READING
お知らせ
『ニューカペナの街角』更新速報(総合ルール更新、オラクル更新)
2022年4月20日
はじめに
こんにちは、皆さん!
『ニューカペナの街角』には、いくつかの新しいメカニズムと、いくつかの再録メカニズムと、1つの更新メカニズムである秘匿があります。秘匿能力を持つ過去のカードはその変更に適応するために変更されました。また、このセットの発売に伴って、過去のカードのオラクルに、機能変化を伴わないいくつかの変更が加えられました。
この文章は、ルールやカード・テキストの変更の編集中に書かれたものなので、最終的なものとは少し異なる場合があります。完成したら、ルール・ページ(英語版)で公開されます。セットが発売されたら、カードの公式なオラクルがGathererで公開されます。
それでは、早速飛び込みましょう!
総合ルール変更点
これは、『ニューカペナの街角』の発売とともにマジックに予定されているルール変更の概要です。執筆時点で、公式ルールは検証中です。公式ルールは、ルール・ページ(英語版)で公開されます。この概要と公式ルールとの間に齟齬がある場合、公式ルールが優先されます。
新ルール、更新されたルール
謀議
701.47
このセクションの最初のサブルールは、謀議のキーワード処理を説明しています。具体的には、クリーチャーが謀議すると指示された場合、そのコントローラーはカード1枚を引き、その後、カード1枚を捨てます。これにより土地でないパーマネント・カードが捨てられたなら、そのプレイヤーはその謀議したパーマネントの上に+1/+1カウンター1個を置きます。
このセクションのそれ以降の部分では、領域を変更するパーマネントが謀議すると指示された場合や、複数のパーマネントが同時に謀議すると指示された場合などの稀な状況を扱っています。また、謀議Nという変種の処理も説明されています。
犠牲
702.153
これは、犠牲の項目です。犠牲Nは、「この呪文を唱えるための追加コストとして、あなたはN以上のパワーを持つクリーチャー1体を生け贄に捧げてもよい。」と「あなたがこの呪文を唱えたとき、犠牲コストが支払われていた場合、これをコピーする。この呪文が対象を取っていたなら、あなたはそのコピーの新しい対象を選んでもよい。」を意味します。
2つ目のサブルールは、呪文が複数の犠牲を持っていたらどうなるかを説明していて、それぞれは独立に支払われ、それぞれごとの支払いに基づいて誘発します。
奇襲
702.152
これはキーワード能力である奇襲に関するルールです。奇襲は、奇襲を持つカードがスタックにある間に作用する常在型能力2つと、奇襲を持つオブジェクトが戦場にある間に作用する常在型能力1つを表します。「奇襲[コスト]」は、「あなたはこのこのカードをマナ・コストではなく[コスト]を支払うことで唱えてもよい。」と「この呪文の奇襲コストが支払われていたなら、次の終了ステップの開始時に、この呪文がなるパーマネントを生け贄に捧げる。」と「このパーマネントの奇襲コストが支払われていたなら、これは速攻と『このパーマネントが戦場から墓地に置かれたとき、カード1枚を引く。』を持つ。」を意味します。奇襲コストで呪文を唱えることは、rule 601.2bと601.2f-hの代替コストの支払いに関するルールに従います。
盾カウンター
122.1c
カウンターに関するセクションにあるこの新ルールは、盾カウンターを持つパーマネントに影響する置換効果を説明しています。具体的には、「このパーマネントが効果の結果として破壊されるなら、代わりに、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」と「このパーマネントがダメージを受けるなら、そのダメージを軽減し、これの上から盾カウンター1個を取り除く。」を意味します。
プレインズウォーカーに装備
702.6e
この新ルールは、プレインズウォーカーに装備という変種能力がどう働くかを説明しています。「プレインズウォーカーに装備[コスト]」は、「[コスト]:あなたがコントロールしているプレインズウォーカー1体を対象とする。このパーマネントを、そのプレインズウォーカーがクリーチャーであるかのようにそれにつける。あなたがソーサリーを唱えられるときのみ起動できる。」を意味します。
秘匿
702.75a-b
秘匿は『ニューカペナの街角』の発売に伴って更新されました。702.75aには秘匿の新しい定義が、702.75bには明示的にそれと揃えるための過去のカードへの訂正が含まれています。この変更により、「秘匿N」は「このパーマネントが戦場に出るとき、あなたのライブラリーの一番上にあるカードN枚を見る。そのうち1枚を裏向きに追放し、残りをあなたのライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。その追放されたカードは『このカードを追放したパーマネントのコントローラーは、追放領域にあるこのカードを見てよい。』を得る。」を意味するようになりました。
互換の名前と代替の名前
『Secret Lair x Stranger Things』カードの世界内での同等品の追加により、複数の英語名を持つけれども同一の名前を持つかのように扱われるカードを扱うためのいくつかのルールが追加あるいは更新されました。
201.3
現在のrule 201.3と名前セクションの他の項目は互換の名前に関するこの新しいセクションのために項番変更になります。結果として、デッキ構築やフォーマットでの適正性やゲームルール上、互換性を持つカードは同じ名前を持つものとして扱われます。
201.4g
この新しいサブルールは、カードの名前を選ぶように指示されたプレイヤーが互換の名前を持つカードの名前を選んだときに何が起こるかを説明しています。その場合、該当するカードそれぞれの名前が選ばれます。
201.6
これは、《力の具現、ジローサ》などの第2の名前行を持つカードに見られる、代替の名前を扱うルールです。今後、これらのカードは、ルール文で第2の名前行を参照できるようになりますので、ルールはそのために更新されました。これは互換の名前とは違い、これらのカードは常に第2の名前行にある名前を持つものとして扱われます。これらのカードの公式オラクルは、その名前を参照し続けます。
212.1f
この新しいルールは、互換の名前を持つ一部のカードでテキスト欄の下にありそのカードの特定の版だけに言及する印について説明しています。
各種フォーマットのセクションのルールのいくつかもそのために更新されて、デッキ構築のためにはそれらの互換の名前を持つカードは同じ名前を持ちます。
それ以外のルール変更
207.2c
団結が能力語の一覧に追加されました。
208.4a-b
これは「基本のパワーとタフネス」の意味を定義するルールです。《魂の養育者、ベス》はこれを新しい使い方をしていますので、元の定義はrule 208.4aとなり、新しいrule 208.4bではクリーチャーの現在の基本のパワーとタフネスを計算する方法を説明しています。このルールを言い換えると、クリーチャーの基本のパワーやタフネスを参照する効果は、特性定義能力とパワーやタフネスを特定の値にする能力のあとのそのパーマネントの特性を見て、パワーやタフネスを特定の値にするのではなく修整する効果やカウンターを無視します。
つまり、あなたが「このクリーチャーのパワーとタフネスはそれぞれあなたがコントロールしている土地の数に等しい。」という能力を持つクリーチャーをコントロールしていて、それに《剛力化》を唱えていたとしたら、その基本のパワーとタフネスはそれぞれあなたがコントロールしている土地の数に等しい値で、《剛力化》の効果によるボーナスは計算に入りません。
601.4a
この新しいルールは、呪文を唱える手順の間にその呪文が瞬速を失うという非常に稀な場合に何が起こるかを説明しています。その場合、そのプレイヤーはその呪文が瞬速を持つかのように唱えきることができます。
612.7
このルールはこれまで《ヴィトゥ=ガジーの目覚め》を名指しにしていましたが、《証人保護》も同じことをするので、一般化されました。これは機能変化ではありません。
702.124g
この新しい共闘のサブルールは、共闘の変種である「永遠の友」がどう機能するかを説明しています。これは他の共闘能力とは相互作用しません。
702.138c-d
脱出能力を持つカードの中に、「[このパーマネント]は[何か]で脱出する。」というものがあります。[何か]が、それがどのように戦場に出るかに影響を及ぼす置換効果である場合も、そのパーマネントが持つ能力である場合もあります。新しいサブルールで、それらの明確化がされました。
新サブタイプ
アライグマ
新しい用語
奇襲、犠牲、謀議、永遠の友、盾カウンター
オラクル変更点
『ニューカペナの街角』の発売に伴い、カードにいくつかの変更が加えられました。Gathererでカードの公式テキストが参照できます。
秘匿
このセットの発売に伴って秘匿のルールが変更され、秘匿能力を持つ過去のカード6枚は下の機能を維持するために変更されました。数字がついていない秘匿能力を持つ過去のカードは、「秘匿4」と「この[パーマネント]はタップ状態で戦場に出る。」を持つように変更されました。この変更の影響を受けるカードは6枚です。
「この呪文が墓地に置かれるなら」
カードの中には、インスタントやソーサリーである呪文を唱える許可と「このターンにその呪文が墓地に置かれるなら、代わりに、それを追放する。」という指示があるものがあります。これにより唱えられた呪文が後のターンに墓地に置かれることはありえないので、「このターン」は不必要なので削除されました。これらのカードは、「その呪文が墓地に置かれるなら、代わりに、それを追放する。」になりました。この機能変化を伴わない変更の影響を受けるカードは15枚です。
《編集長、デンリー・クリン》
このカードは「creature you control enters the battlefield」を参照する一般的でない記法で印刷されていて、また、どのカウンターを指しているのかがやや曖昧になっていました。その両方を明確化するため、機能変化を伴わない更新が加えられました。これは機能変化ではありません。
旧テキスト:
Denry Klin, Editor in Chief enters the battlefield with your choice of a +1/+1, first strike, or vigilance counter on it.
Whenever a nontoken creature you control enters the battlefield, if Denry has counters on it, put the same number and kind of counters on that creature.
新テキスト:
Denry Klin, Editor in Chief enters the battlefield with your choice of a +1/+1, first strike, or vigilance counter on it.
Whenever a nontoken creature enters the battlefield under your control, if Denry has counters on it, put the same number of each kind of counter on that creature.
和訳:
編集長、デンリー・クリンは+1/+1カウンターや先制攻撃・カウンターや警戒・カウンターのうちあなたが選んだ1つが置かれた状態で戦場に出る。
トークンでないクリーチャー1体があなたのコントロール下で戦場に出るたび、編集長、デンリー・クリンの上にカウンターがある場合、それらと同数同種のカウンターをそのクリーチャーの上に置く。
《血の手の炎》
しばらく前に、ダメージをプレインズウォーカーに「移し替え」ることができるというルールが削除され、代わりにダメージを与える呪文は直接プレインズウォーカーを対象に取れるようになりました。このルール変更のために、多くのカードに更新が加えられました。《血の手の炎》はその更新の一部でしたが、「that player」に言及した新しい表記でプレインズウォーカーを対象にできるのかが曖昧になっていました。明確化のため、追加で機能変化を伴わない更新が加えられました。
旧テキスト:
Flames of the Blood Hand deals 4 damage to target player or planeswalker. The damage can't be prevented. If that player would gain life this turn, that player gains no life instead.
新テキスト:
Flames of the Blood Hand deals 4 damage to target player or planeswalker.The damage can't be prevented. If that player or that planeswalker's controller would gain life this turn, that player gains no life instead.
和訳:
プレイヤーやプレインズウォーカーのうち1つを対象とする。血の手の炎はそれに4点のダメージを与える、そのダメージは軽減されない。このターン、そのプレイヤーやそのプレインズウォーカーのコントローラーがライフを得るなら、代わりに、そのプレイヤーはライフを得ない。
《一時しのぎの協定》
『ニューカペナの街角』の発売に伴い、盾カウンターの意味がルールで定義されました。過去のカードの《一時しのぎの協定》は盾カウンターを使っていました。過去のこのカードに意図しない機能を加えてしまうことを避けるため、「一時しのぎカウンター」を使用するように変更されました。
旧テキスト:
Whenever a creature an opponent controls becomes tapped, put a shield counter on Palliation Accord.
Remove a shield counter from Palliation Accord: Prevent the next 1 damage that would be dealt to you this turn.
新テキスト:
Whenever a creature an opponent controls becomes tapped, put a palliation counter on Palliation Accord.
Remove a palliation counter from Palliation Accord: Prevent the next 1 damage that would be dealt to you this turn.
和訳:
対戦相手がコントロールしているクリーチャー1体がタップ状態になるたび、一時しのぎの協定の上に一時しのぎカウンター1個を置く。
一時しのぎの協定の上から一時しのぎカウンター1個を取り除く:このターン、次にあなたが受けるダメージ1点を軽減する。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
RANKING ランキング
-
広報室
年末年始もマジックづくし!「お年玉キャンペーン」&「プレマ&スリーブゲット!年末/年始スタンダード」開催決定|こちらマジック広報室!!
-
コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
ジャンド独創力:プランは複数、独創力のみにあらず(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
NEWEST 最新の読み物
-
2024.12.20戦略記事
今週のCool Deck:ロータス・コンボ、遂にアリーナにて始動!(パイオニア)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.20読み物
第51回:0から始める統率者戦|クロタカの統率者図書館
-
2024.12.19戦略記事
とことん!スタンダー道!まさかまさかの複製術、コピーされ続ける先駆者(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.19コラム
スクウェア・エニックスで「マジック体験会」を開催!?『マジック:ザ・ギャザリング——FINAL FANTASY』に向けたインタビューも|企画記事
-
2024.12.18戦略記事
ラクドス・サクリファイス:クリーチャーともう一つの生け贄要員(スタンダード)|岩SHOWの「デイリー・デッキ」
-
2024.12.18広報室
2024年12月18日号|週刊マジックニュース
CATEGORY 読み物カテゴリー
戦略記事
コラム
読み物
BACK NUMBER 連載終了
- Beyond the Basics -上級者への道-
- Latest Developments -デベロップ最先端-
- ReConstructed -デッキ再構築-
- Daily Deck -今日のデッキ-
- Savor the Flavor
- 射場本正巳の「ブロールのススメ」
- 津村健志の「先取り!」スタンダード・アナライズ
- 浅原晃の「プレミアイベント三大チェックポイント!」
- ガフ提督の「ためになる」今日の1枚
- 射場本正巳の「統率者(2017年版)のススメ」
- かねこの!プロツアー食べ歩き!
- ロン・フォスターの統率者日記
- 射場本正巳の「統率者(2016年版)のススメ」
- マアヤのマジックほのぼの日記
- 金子と塚本の「勝てる!マジック」
- 射場本正巳の「統率者(2015年版)のススメ」
- 週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
- なかしゅー世界一周
- 中村修平の「デイリー・デッキ」
- 射場本正巳の「統率者(2014年版)のススメ」
- 中村修平の「ドラフトの定石!」
- 浅原晃の「プロツアー観戦ガイド」
- 鍛冶友浩の「プロツアー観戦ガイド」
- ウィザーズプレイネットワーク通信
- Formal Magic Quiz
- 週刊デッキ構築劇場
- 木曜マジック・バラエティ
- 鍛冶友浩の「デジタル・マジック通信」
- 鍛冶友浩の「今週のリプレイ!」
- 渡辺雄也の「リミテッドのススメ」
- 「明日から使える!」渡辺リミテッド・コンボ術
- 高橋優太の「このフォーマットを極めろ!」
- 高橋優太の「このデッキを使え!」
- 黒田正城の「エターナルへの招待」
- 三田村リミテッド研究室
- 新セットめった切り!
- シングルカードストラテジー
- プレインズウォーカーレビュー
- メカニズムレビュー
- その他記事