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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

今週のCool Deck:クロックパーミと打ち消しへの天敵(ヴィンテージ)

岩SHOW


 マジックという最高にクールなコンテンツ、その奥底まで到達するためにクールなデッキやカードについて語り尽くす今週のCool Deck。さて、この回が予定通り掲載されているのであれば本日は……プロツアー『ローウィンの昏明』初日!日本時間では本日深夜より、激闘の幕が切って落とされる。

 同セットのドラフトとスタンダードとで行われる予選ラウンドを勝ち抜き、日曜日の決勝ラウンドに辿り着くのは誰か?そしてチャンピオンの栄冠を掴むのは果たして……いやぁ楽しみだ。間違いなく最高にクールなシーンが競技マジックの歴史に刻まれることだろう。

 

 そして何も、競技性の高いイベントだけがマジックのすべてではないこともまたクールだ。延々と、コツコツと趣味として遊んでいけるのもまたマジックの良いところである。スタンダードはローテーションがあるので、このカードで遊べるのは今しかない、というタイミングが存在する。しかし他のフォーマットではいつまでも自由に、クールだと思えるカードで遊び続けられる……その極地がヴィンテージ!レガシーと共にエターナル・フォーマットと括られるもので、これらのフォーマットではマジックが世に生を受けてから今日に至るまでの、すべてのセットのカードが使用可能!

 そしてヴィンテージでは、原則として禁止カードが存在しない。レガシーですら禁止されているような、ぶっ壊れカードパワーもどんとこい!デッキに1枚のみ採用可能という制限カードという形ではあるが、なんでもありのクールな環境になっている。何せテーブルトップのありとあらゆる環境で禁止されている《夢の巣のルールス》が使えるくらいだから、いかにヴィンテージがクールかわかるだろう。

 今回はこのヴィンテージよりデッキを一つ……当コラムでもヴィンテージを取り上げるのはヒサシブリダナ〜♪ということで、それでは制限カードが並ぶおもちゃ箱のようにワクワクするリストを見てみよう!相棒にルールスを指定したそのデッキリストがこちら。

ChessNight5030 - 「ルールス・コントロール」
Magic Online Vintage League 5-0 / ヴィンテージ (2026年1月21日)[MO] [ARENA]
2 《溢れかえる岸辺
2 《汚染された三角州
2 《沸騰する小湖
2 《霧深い雨林
4 《Tundra
3 《Volcanic Island
1 《行き届いた書庫
1 《轟音の滝
1 《
-土地(18)-

2 《敏捷なこそ泥、ラガバン
4 《呪詛の壊し屋
3 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア
-クリーチャー(9)-
4 《剣を鍬に
4 《マナ吸収
3 《対抗呪文
4 《意志の力
2 《否定の力
1 《精神的つまづき
2 《呪文貫き
4 《徴用
1 《Ancestral Recall
1 《渦まく知識
1 《ギタクシア派の調査
1 《宝船の巡航
1 《時を越えた探索
1 《Time Walk
1 《ブラック・ロータス
1 《Mox Pearl
1 《Mox Sapphire
-呪文(33)-
4 《封じ込める僧侶
4 《墓掘りの檻
2 《敏捷なこそ泥、ラガバン
4 《解き放たれた狂戦士
1 《夢の巣のルールス》(相棒)
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 このリストは……ヴィンテージを代表する他のデッキのように、アーティファクトを大量に展開する・巨大なクリーチャーをマナを踏み倒して戦場に出す・マナが出る土地が入っていない、というようなぶっ飛んだ構成ではない。いわばオーソドックスなスタイル……《剣を鍬に》でクリーチャーを除去し、《意志の力》などで呪文を打ち消して……対戦相手に自由なゲームをさせない、コントロール要素が色濃いリストだ。打ち消しの総数は16枚+実質的な打ち消し4枚という、デッキの三分の一が相手の呪文を許さないものになっている。《マナ吸収》に加えて《対抗呪文》まで採用しているのだから、クールすぎて恐れ入る。

 このように打ち消しがたっぷりなリストをかつては「パーミッション」と分類した。許可という意味であり、対戦相手がこちらに打ち消しはないか伺ってくる「これは通りますか?」と許可を求める姿がその名の由来だ。この大量の打ち消しで守りを固めるだけではゲームには勝てない。なので……

 

 軽量のクリーチャーを展開し、それらで攻撃を仕掛けながら、相手の抵抗を都度打ち消していく。対戦相手のライフなどを刻み、勝利への時を縮めていく手段のことをクロックと呼ぶ。1、2マナなど軽いコストのクリーチャー=クロックを展開してパーミッション戦術を用いるデッキを、クロック・パーミッション、縮めてクロックパーミと呼ぶ。ヴィンテージのクロックパーミ、その重要な仕事を担うクリーチャー陣は……戦闘ダメージを叩き込めば宝物生成&対戦相手のカードを奪う《敏捷なこそ泥、ラガバン》。これで一方的に相手の美味しい呪文をいただき、向こうのアクションは打ち消すハメパターンはクール過ぎてもはや寒気がするレベル。さらにヴィンテージの各種コスト踏み倒しを許さない《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》も外せない。

 そしてラインナップに新たに加わったのが……《呪詛の壊し屋》!これ自身打ち消されず、自分が唱える呪文全般も打ち消されなくなるやんちゃで腕白なゴブリンだ。コイツさえ出してしまえば、もはや打ち消し合戦で負けることはない。向こうの呪文に打ち消しを投げつけて、それで終わりだ。カウンターへのカウンターなどあり得ないのだよ、最新のゴブリンの前では!

 

 《呪詛の壊し屋》を出すことができれば、かなり気分が楽になる。《虚空の杯》なんかも気にしなくて良いのはありがたい。しかしこのゴブリンで酷い事態に陥るのは、他でもないクロックパーミも同じだ。なのでこれへの対策は必須である。その点は《剣を鍬に》で除去するか……打ち消せないので、《徴用》を使おう。呪文のコントロールを得るこのインスタント、マナを払わずに唱えるには手札から青いカードを2枚追放と、コストは決して軽くない。しかし《呪詛の壊し屋》のように致命的なものが飛び出る前に対処できて、自分がその恩恵を受けられるなら、迷わず手札を切って唱えるべし!後から《Ancestral Recall》《宝船の巡航》などでリカバリーできるし、なんだったら対戦相手のそれをいただいちゃえば実質ノーコスト!《徴用》のようなカードが今輝いてるのって、クールな話だよな。

 自身が集めたカードをいつまでも愛でることができるヴィンテージのようなフォーマットもあれば、移り行く環境で競技マジックを楽しむスタンダードなんかもある。色んなプレイヤー、色んな楽しみ方。みんなそれぞれの愛するマジックで遊びまくろう。それじゃあ今週はここまで。Stay cool! Let's keep playing endlessly

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