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新セットめった切り!

陣営対抗!『ミラディン包囲戦』めった切り!ミラディン編

読み物

新セットめった切り!

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 いよいよ発売日を迎えた新セット「ミラディン包囲戦」。

 そして新セットといえば、名物企画「めった切り」!

 今回はミラディン陣営とファイレクシア陣営が勢力を二分して激突する世界観を反映し、「陣営対抗」と題して、両陣営から一名の代表者を選出して、自軍のカードについて語っていただきます。

 ミラディン代表は...

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 プロツアー・チャールストン06優勝、数々のデッキを生み出したブレーンにして、前回「ミラディンの傷跡」で救世主として登場、当サイトでも週刊連載として『今週のリプレイ!』をスタートさせた、「電脳の伝道師」にして「世界のKJ」こと鍛冶 友浩!

 いったいどんな評価が飛び出すのか? それでは、早速いってみましょう!



最後のトロール、スラーン

 《トロールの苦行者》の最後の生き残りである《最後のトロール、スラーン》は、厳しい戦いをサバイブしただけあって、ただのトロールと比べてサイズと能力がかなりレベルアップしている。呪文、能力の非対象だけも厄介なのに、打ち消し呪文でも対処出来ないとなれば、このカードへの対策はかなり限られてくるだろう。固さが売りの《絡み線の壁》や、新しい全体除去《黒の太陽の頂点》といったカードくらいしか思いつかず、バウンスの使えない4/4には《精神を刻む者、ジェイス》も真っ青だろう。ファイレクシア軍との戦闘では感染に弱い気がするが、そこは神話レアをリミテッド環境で評価しちゃいけないってことで。

ゴブリンの戦煽り

 むかしむかしの赤の2マナ域は《精力的なレインジャー》が・・・というくだりはもう読み飽きたわけで、今は《カルガの竜王》や《板金鎧の土百足》といった、超のつくほど優秀なクリーチャーが存在する。その中でこいつが生き残る為には、新キーワード能力である喊声(かんせい)をどう活かすかが鍵になってくるわけだ。似た効果も持つカードに、レガシーでは《アトランティスの王》、スタンダードで《ゴブリンの酋長》が使われたりしていることから、種族無視の軽量ビートダウンや、《カルドーサの再誕》の様なトークン生成カードとの相性は抜群だろう。もちろん、自身もゴブリンなのでゴブリン構築も有力だが、いかがなものか。

知識槽

 テキストを一回読んだだけでは能力が頭に入らないヘンテコカードで、とても珍しい事に場に出ただけで少なくとも6枚のカードが刻印される。呪文を唱えるたび、その刻印されたカードの中から1枚を選べるのだけれど、何が刻印されるかは運しだい。多人数戦で使えば、さらに刻印されるカードが増えていき、その後のゲーム展開が全く予想出来ないが、《精神を刻む者、ジェイス》などで上手くライブラリーを操作すれば、《メムナイト》で《荒廃鋼の巨像》を呼び出したりも出来ちゃうのだろう。真面目に考えるとしたら、《定業》の様な軽量カードをふんだんに入れて、相手のデッキのカードで勝つことを目標にするがいいと思う。旧ミラディンで《分かち合う運命》というカードが使われる機会があったのだから、環境次第で新しいデッキが構築できるかもしれない。

ミラディンの十字軍

 憎きファイレクシア軍を殲滅するに十分な能力を持った勇者と呼ぶに相応しい逸材。こいつはやばい。何がやばいってまず、プロテクション(黒)にプロテクション(緑)がやばい、《見栄え損ない》も植物トークンのチャンプブロックも完全にスルーというやばさ。黒除去は効かない、緑のうざったいクリーチャーは無視できるわで、黒と緑を中心としたファイレクシア軍を相手にドヤ顔させてくれる最上級の戦士だ。昔は《ヴェクの聖騎士》が有難がられた時代もあったようだが、今やその程度のスペックでは完全に時代遅れといえるだろう。ライバルの騎士がファイレクシア軍に居るようだが、あっちは所詮二段攻撃を持たぬ三流。向こうがあくまで毒ダメージで攻めるのに対し、こちらは《肉体と精神の剣》や《饗宴と飢餓の剣》を装備させての攻撃で二度誘発させる能力がある。獅子奮迅の働きを見せてくれること間違いなしだ。

緑の太陽の頂点

 パッと見ただけでスタンダードに影響を与える存在であることはみなさんにもおわかりだろう。環境最強クリーチャーと名高い《原始のタイタン》を探せるこのカードは、同じデッキで良く採用されている《召喚の罠》では出来ないことを可能にする。だが、打ち消されたときの罠モードの{0}マナキャストだけは出来ないので、どちらが優れているのかは正直わからないが、逆にマナ加速として2枚目の《草茂る胸壁》を探したり、1枚挿しのシルバーバレット戦略を可能にすることをお忘れなく。エルフドラージなどでもデッキに4枚入りがちな《獣相のシャーマン》、《復讐蔦》といった優秀なクリーチャーの補強用としても優れており、とても期待している。

宝物の魔道士

 まず、考えるのは既に実績のある《粗石の魔道士》とどちらが良いカードなのだろうか、という問いだろう。これへの答えは、これからのスタンダードでは間違いなく《宝物の魔道士》になると思う。《ワームとぐろエンジン》に《精神隷属器》、《マイアの戦闘球》といったカードはすべてミラディンブロック構築で使われている超優秀カードたちで、それらを支えるマナブーストが《大建築家》。《宝物の魔道士》もマナソースと見立て、さらにロード効果で+1/+1されるとは、3マナのカードにしては能力が付きすぎてしまっている。《緑の太陽の頂点》と同様に、デッキに1枚のカードをチューターする構成がこれから流行りそうで、デッキ構築の幅が広がりがとても楽しみだ。

喉首狙い

 このカードを目にしたときはかなり驚いた。《オオアゴザウルス》のことではない。今まで《燻し》、《破滅の刃》のどちらを使おうか悩んでいた自分はなんだったのだろうか。アーティファクト以外を破壊するこの除去カードは、スタンダードのみに限らず、レガシーやエクステンデッドといった古いカードの使えるフォーマットでも強さを発揮するだろう。レガシーでは《剣を鍬に》があるので影響は薄いかもしれないが、特にエクステンデッドへの影響は計り知れない。《謎めいた命令》を擁するフェアリーに、《精神を刻む者、ジェイス》だけでなく、《喉首狙い》という除去呪文まで加わってしまったら、対抗出来るデッキは存在するのだろうか。

(注)《オオアゴザウルス》にはエラッタが出ています。


 以上、今回はここまで!

 ミラディンを守ろうとする気概にあふれた皆さま、新戦力の吟味はできましたでしょうか?

 本記事と同時掲載されている「ファイレクシア編」もぜひお楽しみください!


 本日の発売を記念して、この週末には「発売記念パーティ」が各地のショップで開催されます。この機会に、新カードを遊びつくしましょう!

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 今回はプロモーションカードとして《飛行機械の組立工》が配られます!

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 そのほか、詳しい情報はWPN通信第35回で説明されているので、ご参照ください。


 それでは、また次回お会いしましょう!

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