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Making Magic -マジック開発秘話-

トークンの歴史 その2
2025年8月25日
先週、トークンのデザインの歴史の振り返りを開始した。先週は2000年まできたので、今回はそこから再開する。
『インベイジョン』
《完全な反射》は《霊の鏡》のデザイン技術を基にしている。《霊の鏡》と同様、クリーチャー・トークンが1体だけ存在するデザインになっている(トークンが反射トークンであるのも同じだ)。《完全な反射》のトークン生成能力は、どのプレイヤーの呪文に対しても誘発する。《完全な反射》は《霊の鏡》とは異なり、唱えられた呪文のマナ総量に基づいて様々なサイズのトークンを生成する。《菌獣の横行》は初の、メカニズム(このカードはキッカー)を使用した場合に誘発するトークン生成カードである。
《秘宝の突然変異》と《オーラの突然変異》は、《屍肉》が切り開いたデザイン空間のカードである。ただし、対戦相手のアーティファクトやエンチャントを破壊しつつ、自身にクリーチャー・トークンを生成するカードとなっている(厳密には自分のパーマネントを破壊することもできる)。《煽動するものリース》は、初のサボタージュ型クリーチャー・トークン生成カードである。つまり、対戦相手に戦闘ダメージを与えることで、トークンを生成する。リースはマナの支払いを要求するが、ここで大事なのはサボタージュ能力によるトークン生成のデザインの源泉が生まれたことであり、その後続いたカードの多くはマナの支払いを必要としなかった。
分割カードの《暴行 // 殴打》の殴打側は、クリーチャー・トークンを生成するカードだ。分割カードは定義上、インスタントかソーサリーである必要がある。カードの半分だけを戦場に出すことはできないからだ。よって、クリーチャー・トークンを生成する効果を書くことで、カードの半分をクリーチャー呪文のように扱うことが出来る。
『プレーンシフト』
《モグの横行》に倣い、《魂の行進》は破壊したクリーチャーをすべて特定のクリーチャー・トークンへと変える。ただし《モグの横行》とは異なり、《魂の行進》は全プレイヤーが効果によってトークンを生成する。
『アポカリプス』
「暗影の~」は名前を持たないが、クリーチャー・トークンをメカニズムの中核として用いた初のメカニズムである。これらの暗影クリーチャーが死亡するたび、その死んだクリーチャーと同じクリーチャー・タイプ、パワー、タフネスを持つ黒のクリーチャー・トークンを生成する。フレイバーとしては、クリーチャーは死ぬと自らの影の分身を生み出すため、2度倒す必要がある。
『オデッセイ』
《根気強いハンター》は、トークンを生成するカードではないが、クリーチャー・トークンと相互作用する初のカードであった(トークンを破壊できる)。これはクリエイティブ・チームにある種の負担を与えた。というのも、フレイバー上、カードのクリーチャーとトークンのクリーチャーに違いは存在しないため、「クリーチャー・トークン」とは何を意味するのかを説明するコンセプトは避けねばならなかったからである。
《カーターの怒り》は、すべてのクリーチャーを破壊しつつ、唱えたプレイヤーにトークンを与えることができる初の呪文であった。『オデッセイ』におけるトークンの最大の革新はフラッシュバック・メカニズムに関するものであった。フラッシュバックはインスタントかソーサリーにしか持たせられなかったため、このセットの多くの緑のフラッシュバック持ちカードはクリーチャー・トークンを生成した。これにより、フラッシュバックを持つクリーチャー呪文に似たものを作り出すことができた。
『オンスロート』
『オンスロート』では、緑に名前のないクリーチャー・トークン・メカニズム、共生カードが導入された。共生クリーチャーが死亡するたび、そのパワーとタフネスの値に等しい(どれもパワーとタフネスは同じ値だ)数の緑の1/1の昆虫クリーチャー・トークンを生成する。
『スカージ』
《包囲攻撃の司令官》は《ジャングル巡視部隊》を発展させたものであり、生成したトークンを二次的な目的に利用できる。重要な違いは、《包囲攻撃の司令官》はトークンを戦場に出たとき効果で生成する点であり、マナを支払って生成する必要がないという点である。この違いによって、唱えたターンからすぐに利用できる、よりダイナミックなデザインとなり、構築フォーマットにおいて強力なカードとなった。これは我々が繰り返し使用することになるデザイン構造のひとつである。
『第8版基本セット』

『第8版基本セット』では、すべてのカードのカード枠が変更され、トークン枠も新しい見た目となった。タイプ行に「トークン」という語が表示されるようになったのである。もっとも、トークンが公式なカード・タイプとなることはなかった(そしてなぜか2007年から2014年の間はカード上に印刷されなかった)。
『ミラディン』
《生きている蟻塚》は、プレイヤーに与えた戦闘ダメージの点数からクリーチャー・トークンを生成する初のクリーチャーであった。《魂の鋳造所》は《ヴォルラスの研究室》を発展させ、生成するクリーチャー・トークンに対してより多くの選択肢を与えるようにした(色やクリーチャー・タイプだけでなく、何のコピーを出すか選べるようにした)。
『ダークスティール』
《霊気の断絶》は、すべてのトークンを特定して破壊する初のカードであり、追放効果を用いていた。《精霊のワンド》は、2種類の異なるクリーチャー・トークンを生成する初のトークン生成カードであった。これは意識して作成数を絞っているデザインである。《針金バエの巣》は、「運試し」タイプのトークン生成カードだ。新しい針金バエ・クリーチャー・トークンを生成しようとするたび、それまでに生成した針金バエ・クリーチャー・トークンすべてを失うリスクを伴うものであった。
『フィフス・ドーン』
《カルドラの兜》は、オリジナルのミラディン・ブロックの各セットに1枚ずつ存在した三枚組の装備品メガサイクルの一部である。3枚すべてのアーティファクトを戦場に揃えると、伝説のクリーチャー・トークンを生成し(これは初めての試みである)、さらに3枚の装備品すべてをそれに装備させることで、巨大で恐ろしいクリーチャーとなる。
『神河物語』
《鏡割りのキキジキ》は、一時的に存在するコピー・トークンを生成する初めてのカードであった。
『ラヴニカ:ギルドの都』
「狩り立てられた~」クリーチャーは、唱えた側が高効率のクリーチャーを得るのを相殺するために、クリーチャー・トークンを対象の対戦相手のコントロール下で生成する。《黄昏の群れ操り》は、トークンが戦場を離れることで誘発する初のカードであった。《倍増の季節》は、生成するトークンの数を倍にする初のカードであった。このカードは大きな人気を博し、以降繰り返し訪れるデザイン要素となった。《セレズニアのギルド魔道士》は、クリーチャー・トークンを生成する初の混成カードであった。
『ディセンション』
《芽吹く草ハイドラ》は、繰り返し誘発可能な条件で、トークンを用いて自らをコピーできる初のクリーチャーであった(このカードはダメージを受けたときに誘発)。このテーマは、誘発条件を変えて再利用し、クリーチャーが自己増殖するデザインとして用いられている。
『コールドスナップ』
《暗黒の深部》は興味深いデザインである。人気の高かったキャラクター「マリット・レイジ」をカードとしてではなく、伝説のクリーチャー・トークンとして登場させたのである。20/20というサイズは、当時としてはクリーチャー・トークンに印刷された最大のパワー/タフネスであった。
『時のらせん』
《練達の育種師、エンドレク・サール》は、トークンを時限メカニズムとして利用している。あなたがクリーチャーを唱えるたび、そのマナ総量に等しい数の1/1黒のスラル・トークンを生成し、トークンが7体以上になったとき、エンドレク・サールを生け贄に捧げなければならない。これにより、トークンを作りつつもエンドレク・サールを失わないよう注意を要するという面白いダイナミクスが生まれる。《サーペイディア諸帝国史、第七巻》は、生成する1/1クリーチャー・トークンを、5組の色とクリーチャー・タイプの組み合わせから選べる初のカードであった。《ヴォルラスの研究室》のように選択肢を与えるカードも存在するが、こちらはより自由度が高い。《サーペイディア諸帝国史、第七巻》は選択を制限することでフレイバーを生み出しており、それらは『フォールン・エンパイア』の五大種族を表している。
『未来予知』
『未来予知』には「ミライシフト」されたボーナス・シートがあり、将来のデザインの可能性を示すカードが含まれていた。その中には、昔の既存カードを参照する特定のトークンを生成するクリーチャーのサイクルが存在する。たとえば《ラノワールの助言者》は「ラノワールのエルフ」トークンを生成する。唯一の例外は《ゴールドメドウの監視人》であり、これは「ゴールドメドウの侵略者」クリーチャー・トークンを生成する。この『ゴールドメドウの侵略者』は当時まだ存在していないカードだったが、その年の後半に『ローウィン』で印刷されることとなった。
《皇帝の仮面》は、クリーチャーでないトークンを生成する初のカードであった。もしマジックのトリビアで勝負をしたいなら、「初めてクリーチャー以外でトークンになったカード・タイプは何か」と尋ねるとよい。誰もがアーティファクトだと答えるだろうが、実際はエンチャントであった。《皇帝の仮面》が戦場に出ると、それ自身のコピーであるエンチャント・トークンを生成し、それを各プレイヤーに与えるのである。
『基本セット第10版』

『基本セット第10版』では、ブースターパックに広告カードが導入された。これはトークンの歴史において重要な出来事である。なぜならブランド・チームが開発部に「広告カードの裏面に何を印刷するか」を選ばせてくれたからである。開発部はこれをプレイを助ける機会と捉え、広告の裏面の一部にトークンを入れることにした。我々は今後トークンがますます増えることを認識しており、すでに『Unglued』やマジック・プレイヤー報奨プログラムでトークンが人気であることがわかっていたので、それらをブースターに加えた。結果はもちろん大好評であった。
『ローウィン』
『ローウィン』ではプレインズウォーカーのカード・タイプが導入され、プレインズウォーカーは初期からトークン生成がデザインの中核に据えられていた。《黄金のたてがみのアジャニ》も《野生語りのガラク》もトークンを生成する。トークンがプレインズウォーカーにとって有用であることが証明された理由は、攻撃してくるクリーチャーをブロックし、プレインズウォーカーを守れるからである。《熱の陽炎》は《鏡割りのキキジキ》から生まれたテーマを引き継ぎ、クリーチャーのコピーである一時的なトークンを生成する。これは、クリーチャーでない呪文にこの効果を持たせた初めての例である。
『モーニングタイド』
これまでにも、《センギアの従臣》のように複数のクリーチャー・トークンを生成するクリーチャー・カードや、《肉占い》のように単一のクリーチャー・トークンを生成する非クリーチャー・カードは存在していた。《狩り立てられたラマスー》のように、クリーチャー・トークンを1体生成してそれを対戦相手に与えるクリーチャー・カードも存在した。興味深いことに、《大使の樫》は「1枚のカードで異なる2枚のバニラ・クリーチャーとして機能する」初のカードであった。1体は通常のバニラ・クリーチャー、もう1体はバニラ・クリーチャー・トークンである。私は以前から、トークンを使えば「1枚のカードで2つのパーマネントを作れる」と考え、それをシンプルな道具として利用できるはずだと思っていたため、このカードをセットに入れようと長年試みていた。私のプレイテスト版ではこのカードは〈ヘラジカとリス〉と呼ばれており(3/3が1/1を生成するカード)、少なくとも5つの異なるファイルに最初は入ったが、いずれも削除されていった。最終的にこのカードが『ローウィン』に収録されたのは、私が入れたからではなく、このセットのリード・デベロッパーであったマイク・チュリアン/Mike Turianが「2種類のクリーチャー・タイプをサポートするカード」を探していたからである。彼は以前に〈ヘラジカとリス〉を見たことがあったことを思い出し、それを『ローウィン』のファイルに入れたのである。
『シャドウムーア』
他のカードのコピーであるトークンは『ザ・ダーク』の《あまたの舞い》までさかのぼるが、《贖われし者、ライズ》はトークンそのものをコピーする初のカードであった。トークンがマジックのデザインの中核を成すという考えが、さらなるトークン相互作用のデザインにつながった。そしてそれは後に、新たなメカニズム全体へと発展することになる。
『アラーラの断片』
《くぐつの妖術師》は新たな興味深いデザイン空間を開拓したカードである。このカードは0/1のアーティファクト・クリーチャー・トークンを生成し、あなたのアップキープの開始時にそれを生け贄に捧げる。ブロッカーとして使うこともできるし、別のリソースとしての利用法を見つけることもできる。このデザインは、クリーチャー・トークンを他のカードの「餌」として活用する流れの拡大を際立たせている。《軟泥の庭》もまた風変わりなデザインである。これは、任意の非ウーズ・クリーチャーを生け贄に捧げ、そのパワーに基づいたサイズのX/Xのバニラ・クリーチャーに変換できる。《くぐつの妖術師》と《軟泥の庭》はどちらもトークンをより創造的に用いており、プレイヤーに「この機能で一体何ができるのか」を考えさせるものとなっている。《サルカン・ヴォル》もまたトークンを生成するプレインズウォーカーであるが、初めて「奥義」としてそれを行った。忠誠度を6まで貯めれば、-6能力により5体の4/4飛行ドラゴンを生成できるのである。
『ワールドウェイク』
《獣性の脅威》は、3種類の異なるクリーチャー・トークンを生成する初のカードであった。このデザインは以前から私がセットに入れようとしていたカードであったが(プレイテスト名は〈クリーチャー放射〉、《火炎放射》から着想)、私がデザインしたカードが入ることはなかった。このカードはケリー・ディグス/Kelly Diggesが独自にデザインしもので、彼は私が長年このカードを作ろうとしていたことを全く知らなかった。私が《獣性の脅威》のデザインについての記事を書いた際、〈ヘラジカとリス〉と同様の経緯をたどったのだろうと想定していたが、実際にはケリーがデザインしていたカードだと知ったのである。
『エルドラージ覚醒』
『エルドラージ覚醒』は、クリーチャー・トークンをコア・メカニズムとして用いた初のセットであった。つまり、セット全体の機能を支えるために多数のカードで繰り返し用いられるものとなった。その対象となったのはエルドラージ・落とし子トークンであった。これらは「このクリーチャーを生け贄に捧げる:{C}を加える」を持つ0/1の無色クリーチャー・トークンである。『エルドラージ覚醒』は巨大なエルドラージを戦場に出すことがテーマであり、マナを補助する必要があった。落とし子はその目的に大きく貢献した。
これはクリーチャー・トークンにとって大きな進歩であった。なぜなら、もはや個々のカード・デザインに限られず、セット全体の構造デザインにおいても利用されるようになったからである。開発部は、トークンが有用なツールであると理解し、その可能性を探求した。そして得た答えは「非常に有用である」というものであった。これが、トークンがセットの構造デザインにおいて大きな役割を果たすようになる始まりであった。
『ミラディンの傷跡』
生体武器は、トークンをメカニズムの中核とする初の名前付きメカニズムであった。装備品カードのデザイン上の課題のひとつは、それをデッキの非クリーチャー・スロットに収めなければならないことである。生体武器は、それらをクリーチャー枠に収められる手段となった。振り返ってみれば、0/0の細菌トークンを使ったことはやや厄介であった。というのも、すべての装備品がタフネス修整を与える必要があったからである。しかしこれは、その後さらに多くのメカニズムを生み出すことになるデザイントレンドの始まりであった。
『新たなるファイレクシア』
「接合者」は、6枚のカードに登場した名前のないメカニズムである。いずれも1/1のクリーチャーであり、戦場に出たときに無色の3/3ゴーレム・アーティファクト・トークンを生成する。そしてそれぞれが、自分がコントロールするすべてのゴーレムに能力を与える。クリーチャー・トークンを構造的に用いるようになったのと同様に、我々はクリーチャー・トークンをメカニズムの中核として扱うことにも慣れていったのである。
『イニストラード』
『イニストラード』は近年の『マジック』における初のトップダウン・ブロックであり、ゴシック・ホラーというジャンルを探求した。その目標のひとつは、ゾンビについて「プレイヤーにゾンビの大群を作らせる」ことであった。我々は、1枚のカードでどれほど大量のクリーチャー・トークンを生成できるか、その限界を押し広げるいくつかのカードをデザインすることでこれを実現した。《似通った生命》は、《倍増の季節》の人気を認識し、「トークン倍化」を独自の能力として切り出したカードであり、これはその後も繰り返し訪れるデザインとなった。《蜘蛛の発生》は、クリーチャー・トークンを用いてニッチなドラフト戦略を構築する例を示した。セットには通常のアーキタイプが存在するが、我々は「1枚を早めにドラフトすれば、それ単独で新しいアーキタイプを生み出すカード」を作るという発想を探求し始めたのである。ゾンビ・トークンのテーマと同様に、《蜘蛛の発生》は「大量のクリーチャー・トークンの群れを作る」という方向性に傾斜したことを示している。
『闇の隆盛』
《軟泥の庭》のようなカードの系譜に従い、《降霊術》はプレイヤーに「どう使うのが最適かを考えさせる」カードとして、トークンを用いるデザインのトレンドをさらに続けていった。
『アヴァシンの帰還』

『アヴァシンの帰還』では、プレリリースで《獄庫》をテーマにした特別なプロモーションが行われた。その中には、初めての両面トークンが登場し、片面が天使で、もう片面が悪魔になっていた。後のセットでも、この両面トークン技術が用いられるようになった。
『ラヴニカへの回帰』
「増殖」に着想を得て、トークンをメカニズムの中核とする2つ目の名前付きメカニズムが「居住」である。増殖はすでに置かれているカウンターを増やす能力だったが、居住の初期案では「自分のコントロールするすべてのトークンのコピーを生成する」ものだった。しかしこれは強力すぎたため、最終的に「自分が選んだ任意のトークン1体をコピーする」形に変更された。
居住を導入するにあたり、セットの相当部分を多様なトークンに割く必要があった。というのも、このメカニズムの最も面白い点は「戦場にあるトークン次第で効果が変わる」ことだからである。もしトークン・カードをブースターパックに入れるのが当たり前になっていなかったなら、これほど大規模なトークン基盤を整えることはなかっただろう。
居住や《幽霊の将軍》のようなカードは、我々が「トークンをゲームの常盤木要素として扱うこと」により慣れてきたことを示している。つまり、トークンはデザイン上、参照したりメカニズム的に扱ったりできる存在になったのである。
『テーロス』
私は、トークンがもたらし続ける斬新さを示している2枚のカードのデザインについて触れておきたい。《波使い》をデザインした際の目標は、「召喚者が戦場を去れば一緒に消える波のクリーチャーたちを呼び出すクリーチャー」を作ることだった。過去であれば、それを実現するには「トークンはそれを生み出したクリーチャーが消えると戦場を離れる」とテキストで書く必要があった。しかしそれを書き込む余地は存在しなかった。そこで出た優雅な解決策は、《波使い》が1/0のクリーチャー・トークンを生成し、《波使い》自身がそれらに+1/+1修整を与える、という形にすることであった。
《アクロスの木馬》は、トロイの木馬をトップダウン・デザインしたカードである。フレイバー上、対戦相手にこのカードを与えねばならないことは明らかだったが、それがプレイヤーにとってどう役立つのかについてはしばらく行き詰まっていた。最終的に、「戦場に残り続ける限り、絶え間なくクリーチャー・トークンを生み出す」という解決策にたどり着いた。これはフレイバー的にも見事であり、プレイ感としても良好であった。
『神々の軍勢』
《金箔付け》は、非クリーチャー・アーティファクト・トークンを生成する初のカードであった。これは最終的に後ほど出る宝物トークンと非常に近いが、1つだけ違いがあった。それは、生け贄に捧げる際にタップする必要がなかった点である。この違いが重要になるのだが、そのことについてはこのシリーズの次回で説明する。
『ニクスへの旅』
《黄金の呪いのマカール王》は、ミダス王を題材にしたトップダウン・デザインであり、金・アーティファクト・トークンを2度目に登場させたカードであった。当時の我々は、金を新たなツールとして使っていくつもりでいた。これは「トークンをクリーチャー以外にどのように活用できるか」を模索し始めたことを示している。そのアイデアがどのように広がっていったのかについては、このシリーズの第3回で取り上げることにする。
トークンをまとめよう
本日はここまでである。第3回は2週間後に公開される予定である。何故なら来週は『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のプレビュー週だからである。いつものように、今回の記事やトークン全般の役割、あるいはここで取り上げた具体的な事例について、感想やフィードバックをメールやソーシャル・メディア(X、Tumblr、Instagram、Bluesky、TikTok)を通じて(英語で)送ってもらえると幸いだ。
来週は『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のプレビューをお届けする。
それでは、そのときまで、あなたに最適なトークンが見つかるように。
(Tr. Ryuki Matsushita)
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