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週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」
「あなたにとってマジックとは?」第12回:千葉出店ショップ編 その3
週刊連載インタビュー「あなたにとってマジックとは?」第12回:千葉出店ショップ編 その3
by 瀬尾亜沙子
世界中で2千万人を超えるプレイヤーとファンを持つ世界最高の戦略トレーディングカードゲーム『マジック:ザ・ギャザリング』。この記事では、5月末開催の記念すべき「モダンマスターズ・ウィークエンド」から、8月末開催の「世界選手権2015」まで、「あなたにとってマジックとは?」というインタビューをまとめた記事を毎週連載していきます。
『マジック・オリジン』、この夏発売の新セットでは、5人のプレインズウォーカーが何故プレインズウォーカーになったのかという理由が明かされます。プレイヤーの象徴でもあるプレインズウォーカーにも、それぞれ違った人生背景が隠されているのです。では、「マジックプレイヤーは何故マジックプレイヤーになったのか?」そこにはどんなストーリーが隠されているのでしょう......この連載記事でその謎を明らかにしてみます。
さまざまな方に「あなたにとってマジックとは?」という質問を投げかけているこの企画。グランプリ・千葉2015の会場に出店していたショップ店員の皆さんに聞いてみたこのシリーズは、「ショップ編その1」「ショップ編その2」に続いてこれがラストとなります。
星野将一(ドラゴンスター 日本橋店)
――あなたにとってマジックとは?
星野:「人生」ですね。
――「人生」とおっしゃる方はけっこう多いですね。
星野:やっぱり、一言では語れないんですよ。まとめようとすると、やっぱり人生という言い方しかなくなってしまうと思います。マジックひとつで、友達を作ったり、その友達とマジック以外の別のことをしたり、こういった仕事につながったりと、すごくいろんなことができるんですよ。マジックから次々にやることを見つけられていって、終わりがないなってすごく思いますね。
――本当にそうですね。マジックを始めたのはいつですか?
星野:『ゼンディカー』のときです。もともとほかのカードゲームから移ってきたんですが、マジックにも興味があって、いきなり「The Limits」予選に参加したんですよ。その前に1回、大学の先輩に連れられてアラーラ・ブロックのドラフトをやってルールを覚えて、次に「The Limits」予選に参加して『ゼンディカー』のドラフトをやりました。
――いきなりリミテッドですか。どうでしたか?
星野:参加者16人くらいで上から4番目くらいには入りました。
――すごいですね。
星野:でもそこから全然勝てませんでした(笑) 今は統率者戦をメインにやっています。
――なるほど。お店で働くようになったのは?
星野:アルバイトからもともと始めたんです。昔から、自分の好きなことを仕事にしたいと思っていて、それがこれだ、と気づいた感じですね。
――性に合ってるという感じですか?
星野:楽しいですし、カードの相対的な強さが変わっていったり、それを予想したりするのも楽しいです。
――どういう基準で予想するんですか?
星野:スタン落ちしても下の環境で使うカードは安定株で強いですね。また、モダンやレガシー環境には皆さん目を向けるんですけど、僕の場合統率者戦がまわりで流行っているので「このカードが強いんじゃないか?」と思っていたら、統率者戦が盛んな海外で人気が出て、それにつられて国内でも人気が出るというのはよくある現象です。もちろん、予想が外れることもありますけどね(笑)
――なるほど。そのほか、仕事で気をつけていることはなんですか?
星野:お客さんとコミュニケーションを取る機会が、マジックはほかのカードゲームと比べて多いと感じますね。なんというか、知識が必要なゲームなので。自分の好きなものを人に勧めたかったら、やはり自分の知識も深めつつ、率先して教えないといけませんし。あとは入り口について案内することも多いですね。「ここから始めるのが始めやすいですよ」とか。
――それで実際お客さんが始めてくれたらうれしいですよね。
星野:「よっしゃ!」ってなりますね。
――どうもありがとうございました。
志田雅典(ENNDAL GAMES)
――あなたにとってマジックとは?
志田:「生きがい」ですね。始めたのはすごい最近なんですけど、レガシーを始めていろんなカードに手を出していて、どんどん深みにはまってます。
――マジックを始めたのは最近なんですか?
志田:『ラヴニカへの回帰』で友人に誘われて始めたのがきっかけです。最初はここの店の常連だったんですけど、働かないかとスカウトされて、今はバイトとして働いてます。
――常連からスカウトですか。そういう方はほかにもいらっしゃるんですか?
志田:うちの店だと、僕以外にも1人2人。
――選ばれし者たちがいるんですね。趣味を仕事にしたわけですが、カードを見るのもいやだみたいな感じになったりはしないですか?
志田:まったくならないですね。それは今後もないと言いきれます。
――カードを仕分けしまくるような仕事に飽きたりしないんですか?
志田:むしろ一番好きです。何時間でも続けられると思います。
――そうなんですか。どういうところが好きなんですか?
志田:限られた時間内にうまく、合理的にやるというのがすごく好きですね。
――なるほど。もとはお客さんだったということですが、中に入ってみて変わったことはありますか?
志田:カードの知識はむちゃくちゃ増えましたね。最初はエキスパンションとか、再版とかの区別つかなかったんですけど、最近だと白枠もぱっと見て見分けがつく程度にはなったので。
――年号を見ないと区別がつかなかったりしますが、そういうのもぱっと見でわかるんですか?
志田:『第4版』と『第5版』くらいは、さわったりとか見た目とかですぐわかりますね。たぶん初歩的な話だと思うんですけど。
――店員さんとしては初歩的なことなのかもしれないですが、すごいですね。マジックは「生きがい」ということでしたが、どんな瞬間に手ごたえを感じますか?
志田:うーん、ゲームに勝った瞬間とか、うまくプレイできたと思う瞬間ですかね。
――お店とは別に、趣味としてマジックをプレイしてるということですか?
志田:そうです。自分の店舗でもよく試合に出ますし、友人とフリープレイとか、よその大会に出たりとかもよくします。お店の常連さんとかと大きな大会に出るときは、みんなで何勝したか競ったりするのも楽しいですね。
――「店員としては負けられないぞ」みたいな?
志田:はい、変なプライドがあったりします(笑)
――楽しそうですね。どうもありがとうございました。
小室修(晴れる屋 成田店)
――あなたにとってマジックとは?
小室:「仕事」ですね。以前プロプレイヤーをやってたときも「仕事」だったんですけど、プレイヤーとしての仕事から、業界を盛り上げていくほうの仕事へと、関わり方が変わりました。
――プレイヤーのときも「仕事」だったんですか?
小室:プロとして最前線でやってたときはマジックメインで生活が回ってたので、仕事かなと。
――なるほど。お店で働くようになったきっかけは何ですか?
小室:なんかマジック勝てなくて、情熱わかないなーってときに、「暇ならちょっとやらない?」って言われて、そのままというよくあるパターンです(笑) もう3、4年くらい経ちましたかね。今は晴れる屋で働きつつ、齋藤(友晴)さんが目指す目標、「みんながハッピーになるマジック」を一緒に盛り上げていく形ですね。欲を言えば、両方ともやりたいんですけど。
――プロプレイヤーと店員を両方やりたい?
小室:そうです、今回のグランプリ・千葉は特に出たかったですね。『モダンマスターズ 2015年版』には(プロツアー・名古屋2005で優勝した際の)思い出深い『神河物語』のカードも収録されてるし。《伝承の語り部》はいないですけど(笑) こないだドラフトやったら、思い出補正も含めてすごくおもしろかったし、グランプリには出たいんですけど、出るためには仕事の後継者を育てないといけないですね。
――後輩を育てて悠々自適で引退できれば好きにできますね。
小室:でも、ブースも面白いんですよ。グランプリの販売ブースで責任者をしてて、準備は面倒ですけど、始まるとお店ならではの楽しさがあります。売れると思ったものがちゃんと売れたりとか。あと客層を読むというか、ほかのブースがこういうものに強みがあるからうちはあえて持って行く必要はないなとか、マーケティングじゃないですけど、そういう選定なんかもうまくはまると面白いですね。
――準備も小室さんがやるんですか。
小室:そうです、企画を出して通して。この什器をレンタルするとしたら賞品をどんなふうにして、下代がこうだからこれだけ利益が見込めるとか......。
――とても大変そうですね。
小室:大変です(笑) でも好きでやってることだし、お客さんが来て報われる感じです。
――どうもありがとうございました。
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