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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!対策されるなら引き算で対抗、バント気の技(スタンダード)

岩SHOW

年末年始が……クルゥゥゥ!

 さあ今年もやってきた、この会が問題なければ12月25日、クリスマスに更新されていることだろう……つまりはもう年の瀬!今年があと一週間を切ったということだ。一年の計は元旦にありというが……一年の締めくくりも同じくらい重要だったりするんじゃないかな。とりあえず大掃除、もう済ませたかな?埃被ってるストレージとか綺麗に拭いてカード達もピカピカ気分よく年を越させてやりたいね。忘年会はもう済んだ?後は残すところマジック収め!なんだったらマジック年越しもやっちゃおう。

 というわけで年の瀬もガッツリ、とことんスタンダードを遊ぼうぜ……スタンダードという道、スタンダー道を極めるなら年末と言えど全力ダッシュだ!それじゃあ2025年最終週も元気出していくぞぉ!オイィィッ。

 

 この年末、スタンダードでよく見るようになったカードと言えば……《門衛のスラル》と《鳴り渡る龍哮の征服者》、この2枚だと感じている。いずれも「バント(緑白青)気の技」や緑系のデッキへの対抗策になるクリーチャーだ。

 《門衛のスラル》は《倦怠の宝珠》と共に、クリーチャーが戦場に出た時の能力を誘発させなくする。《アナグマモグラの仔》の土の技に始まり、《素早き救済者、アン》《不動の守護者、アッパ》らの気の技、《岐路に立つアン》のクリーチャーサーチ……エアベンダーデッキのあらゆるクリーチャーへの対策になる。エアベンダーユーザーとしては、瞬速持ちなのもあって手ごわいヤツだ。また《量子の謎かけ屋》《スーペリア・スパイダーマン》など他のデッキに採用されているカードも対策できるので、かなり器用なクリーチャーだ。

 それから《鳴り渡る龍哮の征服者》、こちらはクリーチャーの起動型能力を防ぎ……これは主にタップしてマナを加えるクリーチャーを完封するために用いられる。エアベンダーのコンボなどには直接的な対策にはなってはいないものの、《ラノワールのエルフ》《木苺の使い魔》《アナグマモグラの仔》などを採用するのが基本となっているため、このドラゴンも効くんだよなぁ……そんなキツイ対策パーマネントが横行している中で、Magic Onlineのイベントにて「バント気の技」が優勝していた。そのリストをチェックすると……なるほどそんなアプローチがあったのか!

Thief_Of_Crowns - 「バント気の技」
Magic Online Standard Challenge 32 優勝 / スタンダード (2025年12月13日)[MO] [ARENA]
4 《マルチバースへの通り道
4 《繁殖池
4 《行き届いた書庫
4 《フラッドファームの境界
4 《ハッシュウッドの境界
3 《平地
-土地(23)-

4 《木苺の使い魔
4 《灰毛の天才、オーロック博士
1 《星原の歌手
2 《勝利の楽士
4 《素早き救済者、アン
4 《人狐のボディガード
2 《クチルの側衛
4 《不動の守護者、アッパ
4 《岐路に立つアン
4 《量子の謎かけ屋
-クリーチャー(33)-
4 《気のベンダーの位に至る
-呪文(4)-
3 《跳ねる春、ベーザ
2 《鳴り渡る龍哮の征服者
2 《クチルの側衛
3 《再利用の賢者
2 《ティシャーナの潮縛り
3 《縫い目破り
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 改めて「バント気の技」というアーキタイプを振り返ろう。追放領域から唱える呪文のコストを{2}軽減する《灰毛の天才、オーロック博士》がキーカード。クリーチャーなどを追放する気の技とこれを組み合わせる。気の技で追放されたカードは{2}で唱えられるため、オーロック博士がいると{0}で唱えなおせる。

 これを利用して《不動の守護者、アッパ》と《気のベンダーの位に至る》や《素早き救済者、アン》を延々とループさせる。これによりアッパが無限に同盟者トークンを生成する……というコンボにより勝ち筋を備えており、またそれに頼らずとも上記のクリーチャーらは優秀なので、これらを展開して相手の妨害もしつつ殴り勝つ……というプランも取れる、コンボ要素の強いクリーチャーデッキである。

 

 さて、そんな気の技デッキ……このリストがよく見るリストと異なる点は、マナクリーチャーの不採用である。そう、《鳴り渡る龍哮の征服者》が出てくることを織り込み済みの構築なのである!これはビックリ、目から鱗だ。《鳴り渡る龍哮の征服者》は確かに対策し辛い……万能除去としてメイン&サイドで採用されることの多い《縫い目破り》で除去できないのが痛いのだ。スラルや宝珠はこれで除去してコンボを決められるのだけどもね。征服者のためにサイドをとるくらいなら、いっそのことマナクリーチャーを抜いてしまえ!そんなコロンブスの卵的な構築だ。

 ただ《木苺の使い魔》、これだけは外せないパーツとして採用されている。使い魔は出来事モードで唱えればクリーチャーやエンチャントを戦場に出せる。これを気の技で追放すれば、7マナも支払わずともこのモードで運用できるため、《気のベンダーの位に至る》などと相性抜群。というわけで木苺だけは外せないというところだな。

 マナクリーチャーを抜いている、不採用ということはメインで一度対戦しただけではバレないものなので、対戦相手は征服者をサイドインするだろう。しかしそれで対策できるカードはこのリストにはあらず……というわけで空振りを誘えるという、情報戦の勝利も狙える。対策カードには、そもそも対策されなければ良い。引き算の精神で対抗だ。

 

 というわけでスラルや宝珠に対しては「対策もあるし、出てこなきゃ勝ち!」……くらいの気持ちで、戦場に出ると能力が誘発するクリーチャーをガッツリとマシマシで採用しているのも特徴的だ。《人狐のボディガード》《クチルの側衛》《量子の謎かけ屋》…純粋に強いカード達で、エアベンダーコンボに関係なくアドバンテージを取りまくって勝つ!その姿勢を支えるのが1枚挿しされた《星原の歌手》!パーマネントが戦場出ることで誘発する能力を倍増させるので……アンでクリーチャー2体を機の技するなど、かなりハチャメチャな動きが可能に。こういう遊び心とガチさの塩梅が絶妙なカードで勝つというのがスタンダードを極めた感があって、良いよなぁ……。

 さあ、今年もみなと共にスタンダー道を駆け上ったつもりだが……厳しく険しい時もあったけど、楽しかったよな?振り返ればいつだってそう思えるのがスタンダードというフォーマット。今年もラストスパート、そして新年のスタートダッシュとシームレスに繋げて……2026年もスタンダードを遊びまくろうぜ!

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