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プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その1
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プレインズウォーカーのための「ギルド門侵犯」案内 その1
The Magic Creative Team / Tr. Mayuko Wakatsuki / TSV Yohei Mori
2012年12月5日
この記事は「プレインズウォーカーのためのギルド門侵犯案内」の第一回となる。「プレインズウォーカーのためのラヴニカへの回帰案内」その1ではラヴニカそのものとセレズニアギルドについて、その2ではイゼットとゴルガリの両ギルドについて、その3ではアゾリウスとラクドスの両ギルドについて述べた。今回はディミーアとボロスを扱う。
ラヴニカの概観
ラヴニカは全てが都市に覆い尽くされた世界である。石畳の広がる市民広場、空を貫くゴシック風の尖塔、ざわめく青空市場、種族と文化が混じり合う大都会。街路を通行する異国的な生物の群れ、裏通りの取引と犯罪組織、魔力を注ぎ込まれた蒸気トンネル、巨大な地底街の下水道の空洞、ゴシック様式のアーチで飾られた大聖堂が並ぶ街区、スラム街と化した廃墟、壮麗な噴水、対立するギルド同士の表と裏での抗争、都市公園と都会の自然保護区。ゴブリンの物乞いにエルフの路上シャーマン、法術士や都市の騎士達、屋上に潜むスパイと下水で軋み声を上げる捕食者達――これら全てがラヴニカではありふれている。
ラヴニカを特徴づけているのは10のギルドであり、そのうちの幾つかは新たなギルドマスター達がギルドを支配しようとしてきた。加えて新たなプレインズウォーカー達がラヴニカの多様な魔法と資源を求めて訪れており、そして新たな陰謀と計画が世界の基礎を揺るがす脅威となっている。
?ディミーアの概観
地底街の暗く滑りやすい通路にはディミーアギルドの手による目的不明のネットワークが広がっている。ディミーア家はラヴニカにおける公然の秘密といえる。人々はディミーアの存在を知ってはいるが、それが存在しないかのように振る舞う。ラヴニカでのディミーアの役割は、彼らのその秘密主義を武器と防具の両方として使い、他のギルドができない(あるいは敢えてしない)活動を秘密裏に行うことである。秘密工作員の多くはほんの一握りの連絡先しか知らないが、ディミーア家はそういった秘密工作員を利用して身内からも姿を隠す。ディミーアの工作員は痕跡を残さず、その犯罪の目撃者の記憶を破壊し、ときには自分自身の仕事の記憶すら消去してしまう。
裏話:ザデックの失脚とラザーヴの台頭
旧ラヴニカ三部作の最後にて、ディミーアの前ギルド指導者である吸血鬼ザデックは滅ぼされたも同然となった。彼の物理的肉体は破壊され、その魂はアギレム、幽霊達の領域へと追放された。そして彼のディミーア家への支配は終わった。ザデックを失い、ディミーアギルドはほぼ完全に消滅した。他ギルドへと離脱する者やラヴニカ大衆へと加わる者達もいたが、その全員がかつてディミーア家の一部であった記憶を保持していた。
一方、素性不明の存在がザデックの消滅を利用した。ラザーヴと自称する驚異的な熟達のシェイプシフターだった。一連の不可解な方法と多くの偽装を用いて、彼はザデックの消えゆく魂と交信することのできる解しがたい魔法を使えると主張した。その呪文が完成するとラザーヴはザデックの名前を叫び、そして古のラヴニカの歴史を不明瞭な口調で語った。彼は吸血鬼ザデックの何千年分にも相当する記憶の残滓を利用しようと試みた、そう信じる者もいる。儀式が完了してからラザーヴの振舞いは常軌を逸したものとなり、彼の計画は力を求める方向により深まった。ディミーアのギルド員でさえ、ラザーヴが何から力を得ているのか、もしくは彼に影響を及ぼしているのが何なのかを知る者はほとんどいない。だがディミーアの工作員の何人かはラザーヴの囁きをその精神で聞いたと主張しており、また彼はどうやらディミーアの過去から現在に至る全ギルド員の精神へと細いリンクを形成することができるのだと信じている。
アート:David Rapoza |
ラザーヴ、ディミーアの新ギルドマスター
ディミーアのギルドマスターとなる資格について言えば、ラザーヴは比類なき存在かもしれない。彼はディミーアのネットワーク全体で共有される精神感応網から不可思議な知性を閃かせる、多相の魔道士である。彼は必要や計画に応じて様々な姿に変身する。たとえば年老いた老婆の格好をしてラヴニカの街中へ繰り出しバザールで会話を盗み聞きしたり、アゾリウス評議会のヴィダルケンの軽騎兵に化けて検問所をすり抜けたり、ブリキ通りの商人に変身して通りすがりの貴人を騙すこともできる。ディミーアの工作員の中には、ラザーヴが今やニヴ=ミゼットの密かな計画を嗅ぎ付け、自らの目的のためにそれを利用しようと画策していると考える者もいる。
ディミーアの上下階層
少なくともディミーアには二つの階層が存在する。「公然」の階層、ラヴニカの一般大衆へと公開することが許されているギルドの表側と、「潜伏」の階層、ギルドの隠れた内部でありラヴニカ市民がその存在を見ることも、推測することすら滅多にない側である。
「公然」の階層
ディミーアはラヴニカの他のギルドのように、都市のための公的役割を務めている。彼らはしばしば案内人、調査員、記者、記録者として働いている。彼らには二つの意図がある。ラヴニカ一般へとギルドの「友好的」な面を見せること、そしてディミーアの地上における目や耳となることである。ディミーアギルドの新規志願者の多くはその信頼性を証明することができるまで、「公然」階級の工作員として活動を始める。
「潜伏」の階層
ディミーアは工作員、スパイ、暗殺者、精神魔術師達のネットワークからなる。ディミーア家の「潜伏」階層では伝達のために秘密の符号、魔法印、信号といったものをしばしば平凡な風景の中に隠して用いる。「潜伏」のディミーアはまた、任務が完了するやいなやその記憶を消し去る精神感応式公式声明といったような神秘的な形態の精神魔法を多数用いる。
アート:David Palumbo |
「内密」の階層
だがその構成員にさえ秘密とされているディミーアの階層が存在する。ギルドの最下層、ギルドマスター・ラザーヴと彼が直接指示する者たちがギルドの運営を進め、操作している。ディミーア家の構成員は誰が何故命令したかを知ることなく暗殺し、ゆすり、揺さぶりをかける。命令は思考の航跡と精神急使を通じて届けられ、この最深階層へと繋がる痕跡は一切残されない。ギルドのこの最下層はラザーヴの記憶結界によって守られている。命令を受け取るために接触し目撃することは許されるが、永続的にその記憶を保持し続けることはできない強力な一方通行の魔法である。
再興せし知られずの館、ダスクマントル
ディミーアの本拠地であるダスクマントルはザデックが失脚してから荒廃の一途をたどり、そこへ至る道筋も分からなくなってしまった。ダスクマントルはラヴニカの地底街奥深くに再建され、記憶の結界によって守られるようになった。そのためその正確な場所は言うに及ばず、ダスクマントルが本当に存在するのかどうか知っている者も居ない。
イスメリ図書館
ディミーアの重要な施設の一つはラヴニカ中によく知れ渡っている。表向きにはギルド無所属のイスメリ図書館がそれである。その図書館は全市民へと開かれており、ディミーアのギルド員達によって独占的に運営されている。多くのギルド――とりわけアゾリウス、オルゾフ、ボロス――は皆、図書館の壁の内側で何かが行われているに違いないと知っているが、それが何であるかを見極めることはできていない。ありふれた風景の中に犯罪が進行しているという考えが彼らを駆り立て、ディミーアの企みを解読、看破しようとしている。イスメリ図書館はディミーアの連絡網の中心の一つである。伝言はそこに保管されている何十万冊もの本の中に魔法的に隠される。ディミーアの工作員達はこの図書館を伝言のやり取りや、伝言の断片を複数の文書から集めるために使用する。ラヴニカ市民は、彼らが読んでいるその本や巻物がディミーアの任命、指示、暗殺の標的を綴る謎めいたメッセージを含んでいるかもしれないと知ることは決してない。
ディンロヴァ高層建築、魔術師の集会場
ディンロヴァとして知られる巨大な建築物の屋上に、ディミーアの最高位のギルド魔道士達の協議会が存在する。通常、屋根は閉じられている。だが夜間の儀式の間には天井板が開き、ディミーア独特の、蝙蝠のようなディンロヴァの建築様式が露わになる。詮索好きな目や不必要な訪問者を遠ざけるため、スペクターやその他恐ろしい怪物達がディンロヴァの空を警戒する。
アート:Johann Bodin |
悪徳小路
適切な賄賂を手に適切な人材を求める人々にとっては、悪徳小路は強奪、強迫、殺害、そして収賄といったディミーアの巨大ネットワークの先端へと接触するための最終目的地となる。問題を抱えるラヴニカ人の多くが悪徳小路へと辿り着き、数百枚軽くなったコインとともにただ戻ってくる。自分がどこにいたかの見当もつかないような状態で。だがその人物が帰宅すると、問題は不可解にも解決しているのだった。
夜帷
夜帷地区にはディミーアの精鋭が居住している。天然の洞窟構造を精巧に作り上げた広い区域に建築された夜帷は都市冒険家の楽園と言えよう、もしもその者が霊の守護者をやり過ごすことができるのであれば。ねじれ曲がったトンネルと門が、水没した墓所と全てがディミーア様式の建築からなる高く壁を巡らせた豪邸へと導いている。夜帷の住人達については様々ないかがわしい策略に関わる大きな疑惑があるが、彼らの悪行を標的としたあらゆる試みをいかにしてか逃れている。これはディミーアが勤勉にも、彼らの記憶の痕跡を全て消し去った結果だが、同時に様々なギルドに忍びこみ、犯罪的試みを遂行するおびただしい数の工作員の活動によるものでもある。オルゾフの法術士、アゾリウスの法廷弁護士、ウォジェクの警視長達、それら全ての中にディミーア家の工作員が潜んでいる。
平凡な風景の中に
予想可能なものは探知されうる。よってディミーアには特別な日も、習慣も、儀式もない。もしもダスクマントルで集会が開催されたなら、同じ時間、同じ日にもう一度はまず確実に行われない。ダスクマントルは二度と同じ場所に存在することは絶対ない、そのギルド本拠地は移動要塞のように壊されては再建されるのだと疑う者さえいる。ギルドの表面ではディミーアは、予測可能で習慣に満ちた生き方をし、できる限り平凡でいることを努め、堅実な仕事を持ち、共同体に参加することを奨励している。だが常に耳をそば立て目を開きながら、情報の断片までも可能な限り全て吸収しながら、最終的にはギルドの役に立つ時を待っている。
潜伏工作員
ラザーヴがザデックの霊的意識と接触した、もしくはそう主張した時、彼はラヴニカに散り散りになっていたディミーアの潜伏工作員達の存在を知覚した――今や他のギルドに深く入り込んでいた者まで。彼ら潜伏工作員達は精神感応によって命令を受け取り、その命令に着手すべく「起動」され、そして彼らの関与を再度魔法的に忘れる。ザデックの意志はそう告げていた。これまでのところ、ラザーヴは潜伏工作員達を制御する方法を学び始め、そして他のギルドについての情報を集めるために何人かを「起動」することができただけである。もしも彼が潜伏工作員達をより深く制御することを学んだなら、彼は自身の陰謀を動かすために他のギルドを揺るがし、利用し、支配できるようになるかもしれない。
アート:Zoltan Boros |
他のギルドに対するディミーアの態度
アゾリウス:「知識が持つ真の力を無駄にしすぎているな。今しばらくは書類をかき混ぜているがいい」
オルゾフ:「オルゾフのけばけばしい建築は、あの者達自身の腐ったちっぽけな精神への下り階段だ」
イゼット:「知識の真の探究者だが、あの者達の道具は無秩序で方向性を欠いている」
ラクドス:「肉体は精力的だが、心は弱いな」
ゴルガリ:「我らの屍と塵を持っていけ、それとお前の臭いも忘れずにな」
グルール:「暴動や身代り、もしくは両方が必要になった時は、いつもグルールが間抜けにも解決してくれる」
ボロス:「予測可能な物事は何であろうと破壊できるし、ほんの少しの先見で変更が可能だ」
セレズニア:「我らが世界魂に浸透できたならばすぐに、あの者達は他のギルドでは不可能なほどに我らを支えるであろう」
シミック:「精神は異質だが、あの詮索好きは我らをそそる。入り込む方法を見つけねばならぬ」
?ボロス
ボロス軍は正しき法と猛々しい正義を司るギルドである。ラヴニカ最精鋭の軍隊であるボロスは、手際よく自信を持って、熱狂的にその理想を追求する。ボロスの本拠地、サンホームは要塞として、兵舎として、そして信仰の場として機能している。パルヘリオンⅡとして知られる浮遊要塞は破壊されたパルヘリオンⅠの残骸から修復され、ラヴニカの空にて畏敬の念を起こさせる場所となっている。
ボロスは法に厚い信頼を寄せている。彼らにとって法は社会が機能するために必要な骨格であり、社会の健康と安全を導く指針となっている。法の文言に違反したり、法の精神を脅かしたり、あるいは法の執行を妨げるものがあれば、それはボロス軍の敵とみなされる。 実際のところは、ボロスに同意しなければそれだけでボロスの敵となる。
アート:Eric Deschamps |
ボロスギルドの構造
ボロスは熱狂的に正義と共同社会の利益を奉じ、そして彼らはそれらの信念を実行するためにいかなる手段も使用することを厭わない。このギルドは階級組織的であり権威主義的構造をしている。ボロスの全構成員は、より上位の階級と下位の階級の間に位置する自身の地位と、それら異なる地位間の約束事を熟知している。昇進したいという個人的野心は阻止される。ギルド構成員達は、ギルドと社会へと奉仕する互いへの尊敬を学ぶ。軍の中では、誰もが階級を基礎とした明確な役割を持つ。歩兵から天使まで、各個人がボロスの理想を効率的に執行するために特別な責任を課されている。情熱と熱狂は奨励されている、それらがギルドの信念構造の内に適している限りは。
オレリア、ボロスに好戦性をもたらすもの
ギルドの現在の指導者は大天使の位へと昇ったかつての戦導者、オレリアである。ボロスの創設者ラジアが死亡し、前任のギルドマスターである天使のフェザーが不名誉の誹りを受けたことで、戦導者オレリアはギルドの権勢を手にした。オレリアはフェザーの支配に挑み、不名誉の天使に権威と敬意は望めないと主張した。多くが従い、また彼女を支持しなかった者達は速やかに黙らせられた。今や彼女の権威は確固たるものとなり、オレリアは創設者ラジアと同等の尊敬を得ている。ラジアはある種の看板であり、超然として人を寄せつけなかったが、オレリアは活発で精力的な指導者として配下と直接関わりを持っている。
ギルドへのオレリアの挑戦
オレリアはボロスの戦場を冷静に再考し、何千年もの間続いてきたボロスの攻撃計画を書き直した。彼女はまた兵員の新しい戦略的配備を行い、多数の兵士達による大規模な攻撃のための召集を可能にした。ウォジェク警官隊と伝統的ボロス軍をラヴニカのあらゆる地区に存続させながらも、彼女はまた命令系統の上部を「戦域」へと分割することを課した。「戦域」は四つ存在し、それぞれが彼女に近しい助言役の一人の命令下にある。この動きはウォジェクと軍隊の司令官達へと幾らかの驚きをもたらした、だが彼女の決定へと反抗の意志を示す者はいない。
弱き者はボロスの階級の中に存在を許されない、オレリアはそう信じている。彼女は新たな戦術を唱え、攻撃部隊を整えた。既にオレリアは既存のボロスのあらゆる理想を手にし、その強烈さを高めている。外部の者にとっては、彼女は戦争屋である。献身的な信奉者にとっては、彼女はギルドの熱情的な理想を体現しながらも、より素晴らしい効果を得るために古い非効率さを切り裂く存在である。
アート:Slawomir Maniak |
ボロスの役割
ボロス軍には他ギルドのほとんどがその全てを追いきれないほどの非常に多くの階級と位が存在する。その幾つかをここに記す。
天使の戦略家、戦導者
過去、この天使達からなる古の位はボロスの為の千年戦略を創造した高次戦術家達で成り立っていた。だがその学識の広さにもかかわらず、彼女らは日々の戦闘計画やギルドの兵站学から離れていった。オレリアは戦争をより実践的に行う方向性へとその焦点を変えた。
戦争の模範、炎まとい
炎まといの天使達は一対一の戦いに特化した神聖なる闘士である。一人の炎まといはほぼどのような単独の敵対者をも打ち負かすことが可能なため、彼女は滅多に命令を与えたり従ったりはせず、一人で戦うことを好む。
戦団の天使達
この戦天使の階級は空騎士の演習や編隊へと積極的に参加する。自身の軍勢を指揮し、将軍や司令官と合同で動く者もいる。ラジアの下では、このような階級の混成は信じられないものだったかもしれない。だがオレリアは、これは階級制度を維持しながらもボロスの理想を達成するための効果的なやり方であると信じている。
ギルド魔道士
ボロスにおいて、ギルド魔道士は宗教的献身、秘術の制御、そして軍事的威力等が合わさった専門家である。そしてボロス軍において、天使でない者達が到達しうる最高階級の一つである。ボロスの伝統に従えば、ギルド魔道士達は天使達から直接手ほどきを受けられる唯一の階級である。だがオレリアは最近、歴史的慣例よりも有効性を重要視してこの制限を緩和した。
ボロスの軍隊:理想のための闘士達
軍事部門はボロスギルドの大半を占めている。そこには献身から得られる名声、影響力、そしてその理想を守るための無慈悲さがある。ボロスの軍隊には以下の役割が含まれる。
速太刀
戦闘に突入する最初の兵士達。彼らは強襲と占領に特化したボロスの先遣部隊である。
炎の血族
ボロスの鎧を纏う炎のエレメンタル。彼らは兵卒とともに戦い、また兵士達の武勇の象徴ともなる存在である――そこに集結すべき、一種の生ける旗印である。
アート:Todd Lockwood |
空騎士
ラヴニカ空軍を担当する、ロック鳥に騎乗したボロス兵。彼らはほとんどのラヴニカ人にとても愛されている。多くの者が結構な有名人となる――その勇敢さと大胆さを称賛されて。ウォジェク連盟にはその片割れとも言うべきスカイジェク達がいる。
秩序の執行者、ウォジェク連盟
これは法と秩序を執行する、ボロスの一部門である。
ウォジェクは市民の財産と安全を守り、犯罪を捜査し事件を立証し、アゾリウスへと引き渡す。ウォジェク連盟には一般市民の混乱を取り除くことが課せられており、その構成員達は混雑したラヴニカにおける調停者としての機能を担っている。彼らはまた、ギルド間の平和維持を期待されている。必要とするいかなる手段によっても秩序を維持することが、ウォジェク連盟の原動力となっている。
スカイジェク
スカイジェクは空騎士の軍団兵達の片割れである。ロック鳥に彼らが騎乗して巡視する姿は、ラヴニカの空でよく見られる光景となっている。彼らは捜査こそ行わないが、巡視に専念し平和を維持している。
戦域
オレリアが助言者達の特別部隊を召集し、それぞれが戦域を監督している。各戦域はボロスにとって価値のある特別な事案に専念している、ギルドの一部門である。
秩序の戦域
- 監督:警視長グロズダン
- 本部:カメン要塞
- 意義:ラクドスの暗殺者と無差別連続殺人者の殲滅
警視長グロズダン
ミノタウルスの男性兵士グロズダンは、ラクドスの暗殺者と連続殺人犯達を逮捕・殲滅する役割を担う。無差別的暴力の脅威は共同社会を滅ぼす病であり、撲滅しなければならない。オレリアの命令は明確である。グロズダンは個人個人を追跡することに集中するよりも、ラクドス教団の重要地点と歓楽街を目標とする戦略をとっている。過去にボロスはラクドスの娯楽クラブを、殺人や乱痴気騒ぎがその扉から溢れ出すまで放置していた。だが今、グロズダンの軍勢はクラブを標的に定めている――それが合法的に設立されたという見せかけがされていようとも。だが今のところ、この戦略はラクドスにさほど影響を与えていない。彼らのクラブのほとんどは頻繁に移転し、ボロスはそれらを鎮圧できてはいない。だがグロズダンはとても精力的であり、ラクドスは彼に対して極めて苛立ちを募らせつつある。
アート:Greg Staples |
高潔の戦域
- 監督:アンクサ警部
- 本部:ゼルゾー基地
- 意義:ディミーアとその他犯罪社会活動
堕落の調査官、アンクサ
アンクサ警部は最年少でその地位を得た女性ウォジェクである。彼女はディミーアの犯罪活動を終わらせるための特別部隊を率いてその地位に就いた。彼女はまたオルゾフや他のギルドへも同様に伸びる犯罪網の捜査を課せられている。オレリアの要望により、アンクサは「戦想主導権計画」の一環としてイゼットの新たな発明品を調査吟味する特別な一団を任命した。内部では、その一団は死の旅団と呼ばれている。オレリアは幽霊に対して、特にオルゾフの幽霊議員に対して病的なほど疑り深く、その脅威を取り除くことを求めている。
築城の戦域
- 監督:軍の首席ギルド魔道士にして助言者タージク
- 本部:サンホーム
- 意義:戦想主導権計画
ギルド魔道士タージク
助言者タージクはボロス最高位のギルド魔道士である。彼はボロスの武器と戦闘力を増やすためのイゼットとの共同研究活動、戦想主導権計画を担当している。
戦想主導権計画
サンホームにて、ボロスは究極の兵士、究極の秩序、そして究極の統制を手に入れるために必要な妥協案として、イゼットとの共同研究を検討している。ボロスが成し遂げることができるであろう完璧な社会、それは戦争手段の発展によるものになるだろうとオレリアは信じている。戦想主導権計画の幾つかは目下、下記のものを含む。
- 製錬地区周囲に、イゼットの錬金術を用いて帯電した壁、検問所、警報システムを築く
- エレメンタルを満たした蒸気スーツでボロス兵を強化する
- 炎の血族の兵士達の為により強力な武装を開発する
- 石の巨人や他のエレメンタルを起動させ、都市の守護者として役立たせる
- イゼットの魔法を用いてより強力な包囲機械、武器、戦場用罠を作り上げる
アート:Anthony Palumbo |
補充の戦域
- 監督:ヤゼン地区指令
- 本部:ホライゾン軍学校
- 意義:教育と徴兵
新兵補充者、ヤゼン司令官
ヤゼンは空騎士を務める人間の男性で、その勇敢さと戦略的思考をもってその地位へと昇格した。彼は今、ホライゾン軍学校の部隊の司令官兼校長である。ボロスの完璧な社会を創造するために、ギルドは若者に狙いを定めねばならないとオレリアは信じている。そのため他の軍事的部門がそれぞれの訓練所を所有する中、オレリアは意図的に教育活動の旗艦としてこの学校を設立した。
空の監視者
ヤゼンは辺鄙な地区に監視所と駐屯地を設立した。彼は騎乗部隊を拡充し、ロック鳥やグリフィンの繁殖と訓練を奨励している。今やヤゼンの下、ボロスの調教師と飛行騎乗者ほぼ全員がホライゾンを本拠地としている。少なくとも十の空騎士の戦隊が常に空を巡視している。
他ギルドに対するボロスの態度
アゾリウス:「持つに値しない力を振るうために法を武器にする、傲慢で法律尊重主義のもったいつけた奴等」
オルゾフ:「正義も公正さのかけらもない、自分勝手な偽善者達です」
ディミーア:「不道徳な蛇どもは、共同社会の利益のために皆殺しにしなければ」
イゼット:「彼らの呪文術が制御されている限りは、社会にとって有益になりうるでしょう」
ラクドス:「不道徳な鼠どもは、共同社会の利益のために皆殺しにしなければ」
ゴルガリ:「全体の利益のために必要不可欠な機能を担う、不幸せなギルドです」
グルール:「真の正義に触れたことのない迷える魂たち。だがもしも正しい機会さえ与えられたなら、ボロスの理想を抱くことができるでしょう」
セレズニア:「彼らの共同体への献身は尊いものですが、完璧な社会というものがどのような姿をとりうるか、思い違いをしています」
シミック:「秘術と無意味な実験に心を奪われている、無駄ばかりのギルドです」
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