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射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」第2回:ゲームの雰囲気を覗いてみよう!
射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」第2回:ゲームの雰囲気を覗いてみよう!
by 射場本正巳
どうも!ウィザーズR&Dの射場本です。この連載では11月7日(金)の『マジック・ザ・ギャザリング ― 統率者(2014年版)』発売にむけて統率者戦の魅力をお伝えしていきます。
前回の記事から2週間、さすがになんらかの新カードの情報公開があるかと思いきや何もありませんでした。発売まで1ヶ月を切ってるのに焦らしますねぇ。でも、こうやって待ってる間がワクワクドキドキ楽しみでもあります。
さて、連載の第2回目は実際の統率者戦のプレイ風景を交えつつ、どのようなゲームかを解説していきたいと思います。
社内コマンダー部「Command Zone」に潜入!
前回おおまかなルールを説明しましたが、それだけではイメージがつかみにくいですよね。今回は実際のプレイの様子を交えて解説します。と、いうわけでウィザーズ本社内の金曜コマンダー部、通称「Command Zone」にお邪魔してきました。
ウィザーズでは、金曜日はR&D以外のほとんどの部署が午前中で仕事が終わります。そこで、午後になるとこうやって統率者戦を楽しんでいるのです。R&Dは業務時間中なので普段はあまり参加できないのですが、機会があれば情報収集もかねて参加するようにしています。
今回はちょっと遅れていったので、すでに人が減ってしまっていたのですが、ちょうど1卓ゲームが終わるところだったので混ぜてもらいました。
僕が統率者に選んだのは《勝利の神、イロアス》。
破壊不能を持つクリーチャー+人間レジェンド満載デッキで挑みます。他のプレイヤーの操る統率者は時計回りで、
プレイヤーA:《怒れる腹音鳴らし》
プレイヤーB:《先頭に立つもの、アナフェンザ》
プレイヤーC:《苦悶の神、ファリカ》
という面々。珍しく青がおらず、攻撃的な統率者もいるので殴り合いの展開になるのでしょうか?
ちなみに統率者戦の推奨人数は4人ですが、3人以上であれば何人でも遊べます。2人対戦もできますが、それだと多人数戦の醍醐味がなくなってしまうので、デュエルコマンダー(2人対戦用の統率者戦の変種ルール)としてやったほうがよいですね。
まずはダイスロールで「18」を出して幸先よく先攻をいただきました。土地が1枚しかなかったのですが、社内ルールで誰でも一度手札から好きな枚数を山札に戻して、同じ枚数を引きなおせる「フリーマリガン」を採用しています。それを使って無事に土地とマナが出るアーティファクトをゲット。
(注:通常は手札から好きな枚数を戻し、それより1枚少ない枚数を引きなおす「部分パリ式マリガン」を採用しているところが多いです。ここは各参加者の合意で決めてくださいね。)
まず動いたのはプレイヤーB。《先頭に立つもの、アナフェンザ》を3ターン目にいきなり登場させてプレッシャーをかけてきます。そこで、すかさずプレイヤーCが《深淵の大魔術師》をキャストして《先頭に立つもの、アナフェンザ》を対処。さらに《目覚めの領域》、《血の芸術家》と揃えて場を整えていきます。序盤はまだ除去カードを抱えているプレイヤーも多いので、最序盤の統率者は対処されやすいといえますね。
《先頭に立つもの、アナフェンザ》を失ったプレイヤーBは、その後トークンを展開して《深淵の大魔術師》の生け贄を用意し、《活力》を立てて態勢を立て直しました。その間、僕はアーティファクトによるマナ加速から《勝利の神、イロアス》、《イーオスの騎士長》《永岩城の君主、今田》とつないでいきます。破壊不能で《深淵の大魔術師》の効果をかわしつつ信心稼ぎと行きたいところですが...、まだ時間がかかりそう(汗)
と、そうこうして他の3人がのんびりジャブの打ち合いをしている間に、こつこつとマナ加速して手札を整えるプレイヤーA。すでにサイクリングを持つ土地と《壌土からの生命》でエンジンを形成してあふれるマナと手札。この後《怒れる腹音鳴らし》が着地してしまえばすでにゲームはクライマックスになりそうな予感。さすがにみんなの間に「ヤバイ」という空気が流れ始めます...
しかし、勝ちそうなプレイヤーが出てきたら他の全員が阻止しにかかるのが多人数戦。皆で一斉にプレイヤーAを攻撃開始! この辺の駆け引きはボードゲームに似ていますね。ということで集中攻撃を浴びたプレイヤーAでしたが、《全ては塵》、《進歩の災い》で時間を稼ぎ、なんとかライフ3で踏みとどります! そうして《怒れる腹音鳴らし》が着地してまずプレイヤーCが脱落。その後、僕もプレイヤーBも解決策が引けずゲームセットとなりました。
どうです、ちょっとはゲーム展開がイメージできたでしょうか?
コンボは強い! そして狙われやすい...?
今回は瞬殺コンボではありませんでしたが、ゲームの性質上コンボデッキは強いです。どうしても40点というライフを愚直に攻めると一度に倒せるのは一人が精一杯。その返しでガードががら空きになったところをほかのプレイヤーにやられてしまうので、けん制をしあう展開になりがちなのです。
その点コンボなら一度に3人まとめて倒すことも可能なので、決まれば勝ち。特に統率者をコンボパーツとしたコンボは決まりやすく要注意といえます。いわゆる強い統率者とは、そういったコンボパーツになりえるものが多いのですが、同時に狙われやすいということも意味します。コンボを阻止するために、コンボ成立のにおいがしたらそのプレイヤ―をみんなでつぶしにかかるので3対1になりやすいのです。統率者戦はそういった多人数戦ならではの駆け引きが面白いですね。
コンボと言えば、過去にスタンダードで使っていた懐かしのコンボや、モダンやレガシーで現役で活躍しているコンボ、マニアックすぎて誰も使わないコンボなど、広いカードプールならではのさまざまなコンボを楽しめるので、ぜひ自分なりのコンボを見つけて使ってみてください。
今回の《怒れる腹音鳴らし》+《壌土からの生命》もある種のコンボのようなものでしたが、今はなきフォーマット「エクステンデッド」のころの《地鳴りの突撃》コンボを思い出して懐かしいですよね。
コンボじゃなきゃ勝てないの!?
とはいえ、あまりに安定性が高いコンボを毎回狙っていると面白みもないので、僕はデッキにコンボは入れるけどたまたま決まればラッキーっていう程度にとどめています。こういった楽しみ方は個人の趣味ですので、自分にあったスタイルを探してみてくださいね。
いわゆる統率者戦で「ガチ」と呼ばれるデッキは、統率者自身でコンボが完成しているようなものでしかも軽くて決まりやすいものが多いです。ただ、「カジュアルだからガチとやってもつまらない」、「いきなりボコボコにされそうで怖い」という心配をされているようでしたら、試しに一度やってみることをおススメします。
どんなコンボがあるかの前提がわからないでいきなりゲームをしたら確かにボコボコにされるかもしれませんが、最初のうちは「ああ、こういうコンボがあるんだな」っていうのが楽しめたらいいと思います。そのうち対処の仕方、立ち回りがわかるようになりますし、多人数戦ですのでみんなで協力して対処することもできます。そういう成長している感覚っていつでも新鮮なものですよ。
あと、どうしようもない状況になったら潔く諦めるのも統率者戦を楽しむ上で大事です。負けたら負けたで「もう1回!」と言えばいいのです。むしろ、もう1回ゲームができてラッキー!みたいな感じで、あまり気負いすぎずに肩の力を抜いて遊ぶのがカジュアルに遊ぶポイントかもしれませんね。
つまり楽しんだもの勝ち!!
しかし、「Command Zone」のみなさんが持っているデッキはみんな個性的で面白いです。たとえ王道に強くなくてもデッキへの愛着やこだわりが伝わってきます。一度に16個ものデッキを持ち運んでいるツワモノもいますし、みんなが使わないようなカードを楽しそうに使っているのを見ると、「これぞカジュアルの極み」だといつも感心します。
今度機会があればインタビューをしてみたいと思いますのでお楽しみに!
さて、いかがだったでしょうか? ぜひ皆さんも自分なりの統率者デッキを手にしてもらいたいですね。だんだん「統率者戦」というものに興味が出てきましたか!?
と、いうことで、次回は「統率者デッキの作り方」についてお話ししたいと思います。
それではまた!
(おまけ)
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