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コラム

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あなたの街のティーチングマイスター 第7回:トーナメントセンターバトロコ高田馬場(東京都) 池田仁さん

瀬尾 亜沙子
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 「ティーチングマイスター」とは、初心者にマジックを教える認定資格を持つ人のこと。ティーチングマイスターが教えるマジック体験会「多元宇宙への招待状」の開催を記念し、全国各地にいる彼らの紹介インタビューをシリーズで掲載していきます。

 第7回は、今までに登場した方々に比べるとマジック歴は短めですが、そのぶん初心者目線に寄り添ってくれるこの方です。

初心者的な視点を持つ先生役

――まずはマジック歴を教えていただけますか?

池田:もともとは、別のカードゲームを長いことやってたんです。ここでバイトとして働き始めて、いろいろな商品を扱っているうちに、この店は特にマジックを強く扱ってるのでマジックが気になって。それで、MTGアリーナがローンチされたときに、「これでマジックのルールを覚えよう」と思って始めました。2019年の春くらいだったと記憶しています。それまでは、「スタンダードとかモダンとかって何だろう?」という感じで、何もわからなくて。でも、それをきっかけにフォーマットの違いも知りました。

――マジックではどんなカードが好きですか?

池田:動物好きなので、《離れられない二匹、リンとセリ》。犬と猫がコンセプトの統率者デッキを、Secret Lair版とかも入れて組みました。ただ、組むだけ組んで、実戦は全然できてないんですが……。コロナのタイミングで、僕の友人がオンラインでDiscord対戦を始めた時期があって、「じゃあ自分もデッキ持っとくか」と選んだのが《離れられない二匹、リンとセリ》なんですけど、そのとき以降はなかなか遊べてないんです。仲間が4人しかいないから、全員のタイミングが合わないとできないっていう問題もあって。

――今後、オフラインでも遊べる機会が増えるといいですね。では、このお店にはいつからいらっしゃるんですか?

池田:店がオープンしたのが2016年12月で、僕がバイトとして入ったのは2017年の12月です。卒業後、一度社会人になったんですけどやめて、ここで働くようになって、今は社員をやらせてもらってます。

――いったんはカードゲームと関係ない仕事に就いたけど、やっぱりカードの仕事がしたかったという感じなんですか?

池田:やりたい仕事ではあったんですけど、趣味を続けるには時間が全然取れなかったので、趣味の時間を作れる仕事をしようと思って。ここならシフト制なので、趣味も仕事も両立できるなと。

――なるほど。今はお店でマジック担当だから、ティーチングマイスターもやっているんですか?

池田:マジック専門というわけではないんです。もともと別のカードゲームでジャッジ資格を持っていて、だったら1つも2つも同じだから、マジックのティーチングマイスター資格も取ろうと。ちょうどそのとき、この店がプレミアム店舗の申請をしようとして、誰かがティーチングマイスターの資格を取る必要があったこともあって、「じゃあ私がやります」と。もともとジャッジをやっていて、そういう人前でしゃべる仕事が好きだったので、2019年10月に取得しました。
ティーチングマイスターの資格があるからといって、競技シーンに関わるわけではないので、最新環境ではどういうデッキが強いとか、複雑なルールとかは正直あまりわからないんです。でも、マジックはジャッジ資格とティーチングマイスターの資格が別になっている、という点がいいんですよね。初心者に広めたい人もいれば、競技シーンでジャッジをやりたい人もいて、それぞれ目的に合わせて資格を取ることができるので。そこはほかのカードゲームと違うところですね。

――確かに。もともと別のゲームでは、ティーチングするような仕事もされていたんですか?

池田:大会で裁定をするジャッジの資格を取ると、イベントを開いてルールを教えたり交流会をやったりする資格も一緒についてくるシステムだったので、初心者に教える経験はありました。マジックにおいても、初心者がどういうところでつまずきそうかというポイントは自分でわかっていたので、そこは重点的に教えるのを心がけてます。

――ご自身も初心者的な視点から始めて、デジタルからアナログに来た人がつまずきそうなところは身をもって学んでいると。

池田:そうですね。たとえば、MTGアリーナだと勝手に、自動的に処理してくれるけど、同じことをアナログで処理するときはどうなるか? というのを論理的に理解するようにしています。

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――マイスターになるためには、試験を受けるわけですが……。

池田:この資格を取ろうとして多くの人が引っかかるのは対人でしゃべる部分だと思うんですが、そこはもともとやっていたので特につまずくようなこともなく……ルールを覚えるほうが大変でした。

――どうやってルールを勉強したんですか?

池田:MTGアリーナでやりながらですね。実際にゲームでやった内容を、ティーチング用の資料に重ね合わせて、「これはこういうことだったのか」と。先に説明書を読んでからゲームを始めるよりも、まずゲームをやってから細かいルールを覚えたほうがとっつきやすいですから。

――確かにそのほうがのみこみやすいですね。そう考えると、マジックのルールを覚えたい人はまずMTGアリーナをやってみるとよさそうです。

池田:ルールを覚えるだけなら、そうだと思います。でも対人戦は対人戦ならではのおもしろさがあるので、そこは意識してティーチングするようにしています。

――せっかく対面で教えるわけですしね。

ティーチングの工夫

――そうすると、わざわざお店にティーチングを受けに来るお客さんは、人と遊びたいから来るわけですか?

池田:客層としてはやっぱり、親子連れや友達どうしで、「2人ともルールを知らないから教わりたい」という人がほとんどですね。子供のほうが興味を持って、親が調べて「ここでルールを教えてもらえるらしいんですけど」と一緒に来ることも多いです。

――それで家に帰って2人で遊ぶと。だとすると、やはり友達とやるからこその楽しさは重要になってきますね。

池田:対戦後に、「あそこはああすればよかったね」とか感想戦ができるのってオフラインならではの良さだと思うので、ティーチングに加えてフリー対戦の時間を長めにとるというのは心がけてます。
そのほか工夫している点としては……ティーチングって紙芝居で説明する仕組みなんですが、僕は紙芝居の内容をパワーポイントにして、モニターに投影してやってるんです。パワーポイントなので、矢印を動かすとか、簡単なアニメーションをつけて説明するという工夫はしています。矢印の向きで攻撃を示したり、破壊されたマークが出たりするほうがわかりやすいかなと。

――なるほど。紙だけだと、席が遠かったら見づらいときもありますし。
ただ2019年10月に資格を取得したということですと、2020年の春くらいからはコロナで全然ティーチングができなくなってしまいましたよね?

池田:そうなんですよね。資格をとって半年は毎月ティーチングをやってたんですが、そこからは全然できなくて。特に最初期は、この広いデュエルスペースを全部閉めてましたし、そのあとも席数を大幅に減らしていて……。ひととおり落ち着いたあとも、しばらくは感染対策を重視していたのと、MTGアリーナが主流になったこともあって「ルールを教えてください」と言って来られる人はほとんどいない状態ですね。ただ9月からはティーチングの大きいイベント「多元宇宙への招待状」があるということなので、がんばるぞと。

――いよいよ本格的にティーチングが始まりますね。9月以降のティーチングイベントってどんなふうにやっていく予定でしょうか?

池田:基本的に事前予約は不要で、「この日にやるので来てください」と告知する形になると思います。

――わかりました。当日ふらっと行っても大丈夫ですね。

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一歩を踏み出すためのアドバイス

――今までティーチングの機会は少なかったという話ですが、やってきてよかったことは何かありますか?

池田:僕自身、最初に持ってたマジックのイメージって、お固いというか……競技勢ばっかりで難しいカードゲームなんだろうなと思ってたんです。でもティーチングマイスターになっていざ説明してみると、基本の構造は単純なんですよね。なのでお客さんにも「意外と簡単だったな」と思ってもらえたらうれしいし、マジックの敷居を下げたいと思ってやってます。

――自分でも意外と簡単だったので、それを伝えたいと。

池田:ティーチングに来るっていう第一歩を踏み出すのは、やっぱりハードルがあると思うんです。普通は「難しそうだし、やっぱやめとくか」ってなるのに、「難しそうだけど、でもやってみよう」という「でも」の部分を思い切って踏み出すのは大変かなと。その一歩を、なんとか踏み出してもらうことができたらなと思っています。

――9月からのキャンペーンが、一歩踏み出す機会になったらいいですね。

池田:とにかく最初の一歩さえ踏み出してもらえれば、あとは「意外と難しくなかったな、楽しかったな」って経験して帰ってもらえるはずなので。
順序的には、まずティーチングに一緒に行く人を見つけるといいと思います。一人で悩むより、誰かに「一緒に行ってみない?」って言うと来やすいかなと。なのでマジックに興味ある人を見つけて、ぜひ2人3人で来てもらえればと。

――遊び相手がいれば、帰ったあとも続けられますし。

池田:やっぱりそういう、何かを始めるきっかけって友達なんですよね。誰かが誘ってくれたから、このフォーマットを始めましたとか。相手がいないと続けにくいし、友達は大事にしたほうがいいと思います。僕も、オンラインで統率者戦やろうって友達に言われなかったらデッキ組んでなかったですし。
なのでお勧めとしては、今ほかのカードゲームをやってる友達がいるなら、「マジックもどう?」って誘うのが、一番間口が広い気がします。

――こちらのお店は総合店ですから、そういうカードゲーム仲間を誘って来るのに向いているのではないかと思います。
それでは最後に、「一歩踏み出そうかな、どうしようかな」という人へのメッセージをお願いします。

池田:マジックのルールは簡単なので、ぜひ一歩踏み出してみてください。そこから好みのフォーマットを見つけて、沼にハマりましょう(笑)。

batoroco4.jpg 背後の等身大チャンドラはWPNプレミアム店舗の証

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トーナメントセンターバトロコ高田馬場
住所:東京都新宿区高田馬場4-11-10 VORT高田馬場5F
電話番号:03-6894-6100
公式サイト:https://bato-loco.com/

ステージつきの広いデュエルスペースを備えた「バトロコ高田馬場店」。TCG総合店ですがマジックのWPNプレミアムストアなので、プレミアム店舗でしか取り扱えない商品があったり、特別なイベントが開催されたりします。


ティーチングマイスターによる初心者講習会
「多元宇宙への招待状」 2023年9月3日~10月29日開催!

詳細はこちらから。

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