ですが、彼の最初に作ったものは、あまりにも銀枠世界に踏み込んだものでした。
《吟遊詩人》
{2}{U}
クリーチャー ― 吟遊詩人
吟遊詩人が戦場に出たときとこれのコントローラーが変わったとき、これの新しいコントローラーは前のコントローラーを称え、吟遊詩人の現在の状況を鑑みる一節を歌わなければならない。この一節は、このゲームでそれまでに歌われたどの一節よりも長くなければならない。そうでなければ、吟遊詩人のコントローラーは1点のライフを失う。
各ディスカード・ステップの終了時に、吟遊詩人のコントローラーの左に座っているプレイヤーは吟遊詩人のコントロールを得る。
1/2
これを見て私たちは全員クスリと笑いました。そして、彼が次に作ってきたものは、より黒枠世界に従ったものでした。
《吟遊詩人》
{R}{W}{U}
クリーチャー ― 吟遊詩人
{T}: 吟遊詩人の上に琴歌カウンターを1個置く。
{T}: あなたのライブラリーから、パワーが吟遊詩人の上にある琴歌カウンターの総数以下のクリーチャー・カードを1枚探し、それを戦場に出す。この能力はソーサリーとしてのみプレイする。
1/2
このデザインは、歌い、召喚するという吟遊詩人の姿を非常にクールな角度から捉えています。もちろん、私はこのデザインはいかにも緑のカードだと言いました。私たちは次のような会話を交わしました。
ブライアン:そりゃいいや。僕の仲間は、緑はもっとラブ&ピースなヒッピーみたいなものだと思っていて、この吟遊詩人には合わないと言ってたんだ。この点ではそっちの判断に従うよ。
私:あはは。確かに緑は自然を表す色ですが、握手よりもむしろ野生の獣の色なんです。さらに言うと、クリーチャーを探す色っていうのは緑なんですよ。
ブライアン:オーケー。こいつは臆病者じゃないってことだ (^_-)
私:イラストを発注する段階になったら、アーティスト宛のメモに書いておきますよ、「臆病者じゃない」って。
後に、カウンター1つで歌うのは望まれないというプレイテストの結果を踏まえて、デベロップはこの2つの能力を1つの処理にまとめました。
マイク・ノイマン/Mike Neumann:《地割れ潜み》
Gearbox Software社「ボーダーランド/Borderlands」のクリエイティブ・ディレクター
「イメージしてるビジュアルは、イカから出来たクトゥルフの悪夢である巨大な邪悪です」
マイクの最初のアイデアは、メカニズム的には非常に堅実なものでした。巨大クリーチャーで、マナを支払って+1/+1カウンターを得ることができ、死亡したら1/1の群れになるというのです。これは充分あり得るデザインでしたが、私はブライアン・ファーゴにも言ったように、彼にも緑のカードを作ろうとしているように聞こえる、と言いました。ブライアンと違い、マイクは青にしたいとこだわりました。マイクにとって、そしてGearboxにとって青であることは重要でした。チームの2人は、青マナ・シンボルのタトゥーを入れていたのです。私は「わかりました! じゃあ、このカードを青にするために何か手を加えましょう」 そして、青のクリーチャーでサイズを大きくする方法を探した結果、カードを引くことでカウンターが増えるようにするという方法を見付けました。その瞬間、《テンタクロン》(プレイテスト名)は実際のカードに思えるようになりました。触手をくねらせている、実際のカードになったのです。
ジェームズ・アーネスト/James Ernest:《熱いスープ》
Cheapass Gamesのオーナー、リード・デザイナー。「キル・ドクターラッキー/Kill Doctor Lucky」のデザイナー。
熱いスープ:装備品。装備しているクリーチャーはブロックされない。タフネスは1になる。
「熱いスープだよ、気をつけて!」
ジェームズとCheapass Gamesは、皮肉交じりのユーモアセンスで有名です。私が最初にジェームズのアイデアを受け取った時、《熱いスープ》を見て笑いました。マジックというガチファンタジーの戦略ゲームで、これほどばかげたものを印刷することになるなんて想像もしていなかったからです。私はそのリストを『基本セット2015』のリード・デザイナーであるアーロン・フォーサイス/Aaron Forsytheに見せ、どのアイデアがいいと思うか聞きました。彼は笑い(馬鹿笑いというほうが近かったです)、そして《熱いスープ》を指したのです。クリエイティブに見せたら否定されるだろうと思いながらクリエイティブにこのカードを見せると、彼らは笑い、親指を立てて肯定してきたのです。外部デザイナーにデザインの限界を少しばかり押し広げてもらおうと思ったら、クリエイティブの限界も押し広げてくれました。戦場がスープまみれになるという状況でも、です。
エドモンド・マクミラン/Edmund McMillen:《残酷なサディスト》
「Indie Game: The Movie」で取り上げられた「The Binding of Isaac」と「Super Meat Boy」のデザイナー
《サディストな子供》
{B}
クリーチャー ― サキュバス(吸血鬼でも可)
{X},{T}: X点のライフを支払い、サキュバスの上に+1/+1カウンターをX個置く。
{X},{T}: クリーチャー1体またはプレイヤー1人を対象とする。サキュバスの上からX個のカウンターを取り除き、それにX点のダメージを与える。
0/1
『基本セット2015』の外部デザイナーの多くと同様、エドモンドは最初にカードのアイデアのリストを作りました。他の多くのリストと違い、エドモンドのリストは1マナ・クリーチャーのサイクルでした。エドモンドはキューブ・ドラフトをしており、効率的で攻撃的なプレイを意識していたのです。また、クリエイティブはこのカードをプレイヤーの血を吸い、そしてそれを敵に吹きかける(後に、クリエイティブはこのカードを吸血と言うよりも血の滾りというイメージに改めました)。このカードは非常に堅実なデザインでしたが、デベロップするのは非常に難しいものでした(再利用可能なダメージ源はしばしばデベロップが困難なのです)。幸いにして、このカードには調整の余地が充分にありましたので、私たちは時間を費やし、コストを上げたり下げたりしてこの暗殺者の少女がゲームを壊さない程度に強い脅威になるまで調整することができました。
ブラッド・ミューア/Brad Muir:《解き放たれし者、オブ・ニクシリス》
Double Fine Productionsのゲーム・デザイナー、「Massive Chalice」主任、「Iron Brigande」プロジェクト・リーダー
ブラッドは最初からイメージを持っていました。統率者戦で使う、教示者対策になる黒の悪魔をデザインしたかったのです。エキサイティングな話で、教示者対策というのは素敵に思えましたが(統率者戦で教示者を使うと、同じような局面があまりにもよく起こりすぎるということは私も思っていました)、私は彼にその方向に行くのはとても大変だと伝えました。デザインの初期に、『基本セット2015』ではガラクの物語を語る必要があるとわかり、堕ちたプレインズウォーカーであるオブ・ニクシリスはその物語に相応しいとわかっていました。このセットの黒の伝説のクリーチャーとして、ブラッドは新しいオブ・ニクシリスをデザインする必要がありました(そして同時にオブを強化する必要も)。私たちは時間をかけて、ただ対戦相手の探す効果に対策するだけでなく、自分の効果を変質させるようにするというデザインを探しましたが、それはあまりにも的外れなものでした。最終的に、残酷さが際だった悪魔が残ることになりました。
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