労苦の迷宮
Bonnie Bruenderman / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2014年4月16日
迷宮の入り口
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《》 アート:Jason Chan |
定命の者よ、何ゆえ我が迷宮へと無謀にも立ち入るのか? 我が褒賞は莫大だが、危険は更に大きい。汝は何を求める?
一つ深呼吸をして、君はやって来た理由を述べる。
「霊魂よ、私は迷宮の中央にあるという宝物を求めています」
「私は、あなたがここに大きな力を持ち役立つ何かを守っていると聞きました。私はその宝物を、我が故郷と家族を守るために探し求めます。神々に見放され、四方八方をニクス生まれの悪夢、ミノタウルス、そして血肉に飢えた獣どもに包囲され、私達は絶望の中にあります。私達は何であろうと解決策を求め、最も強く、最も賢い者たちを地の果てにまで送り出してきました」
「私達は皆黄金を抱え、死の国への河を渡る祈りを唱えてきました。『我らは既に死んでいる。失うものは何もない。得るものだけだ』 それが、私が来た理由です」
進むがよい、だが知れ。我は汝の安全も成功も保証せぬ。汝の運命は汝のものだ。
迷宮の中へと進む。
私は以前もここに来て、あなたの秘密を知っています、霊魂よ、私を迷宮の中央へ!
ライオンの住処
君は迷宮へと足を踏み入れると、雷鳴が聞こえた......いや......これはうなり声か? そうだ、君はとても巨大なものの唸り声と、その合間に何かが砕ける音を聞いた。
ある角を曲がると、君は大きな雄牛の残骸につまずいた。まだ新しい。目立つ匂いはない。君は息を殺しながら顔を上げ、そして巨大なライオンを見た。本当に、巨大だった。これは自然の驚異なのだ。
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《》 アート:Slawomir Maniak |
それは満足そうにミノタウルスの最後の数片と思しきものを食らっていて、まだ君に気付いていなかった。今はまだ。
こっそり通り過ぎようとする。
前へ進み、そのライオンと戦う!
捧げ物をしてライオンの気を散らす。道にあった雄牛はどうだろう?
陽光の坂道
迷宮の入り口
陽光の坂道
坂を上っていくと、君は森林地帯に出た。その中央には伝説が、神話が鎮座していた。「それ」がここにいるなどありえない、現実だということすらありえない! それは子供達が森の深くは入っていかないようにするための、ただのおとぎ話......だがそこに、「それ」はいた。
世界を喰らう者、ポルクラノス。
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《》 アート:Karl Kopinski(『デュエルデッキ:英雄 vs 怪物』版) |
疑い深い者は、ハイドラは全て神話の存在だと、巨大な蛇でしかないと言う。だが彼らはそのような存在を見たことがないのだ。ポルクラノスの巨大な多数の頭は空を見上げ、彼を嘲るハーピーの不快な群れに食いついていた。その左に、君は唯一の道が続いているのを見た。
その注意が空へと向いているうちに、ハイドラをこっそりと通り過ぎる。
ハイドラを挑発する。その頭一つでも素晴らしい戦利品になる。一つだけ、そうしたら走ればいい。
心臓が高鳴り、恐怖の汗でずぶ濡れになりながら、全力疾走してその獣をやりすごしたのち、ようやく速度を落とした。もし君がここを生きて出たとしても、君がポルクラノスを見て生きて帰ってきたとは誰も信じないだろう。
木立ち
ライオンの住処
木立ち
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《》 アート:Ralph Horsley |
深呼吸をして、君は美しい木立ちへと足を踏み入れた。木々はニクスの輝きをまとい、その幹はこの世のものとは思えなかった。
黄金の閃光――あれは何だ? それはもう消えた。君はそれがどちらへ行ったのかはわからない、だが森の小路へと続く枝は垂れ下がって揺れている。
瑞々しい森
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《》 アート:Slawomir Maniak |
また別の、何もない木立ちへとやって来た。君は壁がわずかに崩れている右か、もしくは前方へと進むことができるようだ。君が移動し始めるとちょうど、大きな炸裂音と鼻息が聞こえた。一体の猪が、猫のように静かに君の背後に忍び寄っていて、今や君へと迫っていた。剣ほどの大きさのあるその牙は血で濡れていた。理由もなくこれほど攻撃的になるのは、子供を守ろうとする母猪だけだ。
右へ跳び退いて避ける!
振り向いて戦う! それらの牙は一財産に値する。そしてもし子猪を見つけられたなら、飼い慣らして売ることができる!
逃げる! 逃げて、逃げて、母猪が疲れて追ってこなくなるまで逃げる。その母猪を疲れさせることには何の問題もないし、殺すのはかわいそうだ。
脇腹はひどく痛み、肺は燃えるように熱かったが、君は最終的に息を切らす猪を置いていくことができた。
険しい谷
木立ち
険しい谷
道は狭くなった。岩壁はごつごつとして途方もなく高くなった。水の跡と少しの苔が、この裂け目には頻繁に洪水が流れ、幾つかの忌まわしい地下水路へと吸いこまれることを示していた。辺りの臭いはひどいものだった――苔や腐敗ではなく、古い肉と残り屑のそれだった。巨大な残り屑の。君は角を曲がるとその原因が突然明白になった。君はミノタウルスの小集団に対面した。背後には猪、両脇には険しい岩壁、そして飢えたミノタウルスが前方にいる。君の選択肢はそう多くない。
弓を掴み、君の狙いが正確であることを祈る。
君に残されているのは、神が救ってくれるかもしれないという希望だけだ。曇り空に手を掲げ、嵐の神ケラノスへと死に物狂いで祈りの言葉を叫ぶ。
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《》 アート:Adam Paquette |
空が裂け、水が注ぎ込まれて君をずぶ濡れにした。谷にはただちに水が溢れ始めた。もしかしたら君はもっと具体的に祈るべきだっただろうか? 素早く考えを巡らせ、君は頭上の岩棚を目にとめた。君は素早く登り、洪水がミノタウルスや汚物を地下へと洗い流すのを見た。始まった時と同じように速やかに、その嵐は終わった。ケラノス神へと感謝を捧げ、後に生け贄を焼いて捧げることを誓い、君は進んだ。前方には分岐がある。君はどちらへ行くだろうか?
樹木の茂る沼地
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《》 アート:Raoul Vitale |
谷を離れ、君は巨大な木々と厚くみずみずしい草に囲まれた、広い空き地に出た。太陽が君の衣服を乾かしてくれた。ここではハーピー達が日光浴をしており、彼女らの油ぎった羽根をつくろっていた。風向きが変わり、彼女らは君の匂いを感じ取った。気だるさは血への飢えへと変わり、彼女らはまっすぐに君へと向かってきた。
勇敢に君の弓を引き、ナイレア神への正当な祈りを唱える。
隠れる! あの鉤爪は見るからに恐ろしい!
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《》 アート:Seb McKinnon |
無慈悲な、刺だらけの蔓が草に覆われた地面から飛び出して、汚らわしい鳥どもを貫いた。君は何本かの矢を放つことができたが、君はまたナイレア神の手によって守られていた。感謝に祈りの言葉を正しく捧げ、君は捧げ物として貴重な水のいくらかを苗木へと注いだ。君がそうすると、二本の木が曲がって隠された小路が現れた。
険しい谷
隠された道
暑く乾いた洞窟
木々の間の小路は洞窟へと続いていた。空気は暑く乾いていた。反対側へと抜けると、君は小さな活火山の火口の中にいることがわかった。前方、むき出しの岩の上に、一頭の雄牛が堂々と立っていた。ニクスの輝きに淡くゆらめき、それは前方に続く唯一の道を塞いでいた。
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《》 アート:Sam Burley |
その雄牛を説き伏せようとしてみるか? それは一体の動物かもしれないが、もしかしたら神々の使いかもしれない。
雄牛が服従するまで取っ組み合う――君が故郷を離れた後でも、その格闘の武勇伝は君を追いかけてくるだろう。
その雄牛は君を見つめ、無言でまばたきをした。もしかしたらそれを避けて歩き去ることができる?
隠された道
不吉な小道
壮大なる戦いと、近くの溶岩から幾らかの火傷を負いながら、君は雄牛を服従させることに成功した。君が雄牛を離すと、それは道をゆずって君に通過を許した。
隠された道
不吉な小道
不吉な小道
真昼だが、太陽は雲に隠れていた。厚く不快な雲が陽光を覆い、君は黄昏の中に置かれていた。湿地の中、半ば腐った低木が君の足の下でぬめり滑った。君が通ると、その中でごみが動いた――旅装、荷車と馬具、古いポットと皿、リュート。この場所は君が子供の頃しばしば夢見た、馴染み深い場所だった。オドゥノス。
いや、本当のオドゥノスではない。それは君が寝る前に、兄から物語を聞いて泣いてしまった時に想像したものだ。なぜか、この場所は何かが違う。現実的ではない。それはまるで、君の予想に順応するようだった。君が詳細を加えると、自身を織り上げて更に明確な概念となるような。それはほとんど完璧だった。必要なのはただ......
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《》 アート:Robbie Trevino |
その金切り声を上げる馬は身体を傾けながら角を曲がって猛烈な勢いでやって来た。進み続けるにはやり過ごさなければいけない。君は......
手を伸ばし、優しく話しかけてその馬を宥める。
殺す!
先程見た馬具を掴み、それに取りつける――その馬の顎を君の肉から遠ざけておける唯一の方法だ。
驚いたことに、その馬は静まって君に撫でさせることを許した。どうやら君の信頼と穏やかな心がここの現実を変えたようだ。
馬具へと急いで戻り、君はそれを手に取ってほどき、横に避けると同時にそれを馬の頭へと滑り込ませた。君はしばらく奮闘し、馬は蹄を踏み鳴らして暴れたが、君は彼女の恐るべき噛みつきから安全に離れることができた。だが君はこの獣に何の目的もない。そのため君は馬具を近くの木の幹に縛り、進み続けた。
樹木の茂る小道
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《》 アート:Aaron Miller |
前方に一人のセテッサ人戦士がいた。彼女は恐ろしいほどに美しく、そしてそれ以上に威圧的だった。両手で槍を手にし、彼女は時間を無駄することなく直ちに君へと挑んできた。
「お前。私は迷宮の壁がお前の勝利に震えるのを聞いてきた。霊魂が私に語ってくれた、お前が探し求めるものを。先へ進むためには、お前は自分を守る存在を必要とするだろう。守護者は恐ろしく、神々の助力が無くてはただの定命の者が倒すことなどできない。イロアス様が私に授けて下さったこのベルトのような」
「セテッサ最強の戦士として、レイナ塔最強の戦士として、勝利の神イロアス様は私に贈り物を授けて下さった。これがあれば、私は勝利を保障はしないが、おまえが死にさえしなければ敗北はありえなくなる」
不死のベルト? それは少なくとも、迷宮の中央にある何かほどに強力なのだろうか? 君は単純にそれが欲しい! 君は...
彼女との戦闘に突入する! 彼女はセテッサの英雄かもしれないが、君はそれを彼女の屍からはぎ取るだろう。
会話を続ける。もしかしたら彼女をおだててそのベルトを貰うことができるだろうか?
彼女を無視して進み続ける。
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《》 アート:Matt Stewart |
切られ、叩かれ、そして勝ち誇り、君はベルトを締めて進み続けた。確かにこれは君の人々を救うことができる宝物だ――これで君は敵の軍勢と戦い、生き残れるだろう! だが生き残れるのは君だけだろう。君が愛したもの全てはまだ危機の内にある。君は自分一人だけで軍隊全てと戦うことはできない。君は進み続ける必要がある。[不死のベルトを手に入れた]
不吉な小道
地峡
彼女はその部分に興味を示したようには見えなかった。そして今彼女は君に迫っている。物事が複雑になる前に移動するのがよさそうだ。
不吉な小道
地峡
君は彼女を無視し、動き続ける。今や神々は沈黙し、そのベルトはおそらく役立たずだろう、何にせよ。
不吉な小道
地峡
地峡
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《》 アート:Rob Alexander |
地面は砂地へと変化し、君は砂浜へと歩み出た。小路はずっと先へと伸びており、二本の流れに挟まれた狭い地面になっていた。ここはまるで世界の果てのようだと感じながら歩いていくと、君は満足そうに草をはむ、落ち着いた家畜のいる平原へと出た。その家畜たちは君が見たことのあるどれとも少し異なっていた。何よりも、それらは巨大だった。更に、まるで夕焼けを映した真珠のような玉虫色をしていた。近づくと、玉虫色なのはそれら自身の色合いではなく、要素そのものなのだと君はわかった。この家畜たちはニクスに満たされている。神々の一柱のものであることは間違いない。
先へと旅を続けねばならない、もしくは戻らねばならないとてつもない距離を考えると、ともかくどこかへ行くために、それらの生物の一体に騎乗するという案は魅力的だった。雌牛達はとても大人しく乗りやすそうだが、彼女らではどこかへ辿り着くまでに少々時間がかかるかもしれない。だが彼女らの中にいる雄牛は勇ましい獣のように見える。君は背負い袋から縄をいくらか取り出し......
投げ縄で雄牛を捕え、仕留める。それらの角は一財産に値する。そしてその雄牛さえいなくなれば戻ってきて雌牛を一頭、もしくは全ての雌牛を手に入れるのは容易だ。
投げ縄で大人しい雌牛を一頭捕える。君は愚かではない。歩みは襲いが、競争には確かに勝つ。
投げ縄で雄牛を捕え、この場で乗る! 君に乗りこなせない動物などない!
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《》 アート:Yefim Kligerman |
乗り心地は不安定で思ったより少々元気が良すぎたが、君は掴まり続けることができた。君は嫌がる乗騎をどちらに向ける?
庭園
前方には壁に囲まれた見事な庭園があった。陽の光が当たる壁を背に、アクロスの暑い気候でしか育たないであろう植物が生えていた。壁の反対側の深い影の中には、通常はアスフォデルの最も深い影の中でしか育たない茸や菌類が見られた。
庭園に入ると君は黄金のきらめきを見た――あの獣か? 君は追い始め、そしてそれがまだその場所できらめいているのを見た。リンゴが一つ、陽光の中に揺れている。黄金のリンゴが。ただちに魅了され、君はそれを木からもぎ取ろうと手を伸ばした。
「取ったら駄目よ、私でもね」
君は素早く振り返り、驚いた。何処から聞こえてきたのだ?
「ヤッホー。上よ!」 見上げて、君は人間の少女を見た。「樹の中に隠れるなんて簡単。誰も見上げたりしないんだもの」
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《》 プロモーショナルカード版 アート:Dan Scott |
飛び降りて、彼女は続けた。「私はケイラメトラ様のためにリンゴの世話をしているの。お客さんは多くないわ。一つ差し上げたい所だけど、リンゴはケイラメトラ様のためのもの。でもこのごろ、何か神様に喜んで頂けたかしら......」
この小さな娘がこれらのリンゴを守っているというのか? ならば、とても簡単ではないか――
「......ずっと昔だわ! ケイラメトラ様は長いことお姿を見せておられない。あなたはここで何をしているの?」
彼女の突然の沈黙にはっとして、君はどうやって彼女から奪うのが一番良いかを考えていたことに気が付いた。多少の罪悪感があるかもしれないが、それらのリンゴはとても魅惑的だ。彼女は小さく、傷つけたくないほど無力に見える。だが君は心からそのリンゴが欲しい。君は......
君は通ってきた木立の中でケイラメトラ神を見たと彼女に嘘を言い、木の梢へと見に行くように提案する。彼女が梢にいるうちに、君はリンゴを一個奪って逃げられるだろう。
君がケイラメトラ神を喜ばせてきたであろう行いを全て、詩的に誇張して語る。その少女が気にしていたことだ。少女は君にリンゴを差し出すかもしれない、もし君がそれを受けるに値すると認めさせられれば。
彼女を殺す。それらのリンゴは君のものだ、神々は君を見捨てた、そして彼女のお喋りはとにかく煩わしい。
成功だ! それは美味しい軽食だが、特別な祝福を授けてくれるものには思えなかった。もしかしたらケイラメトラ神は、君が祝福を受ける値しないと知っているのだろうか? ああ、別に構わない。元気を取り戻し、君は進み続ける。
狭い地下道
地峡
君は抵抗を全く予測していなかったため、その小娘がナイフを見せて君へと迫った時は無防備だった。彼女は効率よく君を制圧し、君を庭園の外へとつまみ出した。明らかに、彼女はセテッサの戦士としての訓練を受けていた。ケイラメトラ神に選ばれし人々は翻弄されることはない。自尊心を慰めながら、君は進む。
狭い地下道
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《》 アート:Adam Paquette |
君は次第に下っていく狭い地下道へと近づいた。怖れが君の両腕に上ってきて、首の後ろがむずむずした。恐怖が暗黒の無を君の耳に囁く。君が何よりも望むのは引きかえすことだけだ。他に何も理由がなければ、そうしていたに違いない。君はまもなく迷宮の中央に辿り着く。一歩一歩、自分自身を前に進ませながら、君は地下道を下っていった。
深くへと進むと、陽の光は消えて近くの池でぼんやりと浮かぶ緑色の輝きがとって替わった。鼻息と引っかき音が、前方の暗闇の中にひそむ何かの存在を示していた。ゆっくりと近づくと、その道は物騒なケルベロスに守られているとわかった。その三つの頭には牙がびっしりと並び、その目は君をじっと見ていた。
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《》 アート:Svetlin Velinov |
弓をつがえ、ケルベロスが立っている場所をめがけて射る。
武器を脇に置き、素手で戦う、自然が求めたままに。
こっそりと迂回する。
君の最初の一矢は鱗のある額に跳ね返ったが、その獣の速度を緩めることはできなかった。君が再び弓を引こうとする間に、その三つの頭が迫って君の喉を引き裂こうとした。君は死んだかもしれない、だが違った。狼狽し始めながら、君は不死のベルトを思い出した。そして確信がうねりを上げた。弓を落とし、君は素手で戦った。三つの頭を締め、抑えた。疲れきって血を流しながら、君は意識を失った獣を地面に落とすと先へ進んだ。そこが最後の間だと信じて。
迷宮の中央
庭園
弓を落とし、君は素手で戦った。三つの頭を締め、抑えた。疲れきって血を流しながら、君は意識を失った獣を地面に落とすと先へ進んだ。そこが最後の間だと信じて。
迷宮の中央
庭園
迷宮の中央
よろめきながら進み、崩れ落ちそうになりながら、もし更なる挑戦があるのならば降参することを考えながら、君は顔を上げて、小道が上り坂になっているのを見た。陽光が差し込み、大気には光の塵が楽しそうに踊っていた。
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《》 アート:Cyril Van Der Haegen |
外は開けた森だった。足元では花が咲き誇り、大気は澄んで清々しかった。空き地の中央に、黄金に輝く角と、迷宮の模様の毛皮を持つ、君への褒賞がいた。ナイレア神自身が姿を現したとしても、これほど君を喜ばせはしなかっただろう。これで、君は街を救うための資源を得ることができるだろう。疲労しながらも、君は膝をついて神々に感謝を捧げた。
君は戻る行程について考えこんだ。肉体的な状態と空の背負い袋について心配が募り、だが君の周囲で世界が融けた。君は自身が再び、迷宮の霊魂の前に立っていることに気が付いた。
長く、我が褒賞は持ち主なく壁の中を放浪していた。汝の勝利を妬むことはせぬ。行け、そして知れ。汝が求めるものはここに、安全にある、汝が求めるまで。我に彼女の名を告げるがよい、さすれば汝を彼女のもとへと連れ行こう。
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《》 アート:John Stanko |
君がその小道を駆けていると、怒れる蔓が君をさえぎった。先へ進もうとするほどに、それらは深くなった。君は来た道を戻ろうとしたが、密集した刺は君の皮膚に深く沈み、君をその場にくぎ付けにした。君は世界が蔓で黒くなるのを見た。小さな白い可愛らしい花が所々に――あれがアスフォデルの花か? 蔓は君を、生命をくれる空気から断ち切った。
君は窒息により死亡した。
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《》 アート:Greed | Izzy |
君の黄金への飢えは君に勝った。将来の利益に取り乱し、君は死へと叩きこまれた。
君は強欲から死亡した。
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《》 アート:Cynthia Sheppard |
あまりにも甘く見すぎた。君は手に余るような事をしようとした。多分、何かが今君を噛んでいる。
君は思い上がりから死亡した。
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アート:Mike Sass |
君はこれらの壁の中をさまよう者の最もありふれた理由で死んだ。
君は食われて死亡した。
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《》 アート:Arnie Swekel |
君は進み続け、壁はますます荒れ果てていった。君が振り向こうとした時、小さな石が一つ緩んでいるように見えた。君は不吉なきしみ音を聞き、そして壁が君の周囲と背後で完全に崩れた。君は崩落を生きのびたが、瓦礫の下で身動きがとれなくなってしまった。君を引きずり出してくれるものは誰もいない。
君は乾きにより死亡した。
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《》 アート:Jim Murray |
君は子供が「ハイドラとハーピー」を遊ぶように、「もし自分がそいつらを見ていないなら、そいつらも自分を見ていない」戦略に絶望的に頼り、それに支えられてよくやってきた。君は丸太の後ろに隠れて息を殺した。だがどうも、この迷宮の怪物どもはもう少々しつこいようだ。
君は臆病から死亡した。