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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ボロス・トークン:生成倍増!嵐の討伐者、エルズペス(スタンダード)
『タルキール:龍嵐録』!プレビューが始まりその全貌が見えてきた。ドラゴンや氏族などタルキールの懐かしいエッセンスがちりばめられている……なにせタルキールへの帰還は約10年ぶりだ。リアルでも長い時を経て、また背景ストーリーとしても『タルキール龍紀伝』からそれなりの年月が過ぎたようだ。色んなキャラクターの立ち位置が当時から変化しているわけだが、誰がどんな感じで登場していると思う?サルカン、ナーセットと当時の主人公格は当然のこと、俺たちの大好きなズルゴ、ゾンビ化したシディシ、タルキール及び龍たちと関わりの深いウギン……主要キャラたちをあげていけばキリがないが、そんな中プレビューに姿を現したのは……

え、エルズペス!?正直想定外すぎてビックリしたよ。数少なくなった現役プレインズウォーカーの中でも、頼れるリーダー格であるエルズペス。今回タルキールへは多元宇宙で起こっている異常事態の原因を探るため……領界路を通じて嵐が流れ込み、それがいくつもの次元へとドラゴンを運び、本来起こらなかったような危機を招いているとのことで(ブルームバロウにおける《運命の大嵐、ドラゴンホーク》とかだな)、彼女はそれに対処するためにタルキールへと赴いたという。なるほど、意外なチョイスではあったがその任務を聞けば納得、この上なく頼もしい人選だ。
嵐の魔法と戦うためにタルキールに乗り込んだ姿をカード化した《嵐の討伐者、エルズペス》、今回も白単色のプレインズウォーカー・カードであり、テーマはトークン。常在型能力を持ち、トークン生成時にその数を2倍にしてくれるという皆大好き《選定された行進》系のカードだ。今スタンダードにはこの手の能力を持った白のカードが集結しているな!
そんなカードの中でもエルズペスは自身がトークンを生成できるという点が非常に優秀で、倍にする手段だけあってもしょうがないという事態には陥らない親切設計。[+1]で兵士を並べ、クリーチャーの頭数が十分なら[0]でそれらにカウンターを乗せ強化しつつ飛行も持たせて一気に攻められる。さらに[-3]は対象が限られているとはいえクリーチャー除去で「自衛ができるプレインズウォーカーは強い」の法則に照らし合わせると……かなりのやり手かもしれない。
4 《戦場の鍛冶場》 4 《感動的な眺望所》 4 《サンビロウの境界》 2 《優雅な談話室》 2 《眠らずの露営》 3 《噴水港》 1 《ミレックス》 3 《沈んだ城塞》 1 《平地》 1 《山》 -土地(25)- 2 《跳ねる春、ベーザ》 2 《ミストムーアの大主》 -クリーチャー(4)- |
4 《塔の点火》 2 《エルズペスの強打》 4 《稲妻のらせん》 2 《別行動》 2 《審判の日》 2 《太陽降下》 3 《失せろ》 4 《人参ケーキ》 4 《世話人の才能》 1 《大天使エルズペス》 3 《灯を追う者、チャンドラ》 -呪文(31)- |
そんな新エルズペスをスタンダードで使うならどんなデッキを……って言うまでもなくトークンデッキだわな。白を主体としたトークンデッキと言えば《世話人の才能》を軸としたコントロールデッキが思い浮かぶ。このエンチャントは各ターン最初にトークンを戦場に出した時に誘発し、1ドローをもたらす。《噴水港》《大天使エルズペス》《ミストムーアの大主》といったカードでトークンを繰り出しながら手札を満たしながらブロック役を出して時間稼ぎ、《別行動》《審判の日》などで戦場をリセット。そうやってズルズルとこちらの土俵に引きずり込んで勝負する……ロングゲームにもつれこませるトークン系のコントロールデッキは箱庭系ゲームに通ずるものがあって使っていて楽しいデッキだ。
このリストは白に赤を足したものになる。《稲妻のらせん》などの除去が使えるというのも利点だが、白にはないトークン生成法を取り入れるのが最大の狙いだ。このリストで用いられているのは《灯を追う者、チャンドラ》!なかなかカッコいいチョイスだ。チャンドラは[0]能力で機体を生成、それを自身の能力でクリーチャー化させて突撃させても良し、[+ 2]で生け贄にしてドローしても良し。打撃力のあるアドバンテージ源でトークン戦術に刺激を加えてある。
こんな感じのボロス(赤白)のトークン・コントロールに《嵐の討伐者、エルズペス》を投入したリストを考えてみよう。トークンが倍になっても《世話人の才能》で2枚引けるわけではないが、序盤を支える《人参ケーキ》のようなちょっとしたカードも脅威になるためフィニッシャー兼大物用除去としてデッキに噛み合うはず。彼女を採用するならセットで用いたいのが《ウラブラスクの溶鉱炉》!毎ターン生け贄になってしまうが、それ故にパワーが高く速攻とトランプルを持ったトークンを生成する。そのパワーは毎ターン上昇していくのでフルオートで相手をどんどん追い詰めていく超強力アーティファクトである。これが射出するファイレクシアン・ホラーが倍になったら……パワー5が2体で殴ってきたりしたら最悪だ。
そしてこのホラーを世話人でコピーするというテクニックもある。元来このトークンはターン終了時に生け贄なってしまうが、その誘発は溶鉱炉の起こすものでトークン自体が持っている能力ではない。なのでコピーは生け贄に捧げる必要がなく、戦場に脅威として残り続けるのだ。そのトークンも倍にするって?そんなの聞いてないよぉ〜!
2 《戦場の鍛冶場》 2 《感動的な眺望所》 4 《サンビロウの境界》 4 《優雅な談話室》 3 《噴水港》 1 《ミレックス》 2 《コーリ山の僧院》 3 《沈んだ城塞》 2 《平地》 2 《山》 -土地(25)- 2 《跳ねる春、ベーザ》 1 《ミストムーアの大主》 -クリーチャー(3)- |
4 《塔の点火》 4 《稲妻のらせん》 2 《別行動》 2 《審判の日》 2 《太陽降下》 2 《失せろ》 4 《人参ケーキ》 4 《ウラブラスクの溶鉱炉》 3 《世話人の才能》 1 《大天使エルズペス》 2 《灯を追う者、チャンドラ》 3 《嵐の討伐者、エルズペス》 -呪文(33)- |
というわけで《嵐の討伐者、エルズペス》入りの「ボロス・トークン」のサンプルリストを載せて終わりにしよう。原稿を書いている時点ではまだ全カードが公開されていないので、トークン戦術やコントロールに非常に有用な新カードが抜け落ちている可能性はあるが、そこは皆さんで補完して理想的なトークンデッキを考えてみてくれれば有難い。《嵐の討伐者、エルズペス》はトークンと書かれているすべてのカードと相性が良いため、その可能性は無限大。新スタンダード、トークン系デッキが再浮上してくる可能性、大いにアリ!
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