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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:補充コンボ、再び(Premodern/プレモダン)

岩SHOW


 マジックというクールすぎるコンテンツを掘り下げるためにクールなカードやデッキを語る「今週のCool Deck」。さて今回は……これまで取り上げたことがない新しい試みといってみよう。今話題のマジックの遊び方……「Premodern/プレモダン」について!

 これは構築フォーマット名であり、モダン以前というフレーズが示す通り使用可能なカードはモダンで使用可能な『ミラディン』以降の真逆、『スカージ』以前のセットに限られる。『基本セット第4版』~『スカージ』という、いわゆる旧枠と呼ばれるカードのみを使ってデッキを構築する……一部の愛好家からスタートしたこの遊び方は、世界中のマジックプレイヤーに響く者であり、静かにそのブームの輪を広げていった。そしてMagic Onlineでも公式のリーグ戦が開催されるようになった。ファンの遊び方が公式に届いたというケースは、過去にもEDHが統率者戦になったというクールな事例が存在する。

 プレモダンの理念は「他のフォーマットで活躍できていないカードにスポットライトを当てる」というものである。過去のカードのみでのデッキ構築なので発展性はない……しかしながらなかなか居場所が見つからないカード達を輝かせる場所があるって、最高にクールじゃないか。皆の手元に眠っている思い出深いカード達を、再びスリーブに入れてシャッフルする時が来たというわけだよ!僕もデッキを組もうと、押し入れからカードを引っ張り出しているところだ。というわけで今回はこのPremodernより、海外の大規模トーナメントを制したリストをピックアップ!

Sara Schaefer - 「補充」
Duress Crew Presents: New England Premodern Winter Regional 2026 優勝 / Premodern (2026年2月21日)[MO] [ARENA]
4 《溢れかえる岸辺
4 《アダーカー荒原
3 《広漠なるスカイクラウド
4 《古えの墳墓
5 《平地
5 《
-土地(25)-

3 《翻弄する魔道士
-クリーチャー(3)-
4 《剣を鍬に
2 《もみ消し
4 《調律
3 《大あわての捜索
3 《直観
4 《補充
4 《オパール色の輝き
4 《パララクスの波
2 《浄化の印章
2 《静寂の命令
-呪文(32)-
2 《マナ漏出
1 《水流破
1 《青霊破
1 《翻弄する魔道士
4 《オアリムの詠唱
1 《中断
1 《暖気
2 《赤の防御円
2 《賛美されし天使
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 このリストは往年の名コンボ「補充」!その名の通り《補充》がキーカードだ。墓地のエンチャントを全て戦場に戻すという豪快な特殊リアニメイト呪文である《補充》、その強みを最大限に引き出すパワフルなコンボが、参加者131名のトーナメントで堂々の優勝となった。

 補充コンボの狙いはシンプル。青のカードを中心に、手札を捨てて墓地にエンチャントを送り込む。それらをまとめて戦場に繰り出すわけだが、その中に《オパール色の輝き》を含ませる。このエンチャントは、他のオーラでないエンチャントをクリーチャーに変える。パワー/タフネスはそれのマナ総量になるわけで、これでエンチャント・クリーチャー軍団を集結させて一気に殴り勝つことを狙っている。これがね……『ウルザズ・デスティニー』当時のスタンダードで、それはもう強くてカッコイイ、皆の憧れのクールなデッキだったのだ。

 

 この補充コンボならではのカードが、《パララクスの波》!消散という戦場に存在できるターン数が限られた能力を持つパーマネントの1つで、これは消散カウンターを取り除くことで対戦相手のクリーチャーを追放できる。波が戦場を離れるとこれらのクリーチャーは戦場に戻ってくるため、時間稼ぎ的な除去であるのだが……《補充》で飛び出して《オパール色の輝き》でクリーチャーが複数体並んでいる状況であれば、これで対戦相手のブロック役をすべて追放して一気に勝負を決められるというわけである。消散で生け贄になり墓地に落ちるという点も《補充》と噛み合っており、コンボが決まるまでのセットアップ中はパララクスで対戦相手の猛攻をしのぐのだ。

 またオパール軍団の中に紛れ込んでいると勝負を決めてくれる存在となるのは他にも《静寂の命令》がある。対戦相手が呪文を唱えるとそれを自動的に打ち消してくれるというクールすぎる誘発型能力の持ち主で、合計3回打ち消すと生け贄となってしまう。しかし《補充》が通って、後は返しのターンで殴るだけという状況であればこの3回で実質的に完封してしまえる。マナ総量も8と重く、オパールでクリーチャー化させるにはもってこい。こういったカードはレガシーやヴィンテージでも使用可能ではあるが、活躍させるのはなかなか難しい。そんな名カード達が時空を超えたフォーマットでその力を発揮する…最高にクールなことではないか。

 

 補充デッキで重要なのは、墓地にエンチャントを落とす手段である。現在のマジックでは切削や諜報など墓地にカードを置く手段は豊富だが、実はプレモダンの時代だとそれが限られてくる。補充コンボでは青のドロー呪文を用いる。カードを引いて手札を捨てるというアクションがこのコンボを支えている。

 中でも補充デッキを象徴する1枚が《調律》だ。戦場に出してからこれを手札に戻すことで能力を起動。3枚引いて4枚捨てるという大規模な入れ替えを行う……他のデッキではかなり使いにくいカードだが、墓地に1枚でも多くのエンチャントを落としたい補充の狙いとはバッチリ噛み合っている。何よりこの《調律》自体がエンチャントなので、後々クリーチャーとして戦場に出てきてくれるのが拍手ものだ。

 そして《大あわての捜索》……レガシーでも禁止されているような超パワーカードがプレモダンでは使用可能!このインスタントはカードを2枚引いて2枚捨てるという手札入れ替えに過ぎないのだが、土地を3枚アンタップするというとんでもないオマケが付いてくる。実質的にマナが不要なフリースペルというやつで、手札を入れ替えて即《補充》というような動きを可能にしてくれる。なんだったら《古えの墳墓》をアンタップすればマナが増える!《大あわての捜索》を用いるデッキはこの環境で他にも色々と見られるので、このぶっとんだインスタントを体感したいというのは、プレモダンを遊ぶ動機として十分すぎるものだ。他にも往年の名カードが躍動しているので、思い入れのあるカードがあれば是非ともデッキを作ってプレイしてみてほしいね。

 プレイヤー達の動きが新しい遊びを生み出す、これもまたマジックのクールな側面だ。君のプレイが世界に響くかもしれない……無限の可能性を信じて、今日も明日もこのクールなゲームをプレイしようじゃないか。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool!Create a new flow‼

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