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開発秘話

Making Magic -マジック開発秘話-

エルドレイン・チェック その1

Mark Rosewater
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2019年9月23日


 

 いよいよ『エルドレインの王権』のカード個別のデザインの話を始めよう。面白い話が大量にあるので、さっそく本題に入る。

パイ包み
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 興味深いことに、このカードは最初、黒のカードではなく白のカードとして作られたものである。

〈パイ包み〉(アンコモン)
{2}{W}
エンチャント ― オーラ
エンチャント(クリーチャー)
エンチャントしているクリーチャーは、パイという名前の無色のアーティファクトであり、「このアーティファクトを生け贄に捧げる:あなたは2点のライフを得る。」を持ち、他のカード・タイプや能力をすべて失う。

 これは最初期にファイルに加えられたカードの1枚であり、基本的には《平和な心》や《拘引》系のカードだった。フレイバー的には、対戦相手のクリーチャーをパイに焼いてしまうというもので、そのため対戦相手は「食べたい」ならライフを得るために使えるのだ。おそらく、このカードはセットデザインが食物・トークンを生み出すことに繋がったものの1つだろう。食物・トークンができたことによって、このカードのより簡明なバージョンとして、クリーチャーを破壊してコントローラーに食物・トークンを与えるだけとなった。この能力は《平和な心》的ではなくなり、除去呪文に近づいたので、この能力は黒に移動した。ただし、もちろん、カード名は最初にデザインをもたらしたときのままに保たれているのだ。

交換される牛
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 このカードの最初の姿はこうだった。

〈取引できる牛〉(アンコモン)
{2}{R}
クリーチャー ― 牛
[カード名]が戦場に出たとき、対戦相手1人を対象とし、これと、そのプレイヤーが選んだ、そのプレイヤーがコントロールしていて土地でないパーマネント1つを交換する。
2/2

 「ジャックと豆の木」をもとに、このカードは牛を必ず交換することができるようにするものだが、その取引が必ずしも最高のものになるとは限らない。私がこのカードをデザインしていたとき、同時に、〈魔法の豆〉というアーティファクトも作っていた(生け贄に捧げることで豆の木・壁を作れるようにするつもりだった)。そのため、時折、この牛と〈魔法の豆〉を交換する状況が起こり得たのだ。私は牛を他のものに交換でき、その交換が役に立った立たなかったという物語が紡げるようにするというアイデアが大好きだった。

 交換は赤の能力なのでこの牛を赤にした(青でもあり得るが、牛は青よりは赤だと思われた)。しかし、家畜としての牛はそれよりもずっと白らしい存在だった。セットデザインは私のカードをボツにし(展望デザイン中に数々の変更があったことに注意)、新しく、可憐に食物・トークンと関連した白の牛を作ったのだ。私は、牛がこのセットに入ったことでおとぎ話要素をゲームプレイ内で組み合わせることができるようになっていることに満足しているが、めったに交換できないことには落胆している(とはいえ、厳密に言えば、オーコが両プレイヤーに強制すれば可能ではある)。

豆の木の巨人
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 これは、(展望デザインのやや後期に起こった)初めての豆の木の巨人を作ろうという試みだった。

〈豆の木〉(コモン)
{2}{G}
クリーチャー ― 植物
防衛
{4}{G}{G},[カード名]を生け贄に捧げる:6/6の緑の巨人を生成する。
0/4

 「ジャックと豆の木」の巨人を描くための最初の試みは、長期戦で巨人を登場させられる豆の木の壁を作るというものだった。確か、これがセットデザインに提出した時のものだったと思う。彼らが出来事カードを作るにあたって、呪文部分で土地を持ってきて、クリーチャー部分は自分の土地の枚数に等しいパワーやタフネスを持つというクールなカードが作れると気づいたのだ。そのカードが最初にデザインされてそれからそれにどうフレイバーづけるかを探すときに豆の木に巨人にするというアイデアが浮かんだのだろうと思うが、もしかしたらそのアイデアは巨人の出来事カードを作っていて思いついたのかもしれない。

家の吹き飛ばし
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 トップダウン・デザインをする方法の1つが、まず名前を決めることである。「Blow Your House Down」は、他のどこでも使わないようなカード名に感じられたが、『エルドレインの王権』にはまさにふさわしかったのだ。大きな疑問は、「Blow Your House Down」は何をすべきか、だった。もちろん、家を破壊するのだが、それはゲームプレイ的には何を意味するのだろうか。しばらく考えてから、壁を破壊するというアイデアが浮かんだ。結局のところ、家には壁があるのだ。(セットに〈煉瓦の壁〉を作っていなかったことは思い出すべきだった。)

 《トンネル》は『アルファ版』にあるカードではあるが、壁を破壊するだけでは、今日のカード全体の軸にするには少しばかり狭いものである。壁破壊は典型的には赤である。それでは、壁破壊に組み合わせられる同じく赤のもう1つの効果は何かあるだろうか。ほとんどの場合は対戦相手が壁を出していないだろうから、理想的には、対戦相手が壁を出していないときにも有用なものであることが望ましい。ほとんどのセットで、大抵はコモンで、扱っている効果の1つが開発部語で言う「《恐慌》」効果(つまり一定数のクリーチャーに、それではブロックできないようにするものである。この通称はこの効果を持った初期のカードに由来している)である。

 通常、《恐慌》効果は2~3体、あるいはクリーチャー全体に影響を及ぼすものである。ここで、「三匹の子豚」の物語を扱っていたので、3にすることでデザインがもう少し美学的なものになるだろう。(おとぎ話には象徴的な数がよく存在するので、このような数字いじりがこのセットにいくらか存在していることに気づくことだろう。)最後の一歩は、この2つの効果をつなぎ合わせることだった。クリーチャーでブロックできなくしてクリーチャーを破壊する、のではなく、クリーチャーを3体まで対象にして、両方の効果を適用する、つまりそれらではブロックできなくして、壁であるなら破壊するのだ。これで、枝の壁や藁の壁を破壊することができる。(それらのカードの話はしているが、残念ながらカードを入れる枠が足りなかった。)

各城
///
//

 『エルドレインの王権』は単色に焦点を当てているので、このセットには2色土地は入れないことにした。(2色土地ファンの諸君も心配はいらない。今後のセットでは登場する。)5つの宮廷の城を描いた、単色土地のレアのサイクルを作ることにした。それぞれの土地をタップするとその色のマナが出るが、有色マナを出す土地で必要となることが多い、タップ状態で戦場に出るという制約を単純につけたくはなかった。さまざまな制約を試した後で、「[対応する色のマナを生み出す基本土地]をコントロールしていないかぎり、タップ状態で戦場に出る」を採用することにした。単色デッキでは達成するのが簡単で、2色デッキでもなんとかなると感じたのだ。

 その後、各土地にそれぞれの宮廷のテーマを扱う優秀な起動型能力をもたせた。忠義の宮廷である白は、巨大で忠実な軍勢を作り上げられるようにクリーチャーを生成する。知識の宮廷である青は、ドローを向上させられるように将来を見る能力を持つ。持続の宮廷である黒は、ライフをカードに交換することができる。勇気の宮廷である赤は、自軍を強化することができる。強さの宮廷である緑は、大型クリーチャーを唱えて起動するためのマナを生み出すことができる。単色デッキで最も強くなるように、それぞれの能力が有色マナ2点を必要とするようにした。

魔法の眠り
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 トップダウンのセットをデザインするにあたってそれぞれのデザインはゼロから作ることになるが、すべてがそういうわけではない。カード名がふさわしくなかったとしても、元ネタの雰囲気にメカニズム的に符合する過去のマジックのカードを見ていくこともあるのだ。そして、カード名を変更して、さあトップダウン・デザインの出来上がりだ。ここで起こったのは、まさにそういうことである。眠りの魔法(おとぎ話の魔法でよくあるやつだ)をどう実現するかに取り組んでいて、やがて《閉所恐怖症》であると思い到っていった。車輪の再発明をする必要はなく、単に新しい名前をつければいいだけであった。このカードは展望デザインの最初の数週間の間に出来上がり、そのまま変更されることはなかった。このセットにはリミテッドのために青のコモンの封鎖型クリーチャー対策が必要だったので、何にせよこのカードは存在しなければならなかったのだ。これと元ネタとの密接なつながりは、完全な利点だった。

魅力的な王子
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 《魅力的な王子》は、ファイルに最初に加えられたカードの1枚である。魅力的(charming)な王子といったようなカードが必要なのはわかっていて、私は初期に「charming」なのだから戦場に出たときに魔除け(charm)の効果を持つ、というアイデアを思いついていた。(魔除け効果とは、通常、軽いモードを持つ呪文で、3つの小さな効果から選択できるものだ。魔除けが初めて登場したのは『ミラージュ』で、それ以来何度も登場している。)私はこれを《魅力的な王子》と名付けた。最初のデザインはこうだった。

〈魅力的な王子〉(アンコモン)
{2}{W}
クリーチャー ― 人間・貴族
[カード名]が戦場に出たとき、以下から1つを選ぶ:

  • エンチャント1つを対象とし、それを破壊する。
  • 他の、あなたがコントロールしているクリーチャー1体の上に、+1/+1カウンターを1個置く。
  • 4点のライフを得る。

2/2

 これらの効果は非常に慎重に選んだ。まず、すでに《魔法の眠り》をデザインしており、もちろん、《魅力的な王子》は眠れる姫を起こせなければならない。王子といえば舞踏会なので、心が躍るので+1/+1カウンターで強化できる。あるいは結婚してめでたしめでたしとなるかもしれないので、その幸せを表すためにライフを得る効果を持たせたのだ。何らかの統治者であることを表すための方法として、貴族というクリーチャー・タイプを使うことも試した。このセットには王や女王、王子や姫が必要だったのだ。私はこのデザインに惚れ込んだ。エレガントで芳醇だ。そのあと、これが生まれた。

 『ラヴニカのギルド』に競技レベルのセレズニアのカードが必要となり、セットデザインはこのカードを作ったのだ。私はこれが《魅力的な王子》と違ったものになるようにデザインし直す手伝いができないか全力で探したが、競技レベルにするにはあまりにも多くの要素が必要だった。つまり、《魅力的な王子》を変更しなければならないことになったのだ。これは展望デザインの後期に起こったことだったので、私はセットデザインにカード名と「戦場に出たとき」の魔除け構造を維持するように依頼したのだった。そして、《魔法の眠り》などで囚われたクリーチャーを救出する助けになるものだったら素晴らしいと。

 セットデザインはさまざまな効果を試した。明滅効果(クリーチャーを一時的に追放する最後の効果)が追加されたのは、この王子が窮地にあるクリーチャーを起こすことを助けるためだろう。ライフを得る効果はそのまま残せたが、ライフの量は1点減った。占術2という効果は上手く作用するし、王子が少し先に起こることを知っていることで役に立つようにしたものだろう。

 このカードについてのもう1つの話として、このクリーチャーに正式な名前がつけられるとき、《魅力的な王子》という名前から変更された。確か、〈王家の魔除け師/Royal Charmer〉だったと思う。おとぎ話の「白馬の王子(Prince Charming)」を連想させるようにして「Charm」という単語をカード名に入れようとしたのだ。この世界の宇宙論から、物語上厳密には王子ではないようにしていたのだ。そこで、私はカード名に責任を持つジェンナ/Jennaに頼み込んだのだ。このセット内全体でもお気に入りのカード名だと伝えた。『エルドレインの王権』を輝かせるものの中には、おとぎ話要素を扱う方法の可愛らしさがかなりあるのだ。〈王家の魔除け師〉は悪い名前ではないが、それは《魅力的な王子》ではないと。彼女は私の意見を理解し、カード名を変更した。私のブログの読者諸君のために添えると、これが、私が心から誇らしく思っている「冗談の」名前である。

カタカタ橋のトロール
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 おとぎ話のトップダウン・デザインをする上での課題の1つが、多くの話を通して繰り返される特定のテーマがあるということだった。例えば、3つの組み合わせというのがよく存在している。「ゴルディロックスと三匹のくま」、「三匹の子豚」、「三びきのやぎのがらがらどん」。このそれぞれは『エルドレインの王権』にも登場しており、それぞれが3体のクリーチャー・トークンを生成している。(他の2枚は《亜麻色の侵入者》《狼の獲物》だ。)重要なのは、それらがそれぞれに違うものとして存在するようにすることである。熊は2/2で、子豚(マジック的には猪)は1/1、ヤギは0/1だ。

 ヤギを熊や豚と差別化するため、白にして、対戦相手が生成するようにした。このカードそのものが表すのはトロール(橋の下に住んでいて、その橋はアートで見ることができる)であり、毎ターン餌を食わせなければなんとも恐ろしい8/8のトランプル持ちが攻撃してくるのだ。ヤギ・トークンは、対戦相手がそのトロールをなだめるための方法なのだ。そのトークンを使われたとしても、トロールのコントローラーは3点のライフを得られる(クリーチャーおいしいです)上にカードを1枚引ける(橋を占拠して通行料を取ることは人生の教訓になる)ので問題ない。

 興味深いことに、このカードは最初は全く違うものだった。最初のデザインはこうだったのだ。

〈橋のトロール〉(アンコモン)
{3}{B}
クリーチャー ― トロール
クリーチャーは、それのコントローラーが、自分がコントロールしていて攻撃しているクリーチャー1体につき1点のライフを支払わないかぎり、あなたやあなたがコントロールしているプレインズウォーカーを攻撃できない。
2/2

 最初のデザインはトロールだけに集中しており、動きを遅くする存在だった。これが「三びきのやぎのがらがらどん」のトロールだということに気づくプレイヤーは少なかったので、ヤギを含んだものにデザインを変更したのだ。

水晶の靴
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 元ネタのリストとして書き出した中の最初の品目の1つが、ガラスの靴だった。これ以上に象徴的なおとぎ話の品目はほとんどない。最大の問題は、一体何をするかだった。物語上では、何も魔法的な性質は持っておらず、何よりも忘れ物として知られているのだ。履物なので、装備品にする必要があるように感じられた。装備品の登場以来、履物はすべて装備品になっている。(ただし、その量は驚くほど少ない。)ときどき脱げ落ちる装備品を試したが、その落ち方が一番印象的になってしまった。最終的に、パワーを強化して速さを与える、単なる魔法の履物として扱うことにした。『エルドレインの王権』では、シンデレラはとても速いのだ。

知りたがりの二人
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 「ヘンゼルとグレーテル」も、扱うべき要素が非常に多いおとぎ話である。このセットに、この物語を元にしたカード(《お菓子の小屋》《パンくずの道標》《魔女のかまど》)が大量にあることに気づくだろう。そして、この兄妹については、出来事・カードを使うことにした。第1ターンに呪文を唱え、第2ターンにクリーチャーをプレイすることができる軽いコモンが必要だったのだ。ヘンゼルとグレーテルは2人の子供に過ぎないので、2マナにするのは問題ないと考えられた。この2人が飢えていて食物を求めていることから、1マナをどうするかは明白だった。食物をプレイして、そして次のターンに出てくるものを見ようか。

湖に潜む者、エムリー
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 おとぎ話を元ネタにしたものについてはいろいろと語ってきたが、このセットにはアーサー王伝説を元にしたものもある。例えば、湖の乙女はアーサー王にエクスカリバーを与える人物である(アーサー王が王になるために石から引き抜いた剣をエクスカリバーだと誤解している人が多いが、実際は別々の剣である。ただし、1本の剣でないということを知っているのはこの物語の熱心なファンだけなので、1本にまとめた。)実際の伝説では、湖の乙女は魔法使いであり湖に住んでいるわけではないが、マジック流のひねりを加えるにあたって実際に湖に住んでいる、そしてマーフォークであることにしたほうが面白いと考えたのだ。

 彼女を定義づけているのはエクスカリバーを与えることなので、墓地からアーティファクトを唱えることができるクリーチャーにした。(青は墓地にあるアーティファクトを手札に入れることはできるが、彼女にひねりを加えるのは面白いと考えたのだ。)「戦場に出たとき」のライブラリー破壊効果は、墓地にアーティファクトを送る助けとして加えたものである。また、戦場に出しているアーティファクトの数に応じたコスト低減も持たせることにした。全体としては、基柱としてアーティファクト・デッキを組めるようなカードを作ったことになる。

 このカードについての最後の話として、私はこれを「湖の乙女(Lady of the Lock)」にしたかった、というものがある。言葉遊びのファンとして、そうすることで元ネタをわかりやすくしながら同時に少しだけ違う物語にしているということを知らせられると考えたのだ。《魅力的な王子》の名前を変えさせるのには成功したが、今回はうまく行かなかった。

魔法の馬車
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 トップダウン・デザインを作るときにすることの1つが、あらゆる種類のマジックのカードを考え、それから元ネタでは何がそれをしているのか、ということである。例えば、マジックには機体が存在する。そのことから検討しなければならないのが、おとぎ話とアーサー王伝説を通じて、最も印象的な機体は何か、である。もっとも明確な答えは、シンデレラに登場するかぼちゃから魔法で作られた馬車だった。

 最初のデザインはこうだった。

〈魔法の馬車〉(アンコモン)
{2}
アーティファクト ― 機体
搭乗2 [カード名]は、パワーが1のクリーチャーでしか搭乗できない。
5/5

 もちろん、かぼちゃから作ったものであることをアートで示すことはできたが、他にメカニズム的にシンデレラの魔法の馬車だと表す方法はないだろうか。最初の版では、魔法で変身したハツカネズミが引いているということを取り上げ、搭乗できるのは小型クリーチャー(パワー1以下でフレイバーづけている)だけにしていた。この制限のおかげで非常に心躍る数字、2マナ5/5というものにできたが、実際に成功させるのは非常に難しいということがわかった。

 デザインへの回答は、搭乗の制約を取り払い、この機体に搭乗するのに充分なハツカネズミ・クリーチャー・トークン2体をこの機体が生成するようにするというものだった。数字を調整する必要はあったが、フレイバーは素晴らしかった。マジックにはハツカネズミ・クリーチャー・トークンが存在しない、と知らされるまで、何の問題もなかったのだ。通常はネズミを使っていたが、ネズミは常に黒だった。黒のネズミ・クリーチャーではこのカードの雰囲気は失われてしまうので、セットデザイン・チームはマジックに白のハツカネズミ・クリーチャーを追加することを後押ししてくれた。そして、それは成功したのだった。

話すべき多くの話

 本日はここまで。これらの話を楽しんでもらえたなら幸いである。いつもの通り、今日の記事や『エルドレインの王権』全体についての諸君の意見を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(TwitterTumblrInstagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。

 それではまた次回、さらなるカード個別の話を続ける日にお会いしよう。

 その日まで、あなたのゲームがめでたしめでたしで終わりますように。

(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)

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