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Making Magic -マジック開発秘話-
他の人の立場で
2019年2月18日
私はこれまでにかなりの時間を費やし、良いゲームデザイナーになるために必要な、さまざまな技術について語ってきた。今回は、今までこの記事で語ったことがないと思われる、しかし非常に重要な技術である、共感について語ろう。今日の記事を使って、なぜゲームデザインにおいて共感が重要なのか、そしてユーザー(や、私のゲームデザインの教訓を実生活に活かしたい諸君にとってはその他の人々)にもっと共感できるようにするにはどうすればいいかについて語るつもりだ。
それでは最初に、基本的な質問から入ろう。共感とは何か。共感とは、他者の感情を理解し共有する能力のことである。これは基本的に、2つの部分に分けることができる。1つ目が、他の人々が意識しているものが何かを理解すること。2つ目が、そのものについて他の人々が持つ感情を理解することである。今日の記事では、この2つそれぞれについて深く掘り下げていこうと思う。
「でもなぜ?」
これからその話をする前に、なぜそれを我々ゲームデザイナーが(あるいは一己の人間が)意識すべきなのか説明しよう。それは、共感によって我々の仕事がうまくいくようになる(あるいはよりよい人間になる)からである。私はマジックの主席デザイナーだ。それは一体どういうことなのか。私は、諸君全てが買いたいと思うような商品を作れるよう、マジックで一体何をすべきなのかを把握する責任があるのだ。そのためには何が必要なのか。諸君らがマジックに求めているものを理解することである。そして、しばしば私が言ってきたように、マジックは単一のゲームではなく、ルールとゲーム要素を共有する多くのゲームの集合体である。
常々これを強調している理由は、それが、我々のユーザーはさまざまなことを期待している、ということを意味しているからである。ユーザーがプレイする理由やその方法は、人それぞれで大きく異なっている。例えば、プレイしているフォーマットはプレイ経験に多大な影響をもたらす。実際のカードでプレイしているのかデジタルでプレイしているのかによっても違いがある。1人でプレイしているのか、2人でプレイしているのか、グループでプレイしているのかも重要だ。そして、それらすべてに加えて、マジックは各プレイヤーが何を使うかを決めるゲームであるという事実が存在するのだ。2人のプレイヤーが同じ場所で、同じ人々と、同じフォーマットでプレイしていたとしても、それぞれがどんなデッキをプレイするか選ぶときの判断により大きく変動することになる。
私の(そして私が日々働いている素晴らしい人たちすべての)仕事上の課題は、マジックのそれぞれのセットを、どのようにマジックに触れているプレイヤーにとっても有意義なものにすることである。それはとてつもない課題であり、私が何年もの間取り組んできていることの1つである。それでは、なぜ共感が重要なのか。それは、私の仕事を(そしてあらゆるゲームデザインを)うまくやるためには、ユーザーとの共感が必要だからである。
人々が意識するもの
まず1つ目の部分から始めよう。人々が意識するものが何かを理解するために、可能なことがある。
#1:聞く
大学で、私は尊敬する教授の創作執筆の講義を受けていた。その最初の講義のはじまりは、次のようなものだった(私なりの誇張が入っている)。
おはようございます。皆さんは、良い書き手になるためにここに来ているのでしょう。皆さんの時間を無駄にしたくはありません。講義の初めに、具体的にどうしたらいいかを教えましょう。秘密は何もありません。良い書き手になりたいのなら。書きなさい。毎日。書き終わったら、書き直しなさい。毎日。それができたら、できた文を脇に置いて、また書き始めなさい。毎日。時々、前に戻って書き直してもいいでしょう。毎日そうすれば、上達していきます。長い間そうし続ければ、良い書き手になれるでしょう。物事が上達するための近道は、ありません。ただ実行して、反応を見て、それを反映させて、それを繰り返すだけです。何かに上達したということは、上達するための時間とエネルギーを注いだということです。
この話をするのは、聞くことにも近道はないからである。聞くことがうまくなるためにはどうしたらいいか。それをするのだ。毎日。他の人々が望んでいることを知るにはどうしたらいいか。聞くのだ。彼らが教えてくれる。相手によってはこちらから聞かなければならない(それについてはこの後で触れる)が、一般に、人というものは何を望んでいるのか知ってほしがっているものだ。それが難しいのは、聞くことが難しいからである。時間を必要とする。エネルギーを必要とする。注目を必要とする。自分自身の問題にとらわれ、他人の問題が何なのかを理解するのに時間を取らなくなることは非常によくあることである。良い知らせは、そうすることは間違いなく可能だということである。それを優先するようにさえすればいいのだ。
私自身を例に取ってみよう。私が私の仕事をうまくできている理由の1つは、私がプレイヤー集団とのやりとりに時間とエネルギーを費やしていることである。私はいくつものソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Instegram、Google+)を使っている。私はファン諸君と日々交流している。たとえば、私はブログでプレイヤーからの質問に毎日答えている。平均して1日あたり30~40個の質問に答えており、そのブログを始めてからだと10万件近い質問に答えてきている。これをしているのは、ユーザーの意識していることを知る必要があるからである。我々がプレイヤーのしてほしいことをし続けているのは偶然ではない。諸君の声に耳を傾けているから、我々は諸君が望んでいるものを知っているのだ。
コメントに対して私が必ずしようとすることの1つが、その表現がどうあれ(ただし、建設的で丁寧な批判をしてくれるようにユーザーに頼むことを強く推奨しておこう)、そのコメントを理解しようとすることである。彼らが何かを嫌っているのであれば、何を嫌っているのか、そしてそれ以上に、なぜそれを嫌っているのか。ユーザーとのやりとりは全てが情報のかけらなのである。見つけるため尽力するのだ。
《しつこい請願者》 アート:Jason Rainville |
#2:人々に話す機会を与える
聞くだけでもいいが、ユーザーの会話する量を増やすために、そして会話のテーマとなるものをいくらか誘導するために、できることがある。後者が重要なのは、ゲームデザインにおいて、尽力する必要がある部分がどこかがわかっていることはよくあることで、向上させたいその部分についてユーザーに話してもらうことができれば有用だからである。ユーザーに会話を推奨する方法にはこのようなものがある。
- 自分自身を包み隠さない ― 他人に情報を共有してもらうためのいい方法の1つが、自分に関する情報を先に共有することである。私がソーシャルメディアに注力しているのは、ユーザーに一個人としての私について知ってもらいたいからなのだ。私は、私の過去と現在それぞれにおける人生について話す。若い頃のデートの話、妻との交際期間、結婚、子供の成長。それらすべてについての記事を書いてきた。個人的に重要な出来事の写真を投稿し、私の人生に起こっていることを共有できるようにしている。これが重要なのは、これによってプレイヤーたちが、私を顔のない会社の存在としてではなく一個人として認識してくれるようになるからである。それによって、人々は私に、彼らの望むことを望む理由を理解する助けとなる詳細を共有する気になってくれるのだ。ここで警告しておきたいのは、公表する内容は公表してもいいと思えるレベルにとどめておくべきだということである。プロの執筆者として、私は平均的な人よりも個人情報の共有にいくらか意欲的なのだ。
- 情報を共有する ― 私はソーシャルメディアにかなりの時間を費やしているだけでなく、多くの文章を公開している。これがなぜ重要なのか。それにはいくつもの理由がある。1つ目、それは私について知ってもらう助けになる。2つ目、それによってユーザーに商品知識を与え、彼らからさらに洞察に満ちたフィードバックを得ることができるようになる。3つ目、疑問を私が興味を持っている話題へと有機的に動かす助けとなる。(詳しくは次に)4つ目、特定の問題に大局的な文脈を与えることができ、それについて尋ねることができるようになる。5つ目、さらなる公平さが生まれる。人々は情報をもらったと思ったとき、情報をくれるようになることが多いのだ。
- 質問する ― 何について話すのかの目標を持っている人は、話すのが非常に簡単である。また、人というものは一般に、話したい内容について尋ねられたのであれば質問に答えるのを楽しむものである。ゲームにはよくあることだが、誰かがゲームデザイナーとの交流のために時間を取るのであれば、その相手はその作品であるゲームについて話したがっているはずだ。ここでヒントとして、(穏当で、そのゲームに焦点がある限り)聞きたいことに貪欲になるのは、ユーザーに答えたい質問にだけ答えればいいということと、誰もその質問に答えたいと思わないときは新しい質問に移行するつもりだということを知らせてあれば、問題ないということを伝えておこう。
- コミュニティを作る ― ソーシャルメディアや、特にブログ(私の場合「Blogatog」)の面白いことの1つが、時を経て、そこで発言している人々がお互いに認識しあい、サイトがさらに個人的なものに感じられるようになっていくということである。これによって、人々は歓迎されていると感じてくつろぎ、さらに共有したくなっていくのだ。
ここでの趣旨は、聞くことは重要だが、ユーザーがさらなる情報を喜んで共有してくれるようにするために取ることができる手段はいろいろと存在するということである。
#3:掘り下げる
聞くことに関して人々が最も足止めを受けるものの1つが、同意できないことを耳にすることである。本能的な反応として、「それは間違ってる」と考え、聞くのをやめてしまう。聞く上で重要なのは、他の人が言うことに同意することではなく、なぜ彼らがそう感じているのかを理解することである。聞くという行為には、相手が感じていることへの理解を掘り下げることも含まれるのだ。
例えば、誰かが私に、エンチャントを破壊する赤の呪文を作って欲しいと言ったとする。私の本能的な反応は、赤はエンチャント対策が苦手なので、それはカラー・パイ違反である、というものだが、しかしそこで止まるべきではないのだ。誰かがそうしてほしいと言ってきたなら、私は「なぜそうしたいのか」という質問を返すことにしている。なぜ我々はそれを助けるようにすべきなのか。深く掘り下げていくと、その問題の核心について学べることが多いのだ。そのプレイヤーは大好きな赤単デッキを使っているが、友達が使っているカードの中に対策できないものがあるのだという。問題の核心は、手の施しようがないと感じて欲求不満だった、ということだったのだ。それを理解したことで、私は、その欲求不満を抑える助けとなり、かつ他のデザイン問題を引き起こさないような方法を探すことができるようになるのである。
ここでの鍵は、何かを理解するという中には、それを望む理由の根幹へと進むことが含まれるということである。あまりにも浅い掘り下げで止めると、解決不能な対立(「私はAがいい、彼らはBがいい」)を生み出すことがあるが、もう少し掘り下げてその問題を起こしている根幹に行き当たれば、誰もが満足するような解決策を見いだせることも多いのだ。
ゲームデザインの観点からいえば、これがプレイテストが重要な理由であり、プレイテストの結果を見るだけでなくプレイテスターとゲーム後に話をする理由なのだ。何が好きで何が嫌いかを単純に聞くのではなく、その理由を聞くことを忘れずに。
#4:動機を理解する
その次は、心理学に踏み込み、プレイヤー集団に内在する大きな問題を理解しようとすることになる。例えば、これは私がプレイヤーの心理分析(つまり、ティミー/タミー、ジョニー/ジェニー、スパイク。これについて詳しくはここやここを参照:リンク先は英語)を作り出すことに繋がった。プレイヤーが望むようなカードをデザインしたければ、プレイヤーがプレイしたいと思う理由となるものが一体何なのかを理解することはその助けになると気がついたのだ。
この最後の分類には時間がかかる。個人が何を考え、感じているのかを聞くのは、プレイヤーの集団の一部がどのように動くのかを理解するよりもずっと簡単である。ゲームが大きくなるにつれ、手に入れられる確かなデータが増え、そしてプレイヤーを心理学的に突き動かすものを深く掘り下げていくことができるようになる。この心理分析は我々がビッグデータを活用するようになる前に存在していたので、その多くは直感や多くのプレイヤーとの交流から生み出されたものであり、つまり新しいゲームでさえも計算に使うものは大量にあるということになる。
《情熱的な扇動者》 アート:Mark Zug |
感情への接続
ここから2つ目の部分に入っていく。はっきり言うと、共感に必要な2つの分野の中で、こちらのほうが難しい。聞くことには熱心さが必要だが、それはエネルギーさえ費やせば可能なことだ。感情への接続にはいくらかの内省が必要で、人によっては、それが非常に難しいのだ。とはいえそれは可能なことなので、それに伴うことを見ていこう。
#1:感じられている感情を理解する
すでに気づいているかもしれないが、ここまでに数回、ユーザーが感じていることの理由を理解することの重要性について触れてきた。その中には、特定の問題を把握するということも含まれるが、もう1つ、その問題の核にある根源の感情が何なのかを識別するということもあるのだ。先程の、赤のエンチャント破壊を求める話を例に取ろう。掘り下げた結果、プレイヤーが手の施しようがないと感じて欲求不満になっていたということを発見できた。欲求不満と、手の施しようがないという思い。これらは感情である。そして、これらは不快に感じることになる感情である。なぜプレイヤーは憤慨していたのか。それは、ゲームが、望まないような感情を起こさせたからである。私にメールしたのは、その感情への解決策が欲しかったからなのだ。
#2:それらの感情を自分の中に見つける
当時、私は劇場に深く関わっていた。私は可能な限り全ての舞台のオーディションに参加し、そして何年もに渡って毎週土曜日には(「Cleveland Playhouse Youtheatre」で)劇場講座を受けていた。受けていた講座の1つが、「真実発見」と呼ばれるものだった。そこで、私は非常に重要な技術を学んだのだ。
ここで、母をがんで亡くしたばかりの登場人物としてシーンを演ずるとしよう。自分自身が母をがんで亡くしていなかったとして、どうすればその人物のリアリティを再現できるだろうか。演者として、どうすればその人物の真実を見つけられるだろうか。我々が学んだ解答は、深く掘り下げ、舞台の上で感情を見つけるというものだった。その人物が感じるであろう感情はどのようなものか。
その第一歩は、出かけて、それを体験したことのある人物を探すことだ。誰か直接話しを聞きに行く相手を見つけてもいいし(先生はこの、聞きに行くことになる方を好んでいた)、映像で見たり音声で聞いたり、目撃談を読んだりしてもいい。一言で言えば、ここは「聞く」部分である。求めている真実を知っている人を探し、その話を聞くのだ。
次の工程は、彼らが感じていた感情を取り出すことである。話を聞くのが非常に重要なのは、その回答は想像に反するものであることが多いからである。人間の感情にはさまざまな微妙さがあり、その反応は重層的で予想外のものであることもあるのだ。演者として、調査をして、それから感情を抽出することが必要である。
模倣しようとしている感情を理解したら、次は自分の人生を掘り下げ、それと同じ感情を探さなければならない。例えば、調査の結果その人物は裏切られたと感じていたとする。そうしたら、自分の人生を振り返り、裏切られたと感じた経験を探さなければならない。状況が同じである必要はない。その感情がどのようなものかの本質をつかみたいのであり、その本質にある考え方として、裏切りは裏切りなのだ。自分の経験を通して裏切りを呼び起こすことができるなら、聴衆はシーンの中でそう読み取ることになり、実人生の状況の中で読み取るわけではない。
この話をしているのは、他人の感情を理解することの秘訣は自分がその環状に寄り添うことから始まるからである。私は、手の施しようがないと苛立っているプレイヤーの話をした。私が物語るなら、私は自分自身の苛立ちや手の施しようがないという感情を振り返る必要がある。私はマジックを無数にプレイしてきた。苛立つ瞬間も、手の施しようがないと感じたことも、大量にあった。プレイヤーがそれについて語るのを聞くとき、私は自分の経験を回想しなければならない。彼らの感情を本当に理解するために、自分自身の感じたこととつなぎ合わせるため、自分自身をそのときに巻き戻さなければならないのだ。これが共感の核心である。他の人物が感じたことと自分がつながるのは、同じように感じたことを思い出すことができるからなのだ。
《天上の赦免》 アート:Eric Deschamps |
#3:感情を審判しない
この最後の教訓について説明するために、まずケアベアについて話さなければならない。ケアベアとは、架空の、カラフルなテディベアで、それぞれが異なった雰囲気を表している。さまざまなエンターテイメント性はあるが、それらはもちろん玩具、テディベアである。この話をするのは、これがこの後の話で鍵になるからだ。
高校時代、私は夏にキャンプのリーダーとして過ごした。幼いキャンプ仲間(私の記憶が正しければ、6歳とか7歳)のためのボランティアをしていた男子は私だけだった。ある日、ステイシー/Stacyという、とても恥ずかしがりな女の子がいた。彼女はキャンプに参加したのは初めてで、他の子供たちと遊ぶことに緊張していた。私は彼女の前に膝をついて話しかけた。(物理的に、子供と同じ目線の高さにするものだ。)彼女は、おなかに太陽のついた黄色いケアベアを持っていた。話の切欠にしようと、私は彼女に聞いた。「これは太陽ベア?」 彼女は「違う! ファンシャインベア!」と言い、ヒステリックに泣き始めた。しばらくかかったが、最終的には彼女を閉じこもった殻から出して他の子供たちと合流させることができた。他のリーダーの元に戻り、私は「ケアベアの名前を教わったよ」と言ったのだ。
他のリーダーは信じられないという目で私を見た。「なぜそんなことをして時間を無駄にするの?」 私は、ステイシーが手のかかるメンバーで、ケアベアは彼女にとってとても重要なのだということを説明した。彼女と理解し合おうと思えば、彼女が意識しているものの基本的な理解が助けになるだろうと。「どうでもいいでしょ?」 他のリーダーはそう言い返してきた。「いいや、」私は答えた。「彼女にとっては、どうでもよくはないんだよ」 私が、彼女が意識しているもののことをどうでもいいと思っているという態度を見せていたら、彼女と理解し合うことはできなかっただろう。彼女にとって重要なのだということを尊重しなければならなかったのだ。
この話をしているのは、共感の最後のかけらは、他の人々が何かに対して自分と異なる感情を持つことがありうるが、それは間違いということではない、という事実を尊重することだからである。彼らには彼らの感情があるのだ。自分と違う感じ方をしているからという理由で何かを却下するのは失礼で、ゲームデザイナーとしては、自分のゲームの問題、少なくともユーザーの一部にとって問題であること、の原因を理解する妨げにもなるのだ。
マジックに立ち戻ってみるため、先程の赤のエンチャント破壊の話をしよう。プレイヤーが何かを望んでいる。私は掘り下げ、プレイヤーを憤慨させているものを理解した。苛立ちと、手の施しようがないという感情があるとわかった。解決策は、赤がエンチャントにやり取りできるようにして、赤単のプレイヤーにできることを与える方法を探すことである。ゲーム上、赤にエンチャントを破壊させたくはないが、プレイヤーのできることを作り(苛立ちと、手の施しようがないという感情を抑え)、その一方で色の本質の範囲内に収まるような赤のエンチャント対策を考えつくことはできた。その答えが、『統率者(2018年版)』のこのカードである。
あらゆる思い
マジックのデザイナーとして、私はプレイヤー集団すべてと同じ存在になることはない。私はすべてのフォーマットをつねづね遊んでいるわけではない。私はあらゆる種類のデッキを使ったことがあるわけではない。私は特定の心理分析に属する。(言うまでもないがジョニーだ。)プレイヤーの多くは私とは異なるが、それでも私はプレイヤー向けのカードを作らなければならない。つまり、私はただ聞くだけではなく、彼らが意識しているものを理解しなければならないのだ。それには時間やエネルギーや注目が必要だが、重要であり、私を良いデザイナーにしてくれるものなのである。
今日の内容は少し特殊なものだったので、諸君からの感想に興味がある。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+、Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、何かをデザインしない理由について語る日にお会いしよう。
その日まで、聞いて理解し合うことに時間を取りますように。
(Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru)
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