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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

イゼット・スペレメンタル:《刻み群れ》を唱えるために(スタンダード)
《刻み群れ》の異常なまでの存在感。まず絵が怖い。歯がジャキジャキに生えた鳥の怪物……その両サイドにお風呂に浮かべるアヒルの化け物みたいなのが並んで飛んでいる。ローウィンという次元は比較的牧歌的で安全そうに見えるが(シャドウムーアは除く)、こんなのがフワフワ飛んでると思うと行きたくはないなぁ。
そしてそのマナコストもインパクトがある。{7}{U}{U}、9マナのクリーチャーというだけでキャラが立っている。そしてその割にスペックは控えめに見える5/5飛行。しかしオマケでついてくる誘発型能力が、このコストも納得の大技。エレメンタルでないクリーチャーをすべてバウンス!盤面が文字通り吹き飛ぶぞ。この能力を解決した瞬間にゲームが終わるのはザラで、なんだったら自分のエレメンタルでないクリーチャーが戻るのはメリットにすらなる。
この《刻み群れ》が多くの注目を集めているのは、上記のパワフルなエレメンタルを、まじめに9マナ支払わずに運用できるからだ。自身のエレメンタルの中で最重量のコストを持つものを参照し、そのマナ総量分だけコストが軽減される。4マナのエレメンタルがいれば5マナと一気に軽くなる。そのためスーパーヘビー級でありながらミドル級くらいの感覚でスピーディかつスムーズに現れる、リミテッドでも構築でも各フォーマットを沸かせるパワーカードとして、世界中のプレイヤーをエキサイトさせている。
構築フォーマットであればスタンダードで、各種エレメンタルデッキがこれを逆転の一手、絶対的なフィニッシャーとして採用している。《炎束ね》《再点火、アシュリング》など沢山のエレメンタルを採用した「これぞエレメンタル」というリストも強くて楽しいが……一方で一風違った味付けのものもある。
| 2 《マルチバースへの通り道》 4 《蒸気孔》 4 《尖塔断の運河》 4 《リバーパイアーの境界》 6 《島》 -土地(20)- 4 《かまどの精》 4 《渦泥の蟹》 3 《刻み群れ》 -クリーチャー(11)- |
4 《選択》 4 《手練》 3 《愛着を捨てる》 4 《冬夜の物語》 4 《噴出の稲妻》 1 《跳ね弾き》 2 《焼きつけ》 1 《氷河の龍狩り》 3 《呪文嵌め》 1 《呪文貫き》 1 《スパイダーセンス》 1 《今のうちに出よう》 -呪文(29)- |
2 《紅蓮地獄》 1 《推進機構の切断》 2 《無効》 1 《呪文嵌め》 1 《軽蔑的な一撃》 1 《スパイダーセンス》 3 《魂標ランタン》 1 《液状の重罪犯、ハイドロマン》 1 《刻み群れ》 2 《轟く機知、ラル》 -サイドボード(15)- |
「イゼット(青赤)スペレメンタル」。先のプロツアーで登場した新アーキタイプである。スペレメンタルはSpell とElemental を繋げた造語。スペルとは呪文のことであり、アーキタイプ名などで用いられるこれはインスタントとソーサリーを中心とした非クリーチャー呪文のことである。
現行のスタンダードには墓地に落ちたインスタントとソーサリーの枚数を参照するカードが多く見られる。それらの中に、墓地のスペルの枚数分コストが軽減されるエレメンタルがいる。《かまどの精》、これは精と名乗っているぐらいだからエレメンタルなのは当然として...《渦泥の蟹》、カニ!お前もエレメンタルだったのか!これまでそのタイプが注目されることはなかったが、《刻み群れ》の登場がこのカニの立ち位置を大きく変えた。スペルを唱えたり捨てたり切削したりしながら墓地に送り込んで、それらでコスト軽減したカニやかまどを低コストで唱える。それらはマナ総量が大きいため、続けざまに《刻み群れ》を唱えることなど容易い!コスト軽減が次なるコスト軽減に繋がるという構図はとても面白い、科学や数学っぽくて実にイゼットらしい。
《選択》《手練》を連打して土地やスペルなどその時に必要なものを探り当てるという動きがこのデッキの基本ムーブ。土地の枚数を20枚に抑えて、ドロー呪文でガンガンとデッキを回していく感覚はこの手のスペルデッキ特有のもので、クセになるプレイヤーも多いことだろう。《愛着を捨てる》のような手札を捨てるドロー呪文も、普通のデッキで使えば悩ましいものだがこのデッキならスペルを捨ててエレメンタル降臨に繋がるポジティブな要素になる。
《冬夜の物語》も3枚引いて2枚捨て、上手くいけばこれ1枚で墓地に3枚分のスペルカウントになる。場合によってはクリーチャーを捨てて手札のロスを1枚に抑えても良い、しっかりアドバンテージを取って手数の勝負で負けないように。この冬夜は墓地からも唱えられるため、気軽に捨てられるという点でも優秀だ。
それ以外の部分は打ち消し呪文が色々と散らしてあり、そして《焼きつけ》などのクリーチャーに触れる手段も。この除去の枚数は、それほど多くはないことに注意。《渦泥の蟹》によるタップと《刻み群れ》のバウンスを頼りにしているところもあるので、しっかりと除去打ちどころを判断してライフを繋ぎ、エレメンタルたちからの逆転劇というゴールへ辿り着くように心がけよう。もちろん対戦するデッキがクリーチャー主体のものばかりだ!と感じたら除去の枚数を増やすなど、バランスは各自で要調整だ。特にエレメンタルデッキ、同型相手には《刻み群れ》が通用しないので、《焼きつけ》のような除去はより重要なものになってくるぞ。
「イゼット・スペレメンタル」は独自のプレイ感覚を堪能できる逸品だ。《刻み群れ》という大いなる1枚、その持ち味を生かし切りゲームの支配者となろう!
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