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開発秘話

Play Design -プレイ・デザイン-

Mファイル『テーロス還魂記』編・白青黒

Jadine Klomparens
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2020年1月24日


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 Mファイルへようこそ! 私はジェイディーン・クロンペアレン/Jadine Klomparens、あなたに『テーロス還魂記』のカードがどのようにしてそうなったのかの舞台裏を見る定期記事を初めてお届けするためにここにいます。

 ここウィザーズ・オブ・ザ・コーストでは、マジックのデザインの仕事をする人が作っているカードについてのコミュケーションをとる助けとなる多くの手段があります。そのうちの1つである「ドレイク」は以前は「マルチバース」と呼ばれていて、私たちが取り組んでいる個別のカードについてのコメントを残していおく内部データベースです。ドレイクのコメントはあらゆる物事に及び、変更のログ、私たちが進むにあたって覚えておくべきこと、歓喜の表現、そして時には反対意見もあります。これにはマジックのカードを作るすべての作業が保存されているわけではありませんが、カードを作っている間に私たちが何を考えていたかについてのスナップショットをもたらします。

 こちらをクリックするとコメンテーターとその呼び名が表示されます。

 では、カードを見ていきましょう!


メレティス誕生

MAGO: 新デザイン。
PC: 私は『ドミナリア』の英雄譚の能力がシナジーや似ている能力をいい感じの量で持っているのが好きだった。物語が分からない人にはこれの能力はてんでバラバラに見えるね。
AP: ポールのコメントと同意見だ。何が起きてるのか分からない。
MAGO: ここでは実際の物語が起きているわけではない。都市もしくは文明が(多少抽象的な方法で)築き上げられている。
MAGO: 構築フォーマットの白いミッドレンジやコントロール向けの試みをしてみる。うまく行かなかったら元に戻す。
ABRO: 0/3→0/4
ABRO: Ⅲ章のライフ獲得をタフネスに等しい数→2点に。

 テーロスの物語を英雄譚のサブタイプを使って語れるようになったことは『テーロス還魂記』で最もエキサイティングな事柄の1つです。英雄譚には、物語を伝えることとと、プレイして楽しいことの両方が求められるので、作るのが最も難しい部類のカードです。もともとのデザインの《メレティス誕生》はうまく機能せず、私たちはプレイデザインが関心を持っている防御的なカードを使ってこの物語を伝える機会を得ました。都市作り初級編――土地を見つけて、その土地の上に建物を建設し、そして都市の成長と繁栄を見守ります。

 私たちはⅢ章のライフ獲得を何点にするべきかについてたくさん考えました。もともとは、自分のコントロールしているクリーチャーの中で一番高いタフネスと同じ点数のライフを得ていました。これは繁栄している都市を物語っていますが、不安定なゲームプレイをももたらしました。フューチャー・フューチャー・リーグ(FFL)のアグレッシブなデッキは、壁を除去することができたときはこのカードに勝ち、できなければ負けました。最終的に、私たちは常に2点のライフ獲得にすることでこの英雄譚を壁が破壊された場合でも有用なものにし、そしてアグレッシブなデッキが壁を破壊できなかった場合でもこのカードを倒すことができるようにしました。


太陽に祝福されしダクソス

MAGO: 亜神サイクルの新しい信心能力と、同じく新しい2番目の能力だ。
ABRO: {W}{W}→{1}{W}で少しナーフ。
ELI: {W}{W}→{1}{W}で少しナーフってどんな世界だ。
DGH: 本末転倒だな。
DSJ: パワーが変化する2マナ域は構築フォーマットでは雪だるま式すぎる。
MAGO: */2→2/*
ABRO: FFLで{1}{W}→{W}{W}。
PC: この変更はいいね。序盤のすごく優秀な防御的クリーチャーではなかった。

 亜神サイクルの信心能力の詳細は、セットデザインを通して大きく変わりました。ファイルがFFLに来たときの構想では、すべての亜神はその色の信心に等しいパワーを持っていました。プレイデザインは、この能力で2マナのカードを作らなければいけないという重要な例外を除けばこのアイデアに興奮していました。

 私たちはこの形で2マナの亜神を作ると、アグレッシブなデッキが毎ゲーム大勝ちか大負けのどちらかになって、その中間にある良いゲームプレイの余地がほとんどなくなることが分かっていました。いくらかテストをした後、私たちはこれが事実であると断定し、2マナの亜神は信心に等しいパワーではなくタフネスを持つというアイデアを持ってセットデザイン・チームに働きかけました。この新しいカードはプレイしていてとても楽しくなり、亜神らしさもそのままでした。


空の粉砕

MAGO: FFLが欲しがったラス効果の枠確保用カード。
MAGO: ミニ・チームの新作。
ABRO: 3体破壊でドロー→パワー4破壊でドロー。
ELI: 文章になっていない。破壊する前にチェックするか、破壊したクリーチャーをチェックするかにするべき。
AF: クリーチャーをコントロールしている各プレイヤーは……ドローする。その後でラス。
MAGO: うむ。
ABRO: 最終的にこれが気に入らなかった場合は、構築フォーマット向けに試してみたかった予備がいくつかある。
MAGO: このデザインで私が優先するのは「クールなラス」であることだけなので、FFLは更新を伝えてくれ。
DGH: これがやろうとすることは気に入っている。十分魅力的であればいいが。
MJJ: 《黒き剣のギデオン》と使うと酷い。

 《空の粉砕》はプレイデザインの要望で生まれたカードの素晴らしい例です。スタンダードの4マナラスを、『ラヴニカの献身』の《ケイヤの怒り》で爪先を水につけてみた後、白の象徴的な全体除去に斬新な単色の試みで飛び込む時がやってきました。

 《神の怒り》自体は今でもスタンダードにおいて私たちが望む全体除去よりも強力ですが、《神の怒り》よりも弱くしつつもまだ強いカードにする余地はたくさんあります。プレイデザインは「このカードをスタンダードで楽しいものにするおまけのテキストを見つける」という長い旅路を覚悟していましたが、たまたま比較的早く見つかりました。少しのテンプレート作業の後、クリーチャー・デッキが全体除去の後もゲームに留まることができ、本当に意欲的な全体除去戦略にクリーチャーを活用できるように入れることが可能なカードができました。


エルズペス、死に打ち勝つ

MAGO: 新しい英雄譚――エルズペスの死の国からの帰還だ。
MAGO: プロサックの考えた新しい能力の一式に。
ABRO: ABROもだ!!
ELI: チーム・プロブロだな。
MAGO: 注――新しい能力一式を送ってきたのはプロサックだが、デザインしたのは正体不明の謎の組織だ。
AF: エルズペスの復活にふさわしい感じだ。
MAGO: -1マナ。
PC: これが物語の通りにエルズペスを戻していると思う。エルズペスはすでに脱出を持っていることで物語を伝えているのでちょっとだけ変だね。
ABRO: エルズペス・カード→プレインズウォーカー・カード。
DGH: 強そう/魅力的だ。ある意味で《最古再誕》に匹敵する。

 構築フォーマットでうまくいく英雄譚を作ることは簡単な仕事ではありません。 構築フォーマットと最も関わりの深いチームとして、プレイデザインは『テーロス還魂記』の英雄譚の多くをデザインする仕事を抱えていました。この英雄譚はエルズペスの死の国からの帰還の道のりを見せるものになることになっていたので、Ⅲ章をエルズペスを墓地から戦場に戻すことができる能力にするべきだということははっきりしていました。私たちの仕事の大部分は、Ⅲ章のリアニメイト能力の前振りとなる他の2つの能力を見つけることを中心に行われました。最終的にこれは私がこのセットで好きなカードの1枚となり、そして私はみなさんに私と同じぐらいこのカードを楽しいんでほしいと思っています。


太陽の宿敵、エルズペス

MAGO: これまでのエルズペスでは4つのことをやっている:トークンを出す、クリーチャーをパンプする、ライフを得る、物を吹き飛ばす。ここではもっと変わったものを試してみる。
VEEN: 私はやる。
MDT: この脱出のデザインは素晴らしいと思います。
ABRO: 超良さそう。
DEL: レビュー:驚嘆、ため息、多くの反応。
MAGO: ミニ・チームの新しい能力。
ID: 新しい脱出コスト。
ABRO: 2番目の能力はすごく楽しいというわけではなかった。他の能力を探すか?
ABRO: 新しい能力、新しいカード。
ID: 忠誠値4→忠誠値5。

 《太陽の宿敵、エルズペス》は「『テーロス還魂記』で最もFFLの会議で議題になったで賞」を受賞しました。みんながエルズペス・プレインズウォーカーに脱出をつけ、すべての能力をマイナスにするというアイデアを気に入りましたが、この構成で楽しいプレインズウォーカーをデザインすることは口で言うほど簡単ではありませんでした。ドレイクのコメントを見ての通り、私たちはさまざまな能力の組み合わせを試しましたが、すべてマイナス能力の形から外れることはありませんでした。

 私たちはエルズペスに[-1]能力を持たせるのがとても重要であるということをすぐに理解しました。そのことが分かっていなかった初期バージョンのこのカードは、どの忠誠度能力も使うことができずに戦場で立ち往生していました。同じように、私たちはその[-1]能力が対戦相手がエルズペスを意識しなければならないほどの十分な強さを持たせたいと学びました。対戦相手がエルズペスが脱出して忠誠値をリセットされないために彼女を放置したくなるのは楽しくありません。

 エルズペスの通常とは異なる忠誠値の形により私たちは創造的になることを強いられ、その結果、今までにプレイデザインの行った調整の中でも私のお気に入りのものがいくつか生まれました。初期バージョンのエルズペスでは、一番強い動きは彼女が死亡するまでトークンを作り、その後脱出してさらにトークンを出すことでした。私たちはトークン生成能力の弱体化を考えましたが、そうするのではなく初期忠誠値を追加することで修正可能であると気づきました。[-2]能力を2回使ってもエルズペスの忠誠値が使い切れなくなったので、この変更により、同じターンの間にトークン生成、エルズペス脱出、そしてまたトークン生成という、私たちが排除しようとしたプレイパターンがとても難しくなりました!


瞬き翼のキマイラ

PC: エンチャントの《エスパーゾア》はナイス! お告げと使うのが好きだ。
LL: このカードがとても好き。青には本当に楽しい「エンチャント関連」のカードがある。
VEEN: このカードとこれが作り出すアーキタイプの大ファンだ。
DEL: レビュー:弱そうに感じるのを避けるために「他の」にすることは可能? デイブは考えさせたいだけです。星座と組み合わせても筋が通ってます。
MAGO: これに「他の」はつけたくない――これが軽い《大気の精霊》になるので、エンチャントのないデッキの構築を推奨してしまう。
ABRO: 4/4→4/3
ABRO: 4/3、強制で何かエンチャントを戻す→3/2で「他の」をつけて選択式に。

 《瞬き翼のキマイラ》は最初、エンチャント版《エスパーゾア》でした。初期のリミテッドのテストで得られた意見は、このカードはとても楽しいけれども星座メカニズムがこれを《エスパーゾア》とかなり異なった感じにしているというものでした。《瞬き翼のキマイラ》のアップキープに手札に戻すテキストの9割はアドバンテージ・エンジンで、1割が欠点であり、《エスパーゾア》とは逆の使われ方をしていました。

 最終的に、私たちはこのカードの楽しい部分であるアドバンテージ・エンジンに焦点を当てて、レア以上の飛行クリーチャーという特徴を諦めました。


水底のクラーケン

MAGO: シンプルにしてレアへ移した。
CJB: このクラーケンのデザイン好き。
MAGO: ターン終了時の誘発ではなくドロー誘発を試してみる。より青らしく、より基柱カードらしくなる。最初のトークンは出るのが遅くなる。爆発的になりすぎるかも?
JK: ドロー誘発は強そう、そして無限になりそう。
ABRO: 触手の数だけ+1/+0→触手の数だけ+1/+1とドロー誘発にマナの支払いを追加。
HINDERM: ほとんどは楽しめたが間違いなく雪だるま式だ。
NKM: 横並べか一点突破かを選ばなくてよくなった。この能力にマナがかかるのは喜ばしい。
ID: 触手を生成して+1/+1カウンターをこれの上に置くよりも、触手の数に応じて+1/+1修整を受けるほうが好みかどうか確認する。
ABRO: カウンターを置くのと一緒にトークンを出す。

 セットデザインは、ゲームが進むと恐ろしさを増し、軽いマナ・コストであることに理屈が通っている恐ろしい海の怪物に関心を持っていました。プレイデザインを興奮させるために「ドロー・エンジンの恩恵がクリーチャーに乗っかっている」と言うだけでいいのです。一緒になって、私たちは《水底のクラーケン》を作りました。

 《水底のクラーケン》の動きで心配だったのは、このデザインは常に振れ幅が大きいということでした。これをテーブルの上に置いて、トークンをたくさん出して、巨大な怪物とそのお友達で対戦相手を叩き潰します。時には《水底のクラーケン》を2枚引いて、対戦相手をめちゃくちゃに叩き潰します。またある時は対戦相手が《轟音のクラリオン》を持っていて、3マナでこちらの苦労がすべて水の泡です。《水底のクラーケン》を大きくするのにカウンターを使うことによって、自己シナジーとダメージ系全体除去への脆弱性が同時に排除され、このカードの振れ幅は小さくなりました。


キオーラ、海神を打ち倒す

MAGO: 能力と物語を修正。《押収》になった。 
ABRO: 1個以上タップにできる? 2個は?
DSJ: Ⅰ章を土地以外を全部タップして次に起きないようにできる?
MAGO: 変更した。
YS: タップする前にトークンが出たらもっと強くなるっていうのはどう?
ABRO: Ⅰ章とⅡ章を逆にした。タップしているものを盗らないように、盗ったものにアンタップを追加。7マナになった。
MAGO: 6/6トークン→8/8。
DGH: エンチャント《ゾンビ化》や《ニクスの星原》とかがあると恐ろしいことになりそうだが、恐ろしいコストでそういうのを見かけないな?

 《キオーラ、海神を打ち倒す》は今と大きく違うカードとして誕生しました。今よりもコストが軽く、3章すべてが今よりも弱い能力でした。このカードをいじくり回しているうちに、私たちはこれに、プレイしてより満足できてすごさを感じられる変更を加え続けました。これらの変更はこのカードを大幅に強化したので、私たちはその釣り合いを取るためにこれをマナ・カーブの上のほうに移しました。私たちは初となる7マナの英雄譚をデザインするつもりはありませんでしたが、それこそキオーラがタッサに勝利する場面を表すのにふさわしいものでした。


深海住まいのタッサ

MAGO: 最後の能力を新しいものに。「追放してすぐ戻ってくる」か「追放してターン終了時に戻ってくる」にできる。
ID: 戦場に出たときに除去したり打ち消したりするクリーチャーでロック状態にならないか心配だ。ターン終了時にブリンクする誘発はどうだろう?
MAGO: OK。
AF: ちらつきは超楽しそうだ。.
PC: これはある種の回避能力をつける能力をタッサに持たせられるかどうかの試み? 《静かな潜水艇》が入ってるデッキにはいいだろうね。
MAGO: 起動型の回避能力はオリジナルのタッサと被る。 
MAGO: 新しい(短めの)起動型能力をつけた。
MAGO: 最後の能力に「他の」がついてるのはなぜ?
MAGO: 答え:アリーナのため。

 テーロスに戻るということは、セットの作業が始まりもしないうちに私たちはいくつかの課題に参加したということです。その1つが新バージョンのテーロスの神々を作ることでした。象徴的なキャラクターの新カードを作ることは、同じキャラクターを感じさせながらマジックのカードとして異なるプレイのされ方を求められるので、常に大変です。『テーロス還魂記』の神々の場合、オリジナルのカードから信心のテキストを再利用したので、可能な限りオリジナルのカードにある他の能力を再利用することを避けようとしました。

 《海の神、タッサ》は『テーロス』スタンダードの「青単信心」デッキに必須だったので、私たちは新しいタッサも同じように基柱となるようにしたいと考えました。同時に、ビートダウンするデッキの頂点にある破壊不能の軽いアタッカーというタッサの役割を繰り返したいとは思っていませんでした。ちらつき能力は完璧のように見え、この強さを最大限に発揮することを中心としてデッキを構築するように要求される強力な能力です。後でいくつか細かい作業が行われて、《深海住まいのタッサ》は完成しました。


アショクの消去

ABRO: 構築フォーマットで明確な役割を持たせるために「打ち消されない」を追加。
ABRO: FFLは呪文を手札に戻すことをテストしたい。
DEL: 収まりません。変更が必要。
DGH: クール。私はこの間、このカードが現実のスタンダードに入ることを願っていた。
ABRO: 対象を打ち消すのではなく単に追放するようになった。
MAGO: 「打ち消されない」を削除。

 他のセットなら《アショクの消去》は最終的に単純なインスタントになっていたでしょう。『テーロス還魂記』では、私たちはパーマネントでもあり信心デッキがプレイしたくなるようなマナ・コストを持った、相互作用のある呪文に積極的に関心を示しました。エンチャントである打ち消し呪文を作ると決めたなら、エンチャントならできてインスタントではできないクールなことがたくさんあります。必要なのはそのカードにメタゲームの中でやらせたい役割のアイデアです。

 私たちが決めた《アショクの消去》の役割はシンプルです。現れる可能性のある、同じカードを何度も脱出させることを軸としたあらゆるデッキへの使用可能な対策として存在することです。単純に打ち消した呪文を追放するだけでもほとんどの世界では機能しますが、真のオールイン脱出デッキが現れた場合、鍵となる脱出カードの2枚目を見つけ出すことは恐らく簡単です。そこで、《アショクの消去》の唱えることを制限する能力です。オールイン脱出デッキへの対処はカード1枚の役割としてかなり狭いので、私たちは《アショクの消去》にもう1つ独自の小さな役割を持たせるようにしたいと思いました。

 私たちはいくつかの物事を試してみましたが、最終的にこれが打ち消されない呪文でも効果的に打ち消すことができるようにしました。通常、私たちはこういうことをするのを避けるので「打ち消されない」呪文は効果的に仕事をすることができますが、これの場合後で《アショクの消去》を破壊して呪文を手札に戻すことができるので構わないと気が付きました。


憎しみの幻霊

MAGO: クールで白黒のリミテッドのテーマに合うので、黒の亜神の能力をここに移してきた。これは「黒単をプレイしろ」と言わないカードにあるほうがいい。
MAGO: このカードの主目的はカジュアルな基柱カードであり、粗石っぽいテキストのついた攻撃的なスタッツのモンスターではないので、1マナ1/2に(そしてアンタップで出るように)した。FFLはこれをどう思う?
ABRO: この見返りにまだ十分近い割合だ。サポートについてはよく知らないが、大体適正な割合に見える。
MAGO: 絆魂を追加。

 リミテッドで機能する斬新な基柱効果はいつも簡単に見つかるわけではありませんが、《古えの憎しみ》は確かになんとかなりました。こういうカードがリミテッドでプレイして楽しいとき、構築フォーマットでそれを軸にして理にかなった一貫性のあるデッキを、たとえその環境内であまり強くなくても構築できるようにすることがよくあります。《憎しみの幻霊》の場合、それを達成することは複雑さを減らして、私たちが気に入った楽しいエンジン・テキストだけになるまで削減するということでした。


悲哀の徘徊者

MAGO: 意図的にこれ自体を生け贄にできるようにしてある。これがいいかどうか見てみよう。
MAGO: 良くなかった。「他の」を追加。私はこいつがでかいモンスターになるために自分自身をサクれるのは気に入った。ヤギを出すためにループできるのは気に入らなかった。
MAGO: 飛んでいないのでデーモンではなくなった。{3}{B}3/2飛行に興味あり。
MAGO: 強化するために数字を変更。より面白くなるなら常に(通常のETBで)ヤギが出ることも検討できる。
ABRO: 脱出したらヤギ2匹→ETBでヤギ1匹。普通に唱えるのと脱出のパワー・レベルの平均化のために試してみる。
AF: 今年私が教わったことは、黒いレアのクリーチャーがヤギを出すということだ。
ABRO: それは私には悪いことだと思えないな。
PC: D-
ABRO: このカードを唱えるときたくさん「ウォウ」のジョークが言われた。素敵な利点だな。

 《悲哀の徘徊者》は私たちが仕事をするにつれてカードの特徴がどのように変わりうるかについての興味深いケーススタディです。セットデザインは最初このカードを、生け贄のヤギを死の国から持って帰ってくるクールなデーモンとして作りました。プレイデザインはこのデザインをとても楽しいと考え、スタンダードの生け贄戦略の前段カードとしてこだわりました。プレイデザインのこのカードに対する愛情は、これが構築フォーマットで重要な役割を占めるので4マナ域になれずそして飛行を得られなかったときに、これがもうデーモンでなくなったことを意味していました。

 プレインデザインのこのカードへの取り組みのほとんどは、これを最初に唱えることを後で脱出するために我慢してするのではない、エキサイティングなプレイにすることでした。私たちはこのカードの2つのモード間のパワー・レベルを平均化することに大きな興味を持っていました。最終的に、私たちはこれを戦場に出たときに常にヤギを1匹出すことで達成しました。私はこのヤギが《悲哀の徘徊者》の親友で、何度も一緒に死の国へ冒険して戻ってくると考えるのが好きです。


騒音のアフィミア

MAGO: 新デザイン、変更したカードからテキストを持ってきた。
ABRO: すごくいい。
MAGO: マナ+1、 パワー+1、+飛行。
PC: 超クールなカード。このセットで好きなカードの1枚だ。

 プレイデザインで働いていて最も満足感のあることの1つは、楽しいカードを強くすることです。FFLの途中、プレイしていて本当に楽しいカードだけれども、構築フォーマットで魅力的になるほどには強くないカードに遭遇することがよくあります。一時期の《騒音のアフィミア》はまさにそんなカードでしたが、後でいくつか強化されて、構築フォーマットで可能性を持つのに十分な強さのカードになりました。


エレボスの介入

MAGO: 新作。レアのX呪文サイクル。
MAGO: 最後の能力を墓地対策に変更。
MAGO: 最後の能力は「対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の墓地からXの2倍の枚数のカードを選んでそれらを追放する」にもできる。
MMAJ: これは近そうだがちょっと弱く思える。インスタント?
ABRO: ソーサリー→インスタント。

 この介入サイクルは、効果の詳細の上を自由度が覆っているモード呪文という、まさしくプレイデザインが取り組むのが大好きな類のカードです。このサイクル唯一の厳しい縛りは、「X」と「Xの2倍」の形で2つのモードを持つということですが、その他はプレイデザインがスタンダード環境に必要だと思ったどんなカードでも作る余地がありました。私たちは柔軟性の高い墓地対策呪文に興味があり、その効果と除去のモードをくっつけるとと素晴らしい組み合わせになるのが分かっていたので、《エレボスの介入》は特に作るのがすんなりといきました。


悪夢の番人

MAGO: 穴埋めからの新カード。
ABRO: こりゃクールだ。
MMAJ: 対称なのはなんで?
DSJ: これを大きくする必要はまったくないと思う。この効果+飛行はこのままで安定だ。
MAGO: ナイトメアの部族を失い自分のクリーチャーだけに。
MAGO: クリーチャー・エンチャントになった。
ABRO: 3/4→4/4。
MAGO: 「してもよい」と「そうしたなら」を追加。これを2体コントロールしている場合、クリーチャー1体が死んでトークンが2体出るのは望ましくない。またこのセットではクリーチャーが墓地にいてほしいことが時々ある。
DOUG: 素敵なカード。
MJJ: グっとくる!

 最初のバージョンの《悪夢の番人》は戦場にいるナイトメアの数だけ+1/+1されていましたが、対戦相手のクリーチャーもナイトメアとして戻ってきてしまっていました。このカードを見た人は皆、堕ちたクリーチャーのナイトメアのコピーを生成するというアイデアを気に入りました。実際には、すべての死亡したクリーチャーのコピーを対称に生成することはゲームの速度を低下させ、全く楽しくありませんでした。結果的に、私たちは《悪夢の番人》の対称な能力を取り除き、楽しく利点だけの基柱カードへと調整しました。

(Tr. Takuya MASUYAMA / TSV YONEMURA "Pao" Kaoru)

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