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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

イゼット講義:スゴイ講義と海洋生物たち(スタンダード)
『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』では講義というサブタイプが復活した。これはかつて『ストリクスヘイヴン:魔法学院』にて登場したメカニズム。同セットでは履修を行うカードがあり、これを行うとゲーム外(サイドボード)から講義というタイプを持ったインスタントかソーサリーを手札に加えられる。魔法学院の授業である講義を履修するという流れをカードで再現したものだ。
これに対して『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』における講義は……履修を行うカードは存在せず、メインデッキに採用する呪文としてデザインされている。講義の英名はLesson。アンやその他のキャラクターが、その冒険の旅路にてそれぞれの技を練習し、強くなっていく……特訓というイメージの講義だね。特訓を積んで技が一段階上に至るというニュアンスで、墓地に講義カードがあればボーナスを受けられるカードがいくつか作られている。
ストリクスヘイヴンの講義呪文はサイドボードから手に入るというアドバンテージを取れること自体に価値があったため、カードパワーは同じコストの呪文よりも低めだった。それらに比べるとアバターの講義呪文はメインで使うことを想定しているため、そういったブレーキも設けられておらず、デッキが直感的に組みやすいデザインになっていると言えるだろう。
そんな新しい講義呪文の中でも要注目は《積み重ねられた叡智》。ライブラリーの上から3枚見て1枚手札に加える、青にはよくある欲しいカードを探しに行ける類の呪文なのだが……これのすごいところは、墓地に講義が3枚以上あると、そうやってみた3枚のカードが全て手札に入る!このボーナスはすごい、1枚が3枚になるのだからヤバいぜ……2マナでしかもインスタントで、手札の枚数が2枚増えるのだからたまらない。講義3枚というハードルも、決して高いものではないはず。すこぉしデッキ構築を工夫すれば現実的となる条件であり、講義をたっぷり採用したデッキを組んでみたくなるというものだ。
というわけで今回はこの魅力的な講義呪文、《積み重ねられた叡智》を使うためのサンプルとなるリストを見つけたので紹介させていただこう!
| 3 《マルチバースへの通り道》 4 《尖塔断の運河》 4 《リバーパイアーの境界》 1 《轟音の滝》 7 《島》 2 《山》 -土地(21)- 3 《錠前破りのいたずら屋》 2 《リュウトンボの群れ》 4 《渦泥の蟹》 4 《峠の大蛇》 2 《トレイリアの恐怖》 -クリーチャー(15)- |
4 《積み重ねられた叡智》 1 《愛着を捨てる》 4 《ブーメランの基礎》 4 《火の技の修行》 4 《爆裂の技》 1 《アイローの表演》 1 《今のうちに出よう》 1 《タコの型》 4 《嵐追いの才能》 -呪文(24)- |
2 《無効》 1 《呪文貫き》 2 《珊瑚の暴君、ケローナ》 1 《炎魔法》 1 《アイローの表演》 1 《今のうちに出よう》 3 《除霊用掃除機》 2 《自由の代価》 2 《ランとシャオ》 -サイドボード(15)- |
スタンダードの青赤2色、イゼットカラーのこのリスト……講義呪文は実に19枚!これだけあれば普通にそれらを唱えているだけで墓地に3枚という条件は無理なくクリアできるだろう。あるいは《錠前破りのいたずら屋》の出来事で墓地を肥やしてやれば一発というところだ。
そして墓地にインスタントやソーサリーが貯まっていく、ということでその恩恵を受けられるスタンダードに既存のカードもこのデッキの主役になっている。《渦泥の蟹》《トレイリアの恐怖》だ。これらのクリーチャーは墓地のインスタントorソーサリー呪文を数えてその分マナが軽減される。最大で1マナや2マナという低コストで5/5のクリーチャーを戦場に繰り出せて、蟹は相手のクリーチャーをタップする疑似的な除去であり、恐怖は護法で対処されにくいという強みも持っている。
そんな墓地カウント型海洋生物枠に、新たな海蛇が加わった!それが《峠の大蛇》!墓地のクリーチャーでも土地でもないカードの数だけコストが軽減され、MAXで青マナ2つのみで唱えられる。さらに講義呪文が3つあれば瞬速で唱えられるため、対戦相手のターンに唱えて攻撃クリーチャーを返り討ちにしたり、隙なく展開して自分のターンを迎えて攻撃させるというスムーズな動きが可能になる。6/5と占術の2種よりもパワーが勝っており、この手のアーキタイプの主役として一気に躍り出た期待の新顔だ。これらのクリーチャーをマナを踏み倒して唱えること、そのためにインスタントとソーサリーを連打する、それがこのデッキの戦い方だ。そしてこれにより墓地に講義が貯まれば、《積み重ねられた叡智》で手札を3枚ゲットすることも可能だという寸法だ。
このデッキの講義を参照するカードは他にもある。《爆裂の技》は2点+講義の枚数分のダメージをクリーチャーに与える。さらにこれにより死亡するクリーチャーは追放されるというオマケ付きな、優秀な除去だ。講義2枚以上を落として効率の良いものにして運用したいところ。《リュウトンボの群れ》も良いカードだ。3マナで飛行と護法持ち、墓地の非クリーチャー&非土地カードの数だけのパワーを持つため、3マナにしてかなりのダメージを与えてくれる可能性アリ。講義を参照するのは死亡時で、その時に墓地に講義があれば1ドロー。相手の除去1枚では終わらない、デッキにしぶとさを与える良い航空戦力だ。今後流行るカードになるかもしれない。
これらの新戦力はアンコモンであり……そもそもデッキリストをよく見れば、メインデッキは土地と《嵐追いの才能》以外はコモンとアンコモンで構成されている。こういう組みやすい構成で、しっかり戦えるデッキというのはプレイヤーの味方であるし、流行る可能性も大いにある。今後《峠の大蛇》らを眼にする機会は多くなることだろう……というわけで今回は「イゼット講義」を紹介させていただいた。デッキが爆増しそうな予感のスタンダード、アバター世界のカードを用いて、レッツデッキ構築!
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