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コラム

金子と塚本の「勝てる!マジック」

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第19回:リミテッドのアーキタイプ

金子と塚本の「勝てる!マジック」 第19回:リミテッドのアーキタイプ

by 金子 真実 & 塚本 樹詩

登場人物:

金子 真実

ウィザーズ・オブ・ザ・コーストの人。塚本に押しかけられ突然弟子をとることになった。
好きな和菓子:抹茶アイスって和菓子でしたっけ? えっ、ちがう? じゃあ、あずきバーなら......これも違う?......じゃあ、お汁粉で。

塚本 樹詩

マジック初心者。マジックの大きな舞台での活躍を夢見て、金子に弟子入りした。とにかく元気。
好きな和菓子:実は......和菓子苦手なのですよ!餡子と体の相性が悪い!そんな僕が唯一美味しいと思えて、食べられるのは揚げ饅頭! あれはいいものだ。

前回の勝てマジ!

『リミテッド』のいろはを教えてもらった塚本、しかしやれることも多く迷ってしまう。そして、金子はそんな塚本に必殺技を教えるという。
それは一体......!? そしてかねこ君人形はどうなるのか!?


塚本「金子さん!今日は必殺技を教わりにきました!」

金子「ご自慢のかねこ君人形は教えてくれなかったのですか?」

塚本「それが......教えてくれなかったのもそうなんですけど......。」

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塚本「なんか増えちゃって。」

金子「......これはホラーだ!」

塚本「寝て起きると、いつもまわりに集合して、あたたかく見守ってくれるのですよ?」

金子「ひいぃーーーー!!」

塚本「......僕まで怖くなってきたので、本題に入りましょうか......。」

金子「そ、そうしましょう! 早速ですが、今まで教えてきた『リミテッド』の基本的な流れは、デッキの速度などを意識しつつも、その中で質の高いカードを優先してデッキに入れるというものでしたよね?

塚本「そうなんです。言っていることはわかるのですが、具体的に何をすれば良いのかわからなくもあり、慣れるしかないのかという悩みもあり......。」

金子「そんな貴方に今日教えるのは『アーキタイプ』という戦略です!」

塚本「『オーパーツ』!? 僕の知らないカードの種類ですか!?古代から存在する伝説のカードを使えば......確かに勝てそう!!」

(ぽふっ)

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塚本「わ!かねこ君人形が1体天に召された! 変なボケ方したからかな......。」

金子「今までずっと疑問でしたがボケてる自覚あったのですね!! ともあれ『アーキタイプ』というのは『構築』のノウハウに似ていますね。『構築』では自分で使用可能なカードのうちから最低60枚のデッキを作るのですが、『リミテッド』の限られた枚数の中で『構築』のようにコンセプトのあるデッキを作ろうとするのが、この『アーキタイプ』と呼ばれる戦略です!」

塚本「ということは?」

金子「今までの質の高いカードを優先してデッキを作るというお話をしてきましたが、これだとどこを目指すのかわかりにくいですよね? 『アーキタイプ』というのは、そのゴールを先に決めてしまおうという戦略です。

塚本「ほ......本当ですか!?」

金子「はい! 『アーキタイプ』を意識して作ったデッキの完成度が高ければ、強いカードの群れのデッキとも互角以上に戦えますよ!」

塚本「おおおおお!! でもコンセプトを決めてって、どうやって決めるのですか?」

金子先ほども少し触れましたが、『構築』のデッキを思い浮かべるのが近道ですね。
『構築』で強いコンセプトは強い! それに準じて『リミテッド』で使用するカードは、構築で使用するカードに比べて選択肢が圧倒的に少ないので、その中でもし『構築』のような『コンボ』が組めたら、それだけでもう有利なのですよ!」

塚本「確かに......質の高いカードのことばかり考えていましたが『コンボ』が決まれば、それだけで勝てそう!」

金子「そうなのですよ! 『コンボ』とまではいかなくても、最近はセット内でわかりやすく『こう組むのがオススメ!』と主張されていることも多いですね。セットの特色で固めたデッキを組むと『アーキタイプ』になるので、具体的な例を出して説明していきましょう!」

『マジック・オリジン』のアーティファクト・デッキ

金子「『マジック・オリジン』のセットにはアーティファクトに関するカードが複数枚あります。それらをかき集めてデッキを組めばシナジーを形成し、それぞれがカードも1枚分以上の働きをします! そしてそんな組み合わせが集まれば......!」

塚本「おお! カード単体の強さとは別に、アーキタイプによってカードの強さが変動していくんですね!

金子「そうなんです、カード単体の強さが一定ではない、というのが重要です! 今説明したコンセプトは、全体で大きなシナジーを形成するタイプのアーキタイプですが、1枚のキーカードを使って他のカードの強さを引き上げるコンセプトも存在します!」

『マジック・オリジン』のオーラ・デッキ

金子「1枚では何もしないクリーチャーですが、テキストの通りオーラを唱えるたびに効果が誘発するので、デッキに入っているオーラを擬似的に除去にできる強いコンセプトですね!」

塚本「《荒廃唱え》とオーラをかき集めるだけ! 簡単で強そう!」

赤黒ハスク

金子「相手のクリーチャーのコントロールを奪って、そのまま自分のクリーチャーの効果で生け贄にする! もっと噛み砕いて言えば......奪って食べる! わかりやすいですよね?」

塚本「これこそ『わあいコンボー!』って感じのする戦略ですね!」


金子「そして、最新セットである『戦乱のゼンディカー』でも、『欠色』や『同盟者』など、『アーキタイプ』戦略のできそうなキーワード能力がありますね。」

塚本「新しいセットでどんな『アーキタイプ』のデッキが組めるのか考えるのも、面白そうですね!」

金子「そうなのですよ!このような例は環境によって変わりますが、先ほどもいったとおり『構築』のデッキの中にヒントが隠されていたり、そのセットのキーワード能力をかき集めたりするといいでしょう。連載中の『行弘賢のよくわかる!リミテッド講座』なんかも参考になりますよ!(露骨な宣伝)」

塚本「渡されたカードの中に超強いカードがなくても、『アーキタイプ』の引き出しさえたくさん用意しておけば、なんとかなるかもしれない、ということですね!」

金子「そのためには、準備しておく必要がありますね。練習の方法として、『理想のデッキリストをあらかじめ自分で用意しておく』というものがあります。コモンを中心に同じカードは2枚までと制限し、特定のコンセプトのデッキを作ってみて、納得のいく構成のリストを完成させて、その理想のリストに沿ってデッキを組もうとする。最初はこれがいいでしょう。」

塚本「おおお!これなら僕にもできそう!最初はどんなミステリーかと思いましたが、蓋を開けてみると確かに楽しそうですね!まさに不思議を発見!といった感じです!!」

(ぽふっ)

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塚本「わあああ!金子さんの余命が!」

金子「ええええ!?その人形にそんな効果が!? そんなことよりも、次回からは、代表的なリミテッドのフォーマットである『シールド』と『ドラフト』についてより詳しく教えていこうかと思っています。まずは『シールド』から!!」

塚本「はい!今回で『リミテッド』にも楽しみ方があることがわかったので、もっともっと興味が沸きました!」

金子「それはいいことです!でも『アーキタイプ』だけでなく、ちゃんと強いカードでデッキを組むことも忘れないでくださいね?」

塚本「はい!見方によっては強いカードで固めてデッキを組むこともひとつのコンセプトだと思うので!もう大丈夫です!」

(ぽふっ)

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金子「えええええええ!? なんか黄色......?金色......? なのが増えてる......!?」

塚本「もしかして、親玉......?そんなことより僕は次回がとっても気になるので、次回も不思議はっ......。」

金子「ぼっしゅーーーーーーーと!!!」

続く。

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