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お知らせ
『マジック・デュエルズ』 スターター・ボックスの変更
『マジック・デュエルズ』 スターター・ボックスの変更
Bryan Hawley
2016年3月11日
『マジック・デュエルズ』開発部のコンテンツ・リーダーとして、私は『イニストラードを覆う影』アップデートの公開が待ちきれません。本日は「スターター・ボックス」の変更をお知らせいたします。「スターター・ボックス」に含まれるカードのうち20種類が、今回の『イニストラードを覆う影』および『ゲートウォッチの誓い』アップデートに伴い入れ替わります。こういったカード・プールの変化は、プレイ体験の画一化を防ぐためのものです。あるデッキや戦略が支配的すぎると、ゲームの面白さが大きく損なわれてしまうのです。
変更はどのように行われるのか
今回『マジック・デュエルズ』から除かれるカードは、それに対応する別のカードに入れ替わり、それらのカードがあなたのデッキに加わります。特別な操作は必要なく、新セットのアップデートが行われたのちにデッキも自動的に更新されます。(編訳注:カードの入れ替えはすべてのプレイヤーが対象です。)
では具体的な変更点をご覧ください!
構築戦上位デッキのバランス調整
IN:《爆発的植生》
OUT:《ムウォンヴーリーの酸苔》
構築戦の経験豊富なプレイヤーにとっては、この変更は驚くことではないでしょう。最近、多色の「ランプ」系デッキが支配的な活躍を見せており、さらにこのデッキの持つ最も強力なマナ加速手段が同時に強力なテンポ獲得手段にもなっていることから、このデッキとの対戦はフラストレーションの溜まるものになっています。今回の変更により、このデッキは強力なマナ加速手段を維持しながらも、対戦相手への干渉手段は別に用意することが必要になります。このデッキとの対戦もきっと、より楽しいものになるでしょう。
ゲーム序盤の調整
IN:《ミノタウルスの嫌悪者》
OUT:《屑肉を引き裂くもの》
IN:《包囲戦法》
OUT:《神聖なる好意》
IN:《抑制する縛め》
OUT:《天使の布告》
IN:《ヤヴィマヤのワーム》
OUT:《斧折りの雄鹿》
「スターター・ボックス」は、ブースターパックをたくさん開封する前の新規プレイヤーがデッキ選択の幅を広げられるよう配布されます。これまでデッキ構築を始めたばかりのプレイヤーが重視してきたのは、クリーチャーの質より量であることがわかりました。コストの重いクリーチャーが必ずしも軽いクリーチャーを圧倒するわけではなかったため、繰り出すマナ域を上げていく動機に欠けていたのです。これではゲーム序盤に勝敗が決してしまい、満足できるものではありませんでした。(特に緑の)大型クリーチャーの質を高め、(特に白の)防御の選択肢を増やすことで、新規プレイヤーがより多くの戦略を育み、彼らが陥りがちな「罠」を減らすことができるでしょう。『イニストラードを覆う影』の「スターター・ボックス」をアンロックすれば、他にもそういった目的のカードが手に入ります。例えば《アラシンの勇者》や《闇告げカラス》、《くすぶり獣》、《大都市のスプライト》、《針刺ワーム》というように。
注:《抑制する縛め》が「スターター・ボックス」に収録されるため、『マジック・オリジン』のブースターパックではこれに代わり、これまで「ストーリーモード」のみの出現だった《包み込む霧》が収録されます。
2色土地
IN:《森のレインジャー》
OUT:《門を這う蔦》
IN:『ゲートウォッチの誓い』および『イニストラードを覆う影』の2色土地
OUT:「ギルド門」
タップ状態で戦場に出て2色のうちいずれか1色のマナを生み出せる土地を10枚追加します。そのうち5枚は『ゲートウォッチの誓い』で登場し、『イニストラードを覆う影』で登場した残りの5枚でこのサイクルは完成しました。
これらの土地は、背景設定的にどの次元とも結びつきません。そこで、これらを収録すると同時にラヴニカ次元との結びつきが強い「ギルド門」は退場させます。また「ギルド門」がなくなれば《門を這う蔦》も能力を発揮しないため、こちらも特定の次元との結びつきが弱いカードに置き換えます。余談ですが、4色・5色の「ランプ」系デッキにおいてクリーチャーを用いたマナの安定が大きな役割を持つことを私たちは注視しており、引き続き気を配っていく部分にも関わる変更でもあります。
その他の変更
以下の変更は、何年もプレイしている上級者にとっても始めたばかりの初心者にとっても、皆さんのプレイ体験の向上を目指して行われます。
IN:《生命湧きのドルイド》
OUT:《鋸歯傷の射手》
《鋸歯傷の射手》が戦場にいることで、飛行クリーチャーの活躍が阻まれ地上からの突破もすぐにできなくなり、この膠着状態は不満を生み出します。《生命湧きのドルイド》は「エルフ」デッキにマナ加速手段をもたらしますが、圧倒的な防御力は持ちません。
IN:《青銅の黒貂》
OUT:《危険なマイア》
《危険なマイア》は、小型クリーチャー同士の効率的な交換役の筆頭格です。しかし、ある特定の戦略へ様々な戦略で対抗できるとき、マジックというゲームはより面白くなります。《青銅の黒貂》は《危険なマイア》と比べれば明らかに弱いカードですが、この戦略の競争力を落としすぎることなくこのマナ域を埋めることができるでしょう。
IN:《ゴブリン気球部隊》
OUT:《鋳造所通りの住人》
赤の超アグレッシブなデッキは、しばしば新セットの登場により飛び抜けた恩恵を受けます。そして今回『マジック・デュエルズ』に追加される新セットにも、強力な赤のカードはたくさんあります。そのため、私たちは赤のデッキの力を少々抑えたいと思います。
IN:《探検隊の特使》
OUT:《先兵の精鋭》
同盟者ファン歓喜! この変更により、素早いクリーチャーを増やし過ぎることなく「同盟者」デッキを手助けすることができるでしょう。
変化は続く......
以上の変更によって、皆さんの『マジック・デュエルズ』でのゲーム体験が素晴らしいものになることを私たちは期待しています。私たちは今後も、全体の環境に目を向け続けます。バランスの悪い部分や一定のパターンが繰り返されている場合は、新セットがリリースされる際に「スターター・ボックス」に変更を加えるでしょう。私たちは、意図的に環境をかき乱すような変更は行いません。ゲームからカードを取り除くのは、決して安易なことではないのです。
「お気に入りのカードが取り除かれてしまった」というプレイヤーは必ずいることでしょう。それでもときには、変化が必要です。今回の変化でも、また新しいデッキのアイデアが生まれると思います。そして4月の『ゲートウォッチの誓い』および『イニストラードを覆う影』のアップデートにより、また探検しがいのある環境が登場します。皆さんがどんなデッキを見せてくれるのか、心より楽しみにしています。
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