『マジック：ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』リリースから1ヶ月ほどの時間が経ち、世界選手権も終わった。あと残すところは……冬休み、ホリデーシーズン、年末年始をどうマジック漬けで過ごすかというところ。

　こういう時には延々とプレイできるようなデッキをやり込んで過ごしたいもんだ。アグロ、コントロール、ミッドレンジ……どれも魅力的だが、時を忘れてプレイできるとなるアーキタイプとなるとコンボではないかな。幸いなことに現行のスタンダードでは魅力的なコンボデッキが豊作とも呼べる状態だ。今回は寒くて外に出れないような日も室内でぬくぬくと楽しめ、心もホットになるコンボデッキをご紹介！

　スタンダードの「全知コーナ」コンボデッキ！タップ状態で戦闘フェイズを経て第2メインフェイズに入ることで能力が誘発し、パーマネントを手札から戦場に直接出せる《救助のけだもの、コーナ》。このコーナ、本来は攻撃して打ち取られずに生存した末の報酬というニュアンスで生存能力を持っているわけだが、タップする方法は問わないため攻撃以外の形でタップすれば、その能力を安全かつ速やかに誘発させられる。

　そのためこのリストでは《巨大な神核、ウスロス》《目覚めの安息地、エヴェンド》と配備コストでクリーチャーをタップする土地を採用。これらであればコーナを戦場に出し、そのまま優先権を譲らずに起動することで隙なくタップさせられる。こうしてタップ状態にして、手札から叩きつけるのは《全知》！最大級のコストである代わりに、これを出せば以降の手札から唱える呪文にはマナの支払いが不要になる。プレイヤーを文字通り全知全能状態に状態にして、どんな高コストの呪文でも連打を可能にしてくれる夢とロマンに溢れたエンチャントだ。

　全知状態に持ち込んだら、あとは呪文の連打で決着をつける。そのために用いるのが《マラング川の執政》だ。前兆で唱えれば3枚ドローになり、これで《全知》でコンボを完走するために必要なパーツを掻き集める。そして執政が2枚揃えば、執政Aを戦場に→執政Bを戦場に、能力が誘発しAを手札に戻す→AでBを戻して……と無限にループさせられる。このループで対戦相手のパーマネントも戻し、戦場を土地以外何もない空っぽにしてしまえば……ほとんどのデッキはそこから立て直す手段がなく、それでゲームエンドだ。

　ただ、そもそもパーマネントを土地しか展開しないコントロールであったり、戦場の状況に関係なく《稲妻の一撃》などが飛んできて終わりかねない赤系のアグロなどといった相手には、コンボ完成＝即勝利の形に持っていきたい。そこでこのリストでは《峰の恐怖》を採用。クリーチャーが戦場に出た時にそのパワー分のダメージを飛ばすことができるので、これがいる横で2枚の執政が出たり入ったりすればゲームエンドと相成るわけだ。

　このデッキは各種エンチャントによっても支えられているのが特徴だ。《乱動するドラゴンの嵐》は2枚引いて1枚捨てるドロー呪文で、これでコンボに必要なパーツを探す。《全知》とコーナが揃った後は《マラング川の執政》《峰の恐怖》らを戦場に出すことで手札に戻り、また唱えなおせるのでこれでループ完成に必要なパーツを再度探しに行ける。《全知》コンボは全知設置まで行けたがそこから手が止まる……というのが弱点であるため、序盤に気兼ねなく使っておいて後から再利用できる《乱動するドラゴンの嵐》のようなカードが重宝するのだ。

　《迷路での迷子》も他のアーキタイプではなかなか見ない面白いチョイス。これは対戦相手のクリーチャーをタップして麻痺させる、時間稼ぎのための防御的な1枚であり…こちらのタップ状態のクリーチャーには呪禁を持たせるというオマケがついている。これで相手のクリーチャーを寝かせて攻撃を防ぎつつ、自分のメインでコーナを出してタップ。タップになったコーナを《苦々しい勝利》のようなインスタント除去で対処されて第2メインを迎えられない、というのがコンボが決まらない負け筋なわけだが、このエンチャントで呪禁を持たせることで確実に決める！というコンセプトだな。温かい室内で延々とプレイしている時、こういうカードのポテンシャルを最大限に引き出してやると……なんとも有意義な時間を過ごしていると感じられるものだ。

　可能な限り温かくしながらマジックをプレイしてほしいね。暖かく風がない日に散歩でもして日光浴びて、ビタミンと水分摂取して……健やかなマジックライフで年末年始を楽しもう。「全知コーナ」はそんな暮らしのお供にオススメなコンボだ、じっくり遊んで極めるべし！