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2024年8月26日 禁止制限告知

Dan Musser, Dave Finseth
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2024年8月26日

 

告知日:2024年8月26日

スタンダード

変更なし

パイオニア
モダン
レガシー
ヴィンテージ
アルケミー

変更なし

エクスプローラー
ヒストリック

変更なし

タイムレス

変更なし

ブロール

変更なし

発効日

テーブルトップおよびMagic Online:2024年8月26日
MTGアリーナ:2024年8月27日

禁止制限告知の間隔変更のお知らせ

 本日の告知はまず、禁止制限告知のタイミングについて私たちが抱えている問題への対策についてお話しようと思います。現在、禁止制限告知はセット発売のタイミングと連動して行われており、この告知は『ダスクモーン:戦慄の館』プレビューの開幕を控える月曜日に発表されています。これは、新たなカードを評価するのに適切な状況を保つこととデッキ変更のタイミングを減らすことを目的としてきました。しかしながら、このタイミングでの告知は競技シーズン、つまり地域チャンピオンシップや地域チャンピオンシップ予選、そしてプロツアーのタイミングを考慮したものではありませんでした。

 そのため禁止制限告知が競技シーズン半ばに行われたり、先日6月24日の告知のようにプロツアー開催を控えた週に行われたりすることがありました。そのような中で、プレイテストの観点においてもカード確保の観点においても、プレイヤーの皆さんは参加しようとしているイベントで使用するデッキの選択に自信を持つのが難しい状況でした。

 6月24日の禁止制限告知がタイミングの点で悪かったのは明らかです。プレイヤーの皆さんが「プロツアー『モダンホライゾン3』」に向けた計画を適切に立てられるよう、私たちはモダンには変更を加えないことを事前に発表しなくてはならない事態になりました。これは決して理想的なものとは言えません。

 そこで今後は、禁止制限告知を地域チャンピオンシップや地域チャンピオンシップ予選のシーズンに合わせて行うことにします。この変更により、私たちは競技プレイの供給経路に可能な限り最高の体験をお届けできるよう、プレイ環境を調整できるようになるでしょう。私たちの計画としては、地域チャンピオンシップおよび地域チャンピオンシップ予選のシーズン(プロツアーを含む)にデータを収集し、それぞれのフォーマットが新セットをどのように吸収していくのか、その変遷を観察していくつもりです。またこの変更により、禁止制限告知の回数は全体的に少なくなります。

 したがって次回の禁止制限告知は、2024年12月16日となる予定です。

 なおスタンダードの禁止制限の理念に変更の予定はないということを記しておきます。スタンダードへの変更を検討するのは、引き続き緊急時以外は年1回のみとします。


(テーブルトップの禁止制限については、ダン・マッサー/Dan Musserよりお送りします。)

スタンダード

 スタンダードについては、先日初めて新たな3年ローテーションを迎えました。その後の環境はエキサイティングなものになっているように見えます! 私たちの新たなスタンダード計画における目標の多くは、達成されつつあります。私たちはプレイヤーの皆さんがデッキやカードを長く使えることを望んでおり、新たなセットが既存のデッキに新戦力を加えながら、新たな戦略も生み出すことを願っています。スタンダードの禁止を検討するのは年に1回だけという決まりは、コレクションが安全でカードを最大限に使い込むことができるという高い信頼につながっています。

 『ブルームバロウ』の発売とそれにともなうローテーションで4つのセットがスタンダードを去ったことで、既存のアーキタイプへ新たなカードが加わりながらも新しい戦略が生まれています。大枠のアーキタイプはミッドレンジ、アグロ、コントロールいずれも勝つための戦略として存在感を発揮しています。

 最近のスタンダード事情すべてに触れられているわけではありませんが、新たなローテーション後に見受けられた好ましい例をいくつか挙げたいと思います。

 『ニューカペナの街角』の基本土地タイプを持つ3色土地(《ジェトミアの庭》 など)を活かしていた前年の「版図」戦略は、それらの土地を失っても『ブルームバロウ』収録の《寓話の小道》や『カルロフ邸殺人事件』の諜報ランドに替え、さらに《装飾庭園を踏み歩くもの》を《山積みの収穫》に替えて生き残っています。いくらかのアップデートを行えば、「版図」デッキはほとんどそのまま使えるのです。

 その一方で、「ラクドス・トカゲ」など『ブルームバロウ』の新規カードで大部分が構成されるまったく新しい同族戦略に挑戦するプレイヤーも見受けられます。これまでサポート不足だったクリーチャー・タイプに、 《鱗の焦熱、ゲヴ》 や 《玉虫色の蔦打ち》といった新戦力が現れたのです。このデッキは、トカゲのシナジーを存分に活かしたパンチ力で対戦相手にプレッシャーを与え、さまざまなセットのアンタップ状態で戦場に出る土地によって動きも安定しています。中でも 《魂の洞窟》 をトカゲ指定で使える点は特筆すべきでしょう。

 以上のようにスタンダードは素晴らしい状況になっていますが、他のフォーマットは苦境に立たされています。本日はそれぞれのフォーマットにおいて特に明確な問題を取り挙げ、しばらくぶりに多くの手を入れるつもりです。

パイオニア

 私たちは数か月以上にわたってパイオニアの地域チャンピオンシップ予選シーズンの結果を観察でき、またその他のテーブルトップのイベントやMagic Onlineの「League」や「Challenge」イベントからもデータを集めることができました。このフォーマットには、2つの明確な異常値がありました。それが本日対処する「吸血鬼」と「アマリア」です。

 2月のプロツアーでセス・マンフィールド/Seth Manfield選手が優勝を果たして以来、「ラクドス吸血鬼」はパイオニアのメタゲームにおいて勢力を広げてきました。このデッキがメタゲームを占める割合は徐々に増えていき、私たちが問題を確信するレベルに近づいていきました。このデッキの代名詞である3ターン目《傲慢な血王、ソリン》からの《血管切り裂き魔》という動きは極めて強力であり、多くのデッキが手も足も出ない状況に追い込まれます。一般的な除去では対象に取るためにクリーチャーの生け贄を必要とし、そうしても2枚のカードとライフを失い対戦相手はライフを得た上で、《傲慢な血王、ソリン》と対峙することになります。この不利な交換を受けて、そこから取り返すのは容易ではないでしょう。しかもそれは、このデッキが繰り出す《思考囲い》と《致命的な一押し》のワンツーパンチで手札の回答や盤面の戦力を取り除かれていない場合に限るのです。

 地域チャンピオンシップ予選シーズンを通して30%に迫る大きなシェアを占めたこのデッキの存在は、私たちが不健全だと判断するほどにメタゲームの多様性を縮小しています。「ラクドス吸血鬼」を使っていたプレイヤーはより伝統的な「ラクドス・ミッドレンジ」へ戻る可能性が高いですが、3ターン目に強いプレッシャーを受けることがなくなることでメタゲームの門戸は広がり、他の戦略が強力なプレッシャーに晒される前に一息つけるようになるはずです。

 《傲慢な血王、ソリン》は長い間特に問題を起こさずパイオニアに存在していましたが、最高品質の吸血鬼が1枚現れただけでたちまちメタゲームの最前線に躍り出る姿を私たちは目の当たりにしました。2枚コンボのどちらに手を入れるかを検討する際に私たちが考慮することの1つは、環境内に存在する他のカードとの組み合わせで問題を起こす可能性と、いつか現れるかもしれない未来のカードとの組み合わせで問題を起こす可能性です。カードに印刷されているマナ・コストを支払う戦略は、基本的に安全でフェアなものです。一方、カードのコストを減らすことができるものは、ときに強力になりすぎることがあります。以上の理由により、《傲慢な血王、ソリン》はパイオニアにて禁止となります。

 前回の禁止制限告知でもお伝えした通り、私たちは「アマリア」デッキに監視の目を向けてきました。クリーチャーを軸にしたコンボ・デッキは、妥当なものであればメタゲームに良い厚みを加えてくれると私たちは考えています。しかし残念ながら、このクリーチャー・コンボには問題がありすぎました。

 このデッキは《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》と 《野茂み歩き》、それからさまざまなライフゲイン手段を用いて一連の能力を誘発させ、《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》のパワーが20になったときには大量のカードを引いたり切削しており、大量のライフを得ており、他のすべてのクリーチャーが破壊されているという状況になります。そしてそれでも勝利できない場合は、《野茂み歩き》に破壊不能を付与して《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》の能力を無限に誘発させればゲームは引き分けに終わります。これはゲーム体験として理想的なものではなく、もちろん私たちのチームが『イクサラン:失われし洞窟』のプレイテスト中に見つけ出した戦い方ではありません。

 このデッキはゲームが引き分けに終わる状況が多いことに加えて、コンボに必要なパッケージも極めて強靭です。コンボのパーツは《戦列への復帰》や《救出専門家》などのカードで再利用でき、《召喚の調べ》や《集合した中隊》でライブラリーから直接繰り出すこともできます。これにより高い安定性とデッキパワーを擁する「アマリア」デッキは、このフォーマットで最も成功しているデッキの1つになっています。その力と安定性、そしてゲームを引き分けにできる点から、《アマリア・べナヴィデス・アギーレ》はパイオニアにおいて禁止となります。

 私たちは、他のカードについても検討しました。特に 《宝船の巡航》 と 《鏡割りの寓話》 については、詳細な議論が行われました。私たちのチームが下した決断は、以下に触れるフォーマットもそれぞれ明確に変更を必要としている中で、それぞれのフォーマットが必要とする一番重要な変更を優先し、やりすぎにならないようにしたい、というものでした。(これは、続けて他のフォーマットの変更を読んでいくうちに皆さんにも共感いただけることでしょう)。今回の変更によりそれぞれのフォーマットがより楽しくなると私たちは確信していますが、実際はどれくらい楽しくなるでしょうか? 私たちはこれらの変更を観察し、各フォーマットがどのように進化するのかを確かめ、次回12月16日の禁止制限告知でのさらなる変更が必要になるかどうかを見極めていきます。

モダン

 この記事の冒頭でお伝えした通り、前回の禁止制限告知はタイミングに問題がありました。私たちは、フォーマットへの変更がいつ行われるのかをプレイヤーの皆さんが把握できることが大切だと考えています。そのため、お約束した告知日を守ることが大切だと考えていたのです。しかしアムステルダムでのモダンのプロツアーが開催される週での発表はあまりに早く、プロツアー閉幕の数週間後であればより良い内容にできたと思います。この告知タイミングの悪さによって、ここ1か月半のモダンはかなりの停滞を余儀なくされました。プレイヤーの皆さんは次の機会に《有翼の叡智、ナドゥ》は禁止されるだろうと意識しながらも、イベントで勝つ可能性が最も高いのは《有翼の叡智、ナドゥ》を使うことだと理解していました。それはプレイヤーの皆さんにとっても、店舗の皆さんにとっても、トーナメント主催の皆さんにとっても辛い体験でした。

 もし禁止制限告知のタイミングを変更できたなら、おそらく7月の終わり頃を狙っていたことでしょう。現在進行中のモダンの地域チャンピオンシップ予選シーズンに取りかかる前のタイミングです。私たちは過去へ戻って修正することはできませんが、過去から学び、今後のアプローチを変えることはできます。そして今この場で、モダンに存在する明確な問題に対処することができるのです。

 《有翼の叡智、ナドゥ》については、モダンのエキスパートであり『モダンホライゾン3』でリード・デザイナーを務めたマイケル・メジャース/Michael Majorsより別途、このカードが生まれた経緯と本日付けで禁止される理由をお伝えします。

 ここしばらくの間、《悲嘆》はモダンの競技イベントにおいて最も楽しくない要素の1つとして悪評を立てられてきました。1マナでこのカードを戦場に戻すさまざまな手段によって、開幕から手札が2枚も3枚も減らされるのは、あまりに厳しい仕打ちです。マリガンを喫するだけでも苦しい思いをしますが、そこへ《悲嘆》が2度も襲いかかるのは、ただでさえ楽しくない体験をさらに悪化させるだけです。たとえマリガンをしていなくても、1ターン目から手札のベスト・カードを取り去られた上でパワー3や4の威迫持ちクリーチャーへの回答を用意しろというのは、あまりに高い要求でしょう。

 現在《悲嘆》はかつてほど多くは見受けられませんが、複数のデッキに採用される環境の主力カードであり続けています。「黒単ネクロドミナンス」や「エスパー御霊」、「死せる生」、「ラクドス・ミッドレンジ」その他さまざまなデッキが、1マナのカードを駆使して《悲嘆》のマナを使わない「想起」を利用しています。モダンをより楽しいフォーマットにするため、本日をもって《悲嘆》は禁止となります。

 今回の告知に向けては、他にも対応すべきかを検討したカードがありました。それは 《一つの指輪》です。《一つの指輪》の姿は複数のデッキに見受けられるものの、モダンを脅かすような「一つの指輪デッキ」は存在しません。確かに身を守る能力とカード・アドバンテージを得られる能力の組み合わせは唯一無二のものであり、さまざまな戦略を支える強力な1枚です。しかし最終的に、私たちは《一つの指輪》に対しては行動を起こさないことに決めました。このカードがモダンに起こし得る問題は、《有翼の叡智、ナドゥ》や《悲嘆》ほど明確ではありません。私たちは今回の変更後の環境の動きを観察し、モダンの健全さの評価を続け、今後の対応が必要かどうかを判断していきます。

 前向きな話をすると、『モダンホライゾン3』でもたらされた探索しがいのある可能性の多くに《有翼の叡智、ナドゥ》が影を落とす中でも、《有翼の叡智、ナドゥ》以外のカードや戦略が成功を収めている姿を私たちは確認しています。「エネルギー」や「エルドラージ」デッキは、『モダンホライゾン3』で私たちが意図的にサポートしたテーマです。 《ネクロドミナンス》 は、その名を冠するまったく新しい黒単戦略を実現しています。 《超能力蛙》 は、かつての「イゼット・マークタイド」デッキをディミーアの形に変えています。《有翼の叡智、ナドゥ》の影が取り除かれた後には、他に何が見つかるでしょうか?

レガシー

 レガシーでは、大きな力を振るうことができます。このフォーマットでは、マジックでも特に強力なカードの数々が飛び交うのです。しかし、いかにカードが強力であろうとも、それを活かすには唱える必要があります。モダンと同様に、《悲嘆》はそれを妨害するのです。

 モダンでは《悲嘆》のマナを使わない「想起」を活用するために 《マラキールの再誕》 や 《儚い存在》 など用途の狭いカードを使用していますが、レガシーでは 《再活性》 や 動く死体》 を使用でき、 《目くらまし》 や 《意志の力》のようなバックアップ手段もあります。レガシーには長きにわたりさまざまな「リアニメイト」戦略が存在してきましたが、これまで印刷されてきた中でも特に強力な墓地対策カードが広く採用されることで、監視の目が届いているのが常でした。《悲嘆》はリアニメイト効果との相性が良い脅威でありながら、対戦相手が繰り出す典型的な対策カードにも手を出すことができます。

 端的に言えば、レガシーには《悲嘆》と 《再活性》の強力な組み合わせを管理できるほどの自己修正力はありませんでした。「ディミーア・リアニメイト」がメタゲーム上のシェアを伸ばし続けていることを受け、私たちは《悲嘆》をレガシーで禁止する判断に至りました。

 モダンと同様に、今回の変更では他にもいくつかのカードを検討しました。『モダンホライゾン3』のカードに注目した新たな「エルドラージ」デッキに目を向け、 《超能力蛙》についても多くの議論を重ねました。しかしながら、現在のレガシーのメタゲームにおいて私たちがまず変更に着手したい部分は、《悲嘆》と《再活性》が大半を占めています。特に《悲嘆》と《超能力蛙》は、「ディミーア・リアニメイト」に同居しています。《超能力蛙》はさまざまな「デルバー」デッキにも採用されていますが、《悲嘆》が禁止となることで、メタゲーム上の存在感は小さくなるはずです。

ヴィンテージ

 2021年に 《夢の巣のルールス》 がヴィンテージの厳選された禁止リストから外れて以来、この相棒はヴィンテージのメタゲームにおける存在感を増し続けています。ヴィンテージは他のフォーマットより緩やかに進化していく傾向があり、管理の必要性が明らかになるまで時間を要することが常です。事実、先日のステッカーやアトラクションに関するカードの禁止を除けば、ここ数回の変更には禁止解除や制限解除が含まれています。これは、ここしばらくの間ヴィンテージが良い状態にあったことを示しているのです。

 《ウルザの物語》を擁する《夢の巣のルールス》デッキは、ここ1年ほどメタゲームの最上位に立っており、テーブルトップのイベントでもMagic Onlineの「Challenge」イベントでもトップ8の代表的な存在になっています。「ルールス・サーガ」がヴィンテージのトップ戦略として広く認められている一方で、このフォーマットにおいて《ウルザの物語》を4枚使用することの機会費用は低すぎます。このフォーマットでは、ほぼすべてのデッキに0マナや1マナのアーティファクトが採用されています。 《Mishra's Workshop》 デッキから 《修繕》 デッキまで、数々の戦略がゲームプラン全体を狭めることなくこの強力な土地を活用できるのです。

 ヴィンテージにおける非制限カードで最も多く使用されているカードの上位5枚に入る《ウルザの物語》を制限しても、現在採用している多くの戦略から取り除かれることはないでしょう(ある程度は起こることかもしれませんが)。この制限により、6/6の構築物・トークン2体や3~4ターン目の 《Black Lotus》 によるマナの爆発によって決着するゲームが減るでしょう。ヴィンテージ・プレイヤーの皆さんが、より多彩なゲーム体験を楽しめるようになるはずです。以上の理由から、《ウルザの物語》はヴィンテージにおいて制限となります。

 さてヴィンテージにおける非制限カードで最も多く使用されているカードの話題を続け、《苛立たしいガラクタ》の話に入りましょう。『モダンホライゾン3』で登場したこの小さな宝石は、 《悲嘆》や 《否定の力》や 《死せる生》といった、モダンにおけるさまざまなフリースペルを止めるために作られました。これはフォーマットによっては妥当な目標でしたが、そうとは限らないフォーマットもあります。

 皆さんは、マジックの歴史上でも特に強力な呪文を使うためにヴィンテージをプレイしているのでしょう! 先攻を取って対戦相手がターンを迎える前に《苛立たしいガラクタ》を解決できたプレイヤーは、ヴィンテージならではのクールなカードを自分はプレイした後に、対戦相手の動きを効率的にシャットアウトできます。このフォーマットに人々が惹かれる大きな理由の1つが、各種「Mox」に《Black Lotus》、 《意志の力》をプレイできることです。 《虚空の杯》のようなカードと異なり、《苛立たしいガラクタ》は2~4枚採用しても戦略に大きな支障は出ません。手札に余れば戦場にあるものを生け贄に捧げて、0マナの呪文を唱えてからもう1枚解決させることもできるのです。ヴィンテージのヴィンテージらしさを維持するという精神に則り、《苛立たしいガラクタ》は制限となります。


 (MTGアリーナの禁止制限については、デイヴ・フィンセス/Dave Finsethよりお伝えします。)

アルケミー

 ローテーションによりいくつかのデッキが環境を去り、アルケミーは刷新されました。エキサイティングなデッキ構築の1年への道が開かれたのです。「強奪」は競技の舞台での勝率については「ハツカネズミ」や「兎」デッキのような新戦力と比較して低くなっていますが、最も人気を集めるデッキの1つであり続けています。『アルケミー:ブルームバロウ』のリリースも迎えた今、私たちは目まぐるしく変化するこのフォーマットでプレイヤーの皆さんがどんな新デッキを編み出すのか、楽しみにしています。

エクスプローラー

 パイオニアで禁止されているカードでMTGアリーナに実装済みのものは、エクスプローラーでも禁止となります。MTGアリーナでの競技パイオニア実現に向けて、エクスプローラーの禁止制限は引き続きパイオニアに準拠したものとなります。「アマリア・コンボ」のプレイ・パターンは苦しい体験をもたらすため、MTGアリーナにおいても環境から去ることを歓迎します。

ヒストリック

 『モダンホライゾン3』のリリース以降、「ボロス・エネルギー」が競技シーンを席巻し、ヒストリックのメタゲームは一気にそちらへ傾いています。この状況を整えるために、私たちは特に強力な3枚のカードに再調整を行いました。 《魂の導き手》、 《電気放出》、 《オセロットの群れ》の3枚です。それぞれの再調整版は競技シーンにおける選択肢の1つであり続けていますが、このフォーマットのパワーレベルの基準に近づきました。「ボロス・エネルギー」の強さは健在でヒストリックにおける人気デッキの1つとなっていますが、傑出した存在ではなくなりました。今回の再調整は成功したと言えます。「エネルギー」の支配がなくなった今、ヒストリックは再びMTGアリーナの中でも特に多様性に満ちたフォーマットの1つになっています。

タイムレス

 タイムレスはようやくフォーマットとして落ち着き始めており、最近のカードの追加後の環境に私たちは満足しています。タイムレスには規模は小さいながらも情熱的なコミュニティがあり、互いに切磋琢磨しながら最も強力なデッキを組み上げるという挑戦が行われています。「ボロス・エネルギー」は、コントロールやコンボが中心だったメタゲームにアグレッシブな戦略をもたらし、このフォーマットに健全さを加えてくれました。《実物提示教育》はメタゲームを定義する強力な1枚であり続けており、ディミーアやジェスカイのコントロール・デッキを生み出しています。

 タイムレスを競技フォーマットに採用する準備はさらに進んでいると私たちは確信しており、このフォーマットで予選ウィークエンドを行う予定を立てています。

ブロール

 新セットのリリース時期によく見受けられることですが、『ブルームバロウ』のリリース以来プレイヤーたちは新たな伝説のクリーチャーを中心にしたデッキを続々と組み上げ、このセットの統率者たちは人気を集めています。私たちは今後もブロールにおけるマッチメイキングの管理を続け、プレイヤーの皆さんに最適な対戦組み合わせを探っていきます。最近行われた変更の中で特筆すべきは、 《有翼の叡智、ナドゥ》 がより強力なデッキとマッチメイキングされるよう、パワーレベルの基準を上げたことです。

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