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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!新時代の担い手候補、ディミーア(スタンダード)

岩SHOW

新たな時代が……キタキタキタァ!

 スタンダードをとことん楽しみ、この道を突き進み「スタンダー道」を極めんとしている仲間に捧ぐデッキ情報コーナーのお時間だ。今回は……この件に触れないわけにもいかないだろう。11月10日の禁止制限告知についてだ。日本時間の深夜に各フォーマットの新たな禁止カードが宣言され、スタンダードでは《迷える黒魔道士、ビビ》《叫ぶ宿敵》《プロフトの映像記憶》の3種がこのリストに追加されることになった。

 本来、カードが禁止されることは喜ばしいことではない。多くの人が悲しい思いをすることになるからね……しかしながら最近のスタンダードにおいて「ビビ大釜」とその派生形の「イゼット(青赤)アグロ」、そして「赤単アグロ」とその派生形が環境を……支配していたと言っても語弊はないだろう。特に競技色の強いトーナメントの結果はこれらのデッキで埋め尽くされていた。小さなコミュニティでのカジュアルめな大会などではそれぞれが思い思いのデッキを組んで楽しんでいる人たちもいたのだが……スタンダードが停滞していたことは間違いなく事実であり、それ故に望ましくはないが禁止カードを指定せざるを得なかったと。

 喜ばしいことではないが……しかし支配的な存在が居なくなり、群雄割拠なスタンダードが戻ってくるのであれば……今こそ、押さえつけられ選択肢から除外されていたデッキをとことんプレイし、スタンダードをエンジョイするべし!しかも『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』がリリースされ、これはもうひと月前のスタンダードとは全く別の光景が見られるに違いない!そしてそんな新時代の幕開けを飾るイベントが……

 

 今週末(11月23日)横浜の地に、ジャパンスタンダードカップがクルゥ~!新セットリリースのタイミングで開催される日本のスタンダード最強プレイヤー決定戦、上位には賞金や副賞も授与される豪華トーナメント!すっかりお馴染みのイベントになったジャパンスタンダードカップの、2025年最終戦の火ぶたが切られる。

 この2025年に開催された同イベントでは、限定のプロモカードが配布されてきた。その中でも注目はスタンダードでも現役バリバリの活躍を見せている《ティシャーナの潮縛り》!特別なアートが施されたこのプロモは、スタンダードをとことんやり込んだプレイヤーにとっての勲章のようなもの。参加者数で変動するが、最大で上位80名にこのプロモが配布される予定。行こうかどうしようか悩んでいるそこの君!もう行っちゃおうぜ、丸一日とことんスタンダード、とことんマジック漬けになれる最高の時間が君を待っているぞ!

 というわけでプロモの《ティシャーナの潮縛り》、これを用いるスタンダードのデッキを紹介しよう。禁止が有効になってから最初のMagic Online上のトーナメントで優勝したのは……

cicciogire - 「ディミーア・ミッドレンジ」
Magic Online Standard Challenge 32 優勝 / スタンダード (2025年11月11日)[MO] [ARENA]
4 《湿った墓
2 《マルチバースへの通り道
4 《グルームレイクの境界
3 《不穏な浅瀬
1 《噴水港
1 《魂石の聖域
5 《
5 《
-土地(25)-

4 《遠眼鏡のセイレーン
2 《暗黒騎士、セシル
4 《大洞窟のコウモリ
4 《フラッドピットの溺れさせ
2 《分派の説教者
2 《ティシャーナの潮縛り
4 《永劫の好奇心
-クリーチャー(22)-
2 《突き刺し
1 《悲劇の軌跡
2 《保安官を撃て
2 《苦々しい勝利
1 《フェイ花のいたずら
2 《幻影の干渉
3 《悪夢滅ぼし、魁渡
-呪文(13)-
2 《否認
1 《無効
2 《強迫
1 《突き刺し
2 《零地点のバラード
1 《フェイ花のいたずら
1 《下水王、駆け抜け侯
1 《分派の説教者
2 《カルシの帰還者
1 《ティシャーナの潮縛り
1 《悪夢滅ぼし、魁渡
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 ディミーア(青黒)カラーのミッドレンジ!所謂中速デッキというやつで、自分より速いデッキには受けに回れて、遅い相手にはアグレッシブに攻められる、器用な立ち回りの出来るアーキタイプだ。飛行を持つ《遠眼鏡のセイレーン》や接死持ちなどブロックされにくいクリーチャー、あるいは相手のブロック役をタップする《フラッドピットの溺れさせ》や《フェイ花のいたずら》などを駆使して軽量クリーチャーの攻撃を通し、《悪夢滅ぼし、魁渡》を忍術で繰り出す。あるいは《永劫の好奇心》と絡めてカードを引き込むなど、単純なダメージだけでなく手札の補充を随時行いながら、枯れないリソースで攻め続けるのがこのディミーアの強みである。

 以前の環境でも強いデッキであり、赤単やイゼットとも良い勝負を繰り広げていた、ナンバー3的なポジションに収まっていたアーキタイプ。支配的な存在が居なくなった今こそ、トップは自分だと存在感を示す形になった。

 

 さて、このディミーアに『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の新カードはどのような影響を与えるだろうか?まずはクリーチャー除去。ディミーアのセールスポイントである軽くて確実性の高いクリーチャー除去、それは《無情な行動》でアップデートされるはず。このインスタントはカウンターが乗っていないクリーチャーを破壊するというもので、相手のデッキによっては対象に困らない超万能除去として機能する。ライフや手札などの追加コストを要求する《苦々しい勝利》や、対象に出来ないタイプが設けられている《保安官を撃て》などのカードは、いくらかこの《無情な行動》と入れ替わるのではないかな。もちろんこのカードが流行れば、カウンター塗れのデッキが台頭するかもしれない。そうやって流れが生まれていくのがスタンダードの理想だね。除去の選定は難しいが、やり込み要素の一つであり楽しいものだ。

 またこのデッキが求める飛行クリーチャーの枠には《カラスワシ》が良い選択肢になるかも。墓地のカードを追放するため、リアニメイトなどの墓地利用デッキをナチュラルに対策できる。さらに追放したのがクリーチャーであれば手掛かりをもたらすため、緩やかにアドバンテージを獲得できる。さらに同一ターン2枚目のカードを引けば、対戦相手のライフを吸い取ることまでできる。シビアな攻防の際にはこの1点が明暗を分けることも。幸いディミーアにはカードを引く手段はたんまりあるので簡単に誘発させられるね。

 

 そんな2枚目のカードを引くとボーナスを得られるというのは、今セットにおけるディミーアのテーマである。それを象徴するカードが《霧の沼地の精霊守》。このカード、アンコモンと侮るなかれ。同条件を満たすとスピリット・トークンを生成。このスピリットは「スピリット以外にブロックされず、スピリットしかブロックできない」という能力を持っている。そのため防御的に用いるのは難しいが、膠着状態でも攻撃を継続できる貴重な回避能力持ちとして機能してくれる。これをタネに忍術をしても良いし、《永劫の好奇心》でカードを引いて次なるスピリットに繋げても良い。精霊守本人もタフネス4で絆魂持ちと良いスペックをしているのが嬉しいところだね。カードを引いてナンボのクリーチャーなので相応の構築は求められるが、機能しだすと止まらない楽しさと強さを兼ね備えているはず!また《コーの領域》は同様のスピリットを生成する土地なので、こちらもデッキに潜ませておくと長期戦において働きを見せてくれることだろう。

岩SHOW - 「ディミーア・ミッドレンジ(仮)」
スタンダード (2025年11月13日)[MO] [ARENA]
4 《湿った墓
1 《マルチバースへの通り道
4 《グルームレイクの境界
3 《不穏な浅瀬
1 《コーの領域
1 《魂石の聖域
6 《
5 《
-土地(25)-

4 《遠眼鏡のセイレーン
1 《暗黒騎士、セシル
4 《大洞窟のコウモリ
4 《フラッドピットの溺れさせ
2 《分派の説教者
1 《ティシャーナの潮縛り
2 《カラスワシ
2 《霧の沼地の精霊守
4 《永劫の好奇心
-クリーチャー(24)-
1 《突き刺し
1 《悲劇の軌跡
2 《保安官を撃て
2 《無情な行動
1 《フェイ花のいたずら
1 《幻影の干渉
3 《悪夢滅ぼし、魁渡
-呪文(11)-

 

 上記のリストに今回ピックアップした期待のカードを盛り込んだサンプルを載せて、今回は終わりとしよう。それじゃあ横浜の地で皆を待っているよ、カッコいいリスト、面白い発想が盛り込まれたデッキを見つけたら、フィーチャーマッチで選ばせてもらったり、ここでも取り上げさせてもらうのでお楽しみに!会場には来れない人も、新たなスタンダード環境でマジック・ハイになろうぜ。それじゃ!

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