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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

アブザン・パルヘリオン:その新戦力は並外れている(パイオニア)

岩SHOW
 

 「なんちゅう強さや!」これが《並外れた語り部》を見た最初の印象で、そしてそれはリリースから約1か月経過した今も変わらない。世界王者への副賞である、自身がアートに描かれ、フレイバーテキストにも名前が残るプレイヤー・スポットライト・カード。2023年に優勝したジャン=エマニュエル・ドゥプラ/Jean-Emmanuel Deprazがその名を刻んだこのエルフは、どこをどう取っても強い。

 戦場に出た時に手札を捨てて、代わりにクリーチャーカードをサーチ。探してくるクリーチャーには色やマナ総量の制限はなく何でも持ってこれるのが強い!さながら名カード《適者生存》であるかのようなこの能力、《適者生存》と違って何を捨てても良いという自由度の高さも素晴らしく、持っていても嬉しくない余った土地などが最高のクリーチャーに早変わり。さらに自身でないパーマネントをアンタップする能力も持っている、起動にマナこそ必要だが、アンタップするパーマネントが複数のマナを加えるのであればマナ加速として機能するという、なかなかのやり手。それでいて3マナでタフネス4と堅い壁役になれて、パワー2あるのでいざともなれば攻撃にもいける。そしてエルフとドルイドというタイプ自体にも恩恵がある……なんちゅう強さや!額面だけでも強さが分かるカードだが、プロツアーやその他のトーナメントでも活躍している姿を見ると、やっぱりヤバいカードだったんだなと……世界王者を冠するカードは伊達じゃない!

 そんな《並外れた語り部》の強さはスタンダードに留まらず、パイオニアやモダンでも存在感を発揮している。クリーチャーを何でも持ってこれるのだから、それがキーカードになるコンボなどにはもってこいの1枚なのは言うまでもないよね。というわけで今回はこの語り部参入で強化されたデッキを紹介しよう。パイオニアより「アブザン(緑白黒)パルヘリオン」だ!

Strongmind - 「アブザン・パルヘリオン」
Magic Online Pioneer Challenge 32 準優勝 / パイオニア (2026年2月14日)[MO] [ARENA]
3 《マルチバースへの通り道
1 《神無き祭殿
4 《寺院の庭
4 《秘密の中庭
4 《花盛りの湿地
1 《草萌ゆる玄関
1 《低木林地
1 《見捨てられたぬかるみ、竹沼
1 《耐え抜くもの、母聖樹
1 《平地
1 《
-土地(22)-

3 《ラフィーンの密通者
1 《勝利の楽士
4 《並外れた語り部
4 《大牙勢団の総長、脂牙
2 《ベイルマークの大主
1 《空虚
-クリーチャー(15)-
4 《思考囲い
3 《苦々しい勝利
3 《蓄え放題
3 《ウィザーブルームの命令
4 《エシカの戦車
1 《領事の旗艦、スカイソブリン
1 《轟雷のブルードワゴン
4 《パルヘリオンⅡ
-呪文(23)-
2 《強迫
1 《屍呆症
3 《致命的な一押し
2 《消失の詩句
2 《害獣駆除
1 《第三の道のロラン
1 《未認可霊柩車
2 《夢を引き裂く者、アショク
1 《黙示録、シェオルドレッド
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 5/5飛行・先制攻撃・警戒というスペックに加えて、攻撃すると4/4飛行・警戒の天使2体を生成する超強力機体である《パルヘリオンⅡ》。これらの天使は攻撃に参加している状態のため、相手に飛行持ちのブロック役がいなければこれで攻撃するだけで13点のダメージが叩き込まれる。そして警戒持ちのパルヘリオンとトークンが立ち塞がるので、返しの相手の攻撃にもにらみを利かせられる。この《パルヘリオンⅡ》の弱点は兎に角マナコストが大きいことだが、それをどうにかしてくれるのが《大牙勢団の総長、脂牙》。戦闘開始時に墓地の機体を戦場に戻しそれに速攻を付与するという、唯一無二の能力の持ち主。これで釣り上げられた機体はターン終了時に手札に戻ってしまうが、それを差し引いてもあらゆる機体のコストを踏み倒せるというのは破壊力抜群。

 この能力でパルヘリオン初め様々な機体を、そのマナコストを無視して戦場に繰り出すのを狙うのがパイオニアの各種パルヘリオンデッキ。脂牙のパワーが4であるため、自分で釣り上げたパルヘリオンにそのまま搭乗できるというのが素晴らしく噛み合っている。パイオニアを代表するコンボ要素を持ったビートダウンデッキとして、長らくその地位を確立していた。そこに《並外れた語り部》の登場である。手札からパルヘリオンを捨て脂牙を持ってくる。誰もが思い描いた単純にして最高のコンボへのセットアップが、このエルフ1枚で行えるようになった!というわけでデッキパワーは一段階上に上昇、現在のパイオニアの中心にあるのがこのデッキなのだ。

 

 このパルヘリオン系のデッキの強みは、墓地対策などでコンボが封じられても《エシカの戦車》などの機体を素出しして殴り勝てるという点。コンボが決まれば勝てる、そうでなくても完全依存はしていないという絶妙なバランスがこのデッキのシェア獲得に繋がっている。特に《領事の旗艦、スカイソブリン》《轟雷のブルードワゴン》など、クリーチャーなどのパーマネント対策になる機体は、釣って良し素出しして良しと、このデッキの対応力を上げる重要なカードだ。

 そして語り部と共にやってきた新カード、《空虚》にも注目!このインカーネーションは支払ったマナの色に対応した能力が誘発する。想起コストで支払うことでゲーム序盤にも唱えることが可能で、対戦相手のクリーチャーが気になるなら黒マナに関する能力で除去できる。白マナの能力は墓地からマナ総量3以下のクリーチャーをリアニメイトするというもので、これは各種カードの切削や対戦相手の妨害で墓地に落ちた脂牙を釣り上げるための手段になる。

 そして!この《空虚》、想起で唱えた際には生け贄に捧げねばならないが、それを解決する前に機体に搭乗させることができる。これをタップして先に上げたようなパワー3を要求する機体をクリーチャー化させ、このエレメンタルの骨の髄まで味わおう。勿論語り部でアンタップして2つの機体に乗せるなどということも可能だ。こういうカードをどれだけ活かせるか、プレイヤーの腕が問われる面白い1枚が加わったことでこのパルヘリオンはよりエキサイティングなデッキへと進化したわけだ。

 特定のクリーチャーカードで勝利するデッキ、特にコンボ要素が強いものは《並外れた語り部》を試してみるべし!あのデッキやこのデッキも、一段階上に化けるかもよ?さあ、世界王者に相応しい1枚で、様々なフォーマットで勝利を掴もう!

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