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企画記事
グランプリ・千葉2016に向けて:第1回 現在のレガシー環境を予習しよう!
グランプリ・千葉2016に向けて:第1回 現在のレガシー環境を予習しよう!
By Masashi Koyama
皆さん、こんにちは!
レガシー構築で行われるグランプリ・千葉2016まであと2週間を切りました。
史上2度目の日本国内レガシーグランプリ開催とあって、本戦に参加される方はもちろん、ご来場を予定されている方、ニコニコ生放送やテキストカバレージで観戦予定の方など、本グランプリを楽しみにされている方はたくさんいらっしゃることでしょう。
さて、昨年史上初めて日本で行われたレガシーでのグランプリ、グランプリ・京都2015から1年半が経過し、環境には一定の変化がありました。そこでマジック日本公式ウェブサイトでは、2回に分けてこの1年半の間にあったレガシーの変化と、グランプリ・千葉2016で目にするであろうデッキをご紹介していきたいと思います。
その前に......レガシーってどんな環境?
レガシーとは、大まかに言えば「一部の禁止カードを除いて、すべてのマジックのカード・セット、基本セット、特別セットのカードとプロモカードが使える」というフォーマットです。
昨年開催されたグランプリ・京都2015に向けて、本サイトではレガシーとはどのようなカードが使われ、どのような環境かについてご紹介しました。レガシーがどのようなフォーマットなのか、あまりご存知でない方は以下の記事をご参照ください(レガシーについてよくご存知の方は読み飛ばしてください)。
......レガシーのことが分かってきましたか?
そして、そのグランプリ・京都2015時点で有力だったデッキや、よく見かけたデッキをまとめてご紹介したのが、以下の2本の記事です。
これらをお読みいただければ、1年半前のレガシーがどのようなものだったかある程度お分かりいただけると思います。
さて、以上に引き続いて、本記事では、グランプリ・京都2015以降、レガシーに起きた3つの大きな変化と、それにより登場してきたデッキ、そして現在のレガシーのメタゲームについて簡単にご紹介します。まずグランプリ・京都2015以降の、レガシーにおける3つの変化について見ていきましょう。
1.《時を越えた探索》禁止、《実物提示教育》デッキの衰退
実質2マナで7枚ライブラリーを掘り進めることができるカードとして多くの青いデッキに投入されていた《時を越えた探索》。あまりの汎用性の高さと強力さから、2015年10月2日をもってレガシーの禁止カードに指定されました。
《時を越えた探索》が禁止された影響は大きく、特にこのカードを有効に使っていた当時のトップメタと言えるほどの有力デッキであった《実物提示教育》デッキの衰退が顕著な傾向として見られ、結果として奇跡コントロールがいっそう勢力を伸ばすこととなりました。
2.『ゲートウォッチの誓い』発売、エルドラージの台頭
『ゲートウォッチの誓い』に収録された《難題の予見者》や《現実を砕くもの》といった強力なエルドラージたち。モダンで行われたプロツアー『ゲートウォッチの誓い』を大いに席巻したことを覚えていらっしゃる方も多いと思います。
そして、エルドラージたちはモダンだけでは飽き足らず、このレガシーという環境でも猛威を振るい始めました。
《エルドラージの寺院》《ウギンの目》というモダンでも見られた強力なシナジーを持つ土地に加え、《古えの墳墓》《裏切り者の都》という2種類の「2マナランド」が加わったレガシーではデッキの速度を大幅に上げ環境に殴り込みをかけました。
4 《古えの墳墓》 4 《エルドラージの寺院》 4 《ウギンの目》 2 《裏切り者の都》 4 《魂の洞窟》 3 《ミシュラの工廠》 3 《不毛の大地》 1 《ヨーグモスの墳墓、アーボーグ》 -土地(25)- 3 《猿人の指導霊》 4 《エルドラージのミミック》 4 《作り変えるもの》 4 《難題の予見者》 4 《現実を砕くもの》 2 《忘却蒔き》 4 《果てしなきもの》 -クリーチャー(25)- |
4 《虚空の杯》 2 《歪める嘆き》 2 《四肢切断》 2 《梅澤の十手》 -呪文(10)- |
1 《終末を招くもの》 1 《真髄の針》 4 《アメジストのとげ》 2 《漸増爆弾》 4 《虚空の力線》 2 《全ては塵》 1 《カラカス》 -サイドボード(15)- |
コンボデッキに対しても《虚空の杯》《歪める嘆き》で一定の耐性を持っており、現在はレガシーのトップメタの一角にまで上り詰めています(エルドラージデッキについては、次回の記事でもう少し詳しくご紹介します)。
3.『コンスピラシー:王位争奪』発売、デス&タックスの躍進
レガシーは、スタンダードやモダンでは使用ができない特殊セットのカードも使用可能なフォーマットです。そんな特殊セットのひとつとして今年夏に発売された『コンスピラシー:王位争奪』は、レガシーに大きな影響を与えました。
《護衛募集員》と《聖域の僧院長》によりデス&タックスが大幅に強化されました (デス&タックスについてはこちらの記事でご紹介しています)。
9 《平地》 3 《カラカス》 1 《地平線の梢》 1 《魂の洞窟》 4 《リシャーダの港》 4 《不毛の大地》 -土地(22)- 3 《ルーンの母》 4 《石鍛冶の神秘家》 4 《スレイベンの守護者、サリア》 3 《ファイレクシアの破棄者》 2 《セラの報復者》 1 《迷宮の霊魂》 3 《ちらつき鬼火》 3 《護衛募集員》 2 《聖域の僧院長》 2 《異端聖戦士、サリア》 -クリーチャー(27)- |
4 《霊気の薬瓶》 4 《剣を鍬に》 1 《梅澤の十手》 1 《火と氷の剣》 1 《殴打頭蓋》 -呪文(11)- |
2 《封じ込める僧侶》 2 《エーテル宣誓会の法学者》 2 《悟りの教示者》 2 《安らかなる眠り》 1 《浄化の印章》 1 《議会の採決》 2 《大変動》 1 《万力鎖》 1 《光と影の剣》 1 《ゼンディカーの同盟者、ギデオン》 -サイドボード(15)- |
《護衛募集員》は状況に応じたクリーチャーをサーチでき、対戦相手に応じた立ち回りを可能にします。特に奇跡コントロールを相手にした際には、《終末》からの立て直し策として有効な1枚です。
《聖域の僧院長》は多くの呪文が1~2マナ域に集中するレガシーでは非常に強力なカードで、例えば1を選べば《渦まく知識》や《思案》といったドロー呪文に加え、《剣を鍬に》《稲妻》などの強力な除去を封殺することができます。
また、コンボデッキと相対したときには、そのデッキのキーカードの点数で見たマナ・コストを指定することで、一瞬で決着をつけることも可能です。
この2枚の加入により、デス&タックスは一気に一大勢力となりました。グランプリ・千葉2016でも間違いなく活躍するデッキのひとつでしょう。
現在のレガシーは?
さて、以上がこの1年半で起きたレガシーの大きく変わった点です。その上で、昨年から引き続き、現在もまだレガシーは奇跡コントロールを中心に回っているといって差し支えないでしょう。
4 《島》 2 《平地》 1 《山》 3 《Tundra》 1 《Volcanic Island》 4 《溢れかえる岸辺》 4 《沸騰する小湖》 1 《乾燥台地》 1 《カラカス》 -土地(21)- 3 《瞬唱の魔道士》 1 《造物の学者、ヴェンセール》 -クリーチャー(4)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 4 《剣を鍬に》 4 《師範の占い独楽》 4 《相殺》 1 《対抗呪文》 1 《予報》 1 《コジレックの帰還》 4 《意志の力》 4 《終末》 2 《天使への願い》 2 《精神を刻む者、ジェイス》 -呪文(35)- |
2 《ヴェンディリオン三人衆》 1 《封じ込める僧侶》 1 《イゼットの静電術師》 2 《狼狽の嵐》 2 《赤霊破》 2 《外科的摘出》 1 《紅蓮破》 2 《血染めの月》 1 《Moat》 1 《摩耗 // 損耗》 -サイドボード(15)- |
《時を越えた探索》禁止後も、《師範の占い独楽》と《相殺》《終末》の組み合わせは引き続き強力で、多くのデッキに対してゲームを有利に運べる力を持っています。
グランプリ・千葉2016で上位を目指すためには、否が応でも奇跡コントロールを意識したデッキ構築が必要となってきます。
また、奇跡コントロールの他に、本記事でご紹介したエルドラージ、デス&タックスに加え、グリクシスカラーの《秘密を掘り下げる者》デッキやスゥルタイカラーの続唱デッキがレガシーのトップメタを形成している状況です。
その他にも、徐々に盛り返しを見せてきた《実物提示教育》デッキや《むかつき》ストームなど、レガシーで有力なデッキは多く存在します。
グランプリ・千葉2016ではどのようなデッキが活躍するのか目が離せませんね!
次回は現在のレガシーで意識すべきデッキをご紹介します!
2回目の記事では、これまでに詳しくご紹介できなかったレガシー現環境の有力なデッキをご紹介していきます! 本記事とあわせてぜひお読みいただき、グランプリ・千葉2016前の予習としていただければと思います。
それでは、次回もよろしくお願いします!
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