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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

『ニューカペナの街角』の言葉 その2

Mark Rosewater
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2022年4月25日

 

 先週、『ニューカペナの街角』のカード個別の話を始めた。今週は、魔除けの話以外のさまざまなデザインの話をしていく。それではさっそく始めよう。

華やいだエルズペス
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 カペナ(ニューカペナの存在する次元)がエルズペスの出身次元だとわかったので、彼女を物語に組み込まない手はなかった。つまり、我々は彼女をプレインズウォーカー・カードにしなければならないということである。

〈エルズペス〉(バージョン#1)
{1}{W}{W}
伝説のプレインズウォーカー ― エルズペス
初期忠誠度 ― 1
[カード名]は、盾カウンター1個が置かれた状態で戦場に出る。
+1:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは警戒を得る。
-2:あなたがコントロールしているクリーチャー1体につき1体の白の1/1の兵士・クリーチャー・トークンを生成する。

 この第1バージョンは、常在型能力1つと忠誠度能力2つを持っていた。常在型能力は、プレインズウォーカーにセットメカニズムを持たせようという試みから来ていた。盾カウンターがクリーチャー以外のパーマネントでも作用させられるということがわかっていたので、プレインズウォーカーに持たせるのはクールだと思われた。そしてエルズペスは白単色にする最高の候補だったのだ。(ビビアンは緑単色で、オブ・ニクシリスは黒赤である。)

 プレインズウォーカーが破壊されるのは破壊効果よりも戦闘によることが多く、盾カウンターはあまり有用ではないという問題がわかった。他の2つの能力は、いかにもエルズペスらしいものだった。特に、過去5枚のカードのうち4枚でそうしていることから、彼女はトークンを作ることで知られていた。(5枚目は特定のクリーチャーを戦場に出すものだった。)

〈ニュー・セレスティアのエルズペス〉(バージョン#2)
{1}{W}{W}
伝説のプレインズウォーカー ― エルズペス
初期忠誠度 ― 3
+1:ターン終了時まで、あなたがコントロールしているすべてのクリーチャーは+1/+1の修整を受け、先制攻撃と警戒のうちあなたが選んだ能力1つを得る。
-2:緑白の1/1の市民・クリーチャー・トークン2体を生成する。
-6:何かすごいヤツ

 セットデザイン・チームは常在型能力を諦め、「古典的な」デザイン、小プラス、小マイナス、大マイナスの奥義、に立ち戻った。このバージョンは第1バージョンと同じ効果のままだが両方を強化し、1つ目の能力には効果を追加し、2つ目の能力では追加のクリーチャー・トークンを生成するようにした。

 このバージョンには、私があまり語ってこなかった、先送りと呼んでいるものも含まれている。カードの一部で何が必要なのかがはっきりしていないことがある。その場合、必要なものの本質だけを説明しておくのだ。「下流の諸君、多分俺もまだいるけど、これを忘れないでくれ。」

〈ニュー・セレスティアのエルズペス〉(バージョン#3)
{3}{W}{W}
伝説のプレインズウォーカー ― エルズペス
初期忠誠度 ― 4
+1:クリーチャー最大1体を対象とする。+1/+1、飛行、絆魂、先制攻撃、警戒のうちあなたが選んだカウンター1つをそれの上に置く。
-2:あなたのライブラリーの一番上にあるカード7枚を見る。その中から土地でないパーマネント・カード1枚を、盾カウンター1個を置いた状態で戦場に出す。残りをライブラリーの一番下に無作為の順番で置く。
-?:あなたのライブラリーやあなたの墓地やゲームの外部から、望む数の天使・カードを探し、戦場に出す。その後、ライブラリーを切り直す。

 プレインズウォーカーをデザインしていると、派手さが足りないと感じ、満足できるようになるまで能力を強化していくことがよくある。エルズペスの場合、プラス能力がどんどん追加されていっているのがわかるだろう。この時点では、カウンターを使っているので効果が永続的なものになっている。

 落葉樹の記事で語った通り、パンチアウト・カウンターがないセットでも、高いレアリティで少量ならキーワード・カウンターを使うことができることにしたのだ。この能力の印刷されたバージョンでは、+1/+1カウンターは固定され、2つ目のカウンターを選べるようになっている。

 小マイナス能力は、盾カウンターの新しい使い方である。ゲームプレイが繰り返しになる問題を起こさずに教示者の機能の大半を賄えるので、教示者の代わりに「衝動」効果(開発部語で、自分のライブアリーの一番上にあるカードN枚の中から何らかの条件のカードを探すこと)が増えている。また、デッキ内の探すものの枚数を増やすことも推奨される。(条件がニッチであればこの問題は大きくなる。)最終版では、この効果が大型クリーチャーを出してくることが多い色である緑にならないようにするため、マナ総量3という条件をつけている。

 最後の能力は、エルズペスを世界の天使とつなぎたいという狙いである。(まだストーリーを読んでいない諸君はこちらへ。)チームは「何かすごいヤツ」(第2バージョン)を必要とし、そして大量の天使が心躍るものだと思ったのだ。最終バージョンでは、天使・クリーチャー・トークンを作るだけになった。その理由は何か。2つ考えられる。1つ目に、上限なしにすることはプレイデザイン上の問題がある。2つ目に、収まりきらなかったのだろう。3つ目の忠誠度能力の分の文章欄を見てもらいたい。初期忠誠度の欄があるので、文章欄はいくらか狭くなっている。第3バージョンの能力は、あまりに文字数が多すぎたのだと考えられる。

 完成品が、この世界の、この物語のエルズペスを見事に表していることに私は満足している。

救出専門家
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 次は、クールな白のレアのクリーチャーの話だ。

〈創造的会計士〉(バージョン#1)
{2}{W}
クリーチャー ― 人間・ウィザード
3/3
{1}{W}:あなたがコントロールしていて土地でもこれでもないパーマネント1つを対象とする。[カード名]が戦場を離れるまで、それを追放する。1つ以上のパーマネントが追放されるたび、宝物・トークン1つを生成する。

 この枠は最初、リアニメイトではなく《忘却の輪》の亜種だった。おそらくこれは名前/コンセプトからのトップダウン・デザインだろう。宝物・トークンのフレイバーはクールだが、白はあまり宝物を作る色ではない(他の色をタッチさせることは白が得意であることではない)ので、このカードはカラー・パイに外れている。白は、対戦相手が何かをすることの代償として宝物を作ることはできる。([何か]をしたいなら、私に宝物・トークン1つを与えなければならない。)

〈創造的会計士〉(バージョン#2)
{1}{W}
クリーチャー ― 人間・ウィザード
2/2
{1}{W}:あなたがコントロールしていて土地でもこれでもないパーマネント1つを対象とする。それはフェイズ・アウトする。[カード名]が戦場にあるかぎり、それはフェイズ・インできない。あなたが1つ以上のパーマネントを追放するたび、または、あなたがコントロールしている呪文や能力が1つ以上のパーマネントをフェイズ・アウトさせるたび、[カード名]は謀議する。(カードを1枚引き、その後カードを1枚捨てる。これによりあなたが土地でないカードを捨てたなら、このクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。)

 この新バージョンは、2つのことをしている。1つ目に、トークン生成が謀議に変わっている。興味深いことに、ルーター効果(カードを引いて捨てる)も、通常は白がすることではないが、謀議は常夜会一家(白青黒)の一部であり、このセットでの曲げの範囲内として許容されていたのだ。2つ目に、追放がフェイズ・アウトに変わっている。これによって、そのクリーチャーのオーラや装備品やカウンターが保持される。

 落葉樹記事の中でフェイズ・アウトについて触れるのを忘れていたが、必要に応じて使える落葉樹な道具である。最後に、これがそうであるように、トップダウンのデザインが変動してトップダウンのコンセプトから外れるのはよくあることだということを指摘しておこう。

〈仮釈放係〉(バージョン#3)
{2}{W}{W}
クリーチャー — 人間・兵士
3/3
[カード名]が戦場に出たとき、あなたの墓地にありマナ総量が3以下であるクリーチャー・カード1枚を対象とする。それを戦場に戻す。あなたが[カード名]をコントロールし続けているかぎり、そのクリーチャーでは攻撃もブロックもできない。

 この頃、セットデザイン・チームは《忘却の輪》系デザインからリアニメイトに移行することを決めた。マナ総量が小さいクリーチャーをリアニメイトするという白の長所を扱っている。最終版では、マナ総量を3以下から2以下にした。(白はどちらも可能だが、2以下であることのほうが多い。)その上で、クリーチャーを調整した。({W}軽くして絆魂を持たせ、タフネスを減らした。)

高街のペガサス
jp_BCN7dAAdHr.png

 これはこのセット唯一のペガサスの話である。

〈科料〉(バージョン#1)
{1}{W}{W}
インスタント
土地でないパーマネント1つを対象とする。それを追放する。それのコントローラーは「白の1/1の人間・兵士・クリーチャー・トークン1体を生成する。」か「占術2を行う。」か「3点のライフを得る。」を選んでもよい。

 この枠は最初、白単色のカードだった。白だけに存在することにした(青には存在しなくした)、代償のある除去である。この呪文が独特なのは、影響を受けるプレイヤーが代償を選べるところであった。

〈資産没収〉(バージョン#2)
{1}{G}{W}
インスタント
土地でないパーマネント1つを対象とする。それを追放する。それのコントローラーは「緑の1/1の市民・クリーチャー・トークン1体を生成する。」か「占術2を行う。」か「3点のライフを得る。」を選んでもよい。

 この時点で、このセットには多色のレアがもっと必要だと判断されたので、この枠は白単色から緑白の枠に変わることになった。最初の試みは、単純に「この効果が緑白でも成り立つか見てみよう」というものだった。

〈トマト投げ〉(バージョン#3)
{G}{W}
インスタント
クリーチャーやプレインズウォーカーのうち1体を対象とする。あなたがコントロールしている各クリーチャーはそれぞれ、対象にしたクリーチャーやプレインズウォーカーに自身のパワーに等しい点数のダメージを与える。

 これは、これの中に特に緑な部分があったわけでも、効果全体として緑白らしいカードになっているわけでもなかったので、あまり緑白らしくないと判断された。多色カードをデザインする場合、その枚数が多い多色セットでは特に、常に発生する「1色で可能だ」問題をすべてのカードで避けることはできないと認識しているので、効果全体がその色の組み合わせにふさわしいものであれば多色カードが1色に寄っていることは許容している。

 今回はそれに当てはまらなかったので、セットデザインは新しい除去効果を試したのだ。この新しい効果は、クリーチャーのパワーを参照し(緑の要素)、大量のクリーチャーを並べること(白の要素)を推奨している。

〈誰か〉(バージョン#4)
{G}{W}
クリーチャー ― 人間・ならず者
2/2
{G}{W}:[カード名]の上に+1/+1カウンター1個を置く。
{G}{W}:ターン終了時まで、[カード名]は破壊不能を得る。これをタップする。

 前のカードに満足がいかなかったのか、それともクリーチャー枠にすることを判断したのかはわからないが、このカードはインスタントからクリーチャーに変わっている。このデザインはいかにも「詰め物」(開発部語で、セットのプレイテストのためのカードで、長期的にファイルに残すつもりはないカード)に思える。おそらく、クリーチャー枠にすることを決めて、一時的にそこを埋めるためのものを作ったのだろう。これが詰め物だと思うもう1つの理由は、この名前である。

〈密輸するエイヴン〉(バージョン#5)
{G}{W}
クリーチャー ― 鳥・ならず者
2/2
飛行、トランプル
[カード名]がプレイヤー1人に戦闘ダメージを与えるたび、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーは自分の手札にあるカード1枚を裏向きに追放する。それが追放されているかぎり、それのオーナーはそれを唱えてもよい。あなたがそれのオーナーであるならそれを唱えるためのコストは{1}減り、そうでないならそれを唱えるためのコストは{1}増える。

 次のこのバージョンでは、新しい試みが加えられている。これは、サボタージュ効果(開発部語で、戦闘ダメージをプレイヤーに与えたときに発生する効果のこと)で自分の呪文を軽く、あるいは相手の呪文を重くする巧妙な能力を基柱にしている。対戦相手の呪文に税をかけるのは白であり、自分の呪文を軽くするのはマナを生み出すようなものなので緑だと言える。飛行を持たせたのは、頻繁に対戦相手に攻撃を通せるようにするためだろう。

〈密輸人のペガサス〉(バージョン#6)
{G}{W}
クリーチャー ― ペガサス
2/2
飛行
[カード名]が攻撃するたび、あなたのライブラリーの一番上にあるカードX枚を見る。Xはこのターンにあなたのコントロール下で戦場に出たクリーチャーの数に等しい。その中の1枚をあなたの手札に、残りを無作為の順番であなたのライブラリーの一番下に置く。

 次のこのバージョンも2/2飛行だが、能力は前のサボタージュ能力から新しい攻撃誘発に変わっている。カード1枚を引くことができ、複数のクリーチャーをプレイしていればカードを選ぶことまでできるのだ。

〈密輸人のペガサス〉(バージョン#7)
{G}{W}
クリーチャー ― ペガサス
2/1
飛行
[カード名]が攻撃するたび、このターンにあなたのコントロール下で2体以上のクリーチャーが戦場に出ていたなら、カード1枚を引く。

 このバージョンではカードを整頓し、能力を短くしてカードを引く頻度を下げた。つまり、プレイテストで1つ前のバージョンは強すぎたのだとわかる。2/2から2/1に下げられていることからもそれがわかる。パワーレベルを調整するために、印刷されたバージョンでは攻撃誘発からサボタージュ能力に戻し(達成が難しいので後者のほうが弱くなる)、トランプルを戻している。

策謀の予見者、ラフィーン
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 ラフィーンは常夜会一家の指導者である。彼女のカードはこうやってできた。

〈白青黒のゴッドファーザー、パチャイ〉(バージョン#1)
{2}{W}{U}{B}
伝説のクリーチャー ― スフィンクス・デーモン
3/9
飛行
あなたがカードを引くなら、代わりに、あなたのライブラリーの一番上にあるカード2枚を見、そのうち1枚をあなたの墓地に置き、その後、カード1枚を引く。
{3}:あなたの手札にあるカード2枚を、同じカード・タイプを持つように選んで追放する。あなたの墓地にありそのカード・タイプを持つカード1枚を、マナ・コストを支払うことなく唱えてもよい。そのカードがインスタントやソーサリーであるなら、それを追放する。

 おそらく、かなり初期から、常夜会一家の指導者がスフィンクス・デーモンであることはわかっていた。鍵は、彼女のカードをこのファミリーを体現するものだと感じられるようにすることだった。常夜会一家は情報を扱うので、このカードは情報を得させることに長けているかもしれない。基本的にはすべてのドローに諜報2を持たせ、さらに特定のカードが墓地にあることで利益が得られる能力を与えるのだ。

〈運命を形作る者、ラフィーン〉(バージョン#2)
{1}{W}{U}{B}
伝説のクリーチャー ― スフィンクス・デーモン
4/5
飛行
あなたがコントロールしているクリーチャー1体が攻撃するたび、それは謀議する。(カードを1枚引き、その後カードを1枚捨てる。これによりあなたが土地でないカードを捨てたなら、このクリーチャーの上に+1/+1カウンター1個を置く。)

 このカードの最初の試みはクールだったが、文章が長すぎ、カードの操作も多すぎた。

 次のこの試みは、ファミリーの謀議キーワードの長所を生かしている。基本的には、すべてのクリーチャーが攻撃したときに謀議を行える。これは少しばかり強すぎることがわかったので、印刷されたバージョンでは攻撃クリーチャーそれぞれに謀議させるのではなく、それぞれについてラフィーンが謀議するようになっている。

 ラフィーンは少し縮み、コストも減ったが、これは謀議で成長する余地を与えるためである。最後に、序盤で身を守るため、護法{1}が与えられた。

魚の餌になる
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 次は、このセットに入っていると誰もが思ったであろうカードである。

〈ぼったくり〉(バージョン#1)
{U}
インスタント
クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは-3/-0の修整を受ける。その後、それのパワーが3以上であるなら、カード1枚を引く。

 興味深いことに、このカードは最初トップダウンのデザインではなかった。普通のコモンのコンバット・トリックだったのだ。大型クリーチャーに使うことを推奨するためのキャントリップのおまけがついていた。

〈突発的変化〉(バージョン#2)
{1}{U}
エンチャント — オーラ
瞬速
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントしているクリーチャーは-X/-0の修整を受ける。Xはあなたの墓地にあるカードの枚数に等しい。

 このカードはインスタントからエンチャントに変わり、アンコモンになった。青にはさまざまな墓地テーマがあったので、墓地がいっぱいであることで利益を得る縮小カードになった。

〈魚の餌になる〉(バージョン#3)
{3}{U}
エンチャント — オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントしているクリーチャーは-4/-0の修整を受ける。エンチャントしているクリーチャーが死亡したとき、ブロックされない青の1/1の魚・クリーチャー・トークン1体を生成する。

 この時点で、誰かがこれを「魚の餌になる」カードにできると気がついた。展望デザインの初期に、我々はそのデザインしている空間の芳醇さや素材に合うカード名の一覧を作っていて、そして魚の餌になるというカードが必要だということは初期からわかっていたのだ。

 最初の試みでは縮小オーラ(開発部語で、-N/-0を与えるカードのこと)で、可変だった値は4に固定され、死亡したときに魚・トークンが得られる。

 魚・トークンを生成するカードはこれが最初だったと思うが(印刷されたセットには4枚ある)、最初から魚は1/1でブロックされない能力を持っていたのだ。おそらくこれは、小さくて魚らしくて、そして何か意味のあるものにしたかったのだろう。青には使えるクリーチャー能力がそう多くはないのだ。飛行は魚らしくない(トビウオは除く)、瞬速はトークンでは使えない、護法や呪禁は1/1に持たせてもあまり意味がない。青は警戒を持つことになるが、このバージョンが作られた時点ではまだだったと思われる。

〈魚の餌になる〉(バージョン#3)
{3}{U}
エンチャント — オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントしているクリーチャーは-4/-0の修整を受ける。エンチャントしているクリーチャーが死亡したとき、ブロックされない青の1/1の魚・クリーチャー・トークン2体を生成する。

 第3バージョンは残念な出来だったので、魚を1体から複数にした。これでカード名にある「fishes」の意味が出る。

〈魚の餌になる〉(バージョン#4)
{3}{U}
エンチャント — オーラ
エンチャント(クリーチャー)
[カード名]が戦場に出たとき、ブロックされない青の1/1の魚・クリーチャー・トークン1体を生成し、エンチャントしているクリーチャーをタップする。
あなたが魚をコントロールしているかぎり、エンチャントしているクリーチャーは、それのコントローラーのアンタップ・ステップにアンタップしない。

 第4バージョンはコモンになり、《脱水》系の封鎖オーラになって、魚を生成する能力は死亡誘発ではなく入場効果になった。また、生成する魚は1体に戻った。

 最終版では再びアンコモンになり、{3}{U}から{2}{U}{U}になっている。おそらく、プレイテストの結果、コモンに求められるよりも少しばかり強すぎたが、デザイン全体としては気に入っていて、カード名はどんぴしゃだったからだろうと思われる。

犯罪は割に合うこともある

 本日はここまで。これらのカードがどのように作られたのかを楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、今日の記事や取り上げたカードの話について、あるいは『ニューカペナの街角』そのものについての感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrInstagramTikTok)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、さらにさらなるカード個別の話を続ける日にお会いしよう。

 その日まで、あなたが魚と戯れられますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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