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行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第1回:ここが楽しい!プロツアー
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2012.03.07
行弘賢の「プロツアーへの道!」モダン攻略編 第1回:ここが楽しい!プロツアー
By 行弘 賢
皆さんこんにちは!
今回はプロツアー予選(PTQ)に出たことがない、出ようと思う、プロツアーに出たい!と色々な層の人のために、PTQ出身の僕が届けるPTQ大特集をお送りしたいと思います!
1. PTQってそもそも何?
PTQとはPro Tour Qualifier、つまりプロツアー予選の事です。さて、じゃぁそもそもプロツアーって何?という方もいらっしゃると思います。
プロツアーとは、成績優秀者に多額の賞金が支払われる、競技MTGプレイヤーが目指す最上位のトーナメントです。基本的に年に3回開かれ、それぞれに参加資格が必要です。
プロツアー参加資格一覧
- プロツアー予選優勝者
- 招待対象となる各グランプリの上位4名
- 直前のプロツアーでの上位25名
- ワールド・マジック・カップ上位4チームのメンバー(ワールド・マジック・カップ直後に行われるプロツアーのみ)
- 2012年のプロプレイヤークラブ・レベル3以上
- 2012-2013シーズンのプロプレイヤークラブ・ゴールドもしくはプラチナ
- マジック・プロツアー殿堂者
この中でプロツアーに出たことのない人が国内で達成できる可能性があるのは、グランプリの上位4名、プロツアー予選優勝の2つだけになります。
グランプリの4位以内に入るのも非常に難しいので、やはり基本的にプロツアーに初めて出場するのは基本的にPTQを突破するのが一番の近道になります。
プロツアーは国内で開かれる事もありますが、基本的には海外で開催されます。そしてPTQを抜けたあなたには、なんと会場までの航空券までついてきちゃいます!
つまりPTQを抜けることができたなら、『無料で海外旅行』+『プロツアーで勝った賞金』と大判振舞の大量のリターンがあるわけですね。
それだけではなく、もし参加して抜けられなくても成績上位者には賞品が配られますし、通常の5倍!のプレインズウォーカーポイント(PWP)も貰えちゃいますので、ワールド・マジック・カップ予選に向けてPWPを稼ぎたい人にも是非オススメのイベントとなっています。
2. PTQのススメ
さて、ここまではPTQのチュートリアルといった内容をお送りいたしましたが、ここからは僕自身が初めてPTQを抜けるまでのPTQ参戦記をお届けします。
僕が初めて出たPTQは地元福岡で行われたシールド戦でした。
その少し前に行われたグランプリ・北九州2007で、まだマジック初めて3ヶ月目ぐらいで2日目に残れた僕は少しというか、かなり天狗になっていまして、この予選も楽勝だなと思っていたら、あれよあれよの間に3敗してしまいドロップ。厳しい現実を突き付けられました。
しかし、その後会場でいつも見かける人達にデッキを見てもらったら、全然違う組み方を教えてもらい、色々な発見をすることができました。
2回目に出たPTQは会場で仲良くなった友人と四国への遠征でした。
初体験であるフォーマットのエクステンデッドで初遠征というのも凄くアホらしい話ですが、それでも旅の道中では仲間達とマジックの話は尽きず、今思えばあんな旅ができたのは、奇跡とも言える程良い仲間に恵まれたのと、プロツアーに出たい!という情熱があったからだと思います。
PTQの結果は不慣れなデッキを使っていたこともありミスも多発しましたが、当時最強だったドレッジというデッキの性能もあり、なんとかTOP8に残る事ができました。
しかし、やはりニワカな部分が順当にゲームを決め、あえなく1没という結果に終わってしまいました。
3回目もそのシーズンのエクステンデッドでした。こちらは使い慣れたドレッジで順当にスイスラウンドを勝ち抜いたものの、またしても決勝ラウンドでニワカな部分を見せてしまいあえなく1没してしまいました。
ここからもその年は地元福岡のPTQ、その次に最寄りで遠征しやすい広島のPTQに遠征を続けましたが、スイスラウンド落ちだったり、1没したりと、結果は全然ついてきませんでした。しかし、周りの仲間は皆プロツアー経験者。周りの友人はこぞってプロツアーの魅力を僕に話してくれるので、いつしか僕はマジック=プロツアーのような感覚に陥るほどに、プロツアーへの渇望を抱いていたのを覚えています。
さて、巡り巡って1年後、またしてもリミテッドシーズンのPTQが地元福岡で行われました。去年とは違い、たくさんの仲間や何人ものマジックの師匠的存在が、僕に1年間マジックを教えてくれました。
スイスラウンドで強カードプールをもらうという幸運もあり、決勝ドラフトも危なげなく3-0で優勝と、なんともアッサリと初プロツアーへの参加権を取ってしまいました。
権利自体はアッサリと獲得しましたが、その時の感動は今でも忘れることができません。
僕の場合は物凄く恵まれていたのだと思います。自分と同じぐらいモチベーションの高い友人、自分より遥かに実力のあるプレイヤーがコミュニティにいたこと。それらの要素が毎週のドラフトの場を設けるようになり、それだけ勉強する機会を得ることができました。
しかし、それらを実現するには、自分がPTQに参加し、自分のやる気を周りに伝えることができたからだとも思います。
マジックは一人でやるゲームではありませんので、コミュニティの力が重要になってくるのは至極当たり前な話です。
なので、ちょっとでもマジック本気でやってみようかな、と思ったら、是非PTQ会場に足を運んでみましょう。いつもと違った新たな発見、新たな友人があなたをそこで待っているはずです。
3. プロツアーの魅力
さて、次に紹介していきますのは、プロツアー本戦の魅力です。
僕が最初に参加した海外プロツアーはプロツアー・ホノルル2009でした。
ハワイの地ということもあり、かなりの期待もありましたが、それと同じぐらい不安もありました。
そう、いつもの遠征なんかと違い友人がいないのです。
ドキドキしながら現地に向かいましたが、その不安も杞憂でした。同じ宿の人達は皆、僕と同じでマジック大好き。言うなればマジック馬鹿の集まりです。とりあえず8人ないし6人集まればドラフトし、プロツアー本戦前にはこぞって皆デッキの調整会が始まります。
本戦が終わった後は海外勢と日本勢でチームドラフトがそこかしこで勃発します。そういう海外勢との交流もプロツアー独自の楽しみ方ですね。この時に仲良くなった友人とは今でもグランプリやプロツアーの会場でよくドラフトしたりします。
さて、本戦はいつもやっているマジックとはやはり若干異なります。
厳格に定められたルールに則ったゲーム進行、対戦相手は基本的に英語しか通じない海外勢。国内でやるマジックとは緊張感がやはり格段に変わってきます。
しかし、それこそが競技マジックの最高峰、プロツアーでのマジックなのです。ドキドキしながらもひとつひとつのプレイに手を震わせ、勝った時の達成感、負けた時の消失感。普段のマジックでは決して味わえない夢のような対戦ができるのは間違いありません。
もちろん、普段のトーナメントとは比べられないほど高額な賞金、プロポイントと大判振舞なイベントとなっていますので、思い出だけではなく様々な実利を得ることもあります。
旅行気分で行ったのに、もう一回旅行行けるぐらい賞金もらっちゃった。なんて人もよく見かけます。上位25位以内に入賞することができたら、なんともう一回航空券付きでプロツアーの権利が手に入ったりしますので、夢は広がりますよね!
海外行くんだから観光したい!という方もいらっしゃると思います。
僕は初プロツアーであるプロツアー・ホノルル2009では観光という観光はほとんどしなかったのですが、今年度2月上旬に行われたプロツアー・闇の隆盛では前回できなかったことをやろう!というわけで滞在を一日伸ばし、海を満喫してきました。
せっかくの海外ですし、プロツアー前には現地の情報を下調べしておくと良いかもしれませんね。
4. 今シーズンのモダンを制するのはあなた!
さて、現在開催中のPTQはプロツアー・アヴァシンの帰還の予選です。そのPTQのフォーマットはモダンとなっています。
モダン・フォーマット・デッキ構築
モダン・フォーマットとは、「第8版基本セット以降の基本セット、ミラディン以降の拡張セット」を範囲とする構築戦です。
以下のカードが、使用禁止カードとして指定されています。
最後に、1つだけデッキを紹介させていただきます。
1 《島》 1 《平地》 3 《神聖なる泉》 3 《金属海の沿岸》 3 《天界の列柱》 1 《トレイリア西部》 4 《ウルザの鉱山》 4 《ウルザの魔力炉》 4 《ウルザの塔》 1 《ウギンの目》 -土地(25)- 1 《大修道士、エリシュ・ノーン》 1 《エメリアの盾、イオナ》 1 《無限に廻るもの、ウラモグ》 1 《引き裂かれし永劫、エムラクール》 -クリーチャー(4)- |
4 《アゾリウスの印鑑》 1 《発展のタリスマン》 3 《探検の地図》 4 《流刑への道》 4 《差し戻し》 4 《知識の渇望》 1 《忘却の輪》 1 《機を見た援軍》 1 《審判の日》 1 《神の怒り》 4 《けちな贈り物》 1 《堀葬の儀式》 1 《卑下》 1 《撤廃》 -呪文(31)- |
1 《エーテル宣誓会の法学者》 1 《ワームとぐろエンジン》 3 《墓掘りの檻》 2 《払拭》 1 《天界の粛清》 1 《解呪》 1 《否認》 2 《機を見た援軍》 1 《法の定め》 1 《精神壊しの罠》 1 《幽霊街》 -サイドボード(15)- |
このデッキは最近Magic Onlineのデイリー・イベントで勝ち頭になっているウルザトロンです。
《雲上の座》が使えた時のモダンでも、大幅なマナ加速からの《引き裂かれし永劫、エムラクール》は対処するのが難しい非常に優れたコンセプトでした。それを現環境で可能にしているのが、このウルザトロンデッキです。
《雲上の座》デッキとの違いは、《けちな贈り物》をフル投入し様々なギミックを投入している点です。
特に一番強いのは《堀葬の儀式》と《エメリアの盾、イオナ》「だけ」サーチしてきて、両方墓地に落とし、返しで釣り上げる動きです。
これがあるため、トロン側が構えていたら容易に動けなくなります。かといって、お互い膠着してしまえば後はトロン側のマナがどんどん増えてしまい、気が付けば《引き裂かれし永劫、エムラク-ル》降臨、みたいなことになってしまいます。その点で非常にやっかいなデッキとなっています。
恐らく今シーズン中はPTQ会場で多数見かけることになるであろうこのデッキ。多少なりとも練習する価値がありそうですね。
さて、今回は長々とプロツアー予選について書かせていただきましたが、いかがだったでしょうか?
プロツアー・アヴァシンの帰還予選はこれまでも開催されてきましたが、今週末から各地で再開されます。「イベント情報」ページにまとめられているので、今回で興味を持っていただけたなら、ぜひスケジュールをチェックしてみてください!
今月は更に次回モダン特集をさせていただく予定なので、PTQに参加される皆さんの参考になるように様々なデッキをご紹介させていただきたいと思います。次回もよろしくお願いいたします。
それでは皆さんまた次回の記事でお会いしましょう!
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