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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:バント全知にスポットを当てる(スタンダード)


 マジックのクールなカードやデッキを愛でる、語る、味わい尽くす!毎週お馴染みCoolなDeckを堪能する金曜日がやってきた。今回はもちろん、プロツアー『ローウィンの昏明』にて使用されたスタンダードのデッキを掘り起こす!

 トップ8に残らなかったりフィーチャーマッチに選ばれなかったりで、目立つことはなくトーナメントを終えたデッキたちがある。それは確かにトーナメント中はスポットライトをあまり浴びなかったかもしれない。しかしプロツアーのような大きな舞台では、全参加者のデッキリストが公開される。このクールな財産、デッキの海に潜り、素晴らしいリストをディグる……そんな喜びを味わえる時間がやってきたのだ。

 歓喜の刻……そしてやはり最高の舞台プロツアー、ぐっとくるリストがあるじゃないか……

Jody Keith - 「Bant Omniscience」
プロツアー『ローウィンの昏明』 / スタンダード(2026年1月30~2月1日)[MO] [ARENA]
4 《吹きさらしの要塞、アダージア
1 《繁殖池
3 《魂の洞窟
4 《フラッドファームの境界
1 《神聖なる泉
4 《マルチバースへの通り道
3 《寺院の庭
4 《巨大な神核、ウスロス
1 《ウィローラッシュの境界
-土地(25)-

2 《鳴り渡る龍哮の征服者
3 《並外れた語り部
4 《救助のけだもの、コーナ
4 《マラング川の執政
1 《屑鉄撃ち
2 《勝利の楽士
-クリーチャー(16)-
2 《星間航路の助言
2 《失せろ
4 《全知
4 《乱動するドラゴンの嵐
3 《縫い目破り
4 《食糧補充
-呪文(19)-
1 《跳ねる春、ベーザ
1 《鳴り渡る龍哮の征服者
2 《審判の日
1 《クチルの側衛
2 《ミストムーアの大主
1 《量子の謎かけ屋
2 《安らかなる眠り
1 《スパイダーセンス
2 《声も出せない
2 《勝利の楽士
-サイドボード(15)-
 

 「バント(緑白青)全知」!今大会での使用者は2名、同類であるシミック(緑青)カラーのモノを含めても全知コンボは計3枚と少数派に属する形になった。しかし全く同じリストの「バント全知」を用いたうち、ジョディ・キース/Jody Keithはスタンダードラウンドを7勝という好成績でフィニッシュしているので、デッキ選択はミスではなかったようだ。

 全知コンボはその名の通り《全知》を用いる。現スタンダードではこれを《救助のけだもの、コーナ》から繰り出すのが定番だ。コーナの生存能力、タップ状態で第2メインフェイズを迎えるという条件をクリアすれば、手札からパーマネントを戦場に出せる。これを用いて強大な《全知》を叩きつけ、手札からプレイする呪文全てのコストを踏み倒すのである。コーナをタップするのには《巨大な神核、ウスロス》のような配備能力を持った土地を用いる。コーナを出してこれで即タップして戦闘を終了すれば、めくるめく全知タイム、クールなショーの始まりだ。

 

 コーナと同じく全知デッキにおける重要パーツであるのが《マラング川の執政》だ。この6マナのドラゴンはドでかいサイズに飛行、そしてパーマネントを2つ手札に戻すという能力を持つ。これで対戦相手のクリーチャーなどを戻して空の戦場を作り上げてフィニッシュ、というのがスタンダードの全知系コンボデッキの定番だ。このドラゴンは前兆というモードで唱えることも可能で、3枚ドローするインスタントとして用いることでコンボに必要なパーツを探しに行ける。また、全知状態になってから勝ちを確定させるためのカードのかき集めにも一躍買う。

 《乱動するドラゴンの嵐》も序盤に手札を整える貴重なドロー源であり、全知設置後に連打してマラング川などを集める。ドラゴンが戦場に出ると手札に戻るので、何度も使いまわしてライブラリーを掘り尽くすことができてしまう。2体のマラング川が揃えば、それらを交互に出し続けることで対戦相手の土地以外のパーマネントは戦場から消滅!マラング川はコンボが決まらない時に普通に繰り出しても強く、十分勝ち筋になる攻・防・そしてコンボを兼ねる最クールパーツなのだ。

 

 このアーキタイプにとってローウィン最大の収穫は《並外れた語り部》だ。このエルフは手札を捨てることでクリーチャーをサーチ、手札に加えられる。《全知》を繰り出すために不可欠なコーナを探す手段になるというわけだ。さらにはマラング川を持ってきても良い。そんな万能サーチがタフネス4の壁役として、クリーチャーで攻めてくるデッキ相手に時間稼ぎをしてくれるのだから最高だ。そんな万能サーチを得たことで、白を足しているこのデッキにはシミック型よりもクリーチャーが散らして採用されている。青いデッキ相手の対打ち消し、黒などのクリーチャー除去からコーナを護る役目も担う《勝利の楽士》。《アナグマモグラの仔》などのマナクリーチャーに頼ったデッキを黙らせる《鳴り渡る龍哮の征服者》などを相手に合わせて引っ張ってきて、ゲームを有利に進めるという寸法だ。

 そんなサーチ先として足されているクリーチャーの中で、一際クールなのが《屑鉄撃ち》!4/4到達という飛行クリーチャーへの牽制役、そして《忍耐の記念碑》《美術家の才能》などの置き物への対抗手段…1枚あると便利なアライグマ。そしてこのデッキではそれだけに留まらず、全知状態に突入後にはゲームを終わらせるフィニッシャーになる。このアライグマは戦場に出る際に贈呈を選ぶことができ、そうした場合対戦相手にカードを引かせる。これは強制であり、それを利用する。マラング川2枚と《屑鉄撃ち》が揃ったら……贈呈で引かせてマラングAで戻す、再び贈呈で引かせてマラングBでAと《屑鉄撃ち》を戻す、また贈呈で引かせて……と延々とループさせ、対戦相手にライブラリーを全て引かせて、カードが寺家ないという敗北条件を突きつけることができてしまうのだ。《並外れた語り部》の参入によりこういった1枚挿しがやりやすくなったのは、クールな朗報なのである。

 最高にクールな「バント全知」。決勝ラウンドを戦ったデッキ達に比べると目立っていないかもしれないので、ここでその存在を知ってもらえたのなら幸いだ。プロツアーに参加したプレイヤーらが持ち込んだ300を超えるデッキリスト、全てに目を通してクールな歴史の証人となろう。

 それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Check out all of the awesome lists!

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