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《ゴブリンの戦煽り》
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《ゴブリンの戦煽り》
Jacob Van Lunen
2011年1月19日
ミラディン包囲戦プレビュー第1週にようこそ。次々公開されていくビジュアル・スポイラーを見る限り、ミラディン包囲戦はマジックの歴史を振り返ってみてもトップクラスにエキサイティングなセットになることでしょう。4マナで召喚される《刃砦の英雄》は、攻撃すれば最低でも7点をたたき出します。さらに《幽体の行列》と繋ぐことを考えてもいいかもしれません。《最後のトロール、スラーン》は、エクステンデッドでの私の《憤怒の鍛冶工》デッキの勝率を上げてくれることでしょう(《最後のトロール、スラーン》がシャーマンであることに注目した人は他にいるんでしょうか?)。《裏切り者グリッサ》はクリーチャーの消耗戦を《処刑人の薬包》で制する助けになってくれることでしょう。プレビュー期間は始まったばかりですが、既にこれだけの新しい戦略的選択肢がデッキビルダーたちに提示されているのです。
私はずっとトークン系戦略の大ファンです。複雑な盤面を作って、対戦相手を戦闘で打ち負かすのが好きです。こちらにトークンが2?3体いるだけだと見た対戦相手の多くは攻撃することなど考えもしませんが、揺り戻しの可能性はしばしば恐ろしいモノがあります。トークン・デッキの最大の問題は、歴史上、盤面の優位を失わずに攻撃する能力がないと言うことです。あなたの戦力が1/1だけからなっていたら、総攻撃した時に相手のクリーチャーが攻撃クリーチャーを飲み込んでくることでしょう。過去において、人々は《栄光の頌歌》や《踏み荒らし》のようなカードを使ってこの問題を解決してきました。そして、ミラディン包囲戦は新しい解決策を提供してくれたのです。
喊声!
ミラディン人がお互いに協力しなければ、ファイレクシアの終わりなき軍勢に太刀打ちすることは出来ません。喊声は、フレイバーに溢れたメカニズムで、もちろん構築でも使えるものです。喊声は盤面の状態を健全に保たせようとするプレイヤーの味方です。トークンを出すデッキは喊声メカニズムで特に強化されるでしょう。
それがこの《ゴブリンの戦煽り》です。
《包囲攻撃の司令官》のパワーはこれだけで9点になります。《カルドーサの再誕》のトークンのパワーは2倍になります。第4ターンにトークンを3?5体出していたとして、相手はまだ大したことはないと考えるに違いありません――あなたが《ゴブリンの戦煽り》と《ゴブリンの奇襲隊》を出すまで! 速攻2体の登場、さらに《踏み荒らし》効果で、盤上の状況は一変します。
そうそう、喊声は共有チーム・ターン変種ルールの下でさらに威力を発揮します。喊声持ちのクリーチャーが攻撃すると、あなたのチームメイトの攻撃クリーチャーも強化されます。チームメイトが《幽体の行列》や《急報》などを入れた白のアグロを使ってくれれば、あなたの喊声クリーチャーの能力は最大に引き出されるでしょう。次に、カジュアルな双頭巨人戦で使うようなデッキを紹介します。
21 《平地》 4 《風立ての高地》 -土地(25)- 4 《調和者隊の聖騎士》 1 《警備隊長》 4 《アイケイシアの触れ役》 2 《ルーンの母》 -クリーチャー(11)- |
1 《主の募兵》 4 《征服者の誓約》 4 《解呪》 3 《分霊の確約》 4 《急報》 4 《幽体の行列》 4 《剣を鍬に》 -呪文(24)- |
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24 《山》 -土地(24)- 4 《ゴブリンの王》 4 《ゴブリンの戦煽り》 4 《モグの戦争司令官》 4 《包囲攻撃の司令官》 -クリーチャー(16)- |
4 《弧状の稲妻》 4 《ドラゴンの餌》 4 《巣穴からの総出》 4 《ゴブリンの突撃》 4 《稲妻》 -呪文(20)- |
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もし運良くプレリリースで手に入れることが出来たら、《刃砦の英雄》を入れるのも良い感じです。私は自分でもいくつかカジュアル用のデッキを持っていますし、マジックをとてもカジュアルな環境で友達とプレイするのに大量の時間を費やしています。こういうデッキは新しいメカニズムを極限まで引き上げる、楽しい方法の一つです。喊声がいいものなら、このデッキもうまく動くでしょう。こういったデッキはゲームの序盤からすごいパワーが出るものです。特に、両プレイヤーが喊声持ちのクリーチャーを引いていたらなおのことです。《剣を鍬に》のようなカードがデュエルデッキ:エルズペスvsテゼレットには入っています。手に入らなければ、他の白の単体除去に入れ替えてもいいでしょう。
狂えるエルドラージ
《ゴブリンの戦煽り》は一見すると認定イベントで使える強さには思えないかも知れませんが、エルドラージ・落とし子・トークンがいる世界では喊声は馬鹿に出来ない戦力と鳴ります。トークンを悪用する方法の中で私が気に入っているモノの一つに、《獣使いの昇天》があります。現在のスタンダードで《獣使いの昇天》を何とか出来るカードはほとんどありません。第1ゲームで止めるカードは、《乱動への突入》ぐらいでしょう。
4 《銅線の地溝》 6 《森》 4 《カザンドゥの隠れ家》 6 《山》 4 《怒り狂う山峡》 -土地(24)- 4 《エムラクールの孵化者》 4 《ゴブリンの戦煽り》 4 《ジョラーガの樹語り》 4 《コジレックの捕食者》 4 《ラノワールのエルフ》 4 《巣の侵略者》 -クリーチャー(24)- |
1 《目覚めの領域》 4 《獣使いの昇天》 3 《野生語りのガラク》 4 《稲妻》 -呪文(12)- |
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こういったデッキは、簡単に《ゴブリンの戦煽り》の力を最大に発揮させてくれます。カードが揃わなければ、《怒り狂う山峡》を《根縛りの岩山》と入れ替えても問題ないでしょう。トークンがこれだけ作り出される環境なら、《ゴブリンの戦煽り》は盤上に大戦力をもたらしてくれるのです。
赤デッキの未来
読者の皆さんから、スタンダードで白カード抜きで赤デッキをプレイしたいというメールをたくさん受け取りました。《ゴブリンの戦煽り》をカルドーサ・レッドに入れると非常によく働いてくれます。カルドーサ・レッドは最近のスタンダードに存在する速攻デッキで、早いうちに大量のダメージを与えるというものです。《感電破》や《ゴブリンの奇襲隊》を使ってゲームを決めてしまうのです。
《ゴブリンの先達》は史上最強の1マナ攻撃クリーチャーと言えるかもしれません。はっきりそうだとは言えませんが、相手が先手第1ターンに《ゴブリンの先達》を出してきたゲームでの私の勝率は20%を切ってると思います。1マナで、速攻を持っていて、2/2。《サバンナ・ライオン》は一体何だったんでしょうね?
《メムナイト》は1/1ですが、コストは史上最低です。《感電破》はアーティファクト中心のデッキなら4点たたき出してくれることでしょう。それに、もちろん《カルドーサの再誕》のためにもアーティファクトは必要です。デッキに入った装備品を考えると、どんなクリーチャーでも戦力になってくれることでしょう。
《ゴブリンの奇襲隊》はこのデッキの多くのカードと凄いシナジーを見せてくれます。《ゴブリンの戦煽り》を唱えたターンにこれを唱えると、クリーチャー2体増えての《踏み荒らし》みたいなものです。私の一度目の突撃が終わって《浸透のレンズ》だけが戦場に残されている第5ターン、アンタップして――装備品を生け贄に《カルドーサの再誕》を唱え――《ゴブリンの戦煽り》を唱え――《ゴブリンの奇襲隊》をキッカーつきで唱える! このターンのダメージは何と15点。《溶岩の撃ち込み》5発と5枚の土地が戦場にあるかのようです!
《ゴブリンの酋長》は常時自分のゴブリンを強化して、強くて身軽にしてくれます。《カルドーサの再誕》につなげれば、さらに魅力的です。この《ゴブリンの酋長》の凄いところは、トップデックがはるかに有効になるというところです。強化と速攻によって、《カルドーサの再誕》や《ゴブリンの戦煽り》の価値も最大限以上に引き出されることでしょう。
《カルドーサの再誕》は1マナで3体のゴブリンを出してくれます。生け贄に捧げるためにアーティファクトが必要ですが、0か1マナのアーティファクトが12枚入っていれば問題ありません。《カルドーサの再誕》はこの戦略の中核です。《ゴブリンの奇襲隊》、《ゴブリンの酋長》、それに《ゴブリンの戦煽り》は《カルドーサの再誕》と組み合わせると飛躍的に強くなるのです。
《恐慌の呪文爆弾》は《カルドーサの再誕》で生け贄に捧げてもカードが減らないアーティファクトです。また、《恐慌の呪文爆弾》を使ってゲームを決めてしまうことも出来ます。相手の最大のクリーチャーを戦闘に参加できないようにしておけば、大軍で相手を押しつぶしてしまうことは簡単です。
《ダークスティールの斧》も、《カルドーサの再誕》で生け贄に捧げることの出来るアーティファクトです。それと同時に、戦力として頼りない1/1や2/2のクリーチャーを強化することもできます。プレイヤーはしばしばこの種の戦略に《前兆の壁》や《草茂る胸壁》と言ったカードで対抗してきますが、《ダークスティールの斧》があれば相手の壁を刈り取り、相手に攻撃できることでしょう。
《浸透のレンズ》は現在試し中ですが、この種のデッキに入れて働かないはずがないと思います。アーティファクトはさらに必要ですし、《浸透のレンズ》は実質的にはクリーチャーを1体ブロックされなくすることができるからです。赤の対戦相手がこの装備品を付けていたらどうですか? まさに恐ろしい状況だとは思いませんか。
《稲妻》はこれまで印刷された中でも最高のカードの一つです。スタンダードでこの呪文を唱えるたび心が躍ります。この強力な呪文を使っていいことが信じられません。この年末年始に、私は兄弟と一緒の時間を過ごすことが出来ました。そしてマジックのデッキをいくつか持って行って、何ゲームか楽しみました。私の兄は《稲妻》が今スタンダードで使えると聞いて驚いていましたよ。
「俺、ずっと《ショック》使ってたんだぜ?」
「だよね」
「なんだよこれ? 相手が《記憶の壺》唱えた時に俺は《ショック》打ってたのに、今は相手が6マナ呪文を唱えてきたら《稲妻》打つのかよ?」
「その6マナ呪文が強いんだ。まったく」
兄はすぐに、今の6マナ呪文がどれほど強烈かを理解してくれました。食らったのは私の方ですが。《稲妻》は当然入るべきカードです。過去10年間に存在した、追加コストなしの1マナ除去呪文よりも50%強いのですから。
《感電破》は《ショック》の強化版で、《ショック》に劣るところはありません。《感電破》にとって幸いなことに、戦場に3つ以上のアーティファクトを出していればより強烈な火力を叩きつけることができるのです。
16 《山》 4 《ぐらつく峰》 -土地(20)- 4 《ゴブリンの奇襲隊》 4 《ゴブリンの酋長》 4 《ゴブリンの先達》 4 《ゴブリンの戦煽り》 4 《メムナイト》 -クリーチャー(20)- |
3 《ダークスティールの斧》 4 《感電破》 1 《浸透のレンズ》 4 《カルドーサの再誕》 4 《稲妻》 4 《恐慌の呪文爆弾》 -呪文(20)- |
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このデッキは、スタンダードに存在する多数派のアーキタイプ全てを倒すことが出来ます。新しいスタンダードの最初の数週間は、こういったデッキを使うことをお勧めします。赤デッキの正解を見つけることは、環境最強になるかもしれない3色コントロールを見つけ出すよりもはるかに簡単ですから。
ミラディン包囲戦は、強力で楽しい新カードで一杯です。プレリリースは1月29日と30日。私にとってマジックの最大の思い出のいくつかはプレリリースで得たものです。《火炎舌のカヴー》3枚をプレーンシフトのプレリリースで引いて、当たる相手当たる相手を切って落としたことを思い出します。今でもそのシールド・デッキは残してあります。プレリリースの最良の部分は、人々です。プロツアー予選はより競技的になりがちで、順位のために過剰に興奮しがちになります。一方、プレリリースはカジュアルで親しみやすいものです。デッキ登録ミスでゲームの敗北を受けたりすることはありません。対戦相手も友達です。みんながカードを読み、新しいセットや新しいメカニズムに触れる日なのです。
ミラディン包囲戦は、プレリリースに新しい変化をもたらしました。このプレリリースのためにデザインされた、特製ブースター・パックが使われます。会場では、あなたがファイレクシア軍かミラディン軍かどちらの陣営に属すかを選びます。私は保守派なので、ファイレクシア人とともに戦うつもりです。全ては一つになるのだ!
来週末、私はアトランタでグランプリに参加している予定です。グランプリはあなたのゲームをさらに上に引き上げてくれる素晴らしい機会です。グランプリの真剣な大会に参加することで、高いレベルのプレイについて色々と学ぶことでしょう。もちろん、エクステンデッドの大ファンとは言えない人々にとっても、楽しめることは色々と準備されています。グランプリは他の人とのトレードにもいい場所ですし、見知らぬ人とのドラフトやスタンダードの8人トーナメントも楽しめます。
それでは、よい計画を!
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