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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:塗り替えられるマジック観、エスパー眼魔(スタンダード)

岩SHOW


 マジックのクールなカードやデッキを紹介し、その奥深さを味わう「今週のCool Deck」。さて今回は……新カードがもたらすクールさについて。新しいセットのリリースなどで使用可能なカードが増えると、何が起こるのか?既存のデッキが強化され、また全く新しいデッキが誕生し……大袈裟に言うならそれまでのマジック観が塗り替わる。

 そんな塗り替えの中でも個人的に「これクールだな」と感じるのは、単に新しいカードが縦横無尽に駆け回るだけでなく、その登場によりこれまで目立たなかったカードが突如としてスポットライトの当たる舞台にグイッと引き寄せられてくる、その瞬間を目撃した時だ。たとえば最近であればこんなカードが輝きを放っていて、クールだなぁ良いねぇとしみじみ思ったものだ……。

tarkanmag - 「エスパー眼魔」
Magic Online Standard League 5-0 / スタンダード (2026年2月16日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
4 《湿った墓
4 《神無き祭殿
4 《グルームレイクの境界
4 《ブリーチボーンの境界
1 《地底街の下水道
1 《
1 《
-土地(23)-

4 《月影
4 《似姿の物あさり
3 《鉄盾のエルフ
4 《忌まわしき眼魔
3 《黄昏の占者
4 《ベイルマークの大主
2 《量子の謎かけ屋
4 《空虚
1 《マネドリ
-クリーチャー(29)-
3 《報いの呪詛
3 《苦々しい勝利
2 《救いの手
-呪文(8)-
1 《報いの呪詛
2 《戦略的裏切り
2 《悪魔祓い
2 《軽蔑的な一撃
3 《強迫
2 《除霊用掃除機
3 《カルシの帰還者
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 このリストはスタンダードのもの、白青黒のエスパーと呼ばれる3色のデッキ。このデッキのキーカードは《忌まわしき眼魔》!3マナ5/5飛行という驚異的なスペックと、墓地のカード6枚追放というヘヴィな追加コストを併せ持つ、クールな青い目玉だ。眼という希少なタイプの持ち主なのもたまらない。

 このクリーチャーをスタンダードで使うデッキというと《救いの手》を用いたものが思い浮かぶ。手札から捨てたり切削や諜報といった能力でライブラリーから落としたりなどして《救助の手》で釣り上げることで、簡単にこの眼魔を戦場に出せる。眼魔は対戦相手のアップキープに戦慄予示なるクールな名称の能力でクリーチャーを殖やしてくれる。裏向きのクリーチャーがうまくいけば次なる眼魔になったりして……兎に角対戦相手からするとかなりイヤ~なクリーチャーである。

 この眼魔×《救助の手》デッキは一時期のスタンダードで頂点に君臨するほど登り詰めたが、ローテーションの影響でデッキのパーツが失われて以降は、目にする頻度が激減。そんなアーキタイプをMagic Onlineのリーグ戦全勝リストの中で見つけて、クールさに胸が躍ったものだ。

 

 そんな眼魔デッキが謎このタイミングで再浮上したのかというと、答えは『ローウィンの昏明』がもたらした《空虚》!これが先述の失われたパーツを埋める形になった。《救助の手》以外の軽量リアニメイト呪文という枠を担うのである。白マナ2つの想起コストで唱えれば、眼魔を墓地から戦場に戻すことが可能。そして黒マナ2つで払った場合には除去になるという柔軟さがこのカードのクールなポイント。ゲームが長引けば3/5という本体に眼魔がついてきて相手のクリーチャーを除去という、クールすぎるバリューをもたらすヤベーヤツなのだ。

 そして地味ながら眼魔を墓地に贈る手段として加わった《鉄盾のエルフ》も良い味を醸し出している。マナが不要で手札を捨てられるクリーチャー、2マナでパワー3と高めの打点を兼ね備えているのが偉い。黒単色の2マナ域にこういう選択肢が増えたことで、色んなデッキのクールの幅が広がった。エルフで捨てて空虚で釣れ!そして……

 

 釣り上げたのであれば、その眼魔を《黄昏の占者》でコピーするべし!墓地から戦場に出るか、墓地から唱えられるかしたクリーチャーをコピーするという、THEダメ押しな1枚。《救助の手》や《空虚》が2体の眼魔だった李ほかのクリーチャーになるという、質だけでなく量のアドバンテージも貪欲に狙っちゃおう!このクールな誘い、乗らない手はないよなぁ。

 

 《月影》もまたクールな新戦力である。いずれかの領域から自分の墓地にパーマネントが置かれることで-1/-1カウンターが取り除かれて強くなる、そんな育てがいのあるクリーチャーは眼魔とそれを取り巻くカードで構成されたデッキと噛み合っている。序盤にプレッシャーをかけてこれに除去を使わせることで、眼魔の弾除けになれば十分。うっかり生き登れば対戦相手をボコボコにしてくれると、1マナ域にして高性能なエレメンタルだ。

 さてこの《月影》の登場もあってここにきて注目度が上昇!という1枚が《似姿の物あさり》。手札を入れ替えるルーターと呼ばれる能力で、新しいカードを引き込みつつ手札の眼魔やクリーチャーを墓地に落とし込む。そしてXマナ支払うことで墓地のマナ総量X以下のクリーチャーのコピーになる。つまり①支払って《月影》のコピーになれる。《月影》は-1/-1カウンターが6個乗った状態で戦場に出るという形のデメリット能力を持っているため、すでに戦場に出ている物あさりがコピーになれば、これをまるっきり無視出来る。たった1マナで7/7威迫という超スペックを我がものとし、さらに飛行も持っているというこのクールさ……眼魔に頼らずとも勝てるデッキに仕上がっているというわけだな。

 《空虚》や《月影》といった新カードが加わることで最近静かだった《忌まわしき眼魔》がその瞳を再び開いたり、また《似姿の物あさり》がここにきて大注目カードになりあがったり……新セット、新カードがもたらすクールな影響を実感できる「エスパー眼魔」。次なるセット『マジック:ザ・ギャザリング | ミュータント タートルズ』でもクールすぎるカード達がまたマジック観を塗り替えてくれることだろう。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Repaint your values‼

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