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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

テクニカルなディミーア、癖のある新カードで進化?(スタンダード)

岩SHOW


 現行のルールでは、マジックのセットはWPN店舗での先行販売開始日を迎えてカードを手に入れた時点で、各フォーマットで用いることができる。プレリ期間は実質構築シーズンのスタートを意味している……ということでこれが掲載される頃にはもう『ローウィンの昏明』参入による新環境が開幕している!……のだが、書いているタイミングはプレリ直前。これを読んでいる皆はもう新カードをプレイしまくっているかもしれないが、前環境のデッキの話にもう少しお付き合い願いたい。

 さて『ローウィンの昏明』、どのようなインパクトを残すだろうか。カードリストに目を通したところ個性的なクリーチャーが多く見られ、ちょっとしたテクニックを求められるセットになるような予感がするかな。テクニック、ということで今回はスタンダードのテクニカルデッキの代表格を見てみよう!力で押すだけではなく、技で戦うデッキのリストをご覧いただこう。

Mogged - 「ディミーア・ミッドレンジ」
Magic Online Standard Showcase Challenge トップ8 / スタンダード (2026年1月11日)[MO] [ARENA]
4 《マルチバースへの通り道
4 《湿った墓
4 《グルームレイクの境界
2 《不穏な浅瀬
2 《魂石の聖域
6 《
2 《
-土地(24)-

3 《遠眼鏡のセイレーン
1 《暗黒騎士、セシル
4 《フラッドピットの溺れさせ
3 《量子の謎かけ屋
2 《司書、ワン・シー・トン
-クリーチャー(13)-
4 《悲劇の軌跡
1 《突き刺し
4 《保安官を撃て
1 《苦々しい勝利
4 《ブーメランの基礎
1 《洪水の大口へ
4 《嵐追いの才能
4 《悪夢滅ぼし、魁渡
-呪文(23)-
2 《無効
2 《瞬間凍結
1 《呪文貫き
1 《スパイダーセンス
1 《軽蔑的な一撃
3 《強迫
1 《突き刺し
4 《魂標ランタン
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 というわけで今回はディミーア(青黒)カラーのデッキを振り返ろう。スタンダードでこのカラーリングとなるとクリーチャーで攻めるアグロ&ミッドレンジ、あるいはほぼクリーチャーを採用しないコントロールに別れるが、今回は前者を。主軸は何と言っても《悪夢滅ぼし、魁渡》。ディミーアを支えるこのプレインズウォーカーは、忍術で戦場に飛び出すのが特徴。いずれのモードも使い勝手が良く、[0]で毎ターン手札を稼いているだけで対戦相手を追い詰めていける。面倒なクリーチャーが出てきたら[-2]でタップして麻痺状態に。この強力な魁渡のポテンシャルを引き出すには、低コストのクリーチャーが重要。それらで攻撃を通して忍術を用いることでデッキが機能するので、ここのチョイスは重要になってくる。

 《遠眼鏡のセイレーン》《フラッドピットの溺れさせ》などは早いターンに出せて攻撃も通しやすく、手札に戻して出し直せば戦場に出た時の能力を再誘発させてお得と、相性◎。それらと《悲劇の軌跡》《保安官を撃て》などのクリーチャー除去、《永劫の好奇心》など優秀なクリーチャーや、このリストのように《嵐追いの才能》《ブーメランの基礎》という強力なパッケージを搭載するなど、4マナ以下の優秀なカードを詰め合わせたものがこのカラーのアグロやミッドレンジと呼ばれるデッキの基本的な形だ。

 

 このディミーアと相性の良い新カードは何か?やはり最初に思い浮かぶのは《苦花を携える者》!かつてのローウィン・ブロックを象徴する《苦花》の能力をそのまま搭載したフェアリーが登場だ。

 瞬速を持っているため、対戦相手の動きを見てから唱えられる。相手のエンドにちびだして自身のアップキープを迎え、即誘発でトークン生成……とスムーズに動ければ対戦相手にとってかなりのプレッシャーになるだろう。ライフを減らすカードは特にマジックを始めたばかりのプレイヤーは避ける傾向にあるが、そのライフが1/1飛行になるのであれば安いものである。飛行持ちが複数体並ぶということは、それだけ忍術を狙いやすくなるということであり、また《苦花を携える者》を忍術の種にして手札に戻し、ライフが必要以上に減るのを防ぐこともできる。魁渡と併せて使いたい1枚だ。

 問題点は黒マナ2つを要求するダブルシンボル持ちであるという点。2色以上のデッキではこれがネックになり2ターン目に繰り出せないこともあるだろう。採用枚数と土地構成は要調整というカードになるのではないかな。

 

 青いクリーチャーでいえば《湖棲馬》も気になる存在。2マナ4/5という印刷上のスペックにビビるが、スタートラインは1/2から。-1/-1カウンターを取り除いてサイズアップしながらドローしたり、相手のクリーチャーを封じたりとテクニカルなクリーチャーだ。麻痺カウンターを乗せられるため《フラッドピットの溺れさせ》との相性も良い。忍術で戻せばまた一から育て直さねばならないが、起動型能力も使いまわせるため状況によっては思い切って手札に回収しよう。午年ということもあって使用者が多くなりそうな1枚だ。

 

 メインだけでなく、ディミーアのサイドボードについても触れておこう。今回紹介したリストもそうだが、このアーキタイプのサイドボードには打ち消し呪文が並んでいることが多い。《無効》《瞬間凍結》《スパイダーセンス》《軽蔑的な一撃》……打ち消しと一口に括っても、それらが狙い撃つ対象はいずれも異なる。対戦相手のデッキによってこれらを使い分け、キーカードを打ち消して優位を確保するというわけだ。

 そこに新たな選択肢が……《呪文嵌め》!スタンダードに訪れるのは久しぶりとなる1マナ打ち消し、これが狙い撃つのは2マナの呪文。1マナでも増えたり減ったりすると対象外になってしまうため、使いにくそうなカードにも見えるが……クリーチャーでもアーティファクトでも、マナ総量が2であればなんでもOKという意外と対処できるカードが多い呪文である。

 2マナ域が集中しているデッキには非常に効果的であり、特に真価を発揮するのは後手のゲーム。先手2ターン目の対戦相手が繰り出してきたカードに、後手でありながらしっかりとこれで迎え撃つことができれば、テンポ面でのアドバンテージを築くことができる。相手の出鼻をくじき、後手である自分が2ターン目に攻勢に出られるので、これがあると後手の手札をキープしやすかったりする。往年の《呪文嵌め》ファンはもちろん、この打ち消しと初めて遭遇するプレイヤーにも是非とも試して欲しい1枚だ。サイドボードは当然のこと、特定の2マナ呪文が目立てばメインにも潜ませるブームも起こるはず。

 さあ、スタンダードに取りかかろう。プロツアーも控えているので、このフォーマットが盛り上がること間違いなし。流れに乗り遅れないようにしっかりとデッキを構築して、なんだったら君の手で流れを作ってしまおう!ディミーアがどんな進化を遂げるのか……テクニカルなデッキの未来が楽しみだ。

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