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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

バント・エアベンダー:アバター環境へようこそ!(スタンダード)

岩SHOW


 『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』がスタンダードに加入!色んなセットがリリースされたこの1年だったが、その最後を彩るこのセットでどんなことが起こるのか?この原稿を作成しているのはプレリリース期間中なのだが、現在のルールではプレリで手に入れたカードをすぐさま構築フォーマットで使用して公式の大会にて遊ぶことができる。

 そのため誰よりも早く新カードをフィーチャーしたデッキを組んで世界の注目を集めるプレイヤーもいる。今回紹介するのもそんなプレリ期間中に作られたデッキリストだ。デッキの主役は……アニメ本編と同じくアン!

Taniguchi Takuya - 「バント・エアベンダー」
デイリーイベント 16時 3-0 / スタンダード (2025年11月25日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
3 《マルチバースへの通り道
2 《魂の洞窟
3 《繁殖池
4 《植物の聖域
2 《ハッシュウッドの境界
4 《平地
-土地(22)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《木苺の使い魔
4 《灰毛の天才、オーロック博士
4 《素早き救済者、アン
2 《シヴァのドミナント、ジル
1 《ウェブの番人、スパイダーバイト
4 《不動の守護者、アッパ
4 《岐路に立つアン
4 《ミストムーアの大主
-クリーチャー(31)-
3 《気のベンダーの位に至る
4 《アンの氷山
-呪文(7)-
4 《失せろ
4 《エイヴンの阻む者
2 《軽蔑的な一撃
2 《否認
3 《ティシャーナの潮縛り
-サイドボード(15)-
晴れる屋 より引用)

 

回転

回転

 

 アンといえばアバターであり最後の気のベンダー(エアベンダー)、そのアンを2種8枚採用したこのリストは……「バント(緑白青)エアベンダー」とでも呼ぼうか。《素早き救済者、アン》は戦場に出た際に気の技を行う。その対象はクリーチャーor呪文であり、気の技を受けたそれらは追放される。それらのカードのオーナーは{2}を支払って唱えることができる。素早き救済者というだけあって瞬速を持っており、そのためこのアンでは対戦相手の呪文を実質的に打ち消してそのプランを遅れさせたり、あるいは自身のクリーチャーを追放して除去から守ったりと器用な運用が可能だ。

 もう1種のアンはバントカラーの《岐路に立つアン》。5マナ3/3飛行と本人のスペックはそうでもないが、これが戦場に出た時にもう1体クリーチャーを引き連れてくる可能性がある。ライブラリーの上から5枚見て4マナ以下のクリーチャーを戦場に出せるという、場合によっては5マナでこんなことに?な盤面を作りだすことが可能なワクワクするアドバンテージ源だ。

 そしてこれらの多色のアンはどちらも変身してさらに強力な姿になる。特に《岐路に立つアン》は自身のクリーチャーが戦場を離れることを条件に誘発、次のアップキープに変身する。この条件は気の技と相性が良いため、《素早き救済者、アン》とその他の気の技を行うカードを採用し、自身のクリーチャーを出し入れする。クリーチャーが戦場に出た時の能力も誘発させつつ、《定められし救済者、アン》への変身を促す……そんなデッキに仕上がっている。

 

 《気のベンダーの位に至る》も気の技を行うカードだ。2マナで一時的に対戦相手のクリーチャーをどかせて攻撃を通す疑似的な除去にしたり、自身のクリーチャーを一旦引っ込めて再出撃させて能力をおかわりしても良いしと器用なエンチャントだ。また自身のクリーチャーが戦場に出るとこれに探索カウンターが乗り、4個以上ある状態になるとターン終了時に自身のクリーチャーを追放→即戦場に戻すブリンクと呼ばれるアクションが誘発するようになる。

 こういった気の技などで自身のクリーチャーを目まぐるしく行き来させるデッキなわけだが……この動きと噛み合っているのが《灰毛の天才、オーロック博士》!墓地や追放領域から呪文を唱える際にそのコストを②軽減してくれる能力を持っている。これ、つまり気の技で追放されているカードを唱えるコストが②から⓪になるというわけだ。おいおい、こうなるともう《素早き救済者、アン》を気の技で出し入れする動きが止まらないぜ、延々とクリーチャーを展開し続ける、気の技エンジンの完成だ!

 

 さて、気の技を行うカードの中で最も豪快なのは《不動の守護者、アッパ》だ。土地でないパーマネントを望むだけ対象にとれるパワフルな気の技を披露してくれるアッパ。勿論瞬速持ちなので守護者の名の通り自身のクリーチャーをあらゆるものから回避させる、心優しき頼れるバイソンだ。このアッパはクリーチャー以外も気の技で追放できるため、特に狙っていきたいのが《ミストムーアの大主》との組み合わせだ。

 ミストムーアは兆候コストで唱えると、クリーチャーではなくエンチャントのみのタイプを持って戦場に出る。時間が経てばクリーチャーと化し、攻撃してその誘発型能力の恩恵を受けられるのだが……この兆候で出したミストムーアを追放するなど、別の領域を経由させて再び戦場に出すと、それは先ほどまでのパーマネントと別物の扱いに。即ちクリーチャーとして戦場に出るため、すぐに攻撃に移行できるようになるわけだ。兆候しておいた大主をアッパで追放、{2}で唱えて超強力クリーチャーとして機能させる!なんだったらオーロック博士で{2}で唱えられる!というのがデッキの爆発力、そして魅力を高めている!大主は戦場に出ると昆虫を2体もたらし、またアッパは追放領域から呪文を唱えると同盟者トークンを生成するため、ものすごい勢いでクリーチャーが戦場に並んでいく。これらをタップして《素早き救済者、アン》の水の技を起動、《大海の憤怒、アンとラー》に変身させてそれらのトークンをまとめて強化……良い動きだ。

 そしてここまで紹介してきたカードで、無限コンボも狙えることを追記しておこう。《灰毛の天才、オーロック博士》がいる状況で《素早き救済者、アン》で《不動の守護者、アッパ》を気の技の対象に→追放領域からアッパを唱えてアンを追放→アンを追放領域から唱えてアッパで同盟者精製、アッパを追放……以下繰り返すことで無限にトークンを生成できる。しかもアンやアッパが瞬速持ちなので、対戦相手のターン終了ステップにこのコンボを炸裂させてトークンをじゃらじゃら並べ、自分のターンに入って攻撃して即WINという隙の無いコンボだ。狙ってみる価値は十分にアリ!

 『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』が加わり激変するスタンダード。様々なことがあった2025年の締めに向けて、スタンダードでどんなデッキが誕生し活躍するか?2026年に向けて、遊んで遊んで遊びまくろうぜ!

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