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Making Magic -マジック開発秘話-

30年目を迎えて その2
2025年11月10日
先週、私のウィザーズ入社30周年を記念して、私が『マジック』の仕事に携わり始めた1993年10月30日以降に起きた、『マジック』のデザインに生じた「30の大きな変化」を振り返る記事の執筆を始めた。先週は最初の10個を取り上げた。今回は11個目から見ていこう。
11. 2色のバランス(『ラヴニカ:ギルドの都』、2005年10月)
それぞれの色には、2色の「友好色」と2色の「対抗色」が存在する。『アルファ版』ではこの関係性を強調するため、対戦相手が特定の対抗色をプレイしたときに妨害するメカニズムを持つ色対策カードのサイクルと、友好色をサポートするカードとして《Sedge Troll》の1枚が作られた。『レジェンド』では多色カードが初登場した。2色カードはすべて友好色の組み合わせであり、3色カードもまた2組の友好色のペアを含んでいた。対抗色の多色カードもやがて作られるようになったが、その枚数は常に友好色より少なく、パワーレベルも低めに設定されていた(対抗色カードは友好色カードよりも弱い場合が多かった)。この傾向は2色土地にも及び、『アルファ版』では10種類すべてが平等に扱われたものの、それ以降は友好色の土地がより頻繁に登場し、対抗色よりも強力にデザインされていた。
話は『ラヴニカ:ギルドの都』へ進む。このブロックは、初めて同じテーマ(多色)を繰り返すブロックであったため、私はその前の多色ブロックである『インベイジョン』との差別化を図る必要があった。『インベイジョン』のテーマは「できるだけ多くの色をプレイする」であったため、私は『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックのテーマを「できるだけ少ない色をプレイする」に定めた。多色ブロックである以上、それはつまり「2色でプレイしろ」という意味である。3セット分のデザイン枠を埋める必要があり、また長年にわたって対抗色カードを抑制してきたことに私は不満を感じていたため、このブロックでは10組の2色の組み合わせをすべて平等に扱うことを決意した。
私はカラー・パイの最大の守護者ではあるが、対抗色カードを弱くすることで「仲が悪い」ことを表現する必要はないと感じていた。プレイヤーの選択肢を広げることこそが『マジック』を楽しくするものであり、2色の組み合わせの半分を意図的に弱くするのは悪いゲームデザインだと考えた。当時、私はちょうど主席デザイナーに昇進したばかりであり、その分だけ自由度が増したと感じていたところだった。
この変化は『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックにかぎらず、開発部が対抗色を扱う際の根本的な姿勢の転換となったのである。
12. 陣営(『ラヴニカ:ギルドの都』、2005年10月)
10組の色の組み合わせを中心としたブロックのアイデアを提案したとき、当時クリエイティブ・ディレクターだったブレイディ・ドマーモス/Brady Dommermuthが「少し考える時間がほしい」と言った。翌日、彼が運動中に思いついたのが「ギルド」というアイデアである。それぞれの2色の組み合わせを1つの陣営として具現化するというものだった。私はこのアイデアに大いに興奮し、ブロック全体の構造をそれに基づいて設計した。10の陣営すべてを各セットに入れるのではなく、最初の大型セットに4組、続く2つの小型セットにそれぞれ3組ずつ配分することにした。
さらに、各陣営に独自のキーワードを与え、それぞれの役割を強調した。各ギルドには固有のプレイスタイルとドラフト・アーキタイプが設定された。各ギルドは固有のアイデンティティ、外見、そしてラヴニカの街における特定の役割を持っていた。また、ギルドごとにギルドの指導者とギルドの勇者が存在し、固有のクリーチャー・タイプの一覧も与えられた。そして、それぞれの陣営がどのように世界観の中で協調しているかを示すために、10の陣営すべてに登場する、10枚からなるサイクルをいくつか作成した。これにより、各ギルドがそのサイクルに対する独自の解釈を示すことができた。
『マジック』ではこれまでにも陣営を扱ったことはあったが、ここまで徹底的に、特にメカニズム面で表現されたことはなかった。『ラヴニカ:ギルドの都』は非常に好評を博し、その結果、「陣営」は構造的なツールとして定着し、以後も繰り返し用いられることになった。現在では、およそ年に一度のペースで採用されている。
13. 混成マナ(『ラヴニカ:ギルドの都』、2005年10月)
『ラヴニカ:ギルドの都』は2色カードをテーマとする必要があった。そこで私はいつものように、メカニズム面の可能性を探るための調査を始めた。これまでに行われてきたデザインを掘り下げ、2色カードのデザイン空間を分析してみたところ、興味深い分岐が見つかった。一方のタイプは、2色のコストを使うことで異なる2色の能力を組み合わせるものであり、多くの場合それらの能力にはシナジーがあった。他方のタイプは、2色のコストを用いることで、両方の色がもともと得意とすることをより効率的に実現するものであった。後者は色を組み合わせるのではなく、両者が重なり合う空間を掘り下げるものであった。
前者のカテゴリーは、多色カードは本質的に異なる2色を「組み合わせている」ことに焦点を当てていた。赤緑カードは「赤であり、かつ緑でもある」という考えである。だが後者のカテゴリーは「2色が同じである」ことを掘り下げていた。私はそこで気づいた。求められている行動を行うために、実際には両方の色が必要というわけではない。どちらか一方の色でも実現できるのだ、と。そこから私は、新しいタイプの多色カード――「AかつBではなく、AかBのどちらか」を探求するカード――というアイデアに至った。もし、2つの色がどちらも得意とする行動を持つカードがあり、そのコストをどちらかの色だけで支払えるとしたら? 私はその考えに強く惹かれた。
私はいくつかのデザインを試作し、手応えを感じた。それは従来の多色カードとは異なる新しい形の多色カードであり、これまで不可能だったことを可能にした。たとえば、マナ総量が1の2色呪文は従来のデザインでは作ることができなかった。この新しい発想に興奮した私は、「The Pit」と呼ばれるデザイナー共有エリアで同僚たちに見せた。自分では非常にクールな新ツールを発明したつもりだった。ところが、見た全員の反応は同じだった――「ああ、うん、いいんじゃない」。誰も特に興奮しなかった。しかしこれは私の担当セットだったため、私はそのままセットに採用した。
『ラヴニカ:ギルドの都』のリード・デベロッパーであるブライアン・シュナイダー/Brian Schneiderは、当初この混成カード(とペインランド)を削除した。彼はセットに必要ないと考えていたのだ。私は当初、混成マナを『時のらせん』で使うつもりでいた。このマナの変化は、セットのフレイバーを体現していた。その後、ブライアンは私のもとへ来て、「混成カード(とペインランド)を『ラヴニカ:ギルドの都』に戻してもいいか」と尋ねてきた。
混成マナは、私が最初に作ったときに想定していた通りの道をたどった。非常に便利なツールであり、実用的な用途が多い。多くのセットがそれぞれ異なる方法でこれを利用してきた。近年では特に多く採用されており、リミテッド環境を滑らかにする助けとなっている。
14. グレイト・デザイナー・サーチ(2006年9月)
昔、当時の上司ランディ・ビューラー/Randy Buehlerと一対一で話していたとき、彼から次のように尋ねられた。「プロツアーは優れたデベロッパーを見つけるのに非常に役立ってきたが、デザイナーを見つけるのには苦労している。何かいい考えはあるか?」私は「ある」と答えた。
私と妻のローラはテレビをよく観る。その中にはリアリティ番組も少なくない。中でも特定のスキルを持つ人々を集め、そのスキルを競わせて最も優れた人物を見つけるというジャンルがある。『マジック』のデザイナー版として、それをやってみたらどうだろう? と私は思いついた。
ランディはこのアイデアを気に入り、私はすぐに企画の立案に取りかかった。最大の課題のひとつは、応募者数千人の中から、本編に進める人数まで絞り込むことであった。最終的に私は三段階の試験を用意した。エッセイ試験、選択式スキル試験、そしてカードデザイン試験である。これらによって応募者を16名まで絞り、そこからさらに8名にまで減らした。
「グレート・デザイナー・サーチ」はこれまでに3回開催されているが、そのいずれでも上位3名がウィザーズで働くことになった(開発部とは限らない)。9名のうち7名は少なくとも1つの『マジック』セットのリード・デザイナーを務め、9名全員が複数の『マジック』デザイン・チームに参加している。結果として、この企画は驚くほどの成功を収めた。
今後また開催されるのか? 私は開催されることを願っている。確かに膨大な労力を要し、特有の課題も多いが、成果を見ればやらない理由は見当たらないだろう。
15. ボーナスシート(『時のらせん』、2006年10月)



『時のらせん』ブロックは、私が主席デザイナーとして監督した2つ目のブロックであった。ブロックのテーマは「時間」であり、それを「過去」「異なる現在」「未来」の3つの側面に分けて表現した。『時のらせん』は「過去」を扱うセットであり、私は過去のカードが時折、ブースターパックに混ざって出てくるというアイデアに魅了された。カード枠は数年前に新しくなっていたため、古いカードを旧枠で再録するという試みは非常に刺激的だった。
最初にこの案を提案したとき、私はおよそ20パックに1枚くらいの頻度で出るようにできないかと提案した。このようなカードをブースターパックに挿入するためには、専用の印刷シートにまとめ、任意の割合で封入できるようにする必要があった。しかし議論を進めるうちにチーム全体がどんどん興奮し、封入率をどんどん上げていった。最終的には「1パックに1枚、必ず旧枠カードを入れよう」と決定したのである。この「ボーナスシート」は非常にうまく機能したため、ブロック内のセットすべてで共通の仕組みとすることに決めた。各セットが独自のボーナスシートを持ち、それぞれ異なるギミックを持たせたのだ。
その後、ボーナスシートは『ストリクスヘイヴン:魔法学院』で復活した。このときは「ミスティカルアーカイブ」と呼ばれ、多元宇宙の有名なインスタントやソーサリーをテーマとしていた。それらはすべて新規アートによる再録であった。ミスティカルアーカイブが大成功を収めたことで、ボーナスシートは以後、年に数回は登場するおなじみのツールとなり、新しいセットに人気の再録カードを加える手段として頻繁に利用されている。
16. 新しいカード・タイプ(『未来予知』、2007年5月)
『アルファ版』における『マジック』のカード・タイプは7種類であった。アーティファクト、クリーチャー、エンチャント、インスタント、インタラプト、土地、そしてソーサリーである。厳密に言えば、最初に追加された新しいカード・タイプは「マナ・ソース」だったが、これはマナを生み出す行為がゲームプレイ上の問題を引き起こさないようにするための実験的な試みに過ぎなかった。「インタラプト」は第6版ルールの導入とともに廃止された。そして、実際に新しい機能を持つ最初のカード・タイプは「同族」(当時の名前は部族)であり、これはクリーチャーでないカードにクリーチャー・タイプを持たせることを可能にした。「同族」は主に『ローウィン』で本格的に登場したが、その初出は『未来予知』のミライシフト・カードの1枚であった。
しかし、新しいカード・タイプの中で最も大きな影響を与えたのは「プレインズウォーカー」である。プレイヤーである「あなた」がプレインズウォーカーであるという発想は、『アルファ版』の時代からすでに存在していた。当時、「あなたこそがプレインズウォーカーだ」というキャッチコピーの有名な広告キャンペーンも行われていたほどである。物語上ではプレインズウォーカーという存在がカード名やフレイバー・テキストに登場していたが、実際にそれをカードとして表現することはなかった。最も近い例は『インベイジョン』に登場した《無明の予見者》で、これはウルザが変装した姿であった。プレインズウォーカーはあまりにも強大な存在であり、カード化にはそぐわないと考えていたのだ。
『未来予知』のデザイン中、マット・カヴォッタ/Matt Cavottaが私に「プレインズウォーカーをカード・タイプとして作る」というアイデアを提案した。『時のらせん』の物語はプレインズウォーカーの弱体化を描いていたため、今こそカード上で表現する意味があるのではないかと彼は考えたのだ。当初の計画ではミライシフト・カードとして青、黒、緑の3枚のプレインズウォーカーを登場させる予定だったが、プレイしてみたところあまり良い感触ではなかったため、初登場は『ローウィン』まで延期され、そして5色サイクルとして実現した。
『機械兵団の進軍』では、我々は新たなカード・タイプとして「バトル」を導入した。これはまだ再録されていないが、少なくとも現在デザイン中のセットの1つに含まれていると私は公に語っている。『モダンホライゾン3』では長らく登場していなかった同族カードが復活し、さらに来年の『ローウィンの昏明』でも新しい同族カードが登場すると発表されている。プレインズウォーカーも引き続き『マジック』の多元宇宙を舞台に登場し続けている。新しいカード・タイプを生み出すことは滅多に行わない。なぜなら、その実現には極めて高い基準が求められるからである。しかし、これは我々が長年にわたり効果的に使ってきたツールでもあり、プレインズウォーカーはその中でも特筆すべき成功例である。
17. 神話レア(『アラーラの断片』、2008年10月)
『マジック』は世界初のトレーディングカードゲームであったが、「トレーディングカード」というジャンルそのものの最初の製品ではなかった。その後、多くのトレーディングカードゲームが登場し、そのいくつかは『マジック』では採用されていないが、既存のトレーディングカードで使われている仕組みを取り入れた。ある日、開発部は他のトレーディングカードゲームをすべて徹底的に調査し、どのようなことが行われているのか、そしてそこから我々が何を学べるのかを検討するチームを結成した。
この調査から得られた最大の発見は次の事実であった。『マジック』を除くすべてのトレーディングカードゲームが、3種類より多いレアリティを採用していたのである。トレーディングカードの世界では、1パックに1枚未満の頻度で出現するようなレアリティのカードが存在するのが長年の慣例であった。さらに自分たちのレアリティ構造を分析してみると、「レア」カテゴリー内でも実際の出現頻度にかなりの幅があることが分かった。ならば、この頻度の高い側を「レア」とし、より希少な側を新しいレアリティとして定義してはどうだろうか? こうして生まれたのが「神話レア」である。
開発部ではそれまで長年にわたり、各レアリティのデザイン上の役割を厳密に定義してきたため、新たなレアリティを追加するには多くの議論を要した。神話レアの初期の定義も、時の経過とともに進化していった。神話レアの導入によって、構築向けとリミテッド向けのカードを明確に区別してデザインする手段が得られたのも大きな成果であった。現在では、神話レアは『マジック』のデザインにおける中核的な要素となっている。
18. 新世界秩序(『ゼンディカー』、2009年10月)
マット・プレイス/Matt Placeは元プロツアー王者であり、後に入社して開発部に加わった人物である。私と彼はとても親しい友人になった。ある日、私とマットはウィザーズ社内向けの『モーニングタイド』プレリリースに参加していたが、そこである異変に気づいた。多くの社員が1回戦を終えた時点でプレイを止めていたのだ。これは普段なら起こらないことであり、私たちは1回戦で棄権した社員数人に話を聞いてみた。すると、彼らは「ゲームが情報過多で追いつけない」「追跡することが多すぎて疲れる」「正直、楽しくなかった」と口をそろえて言った。
『ローウィン』は「種族」をテーマとしたセットで、8つの種族、エレメンタル、エルフ、フェアリー、巨人、ゴブリン、キスキン、マーフォーク、ツリーフォークのクリーチャー・タイプを扱うタイプ的セットであった。そして続く『モーニングタイド』は「職業」に焦点を当てたセットであり、5つの職業、ならず者、シャーマン、兵士、戦士、ウィザードのクリーチャー・タイプをテーマにしていた。多くのクリーチャーが「種族」と「職業」の両方のクリーチャー・タイプを持っていたため、カード間には複雑に絡み合う網の目構造が生まれていた。その結果、多くの情報を処理する必要があり、殆どのプレイヤーには負担が大きすぎたのである。
この経験から、マットと私は「新世界秩序」という新しいアイデアを考案した。これは経験の浅いプレイヤーが楽しめるよう、コモンの複雑さを制御することを目的としたものである。基本的な発想はこうだ。ブースターパックの約3分の2を占めるコモンこそが、新規プレイヤーにとってのゲームの複雑さを決定づける要素である。新世界秩序では、複雑な要素の多くをコモンから排除し、「レッド・フラッグ」と呼ばれるチェック基準を設けた。これは「コモンで採用する場合は慎重に検討すべき」特徴を示す指標である。
新世界秩序はまた、開発部が個々のカードを単体で評価するのではなく、より大きな「システム全体」としてのデザインを意識するきっかけにもなった。この指針の基本原則の多くは、現在に至るまでコモンをデザインする際の中核的要素として生き続けている。
19. 統率者(『統率者(2011年版)』、2011年6月)
シェルドン・メネリー/Sheldon Meneryはレベル5の競技マジックジャッジであり、当時はアラスカに駐屯していた軍人でもあった。彼は新しい町に移るたびに地元のゲーム店舗を探し、『マジック』を一緒にプレイできる新たな仲間を見つけていた。彼のプレイグループは独自のフォーマットを作り出しており、シェルドンはそれに魅了され、いくつかの調整を加えた。
その後、彼はプロツアーでジャッジ仲間とこのフォーマットを遊ぶようになった。イベントが終わった夜、シェルドンとジャッジは集まり、この新しいフォーマットを楽しんだ。彼らはこのフォーマットを「エルダー・ドラゴン・ハイランダー/Elder Dragon Highlander」と名づけた。当初、このフォーマットは『レジェンド』に登場した5体のエルダー・ドラゴンが統率者だったためである。このフォーマットは口コミで広まり、プレイヤー層が拡大していった。やがてウィザーズは、このフォーマット専用の製品を作ることを決定した。それは大ヒットし、私たちはすぐに年に一度の恒例製品として展開することにした。
こうして最終的に「統率者戦」と呼ばれるようになったこのフォーマットは、やがてテーブルトップ最大のフォーマットへと成長した。このフォーマットは『マジック』のデザイン哲学を根本から変え、各カードがカジュアルな環境、特に統率者戦でどのようにプレイされるかを重視する「カジュアル・プレイ・デザイン」チームの創設へとつながったのである。
20. ドラフト・アーキタイプ(『イニストラード』、2011年9月)
『イニストラード』のデザインに着手した初期段階で、我々は怪物テーマを採用することを決定した。これはクリーチャー・タイプに基づいたテーマであり、最初に挙げられたのは吸血鬼、狼男、そしてゾンビであった。また、怪物の犠牲者として、そして「すべての怪物はかつて人間だった」という世界観上のテーマを表すために、そこに人間も加えた。そして各クリーチャーを色に割り当てていくうちに、それぞれが見事に友好色のペアに対応していることに気づいた。そこで、残る5つ目の色の組み合わせの青白を埋めるため、スピリットを追加した。
そして開発段階で、リード・デベロッパーのエリック・ラウアー/Erik Lauerが「各対抗色の組にも固有のテーマを持たせたい」と提案した。彼は『ラヴニカ:ギルドの都』ブロックが、ブロック全体を通して10通りの2色アーキタイプを扱っていたことに注目した。そこから『イニストラード』ドラフトでは、1つのセット内で10通りの2色の組をそれぞれ定義した方が良いと考えたのだ。対抗色ペアの関係性をより明確に伝えるために、彼は「フラッシュバック」呪文に対抗色のコストを持たせるという工夫を加えた。
この『イニストラード』ドラフト設計が非常にうまく機能したことから、エリックは以後すべてのセットにおける標準構造として「10通りの2色アーキタイプ」を採用するよう制度化した。この流れは現在に至るまで続いているが、ただし近年では必ずしも10個のアーキタイプすべてが2色とは限らない。たとえば3色セットでは、5つの3色アーキタイプと、それらと部分的に重複する5つの2色アーキタイプが存在する場合もある。
20まで到達!
これで30のデザイン上の変化を振り返る旅も、3分の2が終了した。振り返りを楽しんでいただけたなら幸いだ。いつもの通り、この記事、取り上げた要素への感想やフィードバックをメールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週はその3をお届けする。
その日まで、あなた自身のプロセスをより良くするやり方を、探して見てほしい。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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