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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

当時と現在 その2

Mark Rosewater
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2026年2月2日

 

 先週、私は『ローウィンの昏明』のさまざまなカードと、それらの着想源となった過去のデザインについての話を始めた。本日は、さらにいくつかの話をしていく。


山羊盗り》と《常習ヤギ

 これは『ローウィンの昏明』にある2枚のカードの例で、オリジナル『ローウィン』の同じある1枚のカードを参照している。この話をするには『ローウィン』のデザインに戻り、《山羊さらい》が作られた経緯を語る必要がある。

 

 我々は8つのクリーチャー・タイプを中心に据えたタイプ的セットを作ることにしていた。タイプ的テーマが非常に強かったため、それがドラフト・アーキタイプのメカニズム的テーマを方向づけた。つまり、最初のブースターでゴブリンをドラフトしたなら、以後もゴブリンを取り続ける強い動機が生まれるのだ。ここでの根本問題は、ゴブリン使いはゴブリンが欲しいが、他の誰もそれを欲しがらないことだった。これには2つの理由がある。

 第一に、ゴブリン使いは同じカードをドラフトし続け、同じカードを使い続けるため、ゲームの多様性が小さくなり、プレイ体験が反復的になる。一般に、多様性は楽しさの鍵であり、それが減るとドラフトする回数も減ってしまう。ドラフトが早く「マンネリ化」するようになるのだ。

 第二に、ドラフト参加者同士の取り合いが弱くなる。隣り合った2人のプレイヤーが同じカードにまったく興味を示さないなら、プレイヤー間で与えあう影響が減少し、ドラフトが面白みに欠けるものになる。この問題の解決策は、何らかの「タイプ的接着剤」を作ること、すなわち、時には同じカードを巡ってプレイヤー同士が競り合う状況を生む何かを用意することであった。『ローウィン』におけるタイプ的接着剤は、多相メカニズムである。多相を持つクリーチャーはすべてのクリーチャー・タイプであるため、その色を使うあらゆるデッキがそれを欲しがることになる。我々は『ローウィン』に多相持ちクリーチャーを何枚か入れてみた。それらはうまく機能したので、多相クリーチャーの数を増やした。結果として、ファイル内には多相クリーチャーがかなり多く含まれることになった。

 ここで《山羊さらい》の話になる。我々は、いわゆる「脅しつけ」効果を持つクリーチャーを入れたかった。この種の効果は、対戦相手のクリーチャーをそのターンの間だけ奪い、通常はそれに速攻を与えて攻撃できるようにする。この能力は赤に属するため、ゴブリンにも、エレメンタルにも、巨人にも書くことができる。我々は小型クリーチャーにしたかったので、巨人は除外した。物を盗むという行為は、エレメンタルよりゴブリンの方がフレイバー的にしっくり来たので、ゴブリンにすることにした。

 『ローウィン』はタイプ的セットなので、より焦点を絞ったことをする好機に思えた。このゴブリンは、どのクリーチャー・タイプを盗むべきか? 誰かが、このクリーチャーはヤギを盗むのはどうか、というアイデアを出した。これは、多相クリーチャーと絡ませるための、可愛らしいやり方だった。デザインチーム全員がこのカードを気に入り、セットに入ることになった。

 そして大論争が起きた。チームの何人か(私自身も含む)は《山羊さらい》が実際に盗めるヤギが存在するよう、セットにヤギを1枚入れるべきだと考えた。それにより《山羊さらい》が盗めるヤギが『ローウィン』にいる、という設定が成立するからである。一方で、セットにヤギが0枚である方が面白い、という意見もあった。私は個人的に複数枚のヤギをデザインし、ファイルに入れたが、それらが削除されたり、ヤギ以外の何かに変えられていくのを見守ることになった。『ローウィン』にはタイプ的効果が非常に多かったため、クリーチャー・タイプは貴重なリソースだった。その結果、『ローウィン』にはタイプ行にヤギを含むカードが1枚も存在しないことになった。

 

 私は『イーブンタイド』で0/1の白いヤギ・トークンを生成するカードを2枚作ることができた。《スプリングジャック飼い》と《スプリングジャック牧場》は『ローウィン』=『シャドウムーア』にヤギがいるのだ、ということを示す助けになった。これらは0/1クリーチャーであり、《山羊さらい》で盗むのはばかげているのだが、ゴブリンは別に賢い生き物ではない。

 《山羊盗り》が生まれたのは、『ローウィンの昏明』に脅しつけ効果を入れたかったが、今回はクリーチャーではなく呪文に書きたかったためである。《山羊さらい》はあまりにも印象的なカードだったため、再起/callbackを作るならここしかないように思えた。脅しつけ効果は、奪ったクリーチャーの性質に依存するおまけ効果が付いていることが多いので、それがヤギ(か多相を持つクリーチャー)を参照するのは理想的に感じられた。《山羊盗り》はもともと、最初の『モダンホライゾン』に登場した。

 対照的に、『ローウィンの昏明』統率者デッキの《常習ヤギ》は再起として生まれたものではない。我々は-1/-1カウンターを頻繁には使わないため、使うときは+1/+1カウンターでは容易に再現できない使い方を探求したくなる。通常-1/-1カウンターのカードを作るなら、パワーとタフネスをずらすことで対応する+1/+1カウンター版も作れる。例えば、自分がコントロールするクリーチャーが戦場に出るたびに-1/-1カウンターを得る、5/5のクリーチャーを作りたいとしよう。似たものとして+1/+1カウンターを5個置いた0/0を作り、自分がコントロールするクリーチャーが戦場に出るたびに+1/+1カウンターを1個取り除く、というデザインにもでき、この2枚は似たようなプレイ感になる。

 我々は常に、単に反対のカウンターを使っただけのバージョンに留まらない形を探している。『ローウィンの昏明』の-1/-1カウンター・カードの中には、完全には避けがたい事情により、+1/+1カウンターで概ね再現できてしまうものもあるが、可能な限り独自のデザイン空間を見つけたいと思っていた。《常習ヤギ》は、プレイヤー同士がクリーチャーを奪い合い、奪う回数が増えるほど価値が上がっていく、というクールなカードである。ここで-1/-1カウンターは不可欠であった。というのも、このクリーチャーを攻撃に使うものにはしたくなかった一方で、+1/+1カウンター版にすると、実質的に5/5から始めざるを得ないからである。-1/-1カウンターなら、カウンターを積み上げつつもパワーを実質0のままにできる(パワーが負のクリーチャーはダメージを与えないため)。

 こうして、クリーチャーを奪い合うクールなカードをデザインした。では、どんなクリーチャーにすべきか? そう、『ローウィン』では「よく盗まれるクリーチャーの種類」が確立されていた。ヤギである。

寓話の大立者

 「MagicCon: Chicago 2025」で、私は「史上最も影響力のあるカード・デザイン・トップ20」について講演を行った。その第3位が、このカードである。

 

 《運命の大立者》はブライアン・ティンスマン/Brian Tinsmanがデザインした。ブライアンは、1枚のカードの中で進化を表現する方法を探していた。彼のアイデアは3つの起動型能力を持ち、3回アップグレードできるクリーチャーを作ることだった。しかしそれでは、ルール・テキストを書くためのスペースがあまり残らない。どうすれば、2つ目や3つ目の能力を起動する前に、まず1つ目を起動するよう要求できるのか?

 ブライアンは巧妙な解決策を思いついた。各起動は、そのクリーチャーに新しいクリーチャー・タイプを追加し、それが次の起動の「門」として機能するのである。これにより、すべてのルール・テキストをカード上に収められるだけでなく、クリーチャー・タイプがフレイバーとしても働き、成長物語を成立させる助けにもなった。これは『イーブンタイド』のカードであったため、ブライアンはマナ・コストと起動型能力のコストに混成マナを用い、より多くのデッキで使えるようにした。

 
 

 《運命の大立者》は優れたテンプレートとなり、我々が比較的頻繁に用いる新たなツールとなった。フレイバーがあり、派手で、プレイ感も良いので、我々は使い続けている。だが影響は、個々のカード・デザインに留まらない。

 

 《運命の大立者》は『エルドラージ覚醒』のレベルアップ・メカニズムの着想源となった。そのメカニズムもまた、ブライアン・ティンスマンがデザインした。

 
 

 またこれは『フォーゴトン・レルム探訪』で初登場したサブタイプ、クラスにも影響を与えた。これは「ダンジョンズ&ドラゴンズ」のクラスを表現するものである。クラスは『ブルームバロウ』で再登場し、そこではアニマルフォークの才能を表すものとなった。

回転

 

 《運命の大立者》は、両面カードの創出における数多くのインスピレーションの一つでもあった。これは『マジック』のデザインに非常に大きな影響を与えてきた。そしてこれは、我々が『ローウィン』=『シャドウムーア』に戻るとき、これを再訪しないわけにはいかなかったことを意味する。

 新しいデザインは、いくつかの問題を解決する必要があった。まず、新バージョンのカードはキスキンにするのが適切に思えたが、オリジナルのカードは『イーブンタイド』に収録されていた。『ローウィン』と『モーニングタイド』では、キスキンは白と緑であった。『シャドウムーア』では、キスキンは白と青であった。『イーブンタイド』は対抗色の混成セットであったため、赤白か白黒でなければならなかった。白と赤のペアの方が、ブライアンがこのカードで語りたかった物語に合っていた(そして『イーブンタイド』の他のキスキンはすべて白単色だった)。

 『ローウィンの昏明』のキスキンは、我々が重点を置いていた5つのクリーチャー・タイプの一つであり、キスキンが白緑であったオリジナル『ローウィン』とも合致していた。このカードはオリジナルへのオマージュであった。クールな形でいくつか変更することになったので、我々はそれを緑白の混成カードにする決断を下した。

 次はパワーとタフネスの成長である。《運命の大立者》は以下の形式に従っていた。

  • 混成マナ1マナで、1/1で始まる。
  • その後、混成マナ1マナを支払って2/2にできる。
  • その後、混成マナ3マナを支払って4/4にできる。
  • その後、混成マナ6マナを支払って飛行と先制攻撃を持つ8/8にできる。

 混成マナ1マナで1/1から始まる点は、引き継ぐべきだと感じた。混成マナ1マナの起動で2/2になるのは、やや弱く感じた。『イーブンタイド』以来クリーチャーはかなり強くなっており、また緑と白は最もクリーチャー志向の色である。2/2以上にできるはずなので、2/3にすることにした。

 この変更は新たな問題を生んだ。《運命の大立者》は起動のたびにサイズが倍になっていた。最初の起動を2/2から2/3に変えた時点で、その構造が崩れてしまった。倍化ではなく、毎回1つ多く増やしていくことに、つまり最初の起動はパワーを+1することにした。2回目の起動はパワーを+2し、3回目の起動はパワーを+3する。つながりを感じさせるため、タフネスは常にパワーより1大きくし、2/3から4/5、そして7/8へと成長することになった。

 デザイン・チームは、起動型能力同士を互いに似たものにしたかった。各カードの能力コストは、1マナ、次に3マナ、次に6マナである。《寓話の大立者》でもこの形式に従うため、バランス上の理由からコストをやや支払い易くする必要があり、混成マナの一部が無色マナに置き換えられた。見た目の統一感を保つため、1つ目の起動型能力は混成マナ1マナ、2つ目は混成マナ2マナ、3つ目は混成マナ3マナを用いることにした。

 最後に、最後の起動型能力に与える能力を考えねばならなかった。緑は通常、飛行や先制攻撃を得ないため、元の能力をそのまま使いまわす案は不可能であった。緑と白が重なる常盤木キーワード能力は、防衛、瞬速、破壊不能、警戒、護法である。防衛はデメリットである。瞬速を与えても意味がない。破壊不能はプレイ・デザインが望むレベルより少し強すぎた。警戒も検討したが、両色にとって少なくとも落葉樹であるメカニズム、すなわちプロテクションを選ぶことにした。

インカーネーション

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快心
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欺瞞
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空虚
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鮮麗
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幽愁

 ある日、ビル・ローズ/Bill Roseが私に「伝えたいことがある、そして頼みたいこともある」と言った。まず彼は『インベイジョン』――当時のコードネームは「ベイジン」――のデザイン・チームを編成しており、私にも参加してほしいと言った。メンバーはビル・ローズ、マイク・エリオット/Mike Elliott、そして私になる予定だった。当時、我々は開発部におけるフルタイムのマジック・デザイナーの中で最も強い3人であった。『メルカディアン・マスクス』ブロックの出来はあまり良さそうではなく(そして実際、最終的にも芳しくなかった)、主席デザイナーになったばかりのビルは『インベイジョン』を確実に成功させたかったので、開発部で最良の3人をデザイン・チームに据えたのだ。そして質問が来た。デザインの初週で、タホにある私の父の家を使えないだろうか?

 ビルがキッカー・メカニズムを最初に提案したのは、確かタホだったと思う。当時、キッカーと実質的に同じことをするカードは何枚か存在していたが、名前がなく、ビルはそれを体系化したかった。我々は初週の多くをキッカーのデザイン空間の探求に費やし、これがかなり広いことが分かった。その中で私を魅了したのは、キッカーを支払ったときに実質的に呪文を唱えたかのようにさせてくれるクリーチャー、という発想であった。

 

 私は昔から実用性が好きなので、キッカーでできるあらゆることに強く惹かれた。ここで『ローウィン』のデザインの話になる。デザイナーとして、私は既存のメカニズムをひっくり返すのが大好きである。当時、呪文に載せるような効果を、キッカーで得られるキッカー・クリーチャーが存在していた。ならば逆に、クリーチャーを唱えるためにキッカーを支払う呪文を作ったらどうだろう?呪文にキッカーを付けてトークンを生成することはできるが、私が求めていたのはそれではない。トークンは記憶上の都合でかなり単純である必要があり、私はもっと凝ったクリーチャー・デザインに興味があった。

 想起の初期バージョンはインスタントやソーサリーに書かれていて、キッカーを支払うとその呪文がクリーチャーになる、というものだった。私はこれをとてもクールだと思った。だが、よくあることだが、アイデアは時に実用上の問題にぶつかる。ゲームは戦場にインスタントやソーサリー(パーマネントではないタイプ)を置きたがらないため、ルール上は基本的にそれを許していない。インスタントやソーサリーが戦場に出ることになった場合、ルールは代わりにそれを墓地に置かせる。

 これを防ぐためのルール・テキスト(要するにそのカードがインスタント/ソーサリー・タイプを失い、クリーチャーだけになるようにする文言)は、長く、理解しづらかった。しかし当時のルール・マネージャーであったマーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebには別案があった。呪文ではなく、クリーチャー呪文の戦場に出たとき能力にしたらどうだろう? 通常より軽い想起コストを支払ったなら、それが戦場に出たとき、そのクリーチャーを生け贄に捧げるのである。それなら文言はずっと少なくて済む。クールさは少し落ちるが、観客は前のバージョンと触れ合うことはなかっただろうし、この調整後も同じくらい良いプレイ感になった。それでも、安いコストで呪文的効果を得たり、より高いコストで呪文的効果を持つクリーチャーを得たりできた。

 

 想起は大きな成功を収め、とりわけ《熟考漂い》は『マジック』のアイコニックなカードとなった。ここでこの話のもう一方の分岐、別の多色セットである『ラヴニカ:ギルドの都』の話になる。

 多色セットは非常に人気があるため、我々はこのテーマを何度も再訪する。そのたびに、私は多色呪文の未踏のデザイン空間を探りたくなる。多色カードでどんな新しいことができるのか? 『ラヴニカ:ギルドの都』は、デザイン・チームに新たな難題を突きつけた。多色カードには、誰がそれを使えるかが非常に限定的である、という問題がある。カードが白青であるなら、白と青のリソースを持つデッキしか使えない。単色でも使えるが、2色目があるとより強くなる、そんなカードを作る方法はあるだろうか?

 リチャード/Richardは、『アルファ版』の人気カードである《Sedge Troll》をテンプレートとして用いた。

 

 《Sedge Troll》は、いわゆるオフカラーの起動型能力を持っている。《Sedge Troll》は赤いデッキでプレイできるが、黒マナにアクセスできるとより強くなる。構築では、赤黒の両方を使っていないなら《Sedge Troll》のようなカードはデッキに入れないことが多い。だがリミテッドではパワーレベルが低くカード枚数も少ないため、オフカラー能力を使えなくても、そのクリーチャーが効率的なコストであるなら採用することがある。

 我々は、呪文にオフカラー要素を持たせる方法があるかどうかを考えた。そしてあった。例えば『インベイジョン』は、キッカー・コストでそれを実現していた。

 

 《解体の一撃》は白単色デッキでもアーティファクトかエンチャントを破壊するために使え、青マナにアクセスできるならカードも引けた。もっとも、この呪文は白マナを要求するため、青単色デッキではプレイできない。構築では、オフカラー起動型能力と同様に、一般的には両方の色にアクセスできる場合にのみそのカードを使う。リミテッドでは、一色目の色にだけアクセスできる場合でも、こうしたカードを使うことがある。『ラヴニカ:ギルドの都』ではキッカーを使わなかったため、その案は使えない。別のやり方はあるだろうか?

 

 答えはイエスであった。特定の色のマナを追加コストとして要求するのではなく、呪文を唱えるときに第二の色を使ったならボーナスを与える、という形にできた。我々はオリジナルの『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックで、この能力を持つ20枚のサイクルを作ることになった。20枚にしたのは、各ギルドが両方向に呪文を1枚ずつ持つようにしたからである。

 ここで『シャドウムーア』のデザインへ戻る。我々が混成呪文でクールなことを探していたとき、『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックのこのサイクルを思い出した。

 
 
 
 

 その結果、『シャドウムーア』と『イーブンタイド』にまたがる10枚サイクルが生まれた。これらのカードはそれぞれ混成マナ・コストを持つ。どちらの色を使うかによって、2種類の異なる効果を得る。『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックの呪文と同様に、それらは片方の色に縛られていない。緑青の混成呪文は緑単色デッキでも青単色デッキでもプレイできるが、両色を使うデッキで最適に機能する。

 ここで再び『ローウィンの昏明』に戻る。4セット分のデザインを1つのセットで復活させようとする際の課題の一つは、新しいことを探る余地を残しつつ、できる限り多くを詰め込める機会を見つけることである。その方法の一つが、アイデアを組み合わせることである。そうすれば、同時に複数のものを再起させることができる。また、存在しなかったものを生み出すように組み合わせるため、それ自体が新しいものとして数えられる。そして最後に、『ローウィンの昏明』の大きな革新の一つは、『ローウィン』と『シャドウムーア』の融合であり、これにより2つのミニブロックのメカニズムを混ぜ、より多くのメカニズム空間を作り出せた。

 こうして、エレメンタル・インカーネーションの神話レア・サイクルが生まれた。我々は何らかの形で想起を復活させたかった。想起は、クリーチャーが戦場に出たとき効果(またはこれに類する効果)を持つことを要求する。『ローウィン』ミニブロックの想起と、『シャドウムーア』ミニブロックの混成呪文を混ぜたらどうだろう? そうすれば、いくつもの結果を得られる(クリーチャーの有無にかかわらず、呪文効果を片方だけ得ることも、両方得ることもできる)。これは『ローウィン』と『シャドウムーア』を楽しい形で混ぜ合わせ、流れを交差させることで世界設定の新しいひねりを強調し、新しいものを作り、かつ別々のものを再起できる。

 それらをデザインする鍵は、各色に1つずつ、単独でも有用だが組み合わさると相乗効果を生む2つの能力を選ぶことにある。例えば《欺瞞》の青の能力は土地でないパーマネントをオーナーの手札に戻し、黒の能力は土地でないカードを捨てさせることを可能にする。それぞれは単独でも有用だが、組み合わさると、青や黒が単独ではやりにくいことを実現できる。


再起は家の中から来る

 私が語るべき話は以上だ。『ローウィンの昏明』の何枚かのカードがどのように生まれたか、その歴史を辿る2部構成の記事を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、この記事や私が取り上げたカード、あるいは『ローウィンの昏明』そのものについてのフィードバックを、メールやソーシャル・メディア(XTumblrInstagramBlueskyTikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。

 来週も次回「Making Magic」でお会いしよう。

 それまで、あなたが『ローウィンの昏明』で数多くの物語を創り出せますように。


(Tr. Ryuki Matsushita)

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