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Making Magic -マジック開発秘話-
『破滅』の情報 その3
『破滅』の情報 その3
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2017年7月17日
先週と先々週の2回(その1、その2)、『破滅の刻』のカード個別のデザインの話をしてきたが、話す内容が大量にあったので、もう1週続けることにした。それでは早速始めよう。
《蝗の神》[HOU]《スカラベの神》[HOU]《蠍の神》[HOU]
ニコル・ボーラスは青黒赤である。そして、『破滅の刻』で現れ、全てを破壊する3柱の神々に命令するのだ。我々はこの3柱をそれぞれ2色にし、ボーラスの色の中の2色の組み合わせ3組、すなわち青黒、黒赤、青赤にすることにした。ストーリーの中で、ボーラスは既存の神々3柱を取り上げ(彼が到着した時点ではこの世界の神々は8柱いた)、それを彼自身の意思に沿って歪めたのだ(これは大修復によってボーラスが神のような力を失うより前の話である)。これが、この神々がボーラスの色の組み合わせになっている理由である。この神々の本来の姿や、ボーラスに歪められる前の色がどうだったかは知られていない。
3柱の神々にはそれぞれの役目がある。
《蠍の神》
この神の役目は、現れて他の5柱の神々を殺すことである。
《スカラベの神》
この神の役目は、永遠衆の軍勢を蘇らせ、それを率いて死滅都市から街へ攻め入ることである。
《蝗の神》
この神の役目は、ナクタムンの人々を守っている障壁であるヘクマを食らう魔法の蝗の群れを作り出すことである。
青は黒や赤と違って除去の色ではないので、黒赤が《蠍の神》にふさわしい。《スカラベの神》はクリーチャーをリアニメイトするという黒の能力を持ち、また永遠衆の人工性は非常に青らしいので、青黒とした。最後の《蝗の神》は小さくて破壊的な飛行クリーチャーを作るので、青赤とするのに問題はなかった。
また、これらの3柱の神々はストーリー上最初の5柱の神々といくらか違うものにすることにしたので、機能的にもいくらか違うものにしようと考えた。破壊不能を持たせるのではなく、殺されたらすぐ、再び唱えることができるように手札に戻るという能力を持たせたのだ。これは神々にふさわしい「殺しにくい」という雰囲気を感じさせるものだった。難しかった部分は、ストーリー上で描かれている役割にふさわしいようにデザインするということだった。次に、我々は神々にそれぞれ誘発型能力1つと起動型能力1つを持たせるという決定をし、そしてこの2つには何らかのメカニズム的繋がりがあるべきだと考えた。
それでは、神々のデザインを1つずつ見ていこう。
《蠍の神》 アート:Lius Lasahido |
《蠍の神》
《蠍の神》で難しかったのは、この神は破壊不能を持つ神々を殺せなければならないというところだった。メカニズム的に、一体どうすれば可能だろうか。破壊不能の弱点を突く必要がある。衆知の通り、破壊不能は破壊効果を防ぐが、タフネス0となったクリーチャーを助けることはできない。都合のいいことに、『アモンケット』ブロックにはこのための完璧な道具が準備されていた。-1/-1カウンターである。そこで、起動型能力は-1/-1カウンターをクリーチャーの上に置くものになった。
そうなると、誘発型能力は何らかの形で-1/-1カウンターを参照するものであるべきである。《蠍の神》の能力は殺害なので、この起動型能力を使って何かを殺すことで利益を得るようなものにするのがいいと考えたのだ。また、このセットの、クリーチャーに-1/-1カウンターを置く要素とも上手くコンボになる。単純にするため、その利益としてカードを引くことを選んだ。
《スカラベの神》 アート:Lius Lasahido |
《スカラベの神》
《スカラベの神》と永遠衆を関連付けたいのは明らかだった。幸い、永遠衆を蘇らせるというメカニズムはすでに存在していた。不朽能力の『破滅の刻』版、永遠能力である。このカードの初期版では、墓地のクリーチャー・カードに永遠能力を与えようとしたが上手く行かなかったので、永遠というキーワードを使わずに、誰でもひと目でつながりが分かるような形で、その処理を真似た能力になっている。誘発型能力の方は、全ての「永遠」効果を受けたクリーチャーはゾンビなので、部族的にゾンビと関連している。
《蝗の神》 アート:Lius Lasahido |
《蝗の神》
3柱の中で最もデザインが難しかったのは《蝗の神》であった。クリーチャーを破壊することやクリーチャーをリアニメイトすることはマジックの日常の中にあることだが、ヘクマを破壊することは日常的ではない。ストーリー上、《蝗の神》はヘクマを破壊する蝗を生み出す。このカードの焦点を、蝗を生み出すことにできるかもしれない(厳密に言えばこれが生成するのは昆虫だが、蝗は間違いなく昆虫である)。青赤の両方の性質を感じられるよう、我々は蝗を1/1で飛行と速攻を持ったクリーチャーにした。
他に青赤らしい能力といえば何があるだろうか。そう、ルーター能力(カードを引いてから捨てる能力)だ。しかし、ルーター能力と蝗の生成に一体どう繋がりを持たせられるだろうか。やがて、カードを1枚引くことを参照すれば毎ターン蝗を1匹は作れるようになり、起動型能力との繋がりもできると気づいて、メカニズムが完成したのだった。
追加のボーナスとして、この3枚のカードにお互いにシナジーがあることも気に入っている。《蠍の神》は-1/-1カウンターの載ったクリーチャーを殺してカードを1枚引くことができ、カードを引くと《蝗の神》は蝗を生成する。《蝗の神》はカードを引いて捨てることができるが、これによって《スカラベの神》が「永遠」で使えるクリーチャー・カードを墓地に送ることができる。ボーラスと同じように、ぜひ諸君もこの3柱の神々による破壊を楽しんでくれたまえ。
《王神、ニコル・ボーラス》[HOU]
このデザインを始める時点で、いくつかのことが決まっていた。
- 忠誠度能力を4つ持つプレインズウォーカーにしたい。頻繁にそうしているわけではないが、ニコル・ボーラスの帰還となればそうするのにふさわしい話である。
- 青黒赤にしたい。ボーラスの色は変わっていない。
- 重くて強力にしたい。戦場に出すのには時間がかかるかもしれないが、戦場に出してしまえば圧倒的な力になるようにしたい。このセットのテーマの1つが、仇敵としてのボーラスの強さを再び見せつけることなので、プレインズウォーカー・カードとしても同じく圧倒的なものにしたいのだ。
- このセットの軸になっている「ディザスター・ムービー」らしさを表すものにしたい。ボーラスはアモンケットを破壊するために現れたので、プレインズウォーカー・カードとしても同じく破壊的でなければならない。
ボーラスは操り師で、我々はこのカードでその一面を表したいと考えた。この1つ目の能力は、ボーラスにライブラリー破壊を通して勝利条件を与えることと、対戦相手の呪文のコントロールを得ることの両方の意味を持つ。カードを追放するようにしたことにより、テンプレート的に簡単にすると同時に追放テーマをこのカードに組み込んでいる。
ボーラスは精神的に対戦相手に干渉するので、手札破壊はふさわしく感じられた。『レジェンド』の初代《ニコル・ボーラス》も、対戦相手に手札を捨てさせていた。
ボーラスの3つ目の能力は、クリーチャー対策であると同時にダメージによる勝利を可能にしている。7点のダメージなのは『レジェンド』版クリーチャーや『コンフラックス』版《プレインズウォーカー、ニコル・ボーラス》と同じになっているからである。ダメージを受けたクリーチャーが死亡したら追放されるようにすれば4つの能力全てが追放テーマと関連するようになっていたのだが、そのために必要になる追加の文章を入れるだけの価値はなかったのだ。
このカードの最初に作られた能力はこれだったはずだ。ストーリー上、ボーラスが現れてあらゆるものを破壊するので、彼の奥義はそれだけ破壊的なものにしたいと考えたのだ。すべての能力を組み合わせると、ボーラスが強力で、支配的で、破壊的だというイメージが伝わることだろう。それこそが、我々が目指したイメージなのだ。
《穢れた血、ラザケシュ》[HOU]
リリアナは、プレインズウォーカーが神のような力を持っていた時代のプレインズウォーカーであった。その後、大修復が起こり、彼女の能力は著しく弱まった。彼女の新しい問題の1つが、通常通り老いるようになったということである。屍術師は死を恐れるので、彼女は老いを受け入れず、死を拒絶した。そこで彼女は4人の悪魔と4つの契約を結び、永遠の若さと力を得たのだ。
1人目の悪魔は、《魂の貯蔵者、コソフェッド》で、リリアナに《鎖のヴェール》を見つけ出すよう命じた。リリアナはそれを見つけ、その力で《魂の貯蔵者、コソフェッド》を殺したのだ。2人目の悪魔は《グリセルブランド》。彼女はイニストラードに赴き、《獄庫》に囚われていた《グリセルブランド》を解放するのに協力し、そして殺した。
《穢れた血、ラザケシュ》は3人目の悪魔である。我々は悪魔らしく感じられる恐ろしいものとしてデザインしようと考えた。リリアナの悪魔はこれまで2人とも飛行を持っていたので、ラザケシュにも飛行を持たせることにした。黒にトランプルは多くないが、大型クリーチャーではたまに持っていることがある。8/8なら大きさは充分だと思われた。
《魂の貯蔵者、コソフェッド》と《グリセルブランド》は、どちらも非常に知的な悪魔であるということを表して、カードを引く要素があった。《穢れた血、ラザケシュ》をさらに恐ろしいものにするようなひねり方はないだろうか。カードを引くのではなく、教示者能力にしたらどうだろうか。必要なカードを確実に手に入れられるのだ。しかし、この能力には何か縛りが必要だということがすぐに明らかになった。
悪魔なのだから、ライフの支払いや生け贄を能力のコストとして求めてはどうか。あるいは、その両方ではどうか。いくらかのプレイテストを経て、最終的に1回の起動ごとに2点のライフとクリーチャー1体が必要ということになった。《穢れた血、ラザケシュ》が戦場に出たとき、対戦相手はおそらく恐れてくれることだろう。
《廃墟ネズミ》[HOU]
2ブロック・モデルに移行したとき、スタンダード内の1つ目のブロックと3つ目のブロックにメカニズム的な重なりがあるようにすることは重要だと判断した(当時、スタンダードは18か月のカードだけを使うものだったので、フォーマット内の最初と最後のブロックということになっていた)。我々はゴシックホラーとエジプト神話がともに死と密接に関わることから、墓地テーマを扱うことにしたのだ。
かつて、ブロックには、直前のブロックへの対策となるカードが含まれていることが多かった。問題は、『カラデシュ』に『イニストラードを覆う影』への対策となる墓地対策を入れてしまうと、事前に『アモンケット』対策ができてしまうことである。そこで、我々は墓地対策を減らすことにした。この判断は後に我々に牙をむくことになる。
『アモンケット』ブロックでは、我々はリミテッドと構築の両方で墓地メカニズムへの対策が存在するようにしようと考えた。《廃墟ネズミ》は、その前者の一例である。{1}{B}の1/1接死というだけならまったく驚くべきものではないが、リミテッドなら実用的だ。対戦相手の墓地からカードを追放するというおまけをつけることで、『アモンケット』の墓地要素を制御する助けとなる対策を増やすことができたのだ。
《砂爆破》[HOU]
我々は常に、良い再録を探している。良い再録の条件は以下のようなものである。
1.そのカードがメカニズム的にそのセットにふさわしいものであること。
まず第一に、そのカードはそのセットで上手くプレイできなければならない。他がどれほど整っていても、それがゲームプレイを向上させるものでなければ無駄である。確かにフレイバー的に《Pyramids》は『アモンケット』にまさにふさわしいが、カードとしての能力はこのブロックでは何の意味も持たない(ああ、それにこのカードは二度と再録しないと約束している)。
2.そのカードがフレイバーに富んだものであること。
次に重要なことは、そのカードがクリエイティブ的にふさわしいものであるということである。そのカード名はそのセットの環境で通じるだろうか。カード名を変更することはできるが、再録の魅力のほとんどは元のカードと同じであるというところにあるのだ。
3.そのカードがしばしば再録しているものではないこと。
定番のカードであることは問題ないし、それらの多くは再録されているが、これまで再録されたことのない過去のカードを見つけるということは非常に楽しいことなのだ。開発部は全体として、これを非常に楽しんでいる。
《砂爆破》は、戦闘中のクリーチャーにだけ有効な直接火力呪文なので、1は問題ない。このカードは砂を武器としてクリーチャーを破壊することを描いており、2は問題ない。このカードが初めて登場したのは『運命再編』で、再録されたことがないので、3は問題ない。
《砂爆破》は、セットごとのふさわしい再録カードを探す上での機微を示す完璧な例である。
《厳粛》[HOU]
ほとんどのデザイナーが好んでいるであろうものの1つが、いくつもの問題の答えとなる1つの解決策を見つけることであり、《厳粛》はその好例である。
直前のブロックは『カラデシュ』で、その主なメカニズムはエネルギーだった。通常、我々はブロックに直前のブロックの問題への回答となる道具を入れることが多い。問題は、そのカードが入るブロックにおいて意味があるようにしなければならないということである。つまり、単に「プレイヤーはエネルギーを得られない」と書いたカードを作ることはできないので、ブロックの内外で意味を持つような方法を探すことになる。
鍵は、エネルギーもカウンターだということである。『アモンケット』も、まったく違う種類ではあるが、カウンターを用いている。プレイヤーに載せるものもパーマネントに載せるものも、あらゆる種類のカウンターを止めるカードを作ったらどうだろうか。いや、全てのパーマネントではダメかもしれない。プレインズウォーカーにはカウンターが必要で、プレインズウォーカーを全て否定するつもりはない。それなら、プレイヤーとプレインズウォーカー以外のパーマネントならどうか。
これは、フォーマットごとに違う使われ方をするカードの一例でもある。毒カウンターに対策が必要ならこれだ。対戦相手が増殖能力を使ってくるならこれだ。+1/+1カウンター相手ならこれだ。このカードをプレイヤー諸君がどのように使うのか、私は非常に興味がある。
《孤高のラクダ》[HOU]《不憫なラクダ》[HOU]
ちょっとしたトリビアから始めよう。『破滅の刻』登場前、マジックには何枚のラクダがいたか、ご存知だろうか。
答えは、5枚である。
『アモンケット』登場前は何枚だったか。
3枚である。
では、『カラデシュ』前は。
わずか2枚である。マジックができてから23年の間に、たった2枚しか存在しなかったのだ。
1枚目が、まさに《Camel》というカード名のカードである。
フレイバー的には、このカードは魅力的だ。《Camel》がどう役立ってくれるのか、といえば、《砂漠》を通してくれるのだ(《砂漠》も同じく『アラビアンナイト』のカードで、攻撃クリーチャーにダメージを与えることができる)。《砂漠》はコモンで、手に入れるのは非常に簡単だった(当時の手に入れやすさの中では)。そのため、大量の《砂漠》が入っているデッキと対戦するのは奇妙な話ではなかったのだ。
ただし、メカニズム的に《Camel》は複雑だ。まず、マジック史上初めて破棄された常盤木キーワードであるバンドを持っている。ほとんど誰1人として正しくプレイする方法を理解できなかったので、マジックから取り除いたのだ。そして、今回のブロックに到るまで1枚のカードにしか存在していなかった土地のサブタイプを参照している。
2枚目のラクダは、旧『ラヴニカ』の《ドローマッドの純血種》である。
なぜ『ラヴニカ』に1枚だけラクダがいたのかはわからない。おそらく、アーティストはラクダを描こうとしたわけではなく、他の何よりもラクダに近いようなクリーチャーを描いたのだろう(ラクダ・ビースト的な)。
『アモンケット』と『カラデシュ』ブロックで、ラクダの数が3倍になったことを嬉しく思っている。『破滅の刻』ではラクダ・砂漠デッキに入れられるような、砂漠を参照するラクダが2枚追加された。そして黒のラクダ、ゾンビ・ラクダも初登場した(これでラクダの分布が3色になった)。スライドショーでゾンビ・ラクダの初登場を知ったときにはとても興奮したものだ。諸君も私の喜びを共有してくれたまえ。
《黄昏のピラミッド》[HOU]
『アモンケット』には、石材カウンターを使って時間をかけて組み上げることができるアーティファクトで、碑を建築するという小さなテーマが存在した。今や『破滅の刻』で、建築するのはテーマではない。《黄昏のピラミッド》はストーリーに則った形でメカニズム的テーマにひとひねり加えた、私が好きな類の繊細なデザインである。この碑を建築していくのではなく、石材カウンターを減らして削っていくのだ。もちろん、ナクタムンの人々は街を建築したいと思っているのだが、今回プレイヤーはボーラスの側として街を削っていくのである。
《大群の諜報》[HOU]
昔、どのセットにも集客用カードというべきものが必要だというのが私の持論であった。集客用カードとは、マジック史上に存在しなかったような派手なことができる、どのデッキでもプレイできるカードのことで、大抵はアーティファクトだった(理論上は土地でもよかった)。この持論に基づき、私は《にやにや笑いのトーテム像》や《精神隷属器》を作ったのだ(《精神隷属器》をデザインしたのは『テンペスト』のときだったが、ルール問題のため実際に印刷されたのは何年も後の『ミラディン』のときだった)。そして、この持論に基づいてデザインしたのがもう1枚、このカードである。
知らない諸君のために言うと、私はコピーや倍増が大好きである。長年に渡り、あらゆるものをコピーしたり倍にしたりするカードを大量に作ってきた。《ミラーリ》の元になった発想は、自分が唱えた全てのインスタントやソーサリーを単にコピーするアーティファクトというものだった。最初のバージョンでは、唱えるのに7マナかかったがコピーするのにコストは必要なかった。自分の唱えたインスタントやソーサリーをすべてコピーしていたのだ。
『オデッセイ』のデベロップ中に、これは危険なカードなのでコピーするのにマナを支払う必要があるようにしなければならないと伝えられた。そして《ミラーリ》のコストは5マナに下がり、インスタントやソーサリーをコピーするのに追加で3マナかかるようになった。私は壊れたものを作りたいわけではないし、変更後のバージョンも非常にエキサイティングだと感じたので、そう変更したのだ。
話は『破滅の刻』に戻る。ある日私がファイルを見ていると、《大群の諜報》が目に止まった。私の最初の反応は(そして実際にもそう叫んだと思う)、「おい、私はこのカードを作ったことがあるぞ!」というものだった。
そこで、私はデベロップに確認した。このカードは大丈夫なのかと。彼らは大丈夫だろうと答えた。2001年当時は問題があるとされたことを伝えると、デベロップは2001年から進歩してきていると答えたのだ。それなら、諸君には初期版の《ミラーリ》をぜひ楽しんでもらいたい。
《ほころびミイラ》[HOU]
ほとんどのセットでしていることの1つが、2色の組み合わせが注目しているテーマに沿ったアンコモンのサイクルを作ることである。『アモンケット』ブロックで言えば、白黒はミイラ(つまりゾンビ)中心だ。難しい部分は、ストーリー上白のミイラと黒のミイラは全く異なるものだということである。白のミイラは都市の中で人々を助ける召使いで、黒のミイラは街の外にいて人々を喰らおうとする邪悪な怪物なのだ。異なるフレイバーに矛盾しない形でその両方の色と上手く働くカードを作るにはどうしたらいいだろうか。
《ほころびミイラ》は上手い形でそれを成し遂げている。白のゾンビは自分を助け、黒のゾンビは相手を傷つけることができるのだ。テーマ的に白のゾンビと働く白の起動型能力と、黒のゾンビで働く黒の起動型能力、2つの異なった起動型能力を持つことで成立させているのだ。
私は、世界観に則った範囲でメカニズム的に正しい方向を示すこのカードのやり方が気に入っている。
黄昏の『刻』
今回の短い記事3本で、『破滅の刻』に関する私の話は終わりとなる。楽しんでいただけたなら幸いである。そして、この記事やカードに関する反響を聞ければ嬉しく思う。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+、Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、『破滅の刻』に関する質問にお答えする日にお会いしよう。
その日まで、ゾンビ・ラクダでの勝利の喜びがあなたとともにありますように。
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