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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

死せる生 ウーパールーパー すごいヤツ(字余り) (モダン)
最近のマジックのセットは、割と気軽に色んな能力が再録されている。セットの内のデザインの幅を持たせることに繋がっているし、何よりも既存の次元などへの再訪となると、過去のセットやカードとのつながりを示すように再録キーワードが盛り込まれる傾向にある。『ローウィンの昏明』でいえば、想起というキーワード能力が再録されている。
想起とは、本来のマナ・コストとは別に設定されたコスト。これで唱えたクリーチャーは、解決されて戦場に出た時、「これを生け贄に捧げる」という能力が誘発する。クリーチャーとして戦場には残らないが、戦場に出た時や離れた時に誘発する能力を享受できる。《孤独》は戦場に出た時に対戦相手のクリーチャーを追放する除去能力を持ち、本来のコストを支払って戦場に出しても強いし、いざという時には想起コストで手札を損することになるがマナ不要の除去になる……という具合。想起を持つエレメンタル・インカーネーションは強いカードというイメージがあるため、今セットでこれを担当するカードたちに期待を抱いたプレイヤーも数多いことだろう。
今回は混成マナを持った多色の想起持ちが5種類登場。支払った色マナを参照して能力が誘発するというモードを使い分けられるカードになった。能力の誘発にはマナを支払っている必要があるため、以前の想起持ちのようにリアニメイトしたりブリンクしたりといった形で悪用はしにくくなったが、その分1枚のカードに選択肢が詰め込まれているというのは魅力的で、皆の期待に応えるのに十分なラインナップになっている。
リリース直後から特に注目を集めているのは《幽愁》、心の奥にある深い悲しみという意味の名を与えられた1枚。ウーパールーパー的なポップな見た目とのギャップがインパクトあり。そして青緑というカラー……緑マナが2つ支払われていれば、対戦相手のエンチャントかアーティファクトを追放。いわゆる置き物対策として、想起で唱えればマナ相応の性能。追放ってのが気が利いているね。そして青マナ2つであれば、カードを2枚引いて1枚捨てる。《幽愁》1枚を使って、差し引きで手札の枚数は増えないが、減らさずにその内容を整えられる。特定のカードを探すデッキ、特に墓地に何かカードがあることが重要なデッキにとっては有難いものだ。
想起の場合は《幽愁》もそのまま墓地に落ちるため、墓地の枚数やその内容を参照するデッキとってはこれはかなり使い勝手の良いクリーチャーになる。何気にサイズも6/5とデカい……イラストを目にした時、勝手に脳がフィルターをかけて「4/5」と認識していたため、これにどつかれて6点喰らった時には驚いた。サイクル中最軽量のマナ総量5なのに、一番デカい!ちょっと優遇されているこの《幽愁》、実際に用いているリストを見てみよう。フォーマットは……モダン!
| 4 《霧深い雨林》 1 《汚染された三角州》 2 《繁殖池》 1 《湿った墓》 1 《草むした墓》 1 《地底街の下水道》 1 《迷路庭園》 1 《湧霧の村》 1 《耐え抜くもの、母聖樹》 1 《島》 1 《森》 -土地(15)- 4 《断片無き工作員》 3 《並外れた語り部》 3 《忍耐》 1 《光素を漁る者》 1 《ボガートの獲物さらい》 4 《緻密》 4 《幽愁》 4 《通りの悪霊》 4 《ベイルマークの大主》 3 《気前のよいエント》 1 《フレイアリーズの信奉者》 1 《偉大なる統一者、アトラクサ》 -クリーチャー(33)- |
1 《朦朧への没入》 2 《異界の進化》 4 《否定の力》 3 《死せる生》 -呪文(10)- |
3 《神秘の論争》 1 《拒絶の閃光》 2 《徴用》 2 《活性の力》 3 《苦難の収穫者》 2 《欺瞞》 2 《異界の進化》 -サイドボード(15)- |
モダンの伝統的なコンボデッキ、「リビングエンド」。その名の通りキーカードは「死せる生/Living End」。マナ・コストを持っていないので通常の方法で唱えることが出来ないこの呪文は、待機で追放して時間をかけることで唱えられる……わけだが、いくつか抜け道がある。
その1つが続唱。これを持つ呪文を唱えた時、それよりもマナ総量が小さい呪文が公開されるまでライブラリーを巡り続け、公開されたそれをマナを支払わずに唱えられるという能力。コストを持たない呪文のマナ総量は0。続唱呪文よりもマナ総量が小さい呪文を、それのみに絞ることで、必ずその呪文が公開されて唱えられるようにする……同じようなカードを用いたコンボは色々あるが、最も高い人気と歴史を誇るのが《死せる生》だ。この呪文は戦場のクリーチャーをすべて墓地に送り、墓地にいたクリーチャーを戦場に出すという大どんでん返し呪文。除去でありフィニッシュを兼ねるこれを《断片無き工作員》で公開する……あるいは墓地にある時に《光素を漁る者》で追放して唱えるのがこのコンボデッキの狙い。そのためにデッキ内にはマナ総量3以上のカード、主にクリーチャーがびっしり。それらは能動的に墓地に落とすことができるもので占められている。
最初期からレギュラーの座を務める《通りの悪霊》。5マナと重く続唱の邪魔をせず、それでいて序盤に墓地に落とすことができる……そういうクリーチャーが《死せる生》においては何よりも大事。《幽愁》はまさしくその役目を担う、早くも新レギュラーの座を勝ち取りそうな素晴らしいインカーネーションだ。1体で墓地2枚分になり、釣り上げると6/5というサイズが頼りになる。文句なし!
そしてインカーネーションと言えば《忍耐》や《緻密》なども忘れてはいけない。これらも想起ならマナが不要で墓地に落とせて、しっかりと能力で対戦相手を妨害してくれる。特に《緻密》は対戦相手の攻めを減速させるコントロール要素。これと《否定の力》は、手札を損することになる代替コストを持つが……気にせず唱えて、妨害するべし!多少の損は、《死せる生》が取り返してくれるのだから。またコンボが決まった後もこれらのカードで相手の最後の抵抗を抑え込み、しっかりと勝利までの時間を確保しよう。これらのカードが要求する青い手札に応えられるというのも、《幽愁》のイケてるポイントだね。
この《死せる生》に加わった新カードは《幽愁》だけではない。《並外れた語り部》!世界チャンピオンカード化シリーズの最新作もまた、このコンボに噛み合っている。手札を捨てることでそれの代わりになるクリーチャーをサーチする能力……これで《死せる生》を唱えるための《断片無き工作員》《光素を漁る者》をサーチするというわけだ。状況によっては《緻密》だったり《幽愁》を持ってきて相手のアクションに対応するという手もあるだろう。デッキに柔軟さをもたらしてくれるという、まさに並外れた新カード。クリーチャーでコンボしたり、1枚挿しを活かすデッキにおいて、目にする機会が多くなっている。3マナというのもこのアーキタイプには嬉しいね。
《幽愁》以外の4枚も気になる新たな想起クリーチャーたち。過去のセットやカードを思い起こさせ、同時に新しい体験ももたらす……これぞマジックの醍醐味が味わえる1枚。工夫してデッキを組んで、その真価を引き出そう。
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