2024年4月16日

 

　「Varmints（匪獣）」

　これは「筆者的プロツアー観戦ガイド記事に似合わない言葉ランキング」第12位にランクインしましたね。「ツルニチニチソウ」や「カリカリ引っかく」、「英語」、「勝者」が先に出てくるまで、ちょっと待っててください。サンダー・ジャンクションにはこの「Varmints」がたくさんいますが、（サッカーの）VARや（お口リフレッシュの）ミント/mintとは関係ありませんよ。さあ、愛馬に乗って駆け出しましょう。プロツアーがやってきますよ、ヒャッハー！

　言いたいことを言えてスッキリしました。ここからは、マジック流の西部劇次元をネタにすることなく「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」のプレビューをお届けします。

「プロツアー」って何？ 誰が出場するの？

　プロツアーは、数多くある競技の道が向かう終着点、マジック最高権威の大会の１つです。招待選手限定のこのイベントでは、総額500,000ドルの賞金（とトロフィー）や毎年開催される「マジック世界選手権」への参加権利に関わるポイントが授与されます。

　地域チャンピオンシップを勝ち抜いたプレイヤー、2023年シーズンで活躍したプレイヤーやプロツアー上位入賞者、MTGアリーナやMagic Onlineのプレミア・イベントで参加資格を得たプレイヤーなど、200名を超える選手が「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」に参加します。全参加者のリストはこちらでご覧いただけます。（リンク先の情報は変更される可能性があります。）

大会はどのように行われる？

　今年の開幕を告げる「プロツアー『カルロフ邸殺人事件』」が「MagicCon: Chicago」で行われ、「MagicCon: Amsterdam」（「プロツアー『モダンホライゾン３』」）や「MagicCon: Las Vegas」で行われる「第30回マジック世界選手権」を控えるこの時期に、プロツアーの常連や新顔がウィザーズ・オブ・ザ・コーストのお膝元で戦いを繰り広げます。アメリカ北西部の主要都市シアトルに集う選手たちは、「世界選手権1995」以来30年近くにわたってマジックの象徴となっている舞台で頂点を目指すのです。

　フォーマットや大会形式は長い時間を経て変わってきましたが、現在の形式もドラマやサプライズが生まれる純粋な力比べをお楽しみいただけます。開幕を飾るのは、最新セット『サンダー・ジャンクションの無法者』を用いるドラフトです。８人１組のテーブル（ポッド）にランダムに振り分けられた選手たちは、プレイ・ブースター３パックでドラフトを行い、それぞれのポッド内で３回戦を戦います。最初の２回戦で敗北を喫した選手は、同じ不運に見舞われた選手と０勝２敗同士で当たることになるでしょう。最初に当たった２人を撃破した方は、もう１人の無敗プレイヤーと「そのポッドの勝者」を決める戦いに臨みます。

　自分と同じ成績のプレイヤーと対戦するというパターンは、大会を通して適用されます。シアトルに集う210人以上の選手たちからは、初日のドラフト全勝者が28名ほど現れることになります。

　続けて構築フォーマット、今回はスタンダードの戦いに移ります。スタンダードを基幹フォーマットとするべくウィザーズ・オブ・ザ・コーストが広く宣伝を行い、素晴らしい店舗イベントを開催していることは、周知の事実でしょう。

　プロツアーはその取り組みにおいて重要なイベントとなります。今大会は初日の５回戦（第４～８回戦）、２日目の５回戦（第12～16回戦）、そしてトップ８によるプレイオフもスタンダードで行われるのです。プロツアーで優勝したいなら、スタンダードを徹底的に知り尽くすのが良いでしょう。

　初日と２日目のスタンダード・ラウンドの間には、２日目のドラフトが行われます。その卓に座るには、初日で４勝４敗以上の成績を収める必要があります。第１ポッドは全勝か１敗で２日目へ進出したプレイヤーによって囲まれ、全員にトップ８進出の目があります。第16回戦を終えたときの上位８名のみが３日目の舞台へ上がることができるのです。

　12勝（獲得マッチ・ポイント36点）がプロツアーにおけるマジック・ナンバーです。最終ラウンドの前に12勝を達成した選手には、トップ８の席が約束されます。11勝のプレイヤーも十分トップ８進出の目を残しているでしょうが、12勝は確定保証なのです。

　トップ８によるプレイオフでも初日と２日目で使用したデッキをそのまま使用しますが、シングルエリミネーションのトーナメント方式で行われます。各試合はBO3からBO5になり、サイドボーディングは２ゲーム目が終了した後に行うことになります。日曜日の最後に新たなプロツアー王者が誕生し、記録に加わるのです。

　果たして誰が栄冠を手にするのか。マジックはいつも素晴らしい物語を私たちに見せてくれます。今年２つ目のプロツアーである今大会にも、気になって仕方がない物語が待っています。

• 『サンダー・ジャンクションの無法者』――私は、マジックが常に変革を続けるところが大好きです。列車強盗や夕陽の中での決闘を、30年も続けてほしいですか？ 私はそう思わないです。とはいえこの共鳴に満ちたセットは、初日と２日目の朝を大いに盛り上げてくれるでしょう。（シアトルでステットソンを売っているところはありましたっけ？）
• チーム「Handshake」――昨年はまさに「『Handshake』かそれ以外か」という１年でした。チーム「Handshake」が無双したのです。しかし「プロツアー『カルロフ邸殺人事件』」では、また新たな物語が始まりました。
• チーム「CFB（ChannelFireball Ultimate Guard）」――「西部劇次元をネタにすることなく」と言った手前、「街に新たな保安官がやってきた」とは言えませんね。「街に古くからいる保安官」なら言ってもいいでしょうか？ それはなかなか的を射ていますからね。「CFB」がシカゴの地で再び輝きを放ちました。彼らが結果を出すことを変だと思うことはないでしょう。これらのビッグチームへの期待は高まるばかりです。
• セス・マンフィールド/Seth Manfield――CFBの活躍を先導するのが、シカゴで王座に就いたセス・マンフィールド選手です。かつての世界王者でもある彼がウィナーズ・サークルから遠ざかったと思っていた中で味わった勝利の味は、より甘美なものだったことでしょう。偉大なプレイヤーであり、偉大なチームの一員でありながら仕事にも打ち込んだその姿勢は報われたのです。
• スタンダードを制するのは誰か――シカゴでのCFBの偉業は、パイオニアで大ブレイクを果たしたデッキを輩出したことでした。果たして彼らはスタンダードでも勝利の方程式を導き出せるでしょうか？ チーム「Handshake」をはじめとする他のプレイヤーたちが見つけ出せない解答を見つけ出せるでしょうか？ 大変な仕事になりそうですね。
• サイモン・ニールセン/Simon Nielsen――これも大きなトピックの１つです。記録的な出来事に事欠かないマジックというゲームで、サイモン選手は他の追随を許さない安定性を誇ります。彼は直近の４大会ですべてトップ８に入賞しているのです。トップ８入賞４回は、殿堂入り級の成績です。ニールセンはそれを、12か月で達成したのです。果たして彼は、この凄まじい記録を５回目に伸ばすのでしょうか？

　これらの物語の結末は、皆さんの目で確かめてください。

イベントはどこで観戦できる？

　「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」の模様は、4月26〜28日の日程でtwitch.tv/magicにて英語生放送でお送りします。プレイヤーやファンの皆さんの投稿、またカバレージ等のコンテンツは#PTThunderのハッシュタグをつけて@PlayMTGにてお届けしますので、ぜひチェックしてください。

　4月26日(金)、27日(土)の放送はアメリカ東部時間14時（日本時間27時）から開始し、『サンダー・ジャンクションの無法者』ブースタードラフトを３回戦お送りした後、スタンダード構築戦を５回戦お届けします。

　4月28日(日)のトップ８プレイオフの放送は、アメリカ東部時間13時（日本時間26時）から開始し、準々決勝の全卓すべてを同時に進行、また準決勝も２卓同時に進行し、最後に決勝戦を執り行います。

　26日(金)、27日(土)に行われるブースタードラフトは現地時間9時（日本時間25時）から開始しますが、放送は11時（日本時間27時）から開始し、フィーチャーするプレイヤーのドラフトピック、そして第１回戦の模様をお送りします。放送が進行するにつれて、実際の対戦と放送でお送りする対戦との時差は徐々に縮まる予定です。

　28日(日)のトップ８プレイオフは現地時間10時（日本時間26時）から開始し、準々決勝のフィーチャーマッチをフルでお送りした後、その他の卓をできる限り多く放送予定です。また、準決勝も同様に、フィーチャーマッチをフルでお送りした後、もう１卓の残りの試合をお届けし、それから決勝戦の模様をすべてお見せする予定です。

デッキリストの公開はいつ？

　4月26日の第４回戦開始時に、「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」公式イベントページにてスタンダードのデッキリストを公開予定です。掲載はアメリカ東部時間17時ごろ（日本時間翌27日6時頃）を予定しています。（日本語翻訳版デッキリストも追って公開予定です。）

　なお『サンダー・ジャンクションの無法者』ブースタードラフトのデッキリストの公開予定はありません。

　イベントの模様は、Magic.ggおよびtwitch.tv/magicにて随時お届けします。

日本語版注：日本語での情報は、以下のメディアからお届けします。

「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」 日本語イベントカバレージページ

Twitter @mtgjp （マジック日本公式アカウント）

Twitter @MTGArenaJP （MTGアリーナ日本公式アカウント）

　「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」の模様は、全日程で日本語実況で公式生放送！ 放送スケジュール・放送ページは以下のとおりです。

「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」日本語放送情報

日程	放送日・放送時間	放送ページ
１日目	4月26日(金) 27:00（翌03:00）～	「YouTube」
２日目	4月26日(土) 27:00（翌03:00）～
３日目	4月28日(日) 26:00（翌02:00）～

日本語版放送出演者

• 実況：石川朋彦（@katuobusi717）
• 実況：ブルナー実久（@mksnake007）
• 実況：岩SHOW（@suicidman）
• 解説：黒田正城（@masashiro41236）
• 解説：松本友樹（@torauoo）
• 解説：加藤健介（@katoken6017）

生放送の配信チームは？（英語版）

• マリア・バーソルディ/Maria Bartholdi（総合司会）
• セドリック・フィリップス/Cedric Phillips（解説）
• ライリー・ナイト/Riley Knight（実況）
• エイリー・ロニー/Eilidh Lonie（レポーター）
• コーリー・バウマイスター/Corey Baumeister（解説）
• マーシャル・サトクリフ/Marshall Sutcliffe（実況）
• マニ・ダヴォーディ/Mani Davoudi（解説）

ミラー配信は許可されていますか？

　「Twitchコンテンツの共有に関するガイドライン」に従った上で、「OBS」または「XSplit」をご利用いただくことで、「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」のtwitch.tv/magic公式配信をミラー配信できます。これによって、Twitchをご利用の皆さまがそれぞれのコミュニティでこのイベントの観戦をお楽しみいただけます。ただし、ミラー配信はウィザーズ社が後援するものではありません。また、ミラー配信を行う方はウィザーズの「ファンコンテンツ・ポリシー」を遵守していただきますようお願い申し上げます。

勝者には何が贈られるの？

　「プロツアー『サンダー・ジャンクション』」でマッチ・ポイントを30点以上獲得したプレイヤーは、2024年6月に「MagicCon: Amsterdam」にて開催予定の「プロツアー『モダンホライゾン３』」に招待されます。

　さらに参加者には、優勝賞金50,000ドルをはじめ、トーナメントの最終順位に基づき総額500,000ドルの賞金が授与されます。最終順位に関わらず、参加者全員が少なくとも1,000ドルを受け取ります。賞金についての詳細は、後日改めてお伝えします。

どうやったらプロツアーに参加できるの？

　皆さんのプロツアーへの旅路は、お近くの店舗にて開催される、地域チャンピオンシップ予選からすぐにでも始めることができます。まずは予選を勝ち抜いて地域チャンピオンシップへの参加権利を獲得し、同じく予選を突破した強豪との戦いを制し、プロツアーへの参加権利を獲得しましょう！

　2025年最初のプロツアーへと続く地域チャンピオンシップ予選は、7月21日まで開催され、参加者にはプロモカード《バネ葉の太鼓》が配布されます。

 

　さらに、各地の予選で上位に入賞した方には非フォイル仕様の《ゴブリンの先達》が、予選イベントで対応する地域チャンピオンシップへの参加権利を獲得した方にはフォイル仕様のものが配布されます。

 

　お近くのWPN店舗で地域チャンピオンシップ予選が開催されているかもしれません。日程などの詳細は各店舗に直接ご確認ください。

　地域チャンピオンシップについて詳しく知りたい場合は、下記のリンクから各地域の主催者のウェブサイトをご覧ください。

• アメリカ――StarCityGames.com
• カナダ――Face to Face Games
• ヨーロッパ、中東、アフリカ（EMEA）――tournamentcenter
• オーストラリア/ニュージーランド――Good Games
• 中国――Kadou
• 日本/韓国――Big Magic
• 東南アジア――Oracle Events
• 台湾――Game Square
• ブラジル――City Class Games
• メキシコ/中央アメリカ/カリブ諸島――Necrotower
• 南米――Magicsur