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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

ある1枚のストラテジー:《石人の格》を活かしきるカワウソデッキ!(スタンダード)

岩SHOW


 1枚のカードからどれほどの戦術が拡がるか。これを考えるのもマジックの醍醐味。1枚1枚のポテンシャルを理解し、吟味し、デッキを完成させる……デッキビルダーの喜びここにあり。ということで今回ストラテジーを考える1枚は……

 

 《石人の核》!このアーティファクトの可能性は……まさしく無限大!なぜならこれは全てのクリーチャータイプを持つ多相という能力を持っているからだ。クリーチャータイプを参照するカードのすべてと相性が良いと言える。マナを加えるアーティファクトであり、5色のマナに対応しているのでデッキも選ばない。これ自体は通常時はただのアーティファクトで、4マナ支払うと4/4のクリーチャーになる。サイズは良いがコストは重めだ。クリーチャー化している時間もターン終了時までと短い。ただこれはソーサリーの除去を受け付けないという耐性であるとも捉えられるので、長所でもある。

 

 この核が輝くスタンダードのデッキと言えば、以前にも紹介した「黒単デーモン」!デーモンタイプを参照し、それをコントロールしていれば対戦相手がライフを失い自分が得られるようになる《不浄な別室》。これはデーモンであればクリーチャーでなくとも問題なく機能するので、核を置いているだけで毎ターン手札を増やしながら相手のライフを詰めていける。クリーチャー除去に引っ掛からないデーモンというのが素晴らしい!妨害されにくいシナジーで対戦相手を追い詰めるデッキとして、スタンダードでもコアなファンのシェアを獲得している。

 そしてこの度、この核の多相を活かした他のデッキも登場し、さらにコアなスタンダードプレイヤーの心を掴んでいる!1枚のカードがもたらすストラテジーが爆発するリストをご覧いただこう!

Ruochen Tang - 「アゾリウス・カワウソ」
地域チャンピオンシップ予選(アメリカ・ルイビル) トップ8 / スタンダード (2026年3月21日)[MO] [ARENA]
2 《マルチバースへの通り道
4 《神聖なる泉
4 《フラッドファームの境界
4 《不穏な投錨地
8 《
-土地(22)-

4 《渓間の洪水呼び
-クリーチャー(4)-
4 《手練
4 《乱動するドラゴンの嵐
4 《星間航路の助言
4 《縫い目破り
4 《ブーメランの基礎
4 《今のうちに出よう
2 《シグの命令
4 《嵐追いの才能
4 《石人の核
-呪文(34)-
2 《領事の権限
2 《悪魔祓い
3 《ピナクルの星檻
2 《安らかなる眠り
2 《呪文嵌め
2 《倦怠の宝珠
2 《勝利の楽士
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 このリストは……「アゾリウス(白青)カワウソ」!カワウソと言えば《嵐追いの才能》、この1マナのエンチャントは果敢持ちクリーチャーを供給しつつ、レベル2では墓地を再利用、《ブーメランの基礎》を使いまわす動きで果敢を誘発させつつカワウソを増やす、強烈なシナジーが炸裂する1枚なわけだが……この才能を採用しているだけではカワウソデッキとは分類されないだろう。

 カワウソデッキたる所以は《渓間の洪水呼び》にあり!3マナで瞬速を持ったこの洪水呼びは、クリーチャーでない呪文を瞬速で、即ちインスタントのタイミングで唱えられるようにする。ソーサリーであってもエンチャントであっても、隙鳴く相手の動きを見てから唱えられる。また、それらの非クリーチャー呪文を唱えると、能力が誘発。カワウソなどのクリーチャーをまとめてアンタップし、+1/+1修正を与える。全体に影響する果敢というところか。以前はこの洪水呼びに《永劫の活力》を組み合わせ、カワウソをタップしてマナを得て、呪文を唱えてカワウソらを強化しつつアンタップ、またマナを加え……というループを狙うデッキが注目を集めていた。

 様々なデッキの進化の中で、このカワウソデッキのムーブを目にする機会は減少した……が、ここにきてカラーをアゾリウスに変えた新たな装いのリストが登場!それもこれも《石人の核》が加わったおかげである。アーティファクトでありながらカワウソであるこれを、洪水呼びでアンタップ!《手練》などを唱えてはアンタップし、カワウソらがまとめて強化される……洪水呼びか核が複数枚並ぶと、むしろ呪文を唱えた方がマナが増えるなんて事態も。そうやって手札を回転させ、驚異的なサイズのカワウソで圧倒するのがこのコンボデッキの狙いだ。

 

 核を文字通りデッキの中核としたこのリストは、カワウソ以外のカードチョイスも素晴らしい。《乱動するドラゴンの嵐》は2マナで2枚ドローして1枚捨てる、ライブラリーを掘り進める手段でこれでコンボに必要なカードをかき集め、コンボが機能しだすと次のカードにつなぐための手段として重宝するわけだが……これはエンチャントとして戦場に残り、そしてドラゴンが戦場に出ると手札に戻る……そう、核はドラゴンでもある!というわけで一度使った嵐を回収して、唱えることが可能になっているのである。その動きカッコいいなオイ!さらに《シグの命令》はマーフォークをコピーできる。複数枚並べたい核をこれで増やしつつ、対戦相手のクリーチャーをタップしたりしながら時間を稼ぎ……カワウソで殴れる状況になれば絆魂付与で序盤に負った傷を癒すべし!

 スタンダードのタイプ参照カードを投入してスマートな仕上がりになっている「アゾリウス・カワウソ」。これぞ1枚から拡がるストラテジーを詰め込んだ、宝石箱のようなデッキだ。さあ、君も《石人の核》を活かすデッキ、考えてみよう!

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