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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

豆の木ドメイン:レガシー選手権秋にて待ってるぜ(レガシー)
これが掲載される週には、「プレイヤーズコンベンション横浜2025」が開催される。
このイベントも2022年から開催されてもう丸3年。月日が経つのは早いもんだなぁと、毎度スタッフ参加しているオッチャンは思うのであります。今回もイベントの運営にかかわるポジションで関わらせていただけることに。11月22日の土曜日にはレガシー選手権が開催される。日本でレガシーの大型トーナメントが開催されるようになってからかなりの年月が経つが、今でもレガシー人気は衰え知らずだ。今回の選手権もかなりのプレイヤーが参加して熱戦を繰り広げてくれることを期待している。
このトーナメントのビデオカバレージのフィーチャーマッチを選定する、というのが僕の役目の一つになる。フィーチャーマッチに選ばれるプレイヤー、マッチというものは、まずはやはりその日勢いのあるプレイヤー。勝ち星を重ねているプレイヤーの優先度がおのずと高くなる。それから実績があり、著名なプレイヤー。実力者のプレイングを観ることは勉強になるし、何と言っても面白いものだ。そして……個人的に重視しているのはデッキだ。レガシー選手権は長丁場、予選から決勝ラウンドまでかなりの数をビデオカバレージに残すことになる。そこで同じデッキばかりが登場すると……おなか一杯になってくるよね。折角カードプールが広大なレガシー、一つでも多くのデッキ、1枚でも多くのカードが画面に出てくることが望ましいなと考えている。プレイヤーの情報とそのデッキリストを確認し、フィーチャーマッチを選ばせていただいているよ。
というわけで「おっこれ観てみたいなぁ!」と思えるデッキはかなりの確率で選んじゃう!たとえば……こんなリストとかね。
| 4 《溢れかえる岸辺》 4 《霧深い雨林》 1 《ザンダーの居室》 2 《Tundra》 1 《Underground Sea》 1 《Volcanic Island》 1 《Tropical Island》 1 《Savannah》 1 《Scrubland》 1 《Taiga》 1 《平地》 1 《島》 -土地(19)- 2 《茨の吟遊詩人、べロ》 2 《量子の謎かけ屋》 4 《ドラコの末裔》 -クリーチャー(8)- |
4 《渦まく知識》 4 《思案》 2 《ロリアンの発見》 2 《否定の力》 4 《意志の力》 4 《剣を鍬に》 4 《力線の束縛》 4 《豆の木をのぼれ》 4 《ギルドパクトの力線》 1 《進め、エオルの家の子よ!》 -呪文(33)- |
2 《花の絨毯》 1 《天界の粛清》 1 《鳴り渡る龍哮の征服者》 2 《記憶への放逐》 2 《耳の痛い静寂》 1 《アゾリウスの造反者、ラヴィニア》 1 《紅蓮破》 1 《赤霊破》 2 《安らかなる眠り》 2 《空の怒り》 -サイドボード(15)- |
レガシーの「ドメイン」!ドメインとは版図という能力のこと。基本土地タイプ1つにつき何かしらのボーナスを得られるという能力で、このデッキはそれ1つにつきマナコストが{1}ないし{2}軽減されるカードを用いる。少し前までスタンダードでもお馴染みだった《力線の束縛》、そして《ドラコの末裔》!ドラコはマナコスト{12}と非常に重いが、MAX軽減で{2}で唱えられるアーティファクト・クリーチャー。2マナで4/4飛行、さらに色を持つクリーチャーにその各色につきキーワード能力を与える非常に強力なドラゴンだ。
この《力線の束縛》は白らしいパーマネントを追放するエンチャントで、これらを軽いコストで序盤から運用していくのがこのデッキの狙い。幸いレガシーには《溢れかえる岸辺》《霧深い雨林》などの特定のタイプの土地をライブラリーから探して戦場に出すフェッチランド、そして《Savannah》や《ザンダーの居室》などの複数の土地タイプを併せ持った土地が多数存在する。これらの組み合わせで簡単にコストを軽減できるし、さらに……
《ギルドパクトの力線》を用いることで、版図呪文の運用をより楽ちんに。このエンチャントは土地にすべての基本土地タイプを、クリーチャーにすべての色を持たせるというもので、さらに力線サイクルであるためゲーム開始時に手札にあるとそのまま戦場に出せる。これで、土地1枚で版図は最大軽減が適応される。さらに《ドラコの末裔》が5色になることで、それは自身の能力により警戒・呪禁・絆魂・先制攻撃・トランプルを得る!とんでもないコストパフォーマンスのバケモノが降臨だ。
この末裔の攻撃を《力線の束縛》で押し通していくのが版図デッキの理想的な展開であり、さらにこれらマナ総量の大きい呪文が低コストで唱えられるため《豆の木をのぼれ》を組み合わせればガンガンとカードを引き込んでいける。《ギルドパクトの力線》で手札が消費された分を簡単に取り返すことが可能というわけだ。
豆の木系デッキはレガシーに以前から存在するアーキタイプであるが、そういったものの中でもこのリストが「フィーチャーマッチに呼びたい!」と思わせるのは《ギルドパクトの力線》《ドラコの末裔》を採用した版図型であること、そして……《茨の吟遊詩人、べロ》!何だこの見慣れないアライグマは……ベロは統率者デッキのカードであるため、初めて目にするという人も多いはず。ベロは自身のターンにのみ働く能力を持っており、それは4マナ以上のエンチャントやアーティファクトをクリーチャー化させるというもの。それらは4/4になり破壊不能と速攻を持つ。さらにそれらのクリーチャーが対戦相手に戦闘ダメージを与えたら1ドローをゲット!なんとアドバンテージまで生み出す、かなり強力な能力持ちなのだ。
さて、このリストでベロがクリーチャー化させるものはというと……元々クリーチャーであるドラコが速攻を持ってすぐに殴れるようになる、これは非常に大きい。《力線の束縛》もクリーチャーになる、そして《ギルドパクトの力線》も……そう、この手の版図デッキにおいて2枚以上手札に来ても嬉しくない力線が、戦力として働くようになるのである!これは革命的なことで、ドラコらの運用を簡単にしてくれる一方で「これが別のカードだったらな」と思うこともある力線が、突如として輝きを増してくる。力線を使うデッキのあるあるとして、開始時に手札にあると良いが後から引いてきたら最悪のドローになってしまう、という難点も、ベロがいるなら4マナのクリーチャーだしギリギリOK!と許せるようになるのは本当に大きな強みだ。クリーチャー化した力線たちに加えてベロもドラコの恩恵を受けるため、除去などを気にする必要もなくなる。とんでもない盤面を生み出す可能性を持ったこんなリストを見かけたら……喜んでフィーチャーテーブルに来てもらっちゃうね!
というわけでレガシー選手権、皆がレガシーらしいド派手なデッキや激シブなデッキ、そんなカードしらねぇぇぇと唸るような1枚を持ってきてくれることを楽しみにしているよ。さあ、今秋のチャンピオンを決めようぜ!
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