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Making Magic -マジック開発秘話-
基本根本:デザインの3つのステージ
基本根本:デザインの3つのステージ
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2015年3月30日
毎年、私は「基本根本」と題した記事を、自分自身のマジックのセットをデザインしたいと思っている読者に向けて書いている。これは我々のデザイン手順の内側を掘り下げるものであり、比較的実践的な内容になっていることが多い。自分でマジックのカードを作っていない諸君にとっても、このシリーズがデザインのあり方についての一考察をもたらしてくれれば幸いである。それでは最初に、これまでの6本の「基本根本」をざっとおさらいしていこう。
基本根本 #1:カード・コード(リンク先は英語)
最初のこの記事は、カード・ファイルでカードを管理するために使うカード・コードについてのものだった。ささいなものだが、管理するのには重要なのだ。
基本根本 #2:デザインの骨格(リンク先は英語)
続いて2つめの記事では、カード・コードを用いて、セットをまとめるために使う「デザインの骨格」と呼んでいる道具を作り上げる方法について語っていた。
基本根本 #3:デザインの骨格を埋めよう
3つめの記事で、デザインの骨格を手にした後、それを埋めていくために必要なことについて語った。この記事では、コモン部分の埋め方についてだけ説明した。
基本根本 #4:より高いレアリティ
4つめの記事はデザインの骨格における他のレアリティを埋める助けとなるものだった。
基本根本 #5:初期プレイテスト
この5つめの記事は、最高のプレイテイストのやり方について語ったものだ。
基本根本 #6:繰り返し
6つめの記事で、繰り返しという概念について語った。この手順で、時間を掛けてセットを向上させていくのだ。
それを受けて、この記事である。今回は少し視野を広げ、マジックのデザインの全体的な構造について語ろう。衆知の通り、デザインの骨格を埋め、プレイテストをし、繰り返していくというのが手順全体であるが、それだけではないさらに大きな手順が存在する。そして今日の記事ではそのことについて掘り下げるとともに、その知識がデザイン手順のどの段階にあるのかを理解する助けとなる理由について説明していこう。
世界は1つのステージだ
数年前、マーク・ゴットリーブ/Mark Gottliebがデザイン・マネージャーに就任したとき、彼は私の元を訪れ、そしてデザインの手順を分析したいと言ってきた。我々のチームを養成すると同時に、デザインの外部からも我々が何をしているのかを理解しやすくするため、デザインの手順をいくつかのステージに分類し、デザインを、何かを生み出してくる1つの巨大なブラックボックスにするのではなく、我々がしていることについてよりよく説明したいというのだ。
そこで、私は彼に向き合い、私が感じているデザインの方法について順を追って説明していった。話していくうちに、3つの根本的に異なる、そして同程度の大きさのステージが3つ存在するということが明らかになった。そして、我々はそれらのステージを「展望ステージ」「統合ステージ」「精練ステージ」と名付けた。大型セットのデザインは1年かかるが、この各ステージはそれぞれ4ヶ月ずつかかっている。今日のこの記事では、それぞれのステージがどのように働くか、またデザインの各部分がどのステージでおこなわれるか、そして、カード・ファイルの変更、プレイテスト、繰り返しのようなことをする上で各ステージがどう影響を及ぼしているのかについて語っていこう。
《アブザンの優位》 アート:Winona Nelson |
展望ステージ
この1つめのステージは、セットの展望を作るステージである。そのセットは一体何なのか、そのテーマは何なのか、メカニズムは何なのか、生み出すべき感情は何なのか、語られるべき物語は何なのか。この1つめのステージは、そのセットの狙いを定義し、構造を作り、基礎を作り上げていくステージである。
今日では、デザインの始まる前に、先行デザインと呼ばれる工程が存在している(先行企画と呼んでいたこともあるこの内容についてはこちらを読んでくれたまえ)。先行デザインの役割は、回答を見付けることではなく問題を見付けることにある。デザインを始めるにあたり、途上に存在する制約を正しく理解することは重要なのだ。先行デザインのおかげで、実際に問題に直面して解決しなければならなくなるよりも前に、解決しなければならない問題を見付けることが可能になるのだ。それだけでなく、先行デザイン・チームは我々が掘り下げていけるメカニズム上の方向性に関して多くの発想をもたらしてくれる。諸君の多くが想像するのとは違い、我々はデザインを全くのゼロから始めるわけではないのだ。
展望の重要なところは6つある。
#1-焦点を作る
デザイン・チームにはかなりのリソースがあるが、そのリソースを一方向に向けることができなければ、労力のほとんどは無駄になってしまう。展望の第一の役割は、チーム全体を同じ方向に向けることである。これはデザイン・チームでなく、会社全体に適用される。クリエイティブ、デベロップ、デジタル、組織化プレイ、マーケティング。セットに関わる全ての人員が同じ目的に向かうようにするのだ。
#2-発想を生む
「制限は創造の母」は私の信念である。創造を湧かせたければ、通常の楽な領域とは違う方向に脳みそを向けることだ。展望を作る上で大きな部分を占めるのが、新しく掘り下げるべき思考空間を計画するということである。それぞれのデザインにおける私の目標の1つが、デザイン・チームに何かそれまでのデザインの取り組み方と異なる方法でデザインに取り組ませるということなのだ。
#3-何が重要なのかを定義する
すべてのものが同等に重要だというのは、結局何も重要でないのと同じことになる。展望は、我々のチームが優先度を決める手助けをするのだ。チームが分岐にさしかかった時、どちらの方向に向かうべきかを伝えるのである。
#4-基礎を作る
カードタワーを作る上で一番難しいのは、何も支えがない状態で置かなければならない、一番最初の2枚を配置することである。展望を作るのは、チームがタワーを作れるようにするための最初の2枚のカードを配置するようなものなのだ。
《時を越えた詠唱》 アート:Zoltan Boros & Gabor Szikszai |
#5-時間を節約する
デザインを始める前は、可能性は無限大である。無限大というのは恐ろしいものだ。展望において選択することで、方向性を定めるだけでなくデザインの幅を大きく削ることができる。初期にそれをおこなうことで、時間を無駄にすることを防ぐことができるのだ。
#6-安定を作る
指導者に計画があれば、費やす時間や労力が有用で生産的になると確信できるので、人々は幸せである。
それでは、これがデザインの各要素にどのように影響を及ぼすかを見ていこう。
カード・ファイル
デザインのこの段階で、全てのコモンと、通常はほとんどのアンコモンも作る。このステージの目標は、最初は全てのコモンで、そして後にはアンコモンを混ぜて、プレイテストを始められるようにすることである。同時に、このステージではセットに含まれるメカニズムを何にするかを決め始めることになる。このステージの終了時点でも何も確定するわけではないが、メカニズムの半数ほどはこの時点で定まることが多い。それらのメカニズムは完成形というわけではないが、どの方向を探るべきかは判るのだ。
もちろん、このステージの終了までには展望が出来ている必要がある。つまり、テーマ、扱うメカニズム空間、基本的な構造は決まっていなければならない。一般的に言うなら、このステージの終了時点ではデザインの骨格がきちんと出来上がっている必要があるということである。レアや神話レアはまだ出来ていない(コモンやアンコモンを作っている間に何枚かは作られていることが多い)が、どういったものが必要になるのかについてある程度掴めていることだろう。
プレイテスト
コモンが埋まったら、プレイテストを始めることができる。初期に作られたカードの多くは、テーマやメカニズムを試すためのもので、つまり時とともに大きく変わりうるものであるということを意識しておくべきである。このステージのプレイテストは、2~3週ごとに大きくファイルが変更された状態でおこなわれていくことになる。この時期は実験段階であり、プレイテストでおかしなことをして情報を集めることも必要である。このステージのプレイテストは、ほぼシールドでのみおこなわれる。
また、この時点のプレイテストは同じカード・ファイルを使って複数回するべきだ。すべてのカードを体験し、何が巧く行って何が巧く行かないのかを掴むためである。色やテーマを毎回変えてプレイテストをおこなうことも重要である。勝つことが目標ではなく、セットを体験するのが目標なのだ。初期プレイテストでは、我々が「2枚ルール」と呼んでいるルールを使うことをお薦めしておこう。複数枚が必要となるテーマを試しているのでない限り、同じカードを2枚までしか使わない。また、同じカードの2枚目を入れるかまだ使ったことのないカードを入れるかと選ぶ場合には、まだ使ったことのないカードを優先する、というものだ。
《熟慮》 アート:Anthony Francisco |
繰り返し
この1つめのステージでは、プレイテスト間の大量の変更を伴う、長い繰り返しが必要になる。それらの初期のプレイテストでは多くのことがわかるので、そのわかったことを踏まえての多くの変更をすることが必要となるのだ。ここで注意すべきことは、赤ん坊を湯船に放り込むようなことをするな、ということである。つまり、あるメカニズムやテーマのカードの数枚がうまく働かなかったからといって、そのメカニズムやテーマ全体を投げ捨てる必要があるとは限らないということだ。初期の繰り返しでは、メカニズムやテーマのどの要素がうまく働くのかを見極め、そのデザイン空間にカードを寄せることが重要なのである。
開発部がこのステージを4ヶ月で終わらせているのは、締切があるからである。開発部には、やり直しをする時間的余裕は与えられていないのだ。諸君は違う。展望が出来上がるまで、展望ステージを終えてはならない。この時点で、セットの本質、セットの大テーマ、メカニズム的要素について明瞭になっていないなら、このステージを終えるべき時期ではないのだ。基礎をきちんと作っていなければ、セットは後になって瓦解してしまい、修正ははるかに難しくなるのだ。
統合ステージ
展望ステージが「なぜ」を定義するものであるなら、統合ステージは「いかに」を定義するものである。統合ステージでは、デザイン内部から、またデザイン外部からの様々なものをどう組み合わせていくかということを考え始めるステージであり、デザインが開発部やウィザーズ社内とどのように関わっていくかについて考え始めることになる。展望ステージを終える時には多くの要素が準備できているが、統合ステージはそれらの要素をどのように組み合わせるか、そして完成させるために必要なものや余計なものは何なのかを決めていくステージとなる。
統合ステージでは以下のようなことをおこなう。
#1-メカニズムのペースを試す
展望ステージの間に、セットのテーマを表現するためのメカニズムを見付けている。統合ステージでは、それらのメカニズムが動く理由となるものを見付けることになる。この中間ステージは、プレイして調整することがすべてである。
#2-要素間の繋がりを作る
展望ステージで要素が追加されたときは、それが展望にそぐうものであるかどうかがすべてである。統合ステージでは、それらがお互いにどのように関わり合うかを考え始めることになる。展望によって集められたものであるがゆえに、多くの場合にはシナジーを内包しているものであるが、必ずシナジーがあるとは限らない。統合ステージでは、それらがうまくかみ合っていることを見付けることもあれば、うまく組み合わせられるようにするためにその要素のいくつかに必要な修正が示されることもある。
#3-セットを補完する
セットを作っていくうちに、そこにはギャップがあると気付いていくものだ。メカニズムやテーマは変遷し、構造には埋めなければならない穴があくものだ。統合ステージ中に追加されたものの多くは、その領域を補完するためのものである。
#4-不必要な要素を捨てる
セットを弄っていくうちに、要素の中にあまり役に立っていない、切り捨てるべきものがあることに気付くことになる。しばしば、それらの要素を単体で見た場合にはいいデザインでも、セット全体の大きな機能は果たしていないということがあるのだ。カードがより大きな視点で見て役に立っていなければ、そのカードのデザインがどれだけ優れていようと、切らなければならない。マジックは飢えたバケモノだ。うまくデザインされたカードは、将来いくらでも登場する余地があるのだ。
#5-弱点にストレステストをする
セットでうまく働いているものを見付けるだけでなく、セットの一番の弱点がどこなのかを見付けることも統合ステージの役目である。弱点を取り除くこともあるが、どのセットにも弱点はあるものであり、つまりより多く使われている手段は、その弱点をファイルに残した状態でセットをどう強化して使えるようにするかを見付けることなのだ。
#6-来たるべき問題を明らかにする
セットが印刷されうる状態になる前に直面しなければならない現実がある。統合ステージの中で、社内の他の部署と話し合うことになるので、まだ変更が簡単なうちに問題点を洗い出し始めることができるのだ。例えば、私が新メカニズムについてのルールやテンプレートの初稿を作ってもらうために最初に提示するのは、この統合ステージの間であることが多い。このメカニズムは私が考えているような形で動くのか、カード・テキストにどの程度の文章が必要なのか、といった質問への答えは、メカニズムのできかたに大きな影響を与えうるのだ。
このステージがデザインに与える影響について見ていこう。
《ティムールの呪印》 アート: Ryan Alexander Lee |
カード・ファイル
このステージの開始時には全てのコモンとほとんどのアンコモンが揃っている。このステージの終了時にはカード・ファイルは完成している。全てのカードが次のステージをそのまま通過するというわけではないが、セット全体を使ったプレイテストができるようにファイルが整っているのだ。このステージは調整が主眼となるので、ファイルはまだ常に変わり続ける。ステージが進んでいくと、変更はカード全体の入れ替えよりもカードの調整が多くなっていくべきだろう。
このステージの終了時に、ファイル全体の初稿を提出することになる。全てのカードには目的があり、そのセットに入れたい要素を示しているべきである。さらに向上させる必要がある要素があるとわかっているなら、ファイルにメモを残しておくのもいいだろう。理想的には、すべてのメカニズムがこの統合ステージの終わりまでに決定していることが望ましい。
プレイテスト
このステージの間、プレイテストは1~2週ごとに、リミテッドと構築を交互におこなうことが多い。構築戦は充分な数のレアができるまではおこなわれないことが多い。構築戦はセット内で、そのセットのテーマに沿ったデッキを組むことに主眼が置かれる。構築プレイテストが重要なのは、リミテッドでは問題にならないギャップを示してくれるからである。ファイルに欠けているものを見付けるための最高の手段の1つが、デッキを組んでみて、そしてデッキを組み上げるために必要な部品の不足に気付くことなのだ。
このステージにおけるリミテッドのプレイテストはシールド・デッキで始まるが、後半からはドラフトに移行することがある。テーマが充分確立してプレイヤーがドラフトの軸にできるようになるまでは、ドラフトをしても意味がない。ドラフトのプレイテストは、テーマへのストレステストをおこない、リミテッドに充分な深みがあることを確認する意味で非常に重要である。
繰り返し
このステージの間、プレイテストとプレイテストの間の変更は少なくなる。大きな変更をしてはならないということではないが、大きく作り直さなければならないようなことは少なくなっていくものだ。変更が少なくなり、テストすべきフォーマットが増えるので、プレイテストはより頻繁になっていく。
展望を持って展望ステージを終えたのと同じように、統合ステージを終えるときにはセットが必要である。まだ1つステージが丸々残っているのでセットが完成したというわけではないが、最終的に印刷したいものの初稿がここでできあがるのだ。
精練ステージ
この最終ステージを始める時点では、ファイル全体の初稿があり、それを4ヶ月にわたって改訂し続けることになる。途中で「デヴァイン」が始まり、デベロップがこのセットに関する会議を始め、デザインに踏み込んだフィードバックをくれるようになる。このステージでは細かな変更を積み重ね、セットをデベロップに引き渡す準備をしていくことになる。
精練の主な役割には、以下のようなものがある。
#1-最高の実装を探す
初期デザインは、セットをおおむね望ましい範囲に収めるものである。精練ステージでは、それを理想的な位置に動かしていくことになる。初期デザインが大局的な問題を扱うマクロなものであると言うなら、精練ステージは向上の余地を探す拡大鏡を使ってあらゆる選択を見ていくミクロなものだと言える。
#2-問題を解決する
私はこの部分を彫刻のようなものだと考えるのが好きだ。最初に巨大な石の塊があって、そこから不必要なものを削り取っていくのだ。我々はマジックが扱ったことの無い未踏のデザイン空間を常に扱い続けている。古いテーマを再利用するときにも、前回と違う別のテーマと組み合わせるのだ。そうすることでマジック全体に混沌が生まれる。そしてデザインの仕事の一部(そしてデベロップの仕事の後半)は混沌を削り取っていくことなのだ。
#3-クリエイティブ的な繋がりを微調整する
デザイン・チームはデザインの間中クリエイティブ・チームと協力しているが、初期には大局的な問題についての話が多いものだ。精練ステージまでに、特定のクリエイティブ要素、すなわち登場人物や場所、物語の流れなどとの関連を作り始めることになる。たとえば伝説のクリーチャーやプレインズウォーカーを作るのは、たいていの場合このステージの間となる(そして、デベロップ中にずっと調整され続けることになることが多い)。
#4-終盤の変更をおこなう
デザインでは限界に挑み、新しいことに挑戦することが多い。しかし、新要素を冷静に見て、実際に扱いうるものかどうか判断しなければならないときは来る。我々が何かおかしなことに挑み、そして最終的に諦めざるを得なくなったという話はよくあるが、それはこの精練ステージの間のことであることが多い。精練ステージは、セットでおこなうことを冷静に見て、現実的に可能かどうかを判断するステージなのだ。
このステージがデザインに与える影響は次の通り。
カード・ファイル
このステージの開始時点で、デザイン・ファイルの初稿があり、終わる時点では最終の原稿が出来ていることになる。このステージでは、ファイルのクリンナップをおこない、全ての狙いがきちんとできていることを確認する。ここ数年は、デザインの最後付近で数枚のカードを取り除き、それに66と番号を打つことにしている。こうすることで、デベロップがカードをボツにしなければならない場合にその交代要員が準備できているのだ。
プレイテスト
このステージでは、毎週プレイテストがおこなわれる。デザイン・チームは伝統的に週に2回会合を開いており、そのうち1回プレイテストをおこない、そのプレイテストの結果について議論してファイルに変更を加えるのだ。泡立てて、流して、繰り返す。このステージ中に加えられる変更は、特にステージの終盤には、かなり細かなものになる。マナ・コストやパワー/タフネスといった小さな調整をおこなうのもこの時期だ。このステージ中に、デザイン・チーム外の多くの人にプレイテストをしてもらうことは重要である。デヴァイン中にデベロップが関わり出すと、彼らも我々の週例プレイテストに参加することが多い。この最終ステージの間も、我々は構築とリミテッドのプレイテストをおこなっている。リミテッドのプレイテストのほとんどはドラフトである。
《名誉の報賞》 アート:Izzy |
繰り返し
この最終ステージの繰り返しは、毎週変更が加えられるので、さらに頻繁になる。プレイテスト中に見つかった問題のあるカードについて手早くメモを取るのは当たり前の光景である。このステージでは、それぞれのカードが環境に全体としてどんな影響を与えるかに意識が向けられる。1枚のカードを変更すると、他の数枚のカードも変更しなければならないことはよくあることである。
こうして(まる1年かけて)デザインは終了し、ファイルがデベロップに引き渡されることになる。この手順の中で、リード・デザイナーは「デザイン理念」文書を作り、デベロップに展望とデザイン中のあらゆる判断について伝えるのだ。
「ゲーム、セット、マッチ」
今日の記事がデザインの全体像とそれぞれのステージについて理解する一助となれば幸いである。すでに述べたとおり、開発部の時間制限にとらわれないでもらいたい。我々にはかなりのリソースと経験があるが、発売スケジュールを守るための非常に厳しい締切も存在しているのだ。
いつもの通り、この記事や将来の「基本根本」で読みたい内容など、諸君の感想を楽しみにしている。メール、各ソーシャルメディア(Twitter、Tumblr、Google+、Instagram)で(英語で)聞かせてくれたまえ。
それではまた次回、龍のいる日にお会いしよう。
その日まで、我々がセットを作る楽しみと同様の、セットを作る楽しみがあなたとともにありますように。
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