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射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」第4回:実際にデッキを作ってみよう!
射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」第4回:実際にデッキを作ってみよう!
by 射場本正巳
どうも!ウィザーズR&Dの射場本です。この連載では11月7日(金)の『マジック・ザ・ギャザリング ― 統率者(2014年版)』発売をうけて「統率者戦」の魅力をお伝えしていきます。
ついに!ついに!ついに! 待望の『統率者(2014年版)』が発売になりました!! 皆さんはもう遊びましたか? 新規も再録も強力なカード満載で統率者戦を始めるにはピッタリの商品となっていますので、まだ手にとってない方は是非どうぞ!!
と、いうことで僕もさっそく遊んでみましたよ。
考えていたよりもプレインズウォーカー使いやすい!
「捧げ物」めっちゃ楽しい!
両面トークン使いやすい!
など、いろいろな発見があってよかったです。
みなさんも遊ぶにつれて自分の統率者戦デッキを作りたくなってきませんか?
遊んでいて楽しいデッキが欲しい!
自分だけのオリジナルデッキが欲しい!
何より勝ちたい!強いデッキが欲しい!
わかります。そしてデッキの作り方の基本を覚えると後々アレンジがきくようになります。ということで、今回は前回予告したとおり、実際のカードを交えてデッキ作りについてお話をしていこうと思います。
まずは前回のおさらい
まずは前回お話ししたデッキの作り方をおさらいしましょう。
- デッキの軸を決める
- マナベースを整える
- 軸に沿ったカードを入れる
- ドローなどデッキのサポートを入れる
- 除去を入れる
- 実戦調整
というのが大まかな流れでしたね。でも、そもそもデッキの軸を決めるといっても、「カードプールが広すぎてなんでもしていいよ」といわれると逆に何をしていいかわからないということがありませんか? と、いうことで今回は実例を分けて3つのケースについて見ていきたいと思います。
既存のデッキを改造してみる!
「既存のデッキを改造する」は一番手っ取り早い方法です。『統率者(2014年版)』を買った方であれば、使っていて「このカードはあまり自分に合ってないな」、「あのカード使いたいな」という欲求が出てくると思います。
それもそのはず、ひとつのデッキの中でいくつかの統率者候補で丸く遊べるようにデザインされているので、どれかひとつの専用デッキとして見ると改造する余地が多分に含まれているのですね。自分の使いたい統率者を決めて、それにあわせてチューンナップしていきましょう。ある程度基本ができているデッキなので手軽にデッキを改造することができますよ。
それでは今回は「一から構築」を改造してみたいと思います。
このデッキには統率者にできるカードが《屑鉄の学者、ダレッティ》、《第三の道のフェルドン》、《鉄のゴーレム、ボッシュ》、《探検家タクタク》といますが、今回は目玉であるプレインズウォーカー《屑鉄の学者、ダレッティ》を統率者に据えようと思います。
《屑鉄の学者、ダレッティ》は1つ目の能力で墓地にカードを送る、2つ目の能力で戦場と墓地のアーティファクトを入れ替え、3つ目の能力でどんどんアーティファクトを使い倒すという流れがきれいですね。出た時に墓地のアーティファクトを踏み倒して出せるので、軽い《覇者シャルム》と言えなくもありません。そう考えるとめっちゃ強そう!!
キーとなるのが2番目の能力(戦場と墓地のアーティファクトを入れ替える)を「軸」としてデッキに合うカードを探していくのが改造のポイントです。
マナのバランスやサポート、除去ができるカードはすでにある程度は入っているので、軸に沿ったカードを考えていきましょう。2番目の能力(戦場と墓地のアーティファクトを入れ替える)を有効に使うために重要になってくるのが、「墓地の仕込み」と「生け贄用のアーティファクト」です。
1つ目の能力(墓地にカードを送る)で墓地の仕込みは可能ですが、手札補充もかねて《苦しめる声》や《魂の再鍛》のようなカードを追加したいところ。生け贄用のアーティファクトとしては、3ターン目に安定して《屑鉄の学者、ダレッティ》を出すためにも、マナ加速アーティファクトを追加で投入することにしましょう。
踏み倒し先のアーティファクトは、できるだけ高コストの《アクローマの記念碑》や《ダークスティールの溶鉱炉》など強力なものを出したいですね。最後に勝ち手段となるアーティファクトを用意しておけば完璧ですね。一般的なものでは《ブライトハースの指輪》と《玄武岩のモノリス》の無限マナなどが有名です。このデッキには《鋼のヘルカイト》やX火力があるので使いようもありますね。
22 《山》 1 《古えの墳墓》 1 《血染めのぬかるみ》 1 《埋没した廃墟》 1 《ダークスティールの城塞》 1 《忘れられた洞窟》 1 《大焼炉》 1 《ファイレクシアの核》 1 《薄煙の火口》 1 《邪神の寺院》 1 《樹木茂る山麓》 1 《秘儀の灯台》 -土地(33)- 1 《ゴブリンの溶接工》 1 《マイアの回収者》 1 《ボトルのノーム》 1 《陰極器》 1 《ガラクタ潜り》 1 《ゴブリンの太守スクイー》 1 《憤怒》 1 《真面目な身代わり》 1 《鋳塊かじり》 1 《ぬいぐるみ人形》 1 《映し身人形》 1 《蔵製錬のドラゴン》 1 《鋼のヘルカイト》 1 《トリスケリオン》 1 《ワームとぐろエンジン》 1 《マイアの戦闘球》 1 《ペンタバス》 1 《ボガーダンのヘルカイト》 1 《鉄のゴーレム、ボッシュ》 -クリーチャー(19)- 1 《屑鉄の学者、ダレッティ》 -統率者(1)- |
1 《永遠溢れの杯》 1 《太陽の指輪》 1 《魔力の櫃》 1 《冷鉄の心臓》 1 《友なる石》 1 《緋色のダイアモンド》 1 《精神石》 1 《虹色のレンズ》 1 《玄武岩のモノリス》 1 《連合の秘宝》 1 《統率者の宝球》 1 《金粉の水蓮》 1 《不安定なオベリスク》 1 《トーモッドの墓所》 1 《信仰無き物あさり》 1 《恐慌の呪文爆弾》 1 《黄鉄の呪文爆弾》 1 《師範の占い独楽》 1 《頭蓋骨絞め》 1 《起源室》 1 《催眠の宝珠》 1 《胆液の水源》 1 《マイコシンスの水源》 1 《屍賊の死のマント》 1 《苦しめる声》 1 《野生の勘》 1 《爆破基地》 1 《混沌のねじれ》 1 《ブライトハースの指輪》 1 《彫り込み鋼》 1 《核への投入》 1 《クラーク族の鉄工所》 1 《炎の中の過去》 1 《交易所》 1 《記憶の壺》 1 《屑鉄の熟達》 1 《魂の再鍛》 1 《かごの中の太陽》 1 《マイコシンスの格子》 1 《アクローマの記念碑》 1 《イシュ・サーの背骨》 1 《冒涜の行動》 1 《ダークスティールの溶鉱炉》 1 《星の嵐》 1 《彗星の嵐》 1 《溶岩震》 1 《燃え立つチャンドラ》 -呪文(47)- |
興味のある伝説のクリーチャーでデッキを作る!
軸を作るという意味で、統率者は一番デッキの指針になるものです。興味のある伝説のクリーチャー(あるいは『統率者(2014年版)』のプレインズウォーカー)があれば、それに焦点を当ててデッキを作っていくと組みやすいです。
先ほど《屑鉄の学者、ダレッティ》デッキでもその特性を生かすようなカードをピックしていきましたが、基本的には同じようにデッキを組み立てていけばいいと思います。マナベースやサポート、除去に関しては大体前回書いたような枚数を用意すれば何とかなります。
さて、ここで取り上げるのは『タルキール覇王譚』みんなが選ぶトップ3!でも取り上げた《悟った達人、ナーセット》!
《悟った達人、ナーセット》の軸となるのはこの能力。
「悟った達人、ナーセットが攻撃するたび、あなたのライブラリーの一番上から4枚のカードを追放する。ターン終了時まで、あなたはこのターンに悟った達人、ナーセットにより追放された、クリーチャーでないカードをそれのマナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。」
つまり、攻撃してクリーチャー以外の呪文のマナ・コストを踏み倒すことがデッキの目的になります。《時間のねじれ》や《連続突撃》などで攻撃を繰り返すことで、「ずっと俺のターン!」ゴッコもできるとあって、さっそく試されている方も多いのではないでしょうか? 個人的には追加ターンを得る系は周りにいい顔をされないので、あんまり使いたくはないんですが、《連続突撃》ならギリありかなーとかちょっと、日和ってみたりしているところ。
クリーチャーでないカードを唱えられるので、クリーチャーなしでデッキを組みたいですね。能力を使いまくって踏み倒したカードでコンボを決めてしまってもいいのですが、「どうせならいっぱい並べてウハウハしたい!」ということで、今回は戦場に残るカード、アーティファクトかエンチャントに焦点を当てたいと思います。と、いってもさっき《屑鉄の学者、ダレッティ》でアーティファクトやったからこっちはエンチャントかな?とはいえ、《悟った達人、ナーセット》を早く出すためのマナ加速はアーティファクトに頼らざるを得ないので、それ以外除去やドローサポートはなるべくエンチャントでまかなえるようにすることとします。と、いうことで作り上げたのがこのデッキ。
トップ3で宣言したように《分かち合う運命》を入れてみました。一応《悟った達人、ナーセット》は追放して唱えるので自分のデッキを使い続けられるのはいいのかな? 実際に使ってみると、似たような目的で入れた《吹き荒れる潜在能力》が予想以上に強くてびっくりしました。ただランダムってだけでなくて「発掘」の能力を持つカードとかを使いにくくできるので面白いですね。でも、この2枚並ぶとあんまり意味なくなってしまうので、本当は《分かち合う運命》を抜くんだろうなー。でもオシャレなんで入れときます(笑)。
特定の使いたいカードでデッキを作る!
統率者が決まれば軸を決めるのは簡単です。しかし今度は、統率者以外のカードで使いたいカードがある場合はどうでしょう? 先ほどと同じく『タルキール覇王譚』みんなが選ぶトップ3!で取り上げた、《悪逆な富》を基にデッキを考えてみたいと思います。
これは「すごい量のX」で気持ちよくなりたい系のカードですね。《起源の波》好きにはたまらんカードです。もちろん無限マナからのXは勝つこともできるでしょうけど、今回は勝ちにフォーカスするんじゃなくて、とりあえず《天使への願い》や《スフィンクスの啓示》などのXを打ちまくるデッキを作りたいと思います。そうなると必然的に統率者は5色になりますね。
また、特大のXを出すためにはマナをたくさん出す工夫が必要になります。まずはどういった方法でマナを出すかを決め、それの手助けになったり、副次的に恩恵を受けられる5色の統率者候補がいいということになりますね。現在候補となりそうなのはこんなところでしょうか?
- 《大祖始》:マナが並ぶなら
- 《スリヴァーの女王》:浮いたマナでトークン作成
- 《概念の群れ》:浮いたマナでエレメンタル再利用
- 《アラーラの子》:置物に頼らないマナ加速と合わせてリセット役として
- 《刈り取りの王》:最悪色がそろわなくてもキャストできるが?
少し前まで緑の大量マナ加速といえば《ラノワールの使者、ロフェロス》だったのですが、禁止推奨になってしまったので今回は昨年フィーチャーされた能力「信心」を使ってみたいと思います。「信心」を稼いで《ケイラメトラの侍祭》や《ニクスの祭殿、ニクソス》でマナを出してみようかなと。
と、なるとなるべく多く「信心」を稼ぐために緑マナをコストに多く含むものを使いたくなります。そこで「信心」を稼ぎやすい混成マナを用いて、さらにすべての《しもべ》を用いて全体強化も追加。同時にトークン作成を追加して、とやっていると《ゼンディカーの報復者》と《威厳の魔力》が重要なパーツになってきたので、《概念の群れ》が統率者としてふさわしいんじゃないかということになってきました。と、いうことで作り上げたのがこのデッキ。
ほんのちょっとしか実際に回せてないのですが、細かいところで少しずつシナジーが見つかっていったので、改良を加えつつデッキを育ててみたいと思います。
いかがでしたか? 今回は実例に沿って統率者戦のデッキ作りを行ってみました!
最初は自分の持っているカードの範囲でデッキを作っていき、少しずつ強化していくことでデッキを育てている感覚を味わえる。これも統率者戦のいいところです。
みなさんもお気に入りの統率者戦のデッキに出会えることを祈って。
それではまた!
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