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Making Magic -マジック開発秘話-

30年目を迎えて その1
2025年11月3日
先週で、私がウィザーズで『マジック:ザ・ギャザリング』の開発に携わり始めたから30年を迎えた。これを記念して、1995年10月30日に着任して以降、『マジック』のデザインに生じた「30の大きな変化」を振り返る、全3回の記事を書くことにした。目標は、それぞれの変更点が何故生まれたのかを具体的に辿っていくことだ。
1. リミテッドのためのデザイン(『ミラージュ』、1996年10月)
ランダム封入のブースターパックから得たカードを組み合わせてプレイするフォーマットという発想は、『アルファ版』のプレイテスト時代からあった。プレイテスターは、古い別のゲームでの、カードをドラフトして遊ぶアイデアを『マジック』にも持ち込んだ。私自身も1994年にはすでにシールドで遊んでいた(それ以前は、ブースターを入手するのが非常に難しく、シールドで遊ぶのも難しかった)。
しかし当時のセットはドラフトを想定してデザインされていなかった。『アルファ版』のコモンには白いクリーチャーはたったの4枚であり、そのうち2点以上のダメージを与えられるのは1枚だけだった。『レジェンド』では、プレイヤーにダメージを与えられるコモンの赤いクリーチャーが1枚しか存在しなかった。『アイスエイジ』には飛行持ちのコモンが3枚あったが、その内訳は1/1、累加アップキープ持ち、「飛行を得るが、そのターンの終わりに死亡する」能力を持つカードだった。他に選択肢がないため、プレイヤーはパックから出てきたカードからドラフトするしかなかった。
『ミラージュ』がこの流れを変えた。『ミラージュ』はリミテッドを意識してデザインされた初のセットだった。デザイナーはクリーチャーのマナカーブ、回避能力、除去の枚数などを考慮した。開発段階でリミテッドのプレイテストを行い、ゲームプレイを改善するための調整を施した。リミテッドはその後マジックの基本になり、我々は何十年にもわたり改良を重ねてきた。
2. ブロック制(『ミラージュ』、1996年10月)
厳密に言うと、『アライアンス』は『アイスエイジ』のエキスパンションとして販売されたが、実際にはそうデザインされたものではなかった。『アイスエイジ』と関連するメカニズムやクリエイティブ的参照は、デザイン提出後に追加されたものである。ちなみに『アライアンス』は、私が最初に携わったセットでもあった。したがって、仮にブロック制が『アライアンス』から始まったと捉えても、この記事のテーマに合致している。
一方で『ミラージュ』は『ビジョンズ』と並行してデザインされた。当初はもっと大きなセットとして構想されていたが、デザイン案が多すぎると気づいたデザイナーは、それを大型セット(『ミラージュ』)と小型セット(『ビジョンズ』)に分割した。これにより、両セットは一緒にプレイされることを前提にデザインされ、『ミラージュ』で導入されたメカニズムが『ビジョンズ』で拡張されるという形が生まれた。これがその後のブロック制の原型となったのである。
ちなみに『ウェザーライト』は開発部がデザインしたもので、後に定番となるブロック制の第3セットのような扱いで生まれた第3セットではなかった。墓地に関連した独自のメカニズムテーマを持ち、クリエイティブ面では「ウェザーライト・サーガ」の物語を導入した。舞台は『ミラージュ』『ビジョンズ』と同じジャムーラであり、2つのセットと同じキーワード・メカニズムが使用されていた。物語的にも『ミラージュ』『ビジョンズ』で触れられたウェザーライト(アーティファクト)の要素から繋がるものであった。
ご存知のとおり、開発部は今やブロック制を廃止しているが、これは20年以上にわたってデザインの中心的枠組みであった。ここで取り上げないわけにはいかない。すべてのイノベーションが永遠に続くわけではない。多くの場合、我々は過去の改良をさらに超えて進化させていくのだ。
3. セットを跨いだデザイン(『ミラージュ』、1996年10月)
この話は『ミラージュ』の開発初期から始まる。おそらく初日のことだったと思う。我々がファイルを確認しながら各カードを検討していたところ、次のカードに出会った。
〈暴れ回る象〉
{2}{G}
クリーチャー ― 象
1/1
アンタップ状態の森1つを生け贄に捧げる:ターン終了時まで、[カード名]は+2/+2の修正を受ける。
あなたが抱いた第一印象は何だろうか? おそらく、私のものとは違うだろう。私の頭に最初に浮かび、即座に口から出た言葉は 「これは《エイトグ》だ」であった。
ふむ。
私がウィザーズに入社する前、いちばん好きなカードは《エイトグ》だった。『アンティキティー』で初登場したカードであり、当時のプレイヤーたちには概して嫌われていた。理由はよくわからない。このカードは当時のクリーチャーと比べると、非常に強力なカードであった。私は《エイトグ》の熱心なファンであり、デュエリスト誌に「最も過小評価されているマジックのカード」と題した記事を寄稿したほどだった。
〈暴れ回る象〉は、森を生け贄に捧げることで一時的に+2/+2の修整を得られる小型クリーチャーであった。私はこのカードに対し、2つの小さな変更を提案した。1/1を1/2に変更し、《エイトグ》にするというものだ。その後、「アンタップ状態の森1つを生け贄に捧げる」を「{G}, 森を生け贄に捧げる」に変更した。後者の方が簡潔で理解しやすいと判断したためである。
だが、私にはもっと大きな構想があった。単にこのカードを「緑の《エイトグ》」にするだけでなく、時間をかけて《エイトグ》のサイクルを作ろうと考えていたのだ。そして、実際にサイクルを作った。『ビジョンズ』には《時エイトグ》、『ウェザーライト』には《ネクロエイトグ》、『テンペスト』には《オーラトグ》が収録された。これが技術的には初の「メガサイクル」と呼べるものであり、さらに重要なのは、この流れが「セット同士が互いに関連し、影響し合う」という『マジック』のデザイン思考を生み出したことだ。未来のカードを示唆するようなデザインが可能になり、「マジックのデザインとは進行中のプロセスである」というメッセージを伝えられるようになった。
4. 戦場に出たとき効果(『ビジョンズ』、1997年2月)
カードファイルをデザインする際、そこには多くの課題がある。ファイルのスロットの一部はクリーチャー呪文であり、残りは非クリーチャー呪文である。通常、クリーチャー呪文のほうが多いため、入れたい効果を収める枠が足りなくなることがある。では、その「枠がない効果」はどうすればよいだろうか。
また、クリーチャーの枚数が多いということは、それぞれを差別化する必要があるということでもある。しかし、テキストが長くなりすぎると盤面が複雑化してしまう。理想としては「何らかの影響を与えた後は、単純なバニラクリーチャーとして残る」ようなデザインが望ましい。では、どうすればそれを実現できるだろうか?
実は、この2つの問題には同じ解決策があった。「定番の呪文をクリーチャーに組み込めばいいのではないか?」これが「戦場に出たとき効果」(当時の表記は場に出たとき/comes into play、現在の表記は出たとき/enters)のアイデアの始まりである。我々はすでにクリーチャーに誘発型能力を持たせていた。ならば、その誘発条件を「戦場に出たとき」にすればよいのではないだろうか? 『ビジョンズ』は、この新テクノロジーを初めて本格的に採用したセットである。中でも《大クラゲ》、《ネクラタル》、《ウークタビー・オランウータン》という3枚の印象的なカードが、これを強く印象付けた。
興味深いことに、私がリードを務めた『テンペスト』のデザインでも、我々は同じアイデアにたどり着いた。ただし、我々は『ビジョンズ』デザイン・チームの試みを知らなかった(大型セットのデザインは小型セットより先に始まるため、『テンペスト』のデザイン開始時には『ビジョンズ』はまだ開発に入っていなかったのだ)。我々が辿った道筋は少し異なる。最初は「引かれたときに誘発する」カードをデザインしていたのだが、このメカニズムがうまく機能せず、調整する必要があった。そして私は「クリーチャーが戦場に出たときに誘発する」形に変更した。こうして、まったく異なるチームが同じ到達点に辿り着いたのである。私は常々「並行デザイン/Parallel Design」に興味を持っているので、この偶然の一致を紹介しておきたい。
今日では「戦場に出たとき」効果は単なる常盤木メカニズムではなく、現代のセット構築における欠かせないツールとなっている。
5. アートとメカニズムを通してストーリーを語る(『ウェザーライト』、1997年6月)
『アルファ版』の時点で、『マジック』に明確な「ストーリー」は存在しなかった。カード名には固有名詞があり、カードのコンセプトやフレイバーテキストから世界観の片鱗を感じ取ることができた程度だった。最初に物語性を持ったセットは『アンティキティー』であり、それも「兄弟戦争の物語」を直接語るのではなく、「その物語を示唆する」形で描かれていた。プレイヤーはフレイバーテキストの断片から物語の一端を垣間見ることができたが、キャラクターたちに直接出会うことはなかった。ストーリーに登場する多くのアイテムも、カード上ではすでに過去の遺物として描かれていたのである。
私がウィザーズに入社したころ、私はデュエリスト誌で連載していた「Magic: The Puzzling」シリーズをまとめたパズル本の制作を終えようとしていた。そのときの編集者がマイケル・ライアン/Michael Ryanという人物だった。私たちはともにライターであり、すぐに親しい友人となった。そしてよく語り合っていたのが「マジックには継続的なストーリーがない」ということだった。そこで私たちは、新たなストーリーの企画を提案することにした。題して「ウェザーライト・サーガ」、由来は飛行船とその乗組員を中心に据えた物語のためだ。この提案は好評を博し、マジック・ブランド・チームはすぐにでもストーリー制作を始めたいと乗り気だった。
当時のセット制作では、イラスト発注を第1波、第2波の2回に分けて行っていた。ちょうど『ウェザーライト』が第2波の発注に入るタイミングだったのだ。マイケルと私は急ピッチで物語の序章を書き上げ、まだアートが決まっていないカードをいくつか探し出した。それらのカードに重要な場面を描いてもらうことで、ストーリーをカード上で表現しようとしたのである。割り当てられたカード枚数は多くなかったが、ストーリーの主要な展開を押さえ、何人かの新キャラクターをプレイヤーに紹介することができた。
このアイデアは『テンペスト』でさらに伸張し、ストーリーはセット内の60枚のカードに渡って展開された。私たちはそのカードをストーリーボード形式に並べ、各カードに一文の説明を添えてデュエリスト誌に掲載した。このアイデアは後に進化し、現在の「注目のストーリー」という形、すなわちセットの物語の重要な場面をカード上で描く形式へと発展していったのである。
6. 世界構築(『テンペスト』、1997年10月)
「ウェザーライト・サーガ」は、『マジック』における初の世界構築チーム誕生にもつながった。物語と世界観を統一感のあるものにするため、私たちは人気アーティストの マーク・テディン/Mark Tedinやアンソン・マドックス/Anson Maddocksをはじめとする複数のアーティストを雇い、統一的なスタイルガイドを作成した。このガイドには、各舞台や登場人物の詳細な説明が含まれていた。
これ以前の課題のひとつは、同じキャラクターを異なる複数のカードに登場させたい場合、同じアーティストに依頼しなければならなかったことだ。だが、物語の規模が拡大するにつれ、それは次第に難しくなっていった。アーティストが描く際に必要な要素、そのキャラクターや場所がどのような見た目をしているのかを共有する資料が必要になったのだ。
この試みは、セット制作の手法を大きく前進させたものであり、新しい世界やキャラクターを生み出す上での礎となった。また、デザイン部門とクリエイティブ部門が緊密に連携し「世界観とメカニズムが一体となったカード」を生み出す最初の一歩でもあった。
7. メカニズム要素としての枠デザイン(『Unglued』、1998年8月)
『Unglued』の発端は、ジョエル・ミック/Joel Mickとビル・ローズ/Bill Roseが考えた新しい種類のセットのアイデアだった。「トーナメントでは使えないカードを作ったらどうだろう? そうすれば通常のデザイン上の制約に縛られなくてもよくなる。」そう考えた二人は、枠を超えた発想を最も好むデザイナーとして、私にこの企画を任せてくれた。


『Unglued』の制作中に私は多くの試みを行ったが、この話で重要なのは「グラフィック・デザイナーたちに相談に行った」ことである。私は「これまでやったことがないけれど、技術的には可能なことを知りたいんだ。」と言った。彼らはいくつものアイデアを出してくれたが、中でも私を最も興奮させた事実が2つあった。1つ目は、カードは大きな印刷シート上で相互につながった状態で印刷されるという事実である。つまり、シート上で隣り合うカード同士なら、イラストを2枚のカードに跨がせることも可能だった。このアイデアから生まれたのが、セット中でもっとも人気を博した「カード」、「B.F.M.」(《Big Furry Monster》)である。
「B.F.M.」は非常に巨大なクリーチャー(99/99)であり、1枚のカードでは収まらなかったため、左右の2枚に分かれていた。唱えるには、両方のカードを手札に揃える必要があった。
もう1つの革新は、「各カードを独立したアート作品としてデザインできる」というアイデアだった。つまり、カード枠そのものを目的に応じて自由に変形できるようになったのだ。
カードを横向きにしたり、カード名欄を長くしたり、アートやテキストボックスのサイズを変更したりと、メカニズムを表現するためにカードデザインを柔軟に調整できるようになった。
「B.F.M.」の人気を受けて、私は「Unglued2」のために分割カードのデザインを考案した。「1枚に収まらないほど大きなカード」が人気なら、「1枚に2枚分のカードを収めたらどうだろう?」という発想である。「Unglued2」は開発中止になってしまったが、このアイデアは『インベイジョン』へと引き継がれ、このセットで分割カードが初登場することになった。
分割カードの成功は、メインセットにおいて「カード枠をデザイン要素として活用する」という発想の始まりでもあった。メカニズムを強化し、時にはそれを成立させるための手段ともなりうる。現在では、あらゆる新セットの制作スケジュールに「枠デザインの検討」という項目が組み込まれており、ほとんどの場合、その答えは「必要だ」で終わるのだ。
8. 統一されたルール(『第6版』、1999年4月)
リチャード・ガーフィールド/Richard Garfieldが『マジック』をデザインした当初、彼はこのゲームが「キッチンテーブルで遊ぶゲーム」になると想定していた。彼は、このゲームが世界的な現象になるとは想像もしていなかったのだ。そのため、ルールが少々不統一で複雑なのは「欠点」ではなく、ゲームの「味」だと考えていた。リチャードは各カードが個々に輝くことを望み、ルールはカードごとに柔軟に動作するよう設計されていた。遊んでいる中で、カード同士の相互作用について友人と議論することも『マジック』の魅力の一部だと捉えていたのである。
このシステムは、友人同士による少人数でのプレイであれば問題なかった。だが、店舗イベントのように、知らない人同士で、時には景品を懸けてプレイする場面ではうまくいかなかった。ルールの曖昧さが問題になったのだ。開発部はこの問題を認識し、ルール全体の抜本的な見直しを行うことにした。このプロジェクトはビル・ローズの監督のもと進められ、当時の最新の基本セット『第6版』で実装された。
ビルの目標はシンプルだった。「すべてのカードに一貫して適用できる、体系的なルールネットワークを構築する」ことだ。ルールを一度学べば、新しいカードが登場してもその仕組みを正しく理解できるようにしたかったのだ。ビルはルール・チームと協力し、ルールの整理と再構築に膨大な時間を費やした。
プレイヤーの最初の反応は芳しくなかった(プレイヤーは一般に「変更」を嫌う傾向がある)。しかし新しいルールで実際にプレイするうちに、徐々に受け入れられていった。いまや「マジックのルールが明確で、相互に整合するシステムである」ことは当然視されている。
9. デジタル・マジック(『Magic: The Gathering Online』、2002年6月)

『マジック』はその誕生以来、ずっと物理媒体によるカードゲームであった。このゲームをデジタルプラットフォームに移すためには、物理的なカードゲームとほぼ同様に機能する必要があった。つまり、ランダム封入のブースターと、カードコレクションを構築する仕組みである。
当時、この方式をやめてもっと一般的なデジタルゲーム形式にするよう求める圧力は強かった。だが、私たちはそれを拒んだ。 最終的に「デジタルゲームが『Magic Online』に寄っていく」形で変化していった。その後『MTGアリーナ』が登場し、よりビデオゲーム的な感覚を取り入れた『マジック』プレイ体験を提供するようになった。
デジタル・マジックは、カードデザインの考え方にも影響を与えている。これは特定のフォーマット向けにカードをデザインすることと同様だ。たとえばそのデザインはクリック数を不必要に増やしていないか? テーブルトップでは意味の薄い挙動のために、過剰なプログラミング工数が発生しないか? デジタル版でも遊びやすく、かつテーブルトップのプレイ感を損なわないようにシンプルにする方法はないか? こうした問いは、いまやカードデザインの過程で常に考慮される要素となっている。
10. タイプ的テーマ(『オンスロート』、2002年10月)
『アルファ版』には、特定のクリーチャー・タイプを参照するカードが3枚存在した。参照していたタイプはゴブリン、マーフォーク、ゾンビだ。すなわち、タイプ的テーマのアイデア自体は最初期から存在していたのだ。しかし、開発部では長らくカジュアルな要素で、トーナメントプレイには関係のないものとして軽視されていた。つまり、個々のカードが扱うテーマではあっても、セット全体のテーマとして扱うものではなかったのである。
『オンスロート』がちょうどデザイン・チームから開発チームに引き継がれたときだった。当時、首席デザイナーだったビル・ローズはその内容に満足しておらず、私に意見を求めてきた。私は「少し物足りない」と答えた。するとビルは「ではどうすれば良くなる?」と聞いてきた。私はルール・チームが提案していた新メカニズムの変異を追加し、さらに史上初めて「常盤木ではないキーワード」を再登場させることにした。それがサイクリングである。だが、どちらもこの話の鍵ではない。
当初のデザインでは「霧衣/Mistform」と呼ばれる、クリーチャー・タイプを変更できるクリーチャーがいくつか含まれていた。 しかし、その能力を活かすカードがほとんど存在しなかった。そこで私は「それが意味を持つようにしたらどうだろう?」と考えた。私は競技プレイヤーの動向を調べる一方で、カジュアルプレイヤーの遊び方にも強い関心を持っていた。そこで気づいたのが、「特定のタイプを参照するカード」が非常に人気であるという事実だった。たとえそれらが強くなくても、カジュアルプレイヤーはそうしたカードを愛用していたのだ。
カジュアルプレイヤーはタイプ的デザインを心から楽しんでいる、そう確信した私は次のアイデアを思い付き、提案した。「もし、それらを強くしたらどうなるだろう?」私の仮説はこうだ。競技プレイヤーがタイプ的カードを使わないのは、嫌っているからではなく、単に「十分に強くない」からだ。ならば、もし強力なタイプ的カードを作れば、競技プレイヤーも使い、もちろんカジュアル層もタイプ的カードを引き続きプレイするだろう。そう考えたのである。
ビルは私の提案を承認し、『オンスロート』はマジック史上初の「タイプ的テーマを持つセット(かつブロック)」となった。この試みは大成功を収め、開発部のタイプ的テーマへの認識を一変させた。今ではほとんどのセットに、少なくともひとつはタイプ的テーマ(例えばドラフト・アーキタイプの1つとして)を持つのが当たり前になっている。
10まで来た、しかしまだ道半ば
本日は以上となる。私がウィザーズに入社して以降、『マジック』のデザインがどのように進化していったかの振り返りを楽しんでいただけたなら幸いだ。いつもの通り、この記事、取り上げた要素への感想、あるいは単に私の記念日を祝う言葉だけでも構わない。感想やフィードバックをメールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週はその2をお届けする。
その日まで、あなた自身の「マジックとの歴史」を振り返ってみてほしい。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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