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Making Magic -マジック開発秘話-
第一印象
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Making Magic
第一印象
Mark Rosewater / Tr. YONEMURA "Pao" Kaoru
2012年7月23日
賛美特集にようこそ。今週は、マジック2013で新たな命を吹き込まれた、アラーラの断片のバントのメカニズムについて話そう。今回のコラムでは、そのデザインについて語る中で、これまでこのコラムであまり触れてこなかったゲームをデザインする上で大切なこと、デザインしたものの「第一印象」について掘り下げたいと思う。そこには検討すべきことが存在するのだ。
断片のコピー
アラーラの断片のプレビューの時に、賛美のデザインについて少しだけ話した(リンク先は英語)。しかし、その時に話したのは全体のほんの一部に過ぎない。今日はその全体を話そうと思う。このメカニズムが作られた工程について掘り下げる前に、アラーラの断片のデザイン手法について思い返してもらうことから始めよう。ビル・ローズ/Bill Rose(開発部副社長にしてこのセットのリード・デザイナー)は、3人からなるミニ・デザイン・チームを5つ編成した。それぞれのチームが別々の世界を作ることになったのだ。バントのチームには、ブライアン・ティンスマン/Brian Tinsmanを筆頭に、ケン・ネーグル/Ken Nagleと私の3人がいた。
《アクラサの守護者》 アート:Alan Pollack |
我々は、この白を中心として赤や黒の影響のない世界の本質について時間をかけて話し合った。秩序と高貴さの世界だと感じていた。つまり、混沌や利己主義のない中で完結する世界であると。我々は、バントにも衝突があることを知っていたが、それは秩序だったものであるだろうと考えていた。バントのメカニズム的な中心を見いだすことは、この理念をどう戦闘に反映させるかということだったのだ。
やがて、我々は、総力戦というものが乱雑なもので白らしくないという考えにたどり着いた。そして、2つの陣営が何らかの問題を抱えたとき、軍隊全てをぶつけるのではなく、両陣営の代表となる戦士を選んで決闘させるのだという発想を得た。勝者の属する陣営がその衝突に勝つのだと(これはバントについてクリエイティブの提示したそのものではないが、クリエイティブのアイデアが我々の着想を助けてくれたのも事実だ)。この考えから、ブライアンは賛美というメカニズムを思いついた。一騎打ちを表現するにはどうしたらいいか? 1体だけが戦闘に参加し、他のクリーチャーはそれを(多分魔力でだと思うが、もしかしたらただ応援しているだけかも)助けるというのが有利になるメカニズムを作ればよいのだ。
今日の話題おいて重要な、今まで語ったことのない話はこれだ。私は、ブライアンがケンと私に初めて賛美というメカニズムについて語ったミーティングのことを覚えている。彼は、そのメカニズムのイメージを伝えるために数枚のカードをデザインしていたが、そのカードを見たときの私の感想は「気に入らないな」というものだったのだ。
なぜ気に入らなかったのか? そこには、大きな落とし穴があるように見えたのだ。このメカニズムを使うためには、1体だけで攻撃しなければならなくなる。これは、一時的な+1/+1という小さなメリットに比べ、あまりにも重いコストに感じられた。また、フレイバー的にもピンとこなかった。なぜ代表で戦う戦士を助けられるのは一部のクリーチャーだけなのか? 賛美を持つクリーチャーだけでなく、仲間なら誰だって彼を助けるべきではないか? さらに、賛美はそれほど魅力的には見えなかった。それを中心にして断片を構築しきることができるとは思えなかったのだ。
その後、実際にそれを使ってみた。
私は、自分が気に入らなかったからといって、それを使ってみることを否定するわけではない。カードを見るだけではわからないこともある。カードやメカニズム、あるいはセットを本当に理解するためには、それをシャッフルして使ってみなければならない。喩えて言うなら、車を買うときには調査にも時間をかけるだろうし販売員とも充分話をするだろうが、最終的には試乗してみるものだ。
さて、賛美に「試乗」してみて、重要なことがわかった。このメカニズムは――いい。すごくいい。一見すると弱く見えたが、実際にはそんなことはなくて、非常に強いメカニズムだ。特に、賛美カードをたくさん並べたときなどは相当のものだ。攻撃クリーチャーを使い捨てにしたところで、次から次へと同じだけの修整を受けたクリーチャーが出てくるのだから、そう簡単には対処できない脅威となる。一言で言うと、私はその短所を過大評価しており、長所を過小評価していたのだ。賛美は断片の中心になり得るものだった。しかし、多くのプレイヤーは私と同じように第一印象でこのメカニズムを弱いと評価してしまうだろう。それだけが問題だった。
第一印象と最終印象
このコラムで、メカニズムとは何なのかということについては重々語ってきた。どんなことをするのか、セットの中でどう振る舞うのか、どんなプレイヤー向きなのか。しかし、あまり語ってこなかった一面として、そのメカニズムを初めて見たプレイヤーがどんな第一印象を持つのかということがある。見ての通り、すばらしいセットを作るためにはメカニズムの出来は重要だが、そのいい出来をプレイヤーに見つけてもらわなければならないのだ。
それはつまり、セットを作る場合、作るものがどう受け取られるかを考えなければならないということである。現在、カードの理解にはいくつもの見方があるが、今回はその中の1つ、「第一印象」だけについて取り上げよう。それは、プレイヤーにそれの入っているセットを欲しいと思わせるものかどうかだ。これについて、4つのカテゴリーで見ていこう。(ここで言う「最終印象」は、実際にそれを何度も使ってみたあとでのプレイヤーの感想のことを指す。そのカードやメカニズムを充分経験して、どう感じたのか、だ)
第一印象○
最終印象○
これはもう、文句なしだ。見てもよし、使ってもよし。このカテゴリーはセットの初動も、それ以降の売れ行きも上げてくれるだろう。これが重要な理由には、ゲームにプレイヤーを引き寄せ、そして興奮させるものがあるようにしたいという願望がある。そして、ゲームを進めていくと、プレイヤーは自分の第一印象が正しかったことで満足する。正しいのは嬉しいことだ。
第一印象○
最終印象×
開発部はこのカテゴリーを「識別カード」と呼んでいる。一見するとよく見えるが、実際に使ってみるとその第一印象に及ばないというものだ。これらのカードは、探究のゲームであるマジックには重要だ。何もかもが見たままでないからこそ、プレイヤーは学ぶ必要がある。探究し、成長できるのだ。またこのカテゴリーのカードはいい第一印象を与えるので、プレイヤーにこれを手にしたいと思わせ、セットの初動を上向かせてくれる。
第一印象×
最終印象○
賛美はこのカテゴリーに入ると思う。一見すると悪いように思えても、使ってみるとそのメカニズムがどれほどいいものかがわかるというものだ。この分類のものも一つ前のものと同じように、悪いと思っていたものについて学ぶ探究の喜びを教えてくれる。あらゆるゲームにおいて、プレイヤーというものは自分が強くなったと実感したいものなので、成長はあらゆるゲームにおいて重要である。また同時に、自分が費やした時間(とお金)にそれだけの価値があったと感じたいものである。この分類に関する問題は、セットの初動を助けてくれないということだ。実際、このカテゴリーのものばかりになると、理論上、セットの初動が落ち込むことになる。利点は、これらのメカニズムは長い期間にわたってプレイヤーを熱中させることができるということだ。
第一印象×
最終印象×
諸君は、何をおいてもこのカテゴリーのものを避けるべきだ、と考えるだろう。初動にも長期的売り上げにも貢献しない。プレイヤーはこれを見ても使っても不満を覚える。それでは、なぜこのカテゴリーに入るようなカードやメカニズムを作るのだろうか? それは、選択肢がなければ探究できないからだ。一見して悪いカードが、使ってみたら常によいカードだったとしよう。そうなると、プレイヤーは「一見して悪いカード」は悪いカードではないということを学習するので、使ってみると実は、という驚きのつまったカードを作ることが難しくなる。あらゆる熟練度のプレイヤーにとって、悪いカードがあるということを理解させるのは重要なのだ。そして、そのために、このカテゴリーのカードが必要なのである。最後に、コミュニティを作るということにおいて、共通の文句を言うことは意味がある。敵の敵は味方というやつだ。
さて、それでは印象の4カテゴリーを示したところで、デザイナーがそれをどう使うのかということについて語るとしよう。
ルール1:どのカードやメカニズムがどのカテゴリーに入るかを理解すること
まず第一に、4つのカテゴリーを示した。これは、各カードやメカニズムがどのカテゴリーに入るかを理解することがデザイナーにとって非常に重要だと感じているからである。カテゴライズにはデベロップによる決定の影響もあるが、第一印象についてはコストよりも効果に依存する傾向があることに留意すること。
《戦の大聖堂》 アート:Kekai Kotaki |
その理由は、外部からの影響なしでパワーレベルを適正に評価できるプレイヤーというのはほとんどいないからである。少なくとも私はそう信じている。ほとんどのプレイヤーは、カードを評価するに際して、直接パワーレベルから関連していないものも含む、他の要素を用いる。人間というのは、実際に関連していること以外のことから評価してしまう生き物である。見ることができないものについて判断しなければならない場合、見ることができるものから判断してしまうのだ。
いい第一印象を与えがちな大きな要素はいくつか存在する。
a)簡明であること
これは奇妙に聞こえるかも知れないが、カードにとって最初にクリアーしなければならない課題はプレイヤーがその使い方を理解できるということである。人間というのは自分勝手なもので、理解することと評価することの間には直接の因果関係が存在する。もし理解できなければ、それはまったく話にならないという先入観を持つ。その一例が、あまりにもカード・テキストが多いカードが敬遠され、悪いカードだとだけ記憶されるという事実である。ルール・テキストの長さはパワーレベルには影響しないが、プレイヤーがすぐにわかることなので評価のために用いられるのだ。
b)意味がわかること
1つめの条件は、カードの効果をプレイヤーに理解させるということだった。こちらの条件は、プレイヤーにそのカードの効果の理由を理解させるということである。たとえば、「あなたのクリーチャーすべてを生け贄に捧げる」はわかりやすく、1つめの条件はクリアしているが、この2つめの条件には完全にあてはまらない。このカードで自分のクリーチャーを生け贄に捧げることができるのはいいが、なぜそうしたいのか、なぜこのカードをデッキに入れるのかがわからないのだ。
上で言った通り、人間というのは単純なものだ。注目しているものの質と、それに対する反応とを同一視する。そして、カードやメカニズムが何をするのかということを考え始めたら、すぐにそのものに対する否定的な意見を見いだすものである。最初の疑問は「なぜこれを使いたいのか?」であり、これで多くのカードを否定することになる。
c)明確な利点を示すこと
プレイヤーは新しいカードについて考えるのに時間を費やすが、第一印象というものはすぐにつくものだ。新しいカードを目にした瞬間に第一印象を持つ。もちろん時間が経てば考え方は違ってくるが、第一印象はカードの直感的なインパクトそのものなのである。
明確に良い効果を持つカードは、最初のハードルを簡単にクリアーできるものだ。「お、このカードは俺のクリーチャーを強化して、しかもトランプルをつけてくれるのか。いいじゃないか。これがやりたかったんだ」
考えなければわからないカード、特にプレイヤー側が努力を必要とするようなものは、多くのプレイヤーに警戒感を与える。「1体でしか攻撃できない? 総攻撃できないってことか。これはイマイチだ。それに、そのtターンに+1/+1を得るだけ? 大した強化でもないじゃないか。本当に欲しいのか、これ?」
ここでもう一度強調しておくが、第一印象はすぐにつくもので、感覚とか直感とかに由来するものだ。プレイヤーはカードをさっと評価するものであり、いかに時を経て印象が変わるとは言っても、一度「悪い」と決めつけられたカードが「良い」と評価されるようになるには多大なエネルギーがかかるのである。
d)フレイバー的であること
芳醇さの重要性については何度も語ってきた通りだ。カードやメカニズムをプレイヤーにすぐになじませることができるというのも、フレイバーの数多い利点の1つである。「おお、このカードはジキル博士とハイド氏なのか。あの話は好きだなぁ」
《荘厳な大天使》 アート:Cynthia Sheppard |
第一印象は、何からでも生じるものだ。プラスと思えるものからであれば、プラスの第一印象が。マイナスと思うものからであれば、マイナスの第一印象が生じる。重要なのは、カードは全体として捉えられるということである。つまり、カードのあらゆる断面が、特にカード名やイラストなどが、第一印象に大きな影響を与えるのだ。
最終印象がいいカードは、識別が少しばかり難しい。第一印象がその瞬間の決定に関与するとすれば、最終印象はカードやメカニズムについて長期的にどう考えるかということに関与する。最終印象を得るには、何度も何度もプレイする必要があるのだ。
カードが良い最終印象をもたらしたかどうかを識別するにはどうしたらよいか。基本的には、ゲームを楽しいものにしているのは何かということを理解するということから始まる。そのメカニズムがゲームプレイを向上させる何かになっていて、プレイヤーがそれを使い続けたいと思うようであれば、良い最終印象をもたらしたと言える。この種の良い感情というのは、経験から来るものである。
さて、どんなカードが良い/悪い・第一/最終印象を与えるかということを識別できるようになったところで、次のルールの話に入ろう。
ルール2:カードやメカニズムを各カテゴリーから選ぶこと
先に言った通り、どのカテゴリーも必要である。それぞれにはそれぞれの役割があり、それぞれが全てのセットにあることが重要なのだ。しばしば言っている通り、プレイヤーをこれだけ長い間惹きつけているのは、このゲームの絶え間ない発見である。マジックは常に変転し続けているので、退屈になることはない。この変転を保つために、プレイヤーに油断させるわけにはいかないのだ。それが、第一印象が重要だという理由である。
プレイヤーを満足させるにはいくつもの方法があるが、重要な方法としては、何かが定評を得る前にそれを見つけ出したとプレイヤーに認識させるというものがある。良いカードだと世間が評価する前に良いカードを見つけ出した、というものでもいいし、逆に悪いカードだと見切るのでもいい。どちらにせよ、プレイヤーの自尊心は満たされるのだ。
どういった印象も重要なものなので、各セットに各カテゴリーのものが存在するのはいいことなのだ。
ルール3:良い/悪い・第一/最終印象のバランスを取ること
賛美を使ってみて得た結論は、悪い第一印象と良い最終印象を持つメカニズムであるということだった。つまり、このメカニズムの持つ悪い第一印象を緩和するために、良い印象を持つカードを充分作らなければならないということである。ここで明記しておきたいのは、賛美というメカニズムを否定することは一切無かったということだ。我々はその価値を理解しており、考えていたことはこのセット全体をどうすれば賛美がその役を果たせるようになるかということであった。
《マイコロス》 アート:Raymond Swanland |
たいていの場合、私は単一のカードやメカニズムを取り上げてそのデザインについて話すことが多い。今回は、その範疇では収まらない話になる。セット全体の与える印象は、テーマ、ムード、フレイバー、メカニズム、それぞれのカードのデザインに至るまで、そのセットに含まれるあらゆるものの印象に基づくものだ。セットがどう受け止められるかを理解するには、一歩引いて、全てを見渡すことが必要になる。
賛美のあるアラーラの断片について語っているので、それを例に取ってみよう。アラーラの断片は、5つの独立した小世界、断片からなる世界だった。そこで、まず、各断片のメカニズムを見ていくことにしよう。
バント:これは賛美だ。このメカニズムには悪い第一印象を与えるという重大なリスクがあることはもうわかっている。
エスパー:あらゆる調査結果が、プレイヤーはアーティファクト・テーマが好きだと示していた。エスパーのアーティファクト・テーマは非常に直接的で、なじみのある「アーティファクト中心」の作りをしていた。また、色つきのアーティファクトは理解しやすく、魅力的だった。この断片は良い第一印象をもたらすと信じていた。
グリクシス:この断片のキーワード・メカニズムは蘇生で、これはクリーチャーの持つフラッシュバックの亜種のようなものだった。プレイヤーはフラッシュバックを好み、カードを再利用できるのを喜ぶという資料があったので、これもまた良い第一印象をもたらす断片であると確信した。
ジャンド:この断片のキーワードは貪食だった。これも、悪い第一印象をもたらす危険のあるメカニズムであった。プレイヤーの多くは生け贄に捧げるということを嫌うものなので、このメカニズムも売るのが難しいものだった。幸い、フレイバー的にはわかりやすかったので、それほど問題にならないだろうと考えられた。
ナヤ:この断片にはメカニズム的な問題があった。「パワー5以上」というのはキーワードではないので、ぱっと見て掴むのは難しかった。この断片は第一印象以前に誤解されるのではないかと我々は感じていた(後知恵になるが、ナヤにキーワードを与えなかったのは間違いだったと考えている)。
セット全体を見て、2つの断片、つまり2つのメカニズムは良い第一印象を与えるだろうと感じていた。ジャンドのフレイバーはメカニズムの悪い第一印象を打ち消してくれるだろうし、バントもそのメカニズムで悪い第一印象を与えるが、フレイバー的には最も芳醇なもの、いわゆるハイ・ファンタジーを提供できるだろうと感じていた。ナヤを一見で把握するのは難しいだろうとわかっていた。
賛美の魅力は、その最終印象にあった。プレイヤーがプレイを重ねれば、評価されるだろうし、それはどのセットにも必要なものだ。最初の一ヶ月だけウケるようなセットを作りたいわけではないのだから、プレイを重ねることで見いだされるような要素もセットには必要なのである。
話していることは非常に単純化しているが、リード・デザイナーにとってその全体像を荒づかみすることが重要だということを理解してもらえればありがたい。
ルール4:悪い第一印象/良い最終印象を持つメカニズムをリミテッドで使うように仕向けること
多くのプレイヤーに取って、リミテッドと構築はほとんど関係ない別の世界の話だと思われている。しかし、デザインにおいては重要な関連性を持つのだ。多くのプレイヤーに取って、リミテッドはセットへの導入である。プレリリースはリミテッドだし、多くの店では発売と同時にリミテッドが行なわれる。セットを理解し、カードを手に入れるためにドラフトは非常に人気のある手法だ。その理由は、プレイヤーは最新セットに触れたがるものであり、リミテッドはそのための最短コースだからである。
《グリクシスの首領、ネファロックス》 アート:Aleksi Briclot |
リミテッドがほとんどのプレイヤーにとって入り口であるということを理解するのは、悪い第一印象を良い最終印象に変化させるための重要なポイントだ。その手法とはこうだ。新しいメカニズムを、リミテッドで使わざるを得ないようなカードにつけるのだ(もちろん、そのためにはデベロップを買収して、コストやパワーレベルを適正にしてもらう必要がある)。
賛美に関して言えば、リミテッドで使わざるを得ないようなサイズにしたのがそれだ。そしてそれを使うということになれば、自然と賛美メカニズムを使ってみることになる。そして賛美を使ってみれば、その欠点が最初に思ったほどの足かせにはならないこと、長所が予想以上に大きいことがわかってくる。リミテッドにおける賛美のアドバンテージを理解し、それを活かしたデッキを組むようになるのだ。
リミテッドを通して理解すれば、構築にも反映される。カードやメカニズムがいずれかのフォーマットで有用であると証明されたら、それについての見方が変わり始める。賛美を使ってリミテッドで結果を残しはじめ、賛美を正しく評価できていなかったと気付いた諸君がオンラインで交わしていた議論を眺めるのは、楽しいものだった。
最終印象の話
この賛美のデザインに関する話が、セットに関してデザインやデベロップが意識しなければならないもう一つの面に関する諸君の理解の助けになったなら幸いである。新セットの受け取られ方については多くの要素が存在するが、セットそのものが良い形でなければならないのは当然のことだ。
いつもの通り、諸君からのこの話に関する反響を期待している。メール、フォーラム、ツイッター、Tumblr、Google+、なんでも結構だ。
それではまた次回、これまで話したことのない私の仕事の一面をお見せするときにお会いしよう。
その日まで、第一印象に関する熟慮があなたとともにありますように。
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