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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

当時と現在 その1

Mark Rosewater
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2026年1月26日

 

 『マジック』においてある舞台への再訪を行う際、その一部には、以前その舞台を訪れたときに行ったことへの再起/callbackを盛り込むことがよく含まれる。今回と来週は、『ローウィンの昏明』のさまざまなカードを数多く取り上げ、それぞれがどんなメカニズム上の再起を行っているのか、そして各カードがどのように作られたのかを語っていく。


闘士達(Champions)

 私がオリジナルの『ローウィン』セットに取り組んでいたときに関心を抱いていたことの一つは、タイプ的テーマをどのように多様な形で使えるのかを理解しようとすることであった。リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldが『アルファ版』でタイプ的テーマを導入したが、その多くは、クリーチャーが特定のクリーチャー・タイプを助ける、たいていは何らかの形で強化することに焦点が当てられていた。より多くのセットがタイプ的テーマを扱うにつれ、我々はそれとの関わり方を拡張し始めた。タイプ的効果を持つ非クリーチャー呪文を作った。特定のクリーチャー・タイプが墓地にあることや唱えられることを参照するようにもなった。しかし、ひとつだけ、我々があまり探ってこなかった領域があった。手札である。

 

 最初のアンセットである『Unglued』では、見た目は可愛く無邪気なのに、実は邪悪である――そんなクリーチャーのコンセプトをもとに、私はあるカードを作った。そのカードは大きな数値や恐ろしい能力を与えられるので、いったん戦場に出れば「ひどい」ことをやってくれるのだが、ほとんどの場合、彼は手札に抱えたままになってしまう。では、そのフレイバーを活かしつつ、序盤に機能を持たせる方法はないだろうか? 私が思いついたのは、手札で使える起動型能力であった。それにより、あなたはそのクリーチャーを対戦相手に見せられる(加えて「来るぞ!」と言わなければならなかったが、まあアンセットなのでよいだろう)ようになり、彼があまりに恐ろしいので、対戦相手はライフを失うことになる。彼が来ると知るだけで、対戦相手にダメージを与えるのに十分だったのである。

 必要に迫られて、私は手札からそのカードを公開させることにした。単に、他にそのカードを使う方法がわからなかったのだ。その能力は、手札のカードをリソースとして探求する道へと私を導いた。私はこのテーマを調べるのに多くの時間を費やした。たとえば『ウルザズ・デスティニー』(私ひとりがデザイン・チームだったセット)では、あなたの手札にある特定の色のカード枚数に応じて効果が拡大する、2つの異なるサイクルが存在した。

 
 

 ここで『ローウィン』のデザインの話に戻る。手札からカードを公開することで、タイプ的テーマを表現するというアイデアに私は興味を引かれた。デザイン・チームは最終的に2つのサイクルを作った。1つは、その中核のクリーチャー・タイプを持つ他のクリーチャーを公開することでコストが軽減される、コモンのクリーチャーのサイクルだ。

 
 

 もう一方は、適切なクリーチャー・タイプのカードを公開しない限りタップ状態で戦場に出る、レアの2色土地サイクルであった。

 
 

 その後『タルキール覇王譚』では、この技術を使って当時抱えていた問題を解決した。そのセットにはドラゴンのタイプ的テーマがあったが、ドラゴンはコストが重い。したがって、戦場だけを見ていると、ドラゴンを参照することが難しかったのだ。そこで我々は、戦場または手札にドラゴンがあるかどうかを参照するカードを数多く作った。

 
 

 これは数年後にタルキールへ再訪した際、新しいキーワード処理「後見」を作ることへとつながった。後見はあまりに便利だったため、我々は社内でこれを「落葉樹」と呼んだ。つまり後見を必要とするセットであれば、どのセットでも使える、という意味である。これは、いずれまた必要になるとわかっていた有用なツールだった。

 

 続ける前に、『ローウィン』の別のサイクルについても話しておきたい。「覇権/champion」は、マジックのメカニズムに進化の感覚を持ち込もうとした試みであった。1体のクリーチャーが別のクリーチャーになるのではなく、クリーチャー・タイプにそのつながりを結びつけたのである(なにしろ『ローウィン』なのだから)。覇権は、どんなエルフでも《レンの地の群れ使い》になれた。我々は、1体のクリーチャーのために2枚のカードを費やすときに生じる、本質的なカード不利を打ち消せるようこのメカニズムを設計した。覇権を持つクリーチャーが戦場を離れたなら、それを得るために「支払った」クリーチャーが戻ってくる。これは、戦場に出たとき能力のような特定の効果と、うまく噛み合った。

 しかし、我々がどれだけ工夫しても、覇権は少し扱いづらいことがわかった。何枚かのカードは多少使われたものの、『ローウィンの昏明』の最初の会議で『ローウィン』と『シャドウムーア』両ブロックのメカニズムを振り返った際、覇権についての我々のメモは、もう少しプレイ感が良くなればまた使いたい、というものであった。

 『ローウィンの昏明』において、展望デザインは覇権も、覇権の派生形も提出ファイルに入れなかったが、セット・デザインはこれに改めて取り組むことにした。彼らも我々と同じ結論である、覇権にはもう少し何かが必要だ、に至った。しかし彼らは、展望デザインが思いつかなかったことを思いついた。後見である。

 適切なクリーチャー・カードが存在すべき場所を拡張したらどうなるだろうか? 手札を加えることが大きな価値を生むようになり、戦場のパーマネントを失わずに済むことを意味した。チームはこれを試し、十分に気に入ったので、レアのクリーチャー・サイクルを作ることに踏み切った。セット内の多くのサイクルと同様、それはリミテッドのアーキタイプを構築していた5つのクリーチャー・タイプに合わせられた。彼らは各クリーチャー・タイプの中核となる色の単色カードを作った。

 チームは既存の覇権メカニズムを使えるかどうかも検討したが、問題は、その動き方を変えてしまっていたことである。既存の覇権メカニズムに後見を追加するために、追加のルール文章を記載するのは難しかった(しかも、この場合はクリーチャーが手札に戻るため、覇権とは異なる動作になる)。そこで彼らは、能力を文章で書き下ろし、カード名に「Champion」という語を含む(日本語版では闘士)カードを通じて再起を行う、という選択をした。

 彼らは、闘士的要素はそれだけで十分につながりが生まれるため、各カードのもうひとつの能力はそれぞれ独自のことをしてよい、と判断した。白は常在型能力、黒は起動型能力、残り3枚は誘発型能力を持っていた。各能力は、それぞれのタイプ的アーキタイプにおける中核メカニズムのテーマに沿うように設計された。

 加えて指摘しておきたいのだが、我々はアンコモンのクリーチャー・サイクルも作っており、そこでは「クリーチャー・カードを公開する」か「追加のマナを支払う」かを選べる。ただしこの版では後見を用い、戦場に適切なクリーチャー・タイプがあるなら恩恵を受けられるようになっている。

命令

 アーロン・フォーサイス/Aaron ForsytheはDailyMTGの編集長として雇われた。やがて彼は開発部にも加わることになる。彼が最初にデザイン・リードを務めたのは、『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックの第3セット『ディセンション』である。次に彼は『アラーラの断片』ブロックの第3セット『アラーラ再誕』のデザイン・リードを務めた。『ローウィン』は、アーロンが大型セットのデザイン・リードを初めて担当したセットであった。デザイナーごとに好みの能力の種類があり、アーロンがとりわけ好むもののひとつがモード効果である。

 
 

 最初の「魔除け」が登場したのは『ミラージュ』であった。デザイン・チーム(ビル・ローズ/Bill Rose、ジョエル・ミック/Joel Mick、チャーリー・カティノ/Charlie Catino、ドン・フェリス/Don Felice、ハワード・ハーレンベルグ/Howard Kahlenberg、エリオット・シーゲル/Elliott Siegel)は、呪文1枚に載せるには小さすぎる効果を探求したいと考えていた。それらを3つまとめることで、これらのモード・カードは、実用に足るだけの価値を得たのである。マジックの開発部とプレイヤーは即座に魔除けを気に入り、我々は『ミラージュ』以来、何度もこれを用いてきた。

 『ローウィン』では、アーロンはモード効果のパワーを引き上げることに関心を抱いていた。さらにワクワクするモード効果を作る方法はあるのだろうか? アーロンは、その「ワクワク度」を上げる方法を3つ見つけた。

  1. 選択肢を3つではなく4つにする。
  2. 効果を1つ選ぶのではなく、2つ選べるようにする。
  3. 呪文を少し重くし、レアリティも上げることで、よりインパクトのある効果を与えられるようにする。
 

 アーロンはこれらを「命令」と呼び、レアのサイクルとして作った。

 
 

 『ミラージュ』のデザイナーたちは、デッキに小さな効果を足すために魔除けを作った。アーロンが関心を抱いていたのは、たとえそれしか書かれていなくても競技デッキで採用されるような、より大きくインパクトのある効果であった。モードは柔軟性を高め、呪文の用途を増やし、そのパワーレベルを引き上げた。『ローウィン』のデザイン・チームと開発チームは、それらを可能な限り最高のものにするため、多くの時間を費やした。その多く、特に《謎めいた命令》は、結果的にトーナメントで使われることになった。

 『ローウィン』の命令は非常に人気が高かったため、我々は何度もそれらを再登場させてきた。『タルキール龍紀伝』では各友好色ペアの2色カードとして作られ、『ストリクスヘイヴン:魔法学院』では各対抗色ペアの2色カードとして作られた。『兄弟戦争』では再び単色カードとして作られた。『ローウィンの昏明』で再録すべき要素の初期リストを作った際、命令はその中に書かれていた。

 では『ローウィンの昏明』のデザイン・チームがそれらをどう扱ったのか、順に見ていこう。オリジナルの命令は、非常に汎用的な能力を持つ単色カードであり、その色のほとんどのデッキに入れられるようになっていた。だが今回は、デザイン・チームは別の方向を望んだ。より焦点を絞りたかったのだ。強力ではあるが、ごく特定のデッキに向けたものにする、ということである。

 彼らの焦点はタイプ的効果に置かれることになった。このセットは5つのクリーチャー・タイプ(キスキン、マーフォーク、ゴブリン、エレメンタル、エルフ)に注目していた。これらの各クリーチャー・タイプは2色ペアに焦点を当てていたが、それは我々が通常行う区分けから外れていた。その5つの2色ペアは、友好色だけでも対抗色だけでもなく、混在だったのである。キスキンは緑白、マーフォークは白青、ゴブリンは黒赤、エレメンタルは青赤、エルフは黒緑。各色は2回ずつ登場する。

 決定はこうである。命令を2色カードにし、5つの2色タイプ的アーキタイプに焦点を当てる。タイプ的アーキタイプに寄せるため、デザイン・チームは、各命令の4つの効果のうち少なくとも1つはタイプ的効果にする、と決めた。これにより、カードは自分のタイプ的アーキタイプの中では非常に強力である一方、それ以外では有用性が下がる。タイプ的テーマを扱うにあたり、デザイン・チームの目標の一つは、「クリーチャーではないタイプ的カード」をタイプ的デッキに入れる方法を増やすことでもあった。

 多くのタイプ的テーマは、クリーチャーを強化するか、そのクリーチャー・タイプのカード枚数を数えるかに寄りがちである。したがって、あなたはそのタイプのクリーチャーを可能な限り多くデッキに入れるよう、強く促される。これは多くのタイプ的デッキを同じ方向へ押しやってしまうため、デザイン・チームは、そのタイプのクリーチャーではないカードを加えるだけの価値があるデザインを見つけたいと考えた。その鍵のひとつが、通常は非クリーチャー呪文が担う役割、たとえばクリーチャー除去やカード・ドローを埋める呪文を作ることである。

 タイプ的テーマを補助し、タイプ的シナジーを助けるために、デザイン・チームはこのサイクルを同族にすることを決めた。同族(旧称「部族」)は、タイプ的テーマをクリーチャーでないカードへ広げるために『ローウィン』で導入されたカード・タイプである。これは、我々が期待したほどには成功しなかった。結局のところ、多くのタイプ的効果は「それがクリーチャーであること」に強く依存しているため、このカード・タイプは、利益があまりないのに言葉だけが増えるものだとわかったのだ。とはいえ今回は、このカード・タイプが生まれた地であるローウィン=シャドウムーアへの回帰であったため、セットに含めるのがふさわしいと感じた。『ローウィンの昏明』には最終的に13枚の同族カードが収録された。コモンの無色アーティファクト1枚、アンコモンのサイクル、アンコモンの再録2枚、そしてレアの多色命令サイクルである。

 デザイン・チームは最終的に、タイプ的効果を全カードで共通にすることを選んだ。それは、あなたがコントロールしている該当するクリーチャー・タイプのクリーチャー1体のコピーであるトークンを生成できる、というものである。残り3つの効果は、片方の色だけではできない効果の組み合わせになっている。そのうち少なくとも1つはクリーチャーとの相互作用を助けるものであり、またすべてが、そのアーキタイプのタイプ的戦略に沿うように作られている。プレイ・デザインがこの5枚の調整に多くの時間を費やしたことは知っているので、それぞれのタイプ的アーキタイプでたくさん使われることを願っている。

動きにくい騎兵》、《不承不承の矮村護衛》、《月影》、《鋸折りの戦闘員

 セットを作るとき、我々は常に、複数のテーマを同時にカバーできるカードをどうデザインするかを考える。たとえば『イーブンタイド』をデザインしていたとき、主要テーマの2つは「-1/-1カウンター」と「色が重要」であった。1枚のカードがその両方を参照できる方法はあるのだろうか?

 もっとも、その問題の解決は、少し異なる2つの道筋から始まった。『シャドウムーア』では、-1/-1カウンターでできる面白いことを探った。私は、自分でもとてもエレガントだと思うデザインを思いついた。

負傷した鳥
{2}{W}
クリーチャー ― 鳥
3/3
[CARDNAME]は-1/-1カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。

 以下は、私がこのカードを開発部の別のメンバーに見せたときに毎回起きたことの寸劇的再現である。

:新しいカードを作ったんだが、どう思う?
相手:これ、ただの2/2じゃない?
:単体で見ればそうだが、これは-1/-1カウンターが重要なセットの中にある。カウンターを取り除く方法も、移す方法も、カウンターがあることで価値を得る方法も、カウンターをコストとして支払う方法もある。意味があるんだ。
相手:でも、ただの2/2じゃない?
:単体ならね。
相手:でも、みんなが最初に見るときはカード単体じゃない?
:そうだが、マジックのプレイヤーなら「うーん、なんで2/2じゃないんだ?」と言うだろう。
相手:うん、それが聞きたいんだよ。
:「うーん」を付けた。つまり、それは考える価値のある面白い問いだということだ。
相手:意味があるようにできないの?
:できる。やるつもりだ。だが、それはこのカードである必要があるのか?
相手:あるべきだと思う。

 要するに、全員から返ってきた指摘は「バニラ版は理由もなく混乱を招く」というものであり、私は結局これを『シャドウムーア』から外すことになった。その後、私は最終的にこれを混成カードとして『イーブンタイド』に入れた。私が本気でこれを入れたいのだということを皆が受け入れていたし、加えて『イーブンタイド』が『シャドウムーア』ブロックの2番目のセットだったことも、おそらく助けになったのだろう。

 

 この話が重要なのは、ここから私は「-1/-1カウンターが置かれた状態で戦場に出るカードには、そのカウンターを参照したり取り除いたりするための内在的な手段を持たせる」という癖がついたからである。

 もう一方の話は、1993年夏の『アルファ版』までさかのぼる。

 
 

 「~色/lace」は『アルファ版』に収録された、ひどく嫌われたレアのサイクルであった。マナ1つで、パーマネントの色を恒久的に変えられる。一般的な見解は「効果が小さすぎてカード1枚の価値がなく、面白いレアにできたはずの枠を無駄にしている」というものだった。だが私は、逆にこれらが大好きだった。私の小さなジョニー脳は、カードの色を変えることがなぜメカニズム上意味を持ちうるのか、とりわけ驚くべき方法で意味を持てることを考えるのに夢中だった。『マジック』の初期、私は絶えず新しいデッキを組んでいて、その多くに「色」が入っていた。『レジェンド』が、マナ1つで好きなだけ多くのクリーチャーの色を変えられるサイクルを導入するまでは、だが。私は「色が重要」をテーマにするという発想を、最初期からずっと愛していたのだ。

 『シャドウムーア』のデザイン中、私は「カードの半分が混成である、『色が重要』なセット」にすることを定めていた。私は混成の多色的側面を強く押し出したかったので、特定の色の呪文を唱えたときを参照をしたかった。我々は最終的に、コモンのクリーチャー・サイクルを2つ作った。

 
 

 1つ目は「デュオ」サイクルである。これらはすべて混成クリーチャーで、2つの能力を持つ。1つ目は、特定の色(そのカードの色の一方であるが、サイクル全体を通して切り替わる)の呪文を唱えるたび、そのクリーチャーが+1/+1を得る、というもの。もう1つは、そのカードのもう一方の色の呪文を唱えるたび、その2つ目の色に紐づいた常磐木のクリーチャー・キーワードを得る、というものであった。

 
 

 2つ目は「修練者」サイクルである。これらは単色クリーチャーで、能力は1つだけである。このクリーチャーの色と同じ色の呪文を唱えるたび、あなたは({1}を)支払って、その色に合った小さな効果を得られる。これら2つのサイクルはいずれもプレイ感が良く、混成カードがセットに異なる手触りを加える助けとなった。

 ここで、我々が解こうとしていた問題に戻る。「-1/-1カウンター」と「色が重要」テーマをどう組み合わせるか? 特定の色のカードをプレイしたときに何かを起こしたいなら、-1/-1カウンターを取り除かせればよい。-1/-1カウンターについて私が気づいたことのひとつは、クリーチャーが「成長」できる効果を作れる一方で、+1/+1カウンターとは違って、その効果に上限を設けられるという点である。6/6が-1/-1カウンター5個が置かれた状態で戦場に出るなら、6/6が上限になる。こうした思考全体が、『イーブンタイド』の以下のサイクルへとつながった。

 
 

 「雛」は、混成クリーチャーのアンコモン・サイクルである。いずれも6/6で、-1/-1カウンター5個が置かれた状態で戦場に出る。各カードは2色で共有する能力を持ち、また、そのカードの2色のいずれかの色のカードをプレイするたび、-1/-1カウンター1個を取り除く。だが、なぜ「カウンターを取り除く能力」を2回書いたのか? こうしておけば、(混成カードのように)両方の色であるカードをプレイしたとき、-1/-1カウンターを2個取り除けるからである。

 サイクルへの再起を行うとき、我々はしばしば新しいサイクルを丸ごと作る。だがこれは、そのメカニズム上のテーマを少数のカードにだけ用い、「すべての色に再起のカードを用意する」ことは気にしなかった例である。『ローウィン』由来と『シャドウムーア』由来のメカニズムを自由に混ぜられるため、我々は誘発条件を「色が重要」とは別のものにすることを選んだ。

 《動きにくい騎兵》はタップ状態になることを望む。マーフォークにはタップ・テーマがあり、タップをコストとして用いるが、これは『ローウィン』への再起である。しかし《動きにくい騎兵》は、攻撃によってクリーチャーがタップされるため、より攻撃的なデッキでも機能する。これにより、このカードは異なるアーキタイプで機能する柔軟性を得ている。

 《月影》はパーマネントが墓地へ行くことを参照する。黒は伝統的に除去が多いため、そこにシナジーがある。しかし黒は、パーマネントを生け贄に捧げて自分のカードを墓地に落とすこともできる。それは墓地シナジーとも組み合わせられる。このカードのメカニズムは、複数のアーキタイプに合うようデザインされている。

 《不承不承の矮村護衛》と《鋸折りの戦闘員》は、あなたがコントロールしている他のクリーチャーが戦場に出ることを参照する。緑と白は最もクリーチャーを中心とする色であり、それらのさまざまなアーキタイプは多くのクリーチャーをプレイすることに依存している。この能力は、緑と白が得意とするクリーチャー・トークンともシナジーする。特に《鋸折りの戦闘員》は構築フォーマット向けであり、プレイ・デザインが適切にバランスを取れる、楽しいデザインだと感じられたのだ。これは(マナ・コスト{1}{G})6/6で、トランプルと護法{2}を持つ。ああ、いくつか越えるべきハードルはあるが、適切なデッキなら対処できる種類のものだ。


 今日はこれにて時間切れだ。『ローウィンの昏明』のカードと、それらに着想を与えたものについて聞くのを楽しんでもらえたなら幸いだ。いつもの通り、この記事や私が取り上げたカード、あるいは『ローウィンの昏明』そのものについてのフィードバックを、メールやソーシャル・メディア(XTumblrInstagramBlueskyTikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。

 来週、その2でまた会おう。

 その日まで、あなたが『ローウィンの昏明』の数多くのカードを楽しめますように。


(Tr. Ryuki Matsushita)

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