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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

デザインファイル:『ミラディン』その4

Mark Rosewater
authorpic_markrosewater.jpg

2026年3月24日

 

 3週間前、私は『ミラディン』に焦点を当てた「デザインファイル」の新しい回を始め、デベロップメントへ提出された実際のデザインファイルを振り返りつつ、白と青のカードから見ていった。2週間前は黒・赤・緑のカードを見た。先週はコモンとアンコモンのアーティファクトをすべて見た。そしてこのシリーズ最終回となる今回は、レアのアーティファクトと土地をすべて見ていく。


RA01_BCN
〈トリスケリオン〉
{6}
アーティファクト・クリーチャー
1/1
[カード名]は+1/+1カウンター3個が置かれた状態で戦場に出る。
[カード名]から+1/+1カウンター1個を取り除く:クリーチャー1体かプレイヤー1人を対象とし、[カード名]はそれに1点のダメージを与える。

 まずはレアのアーティファクトから始めよう。何が出てくるか? またしても『アンティキティー』からの再録である。マジック2番目のエキスパンションにおける最も人気の高いカードの1枚だ。

RA02_BCN
〈スチーム・パンク〉
{5}
アーティファクト・クリーチャー
2/5
エネ活性 — @@@@(これが戦場に出たとき、あなたは@@@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
{2}, @@:あなたの手札にあるアーティファクト・カード1枚と、あなたがオーナーでありコントロールしているアーティファクト・カード1枚を対象とし、それらを交換する。

 これは、のちに忍術の誕生へつながるアイデアを私が弄っていた例である。

RA03_BCN
〈機械仕掛けのドラゴン〉
{7}
アーティファクト・クリーチャー — ドラゴン
0/0
飛行
[カード名]は+1/+1カウンター6個が置かれた状態で戦場に出る。
{2}:[カード名]はターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。
[カード名]が攻撃するかブロックするたび、戦闘終了時に[カード名]から+1/+1カウンター1個を取り除く。

 このカードは印刷に際してあまり変わらなかった。名前すら維持したほどである。火吹き能力を、+1/+1カウンターを増やす方式へと置き換えただけだ。

RA04_BCN
〈ソーレンの復讐者〉
{6}
アーティファクト・クリーチャー
5/5
[カード名]はターン終了時まで-2/-2の修整を受ける:あなたは飛行、先制攻撃、速攻、または「{2}:再生」のうち1つを選ぶ。[カード名]はターン終了時までそれを得る。

 この一連の記事を読み終えて『ミラディン』のデザインについて何かを学んだと言えるとしたら、それはこれである――我々は『アンティキティー』のデザインに強く影響を受けていた。これもまた『アンティキティー』に触発されたカードであり、今回は《ウルザの報復者》を下敷きにしている。

 

 これは『ミラディン』からはカットされるが、このクリーチャーの烈日版が、のちにブロック内の『フィフス・ドーン』で《月の報復者》として姿を現すことになる。

RA05_BCN
〈最大巨像〉
{5}
アーティファクト・クリーチャー
10/10
[カード名]が戦場に出たとき、あなたのライブラリーにあるすべてのカードを追放する。

 これは《地ならし屋》になった。名前以外、提出時点からの変更は一切ない。

RA06_BCN
〈生意気なノーム〉
{3}
アーティファクト・クリーチャー
2/2
{2}, {T}:クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで「このクリーチャーが防御プレイヤーに与える戦闘ダメージ1点につき、あなたは@を得る」を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)

RA07_BCN
〈鉄の頭目〉
{7}
アーティファクト・クリーチャー
6/6
トランプル
[カード名]がブロックするかブロックされるたび、@を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@:すべてのゴーレムはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。
@@:すべてのアーティファクト・クリーチャーはターン終了時まで+1/+1の修整を受ける。

RA08_BCN
〈テトロイド〉
{6}
アーティファクト・クリーチャー
0/0
[カード名]が戦場に出るに際し、[カード名]の上に+1/+1カウンター4個を置く。
{2}, アーティファクト・クリーチャー1体を生け贄に捧げる:[カード名]の上に+1/+1カウンター1個を置く。この能力はアップキープの間にのみ起動できる。
{2}, +1/+1カウンター1個を生け贄に捧げる:1/1のアーティファクト・クリーチャーとして扱う[名前]カウンター1個を戦場に出す。

 『アンティキティー』愛はまだ続く。このカードは《テトラバス》の変種である。

 

 提出版では、あらゆるアーティファクト・クリーチャーを取り込める《テトラバス》を作ろうとしていた。最終的に『ミラディン』に入ったのは、(5個のカウンターを持って戦場に出るため)《ペンタバス》と呼ばれる、飛行を持たない5/5の《テトラバス》のようなものだった。

RA09_BCN
〈ノーム卿〉
{4}
アーティファクト・クリーチャー — ノーム
1/1
{2}, アーティファクト1つを生け贄に捧げる:1/1のアーティファクト・ノーム・トークンを1体生成する。
ノーム2体を生け贄に捧げる:あなたの墓地にあるアーティファクト・カード1枚を対象とし、それをあなたの手札に戻す。

 引き継ぎの中で我々が探っていたテーマの一つが、「アーティファクトを別の何かへ変換する能力」であった。つまり、戦場に大量のアーティファクトを並べ、それらをリソースとして使うさまざまな方法を用意した。多くの場合、別のアーティファクトへと変えていく、というアイデアであった。

RA10_BCN
〈変形性スライム〉
{4}
アーティファクト
[カード名]が戦場に出るに際し、あなたは戦場にあるアーティファクト1つを選んでもよい。そうしたなら、[カード名]はそのアーティファクトのコピーとして戦場に出る。

 このカードは《彫り込み鋼》になった。

RA11_BCN
〈時の結晶〉
{3}
アーティファクト — 装備品
装備{1}({1}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーがプレイヤーに戦闘ダメージを与えたなら、[カード名]を追放し、このターンの後に追加の1ターンを行う。

 我々は(多くても)各セットに追加ターンのカードを1枚しか入れない。そして最終的には、このカードではなく《時間ふるい》を入れることにした。

 

RA12_BCN
〈エラダムリーの工房〉
{3}
アーティファクト
各プレイヤーの第1メイン・フェイズの開始時に、そのプレイヤーのマナ・プールに、そのプレイヤーがコントロールしているアーティファクトの総数に等しい点数の無色マナを加える。

 『アンティキティー』への目配せはまだ続く。今回は『アンティキティー』の土地、《Mishra's Workshop》を参照している。

 

 これはマナを出しすぎた。

RA13_BCN
〈凍結の宝珠〉
{6}
アーティファクト
各プレイヤーは、自分がコントロールするパーマネントをアンタップしないことを選んでもよい。
パーマネントがアンタップされるたび、そのパーマネントのコントローラーは自分のライブラリーの一番上のカードを自分の墓地に置く。

 これは《催眠の宝珠》になる。我々は「自分のパーマネントをアンタップしないことを選べる」能力を取り除いた。

RA14_BCN
〈瓶詰めの村〉
{5}
アーティファクト
[カード名]が戦場に出るに際し、エキスパンション・シンボル1つを選ぶ。
{5}, [カード名]を生け贄に捧げる:選ばれたエキスパンション・シンボルを持つ土地でないすべてのパーマネントを破壊する。

 デベロップメント中、ルール・マネージャーから「このカードは作れない」と言われた。理由は、エキスパンション・シンボルはメカニズム的に参照してよい性質ではないからである。同じ英語名を持つカードは、メカニズム的には同一として扱われねばならない。カードは再録されるため、同じカード名でも異なるエキスパンション・シンボルを持つ版が存在する。ゆえにエキスパンション・シンボルは、メカニズム的に参照できる「要素」ではないのだ。

 

 とはいえ、黒枠マジックではエキスパンション・シンボルを参照できない、というだけの話である。私はこのカードを『Unhinged』で、《World-Bottling Kit》という名前で印刷した。つまり将来のための豆知識としては、これは『Unhinged』にある「『ミラディン』のためにデザインされたカード」なのである。

RA15_BCN
〈先見の兜〉
{1}
アーティファクト
{1}, {T}:あなたの手札から望む枚数のカードを追放する。
{1}, {T}:[カード名]によって追放されている望む枚数のカードをあなたの手札に戻す。

RA16_BCN
〈吠えたける裂け目〉
{5}
アーティファクト
各プレイヤーのターンの開始時に、そのプレイヤーは自分のライブラリーの一番上のカードを公開する。それがアーティファクト・カード、クリーチャー・カード、エンチャント・カード、または土地・カードであるなら、そのプレイヤーはそれをそのマナ・コストを支払うことなく戦場に出してもよい。

 これは《上天への門》になる。

RA17_BCN
〈光の剣〉
{1}
アーティファクト — 装備品
装備{1}({1}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
エネ活性 — @@(これが戦場に出たとき、あなたは@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@@:装備しているクリーチャーはターン終了時まで+4/+0の修整を受ける。この能力は各ターン各クリーチャーにつき1回のみ起動できる。
@@:[カード名]を別のクリーチャーにつける。

RA18_BCN
〈虚無の穴〉
{5}
アーティファクト
あなたのターンの開始時に、土地でないパーマネントのうちマナ総量が最も小さいもの1つを対象とし、それを破壊する。同じ総量のパーマネントが複数あるなら、あなたがどれを破壊するかを決める。

 このカードは《選別の秤》になった。マナ・コストは{5}から{3}へと下がった。

RA19_BCN
〈マスティコアの鎧〉
{2}
アーティファクト — 装備品
装備{2}({2}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーは「あなたのアップキープの開始時に、カード1枚を捨てるか、装備しているクリーチャーを生け贄に捧げる」、「{2}:クリーチャー1体を対象とする。装備しているクリーチャーはそれに1点のダメージを与える」、および「{2}:装備しているクリーチャーを再生する」を得る。
カード1枚を捨てる:[カード名]をオーナーの手札に戻す。

 なぜ我々が「クリーチャーを《マスティコア》にしてしまう装備品」が良いアイデアだと思ったのか、自分でもよく分からない。

RA20_BCN
〈クローン製造機〉
{4}
アーティファクト
[カード名]が戦場に出るに際し、あなたの手札にあるクリーチャー・カード1枚を追放する。
{4}, {T}:[名前]トークンを1つ戦場に出す。このトークンは、追放されたクリーチャー・カードのコピーとして扱う。

 ここで、このファイルに欠けている要素について話す時が来た――刻印である。ビルが私に「ファイルからエネルギーを外せ」と言ったとき、彼は「代わりに何かを入れろ」とも言った。我々は、派手なカードを作れる革新的な新メカニズムが少し足りていないと分かっていたので、私はこのカードに目を向けた。私は『テンペスト』のデザイン中に〈クローン製造機〉の別バージョンを作ろうとしたことがあったが、記憶問題が多すぎた。そこで私が出した解決策が、このカードで用いた方法、コピー対象のカードを追放し、それ自体を記憶補助にすることである。

 この手法を使って、同種のカードをもっと作れるだろうか? ブライアン・ティンスマン/Brian Tinsmanは自身のセットのひとつで、私がとても気に入ったカードを作っていたのだが、それも〈クローン製造機〉と同じ問題を抱えていて結局カットされてしまった。〈クローン製造機〉の追放ギミックを、ある1個のメカニズム全体へ育てられるだろうか? 答えは「できる」である。

RA21_BCN
〈Gleemax〉
{5}
伝説のアーティファクト
{5}, [カード名]を生け贄に捧げる:対象のプレイヤー1人の次のターンの間、あなたはそのプレイヤーのあらゆる意思決定(どの呪文をプレイするか、どのクリーチャーで攻撃するか、など)を行ってもよい。あなたはそのターンの間、そのプレイヤーが見ることのできる非公開情報をすべて見てもよい。そのプレイヤーはマナ・バーンによってライフを失わない。

 このデザインは『テンペスト』の《占有の兜》に触発された。私は「各セットに、自分が目玉カードと呼ぶカードを1枚入れる」というアイデアを持っていた。それはどのデッキでも使える無色カードで、今まで見たことのない革新的なことをする、というものだ。

 

 私は『テンペスト』をデザインしている最中にこのカードを思いついた。私は『アルファ版』の《Word of Command》がずっと好きだったのだが、よりすっきり遊べる版が欲しかった。《Word of Command》には、相手がやろうとしていることを先にやってしまうことで応答できる場面が多く、結果として「こちらが意思決定を行う」部分が成立しにくいことがあった。そこで私が出した解決策が「相手の次のターンをこちらがコントロールする」カードを作ることである。ところが当時のルール・マネージャーは「それは機能しない」と言ったため、我々はプロセスのかなり遅い段階でカードを変更し、《占有の兜》になった。

 『ミラディン』に取り組んでいる間、私はクールで革新的なアーティファクトを探していたので、過去のデザインを掘り返した。そして《占有の兜》の元のデザインを見つけ、新しいルール・マネージャーに「これ、できる?」と聞きに行った。驚いたことに答えはイエスだったので、私はこれをファイルに入れた。〈Gleemax〉とは、開発部を支配する宇宙人の脳――というお約束ネタである。私はのちに『Unhinged』で〈Gleemax〉のカードを実際に作ることになる。

 このカードは言うまでもなく《精神隷属器》になった。そして我々は、よりクールなテンプレートである「プレイヤー1人を対象とする。あなたはそのプレイヤーの次のターンの間、そのプレイヤーをコントロールする。」を生み出した。

RA22_BCN
〈驚異の杖〉
{4}
アーティファクト
{T}:対戦相手1人を対象とする。あなたのライブラリーをそのプレイヤーに公開する。そのプレイヤーはソーサリー・カード1枚かインスタント・カード1枚を選ぶ。あなたはこのターン、そのカードをそのマナ・コストを支払うことなくプレイしてもよい。そうしないなら、それを捨てる。

RA23_BCN
〈光輝の首輪〉
{3}
アーティファクト — 装備品
装備{1}({1}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーのコントローラーがコントロールするすべてのクリーチャーは、装備しているクリーチャーのすべての起動型能力を得る。

RA24_BCN
〈真実の結晶〉
{3}
アーティファクト
各プレイヤーのターンの開始時に、そのプレイヤーはカード名3つを指定する。そのプレイヤーは自分の次のターンの開始時まで、指定されたカードのみをプレイできる。

RA25_BCN
〈氷の干渉器〉
{4}
アーティファクト
{1}, {T}:アーティファクト1つかクリーチャー1体か土地1つを対象とし、それをタップする。

 《氷の干渉器》は『アルファ版』の看板アーティファクトであった。ファイルには再登場させたが、リミテッドでの出現率を下げたかったので、アンコモンからレアへ移したのである。完成版の『ミラディン』では、《氷の干渉器》はアンコモンである。

RA26_BCN
〈ジェイドの剣〉
{3}
伝説のアーティファクト — 装備品
装備{3}({3}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーは+6/+0の修整を受け、トランプルを得る。
[カード名]からダメージを受けたクリーチャーは追放される。
{5}:[カード名]をクリーチャー1体を対象とし、それにつける。

RA27_BCN
〈ジェイドの盾〉
{3}
伝説のアーティファクト — 装備品
装備{3}({3}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーは+0/+6の修整を受け、攻撃してもタップしない。
装備しているクリーチャーと伝説のアーティファクトは、呪文や能力の対象にならない。
{5}:[カード名]をオーナーの手札に戻す。

RA28_BCN
〈ジェイドの指輪〉
{3}
伝説のアーティファクト — 装備品
装備{3}({3}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーは先制攻撃と飛行と速攻を得る。
あなたのターンの開始時に、あなたが〈ジェイドの剣〉と〈ジェイドの盾〉と〈ジェイドの指輪〉をコントロールしており、かつジェイドをコントロールしていないなら、4/4のアーティファクト・ジェイド・トークンを1体戦場に出し、これら3つのアーティファクトをすべてそれにつける。

 この3枚は、のちの「3つのカルドラ・アーティファクト」へつながった。デベロップメントで、これらをブロック3セットすべてに1枚ずつ散らすことを決めたのである。2枚目に印刷したカード、『ダークスティール』の《カルドラの盾》は3枚すべてを参照しており、それは「まだ存在しないカードを参照した」初めての例となった。カードはデベロップメントでいずれも調整されたが、基本コンセプトは印刷まで到達した。

 

RA29_BCN
〈猿の樽〉
{6}
アーティファクト
{6}, [カード名]を生け贄に捧げる:あなたのライブラリーをすべてのプレイヤーに公開する。あなたのライブラリーから望む枚数のアーティファクト・カードを追放する。この方法で追放されたアーティファクト1枚につき、1/1のアーティファクト・ノーム・トークンを1体生成する。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

 これは《マイアの保育器》になった。変更点は、ノーム・トークンがマイア・トークンになったことだけである。

RA30_BCN
〈はったりの書〉
{2}
アーティファクト
{2}, {T}:カード名1つを指定する。対戦相手は「真」か「偽」を選ぶ。その対戦相手が「真」を選び、かつ指定されたカードがあなたの手札にないなら、またはその対戦相手が「偽」を選び、かつそのカードがあなたの手札にあるなら、あなたはあなたの手札を公開してカードを1枚引いてもよい。

 私はミニゲームが大好きで、嘘が上手いほど強くなるカードがあったら楽しいだろうと思った。これは《嘘つきの振り子》になる。

RA31_BCN
〈混乱の球〉
{3}
アーティファクト
{4}, {T}:カード名1つを指定する。このターン、指定されたカードはプレイできない。
アーティファクト1つを生け贄に捧げる:[カード名]をアンタップする。

RA32_BCN
〈精髄の結晶〉
{6}
アーティファクト
@@@@@@@@:パーマネント1つを対象とし、それのコントロールを得る。

 もしセット内にエネルギーを残していたなら、このカードがここに示された形のまま残ることはあり得なかった。

RA33_BCN
〈カボチャ爆弾〉
{2}
アーティファクト
{4}, {T}:@を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)
{4}, {X}, {T}:{X}には@しか支払えない。望む数のクリーチャーやプレイヤーを対象とする。[カード名]はX点のダメージをあなたが選んだように割り振って与える。

RA34_BCN
〈呪われた杖〉
{5}
アーティファクト
{3}, {T}:偶数か奇数を選ぶ。あなたのライブラリーの一番上のカードを追放する。追放されたカードのマナ総量が、選ばれた偶奇と一致するなら、あなたはそのカードをその唱えるためのコストを支払うことなく、手札にあるかのようにプレイしてもよい。(その呪文の唱えるためのコストに{X}があるなら、Xは0である。)一致しないなら、いずれかの対戦相手は代わりにそのカードをプレイしてもよい。

 『アイスエイジ』の《Chaos Moon》以外に、偶奇を参照するカードはなかったので、我々はこれで遊んでみた。これは『ミラディン』には入らなかったが、のちのセットでこのアイデアを再訪している。

RA35_BCN
〈政治的偶像〉
{5}
アーティファクト
呪文がプレイされるたび、いずれかのプレイヤーは土地3つを生け贄に捧げてその呪文を打ち消してもよい。

RA36_BCN
〈真珠サファイアの苦痛石〉
{2}
アーティファクト
{T}:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
{T}, 1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに{W}か{U}を加える。

RA37_BCN
〈サファイア・ジェットの苦痛石〉
{2}
アーティファクト
{T}:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
{T}, 1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに{U}か{B}を加える。

RA38_BCN
〈ジェット・ルビーの苦痛石〉
{2}
アーティファクト
{T}:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
{T}, 1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに{B}か{R}を加える。

RA39_BCN
〈ルビー・エメラルドの苦痛石〉
{2}
アーティファクト
{T}:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
{T}, 1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに{R}か{G}を加える。

RA40_BCN
〈エメラルド・パールの苦痛石〉
{2}
アーティファクト
{T}:あなたのマナ・プールに{1}を加える。
{T}, 1点のライフを支払う:あなたのマナ・プールに{G}か{W}を加える。

 このサイクルはタリスマンになった。これは『アイスエイジ』のペインランドをマナ石へ変換しようとした我々の試みである。

RA41_BCN
〈妨害の杖〉
{5}
アーティファクト
プレイヤーが対戦相手の呪文や能力の対象になるたび、そのプレイヤーは現在のターンの後に追加のターンを1つ行う。

RA42_BCN
〈英知のロケット〉
{2}
アーティファクト
{2}, [カード名]を生け贄に捧げる:数1つを選ぶ。すべてのプレイヤーは自分のライブラリーからマナ総量がその数である呪文1つを探してもよい。その後、それらのカードをすべてのプレイヤーに公開する。その後、すべてのライブラリーを切り直す。

 このカードの狙いは、「相手が持っていないような高コスト呪文を入れたくなる」よう促すことであった。だが結局のところ、コンボ・デッキを後押ししただけだった。

RA43_BCN
〈一族の紋章〉
{2}
アーティファクト
[カード名]が戦場に出るに際し、クリーチャー・タイプ1つを選ぶ。選ばれたタイプの、あなたの手札にあるすべてのクリーチャー・カードは「親和(アーティファクト)(あなたがコントロールするアーティファクト1つにつき、[カード名]は{1}少なくなる。)」を得る。

RA44_BCN
〈転送機〉
{3}
アーティファクト
エネ活性 — @@(これが戦場に出たとき、あなたは@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
{3}, @:土地でないパーマネント1つを対象とする。[カード名]とそのパーマネントのコントロールを交換する。

 私はコントロール交換が大好きである。

RA45_BCN
〈進化する立方体〉
{3}
アーティファクト
アーティファクト1つを生け贄に捧げる:生け贄に捧げたアーティファクトのマナ総量に等しい@を得る。(このエネルギーは消費されるまで失われない。)
[カード名]を生け贄に捧げる, {X}:{X}には@しか支払えない。あなたのライブラリーからマナ総量がXであるアーティファクト1つを探す。そのカードをすべてのプレイヤーに公開し、戦場に出す。その後、あなたのライブラリーを切り直す。

RA46_BCN
〈希望の旗印〉
{3}
アーティファクト — 装備品
装備{1}({1}:これがクリーチャーについていないなら、クリーチャー1体を対象とし、これをそれにつける。そのクリーチャーが場を離れたなら、これは戦場に残る。)
装備しているクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。
装備しているクリーチャーが白であるなら、他のすべての白のクリーチャーは+1/+1の修整を受ける。

 これは《レオニンの陽準器》へと進化することになる。

RA47_BCN
〈トレイリアの羅針盤〉
{4}
アーティファクト
{6}, {T}または{2}{W}{W}, {T}:いずれかの墓地にあるエンチャント・カード1枚を対象とし、それをあなたのコントロール下で戦場に出す。

 私の好きなアーティファクトには『ザ・ダーク』の《オームの頭蓋骨》もある。そう、すべてが『アンティキティー』に触発されていたわけではないのがわかるだろう。

 

 デベロップメントでは、再利用系の効果の多くがカットされた。

RA48_BCN
〈夏の宝珠〉
{5}
アーティファクト
各プレイヤーのアップキープの間、そのプレイヤーは自分がコントロールするパーマネント1つをオーナーの手札に戻す。
あなたのアップキープの間、あなたは{2}{U}{U}を支払ってもよい。そうしたなら、あなたはこの効果を無視する。

RA49_BCN
〈変身の杖〉
{3}
アーティファクト
{6}, {T}または{2}{U}{U}, {T}:クリーチャー1体を対象とし、それを追放する。そのプレイヤーのコントロール下で、3/3のアーティファクト・[名前]トークンを1体戦場に出す。

 このデザイン提出ファイルでは、各色に結びついたレア・アーティファクトが2つずつあった。印刷されたセットでは、おそらく1つだけだったはずである。この〈変身の杖〉は、自分自身が《変幻の杖》へと「変身」することになる。

RA50_BCN
〈呪われた護符〉
{3}
アーティファクト
あなたのターンの開始時に、[カード名]の上にあるペイン・カウンター1個につき、あなたは1点のライフを失う。
{2}{B}{B}:[カード名]の上にペイン・カウンター1個を置く。
あなたのターンの終了時に、[カード名]の上にペイン・カウンター1個を置き、その後プレイヤー1人を対象とし、[カード名]をそのプレイヤーに渡す。

RA51_BCN
〈ロボトミーの兜〉
{6}
アーティファクト
{8}, [カード名]を生け贄に捧げる、または{B}{B}{B}{B}, [カード名]を生け贄に捧げる:プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札にあるすべてのカードを追放する。その後、そのプレイヤーのライブラリーと墓地から、追放されたカードと同名カードすべてを探し、それらを追放する。その後、そのプレイヤーは自分のライブラリーを切り直す。

 私は『テンペスト』の《ロボトミー》というカードがとても好きだったので、新しい版を作ろうとしていた。

RA52_BCN
〈魔道士の石板〉
{4}
アーティファクト
{4}, {T}:アーティファクト1つを対象とする。ターン終了時まで、それをアンタップし、そのコントロールを得る。
{R}:アーティファクト・クリーチャー1体を対象とする。それはターン終了時まで速攻を得る。

RA53_BCN
〈行動の杖〉
{3}
アーティファクト
{5}, {T}または{R}{R}, {T}:対戦相手1人を対象とする。そのプレイヤーは可能ならこのターン呪文をプレイする。このターンそのプレイヤーが呪文をプレイできないなら、ターン終了時にそのプレイヤーはあなたに自分の手札を見せる。

RA54_BCN
〈真鍮のドルメン〉
{6}
アーティファクト
{T}, @:{X}には@しか支払えない。ターン終了時まで、すべてのクリーチャーは+X/+Xの修整を受ける。
{G}:ターン終了時まで、あなたがコントロールするすべてのクリーチャーはトランプルを得る。

RA55_BCN
〈輝くドングリ〉
{4}
アーティファクト
{5}, {T}または{1}{G}{G}, {T}:あなたはあなたがコントロールするクリーチャーの上にある望む個数の+1/+1カウンターを、望む数のクリーチャーへ再配分してもよい。

CL01_BCN
〈農家〉
アーティファクト土地
{T}:あなたのマナ・プールに{W}を加える。

CL02_BCN
〈風車〉
アーティファクト土地
{T}:あなたのマナ・プールに{U}を加える。

CL03_BCN
〈掘っ立て小屋〉
アーティファクト土地
{T}:あなたのマナ・プールに{B}を加える。

CL04_BCN
〈工場〉
アーティファクト土地
{T}:あなたのマナ・プールに{R}を加える。

CL05_BCN
〈天文台〉
アーティファクト土地
{T}:あなたのマナ・プールに{G}を加える。

 アーティファクト土地のことで誰かを責めたいなら、私を責めてほしい。私はそれを作っただけでなく、セットに残すために本当に必死で戦ったのだ。デベロップメントはこれを残すことに確信が持てず、危険だと見なしていたが、私は「これは斬新で、クールなゲーム体験につながる」と説得することに成功した。実際そうなったが、同時に――特に親和(アーティファクト)と組み合わさることで――かなり不健全なゲーム体験も大量に生み出した。すべてのアーティファクト土地が禁止になったことこそが、私をリチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldよりも前へ押し出し、「最も多くの禁止カードをデザインした」という悪名高い記録を得る決定打になったのだと思う。

RL01_BCN
〈エネルギー・ツンドラ〉
アーティファクト土地
エネ活性 — @@@(これが戦場に出たとき、あなたは@@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@, {T}:あなたのマナ・プールに{W}か{U}を加える。

RL02_BCN
〈エネルギー・アンダーグラウンド・シー〉
アーティファクト土地
エネ活性 — @@@(これが戦場に出たとき、あなたは@@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@, {T}:あなたのマナ・プールに{U}か{B}を加える。

RL03_BCN
〈エネルギー・バッドランズ〉
アーティファクト土地
エネ活性 — @@@(これが戦場に出たとき、あなたは@@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@, {T}:あなたのマナ・プールに{B}か{R}を加える。

RL04_BCN
〈エネルギー・タイガ〉
アーティファクト土地
エネ活性 — @@@(これが戦場に出たとき、あなたは@@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@, {T}:あなたのマナ・プールに{R}か{G}を加える。

RL05_BCN
〈エネルギー・サバンナ〉
アーティファクト土地
エネ活性 — @@@(これが戦場に出たとき、あなたは@@@を得る。このエネルギーは消費されるまで失われない。)
@, {T}:あなたのマナ・プールに{G}か{W}を加える。

 この二色土地サイクルは、私がデザインした《宝石鉱山》というカードに触発された。プレイテスト名は「3回限りの《真鍮の都》」である。各土地が3回分の使用回数を持ちつつ、その使用回数を(複数の選択肢に)分配できるというアイデアが私は気に入っていた。そう、私はこれらもアーティファクト土地として作ってしまっており、それは追加の問題を引き起こしたはずである。最終的に『ミラディン』には二色土地は入らなかったが、タリスマンは入った。

 最後に、提出ファイルには載っていないもう1つのメカニズム、双呪について語りたい。エネルギーが抜け、私が刻印を加えた後でも、まだ何かが足りないことは明らかだった。これらの中心はアーティファクトで回っていたため、単色カード、特にインスタントとソーサリーのための何かに我々は関心を持っていた。欲しいものが定まると、私は何日もそれについて考え続け、ある夜、夢の中で双呪を思いついた。私はなぜか「これは夢だ」と気づき、目を覚まして書き留めた。これもまた良いトリビアである――「マローが夢の中で作ったメカニズムは何か?」答えは双呪だ!


ミラディンを覗いて

 これで、私の「デザインファイル」連載における『ミラディン』編は終わりである。提出された実際のデザイン展望ファイルを覗き込む旅を楽しんでもらえたなら幸いだ。特に、私が話したいカードをつまみ食いで選ぶのではなく、提出ファイル全体を見せるというこの新方式を気に入ってもらえたかどうかも含め、どんなフィードバックでもぜひ聞かせてほしい。メールやソーシャル・メディア(XTumblrInstagramBlueskyTikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。

 来週は、5年後の視点から『ストリクスヘイヴン:魔法学院』のデザイン物語へ立ち返る回である。

 その日まで、あなたが『ミラディン』を懐かしんで振り返られんことを(そして「このセットがマジックを壊した」一件は丸ごと目をつぶってもらえればなお良い)。


(Tr. Ryuki Matsushita)

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