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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

オルゾフ・サクリファイス:カードリストのチェック方法(スタンダード)
新セットがリリースされる時、まずするべきことは?いつ買いに行くか、何パック買うかを決める、友達と新カードで遊ぶ約束をしておく、などなどあるが……まずはカードリストのチェックというのが大方のプレイヤーがとる行動だと思う。ではカードリストを見る時に、どう見るのか?数百の膨大なカードを漠然と見ていると、なかなか情報が入ってこない……なんてことないかな?僕はなる、もうポンコツだからなぁ。カードリストを白から順に見ていっても緑に行きつく頃には最初の方のカードの情報が頭から抜けているよ。
なので全カードが公開されたタイミングでオススメしたいのが、まずマルチカラーのカードをチェックするというアプローチ。マルチカラーの中でも2色のアンコモン(あればコモンも)は、そのセットの特色を反映したものになっている。これはリミテッドを意識してのことで、2色の組み合わせ10種類に対してアンコモンが用意されており、それぞれの色の組み合わせに設けられたテーマを取り扱っている。リミテッドではそれらのアンコモンがどれだけ手に入るかがデッキの色を決定すると言っても決して過言ではなく、ドラフトのピック時には大きな指針となるのだ。
つまりはマルチカラーのアンコモンにはそのセットの濃縮されたエッセンスが詰まっており、その10枚に眼を通すことで「今回の赤のテーマは○○と△△なのかぁ」とセット全体像がザックリ頭に流れ込んでくる……とりあえず実例を見てみよう。今週末に正式発売日を迎える『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の新カードをチェック!
かわいいパンダと、湖面に映った精霊の姿が印象的な《均衡の精霊、ヘイバイ》。このカードは白黒の混成カードであり、白マナのみ・黒マナのみ・それらの組み合わせという形でマナを支払える便利な2色呪文だ。この混成クリーチャーのテキストを確認することで、白と黒が司るテーマが見えてくるという寸法だ。ヘイバイが戦場に出た時、クリーチャーかアーティファクトを生け贄に捧げることができる。それを選択すればヘイバイは+1/+1カウンターが2つ乗った状態に。4マナ5/5ならコストパフォーマンスに優れたスペックだ。そしてヘイバイが戦場を離れると、これに乗ったカウンターは他のクリーチャーに引き継がれる。
このヘイバイの能力を見てわかることは、『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の白と黒にはパーマネントの生け贄・クリーチャーの死亡といったテーマが与えられているということ。ヘイバイの能力はクリーチャーを1体失うことになるが、失ってもどうでも良いトークンや、死亡した時に能力が誘発するクリーチャーを生け贄にすることでむしろ得をする展開を作りだせる。またヘイバイ自身も生け贄に捧げて墓地に行っても損をしにくいデザインが施されているので、白黒はこういったカードでシステムを作り上げながら戦っていくということがイメージできるね。
同じ白黒混成のコモンには《タコ病持ちの偽装者》も。これが死亡しても同盟者トークンが生成されるため、盤面のクリーチャーの数が減少しない。喜んで生け贄に捧げられるタイプのクリーチャーであり、また白や黒には《正確無比》や《復讐心に燃えた村人》など生け贄を要求するカードの姿が……と、ここまでくればもうわかるはず。『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』は生け贄がテーマであるデッキを強化してくれる!ということが。
| 4 《神無き祭殿》 4 《ブリーチボーンの境界》 4 《秘密の中庭》 2 《マルチバースへの通り道》 1 《ダルコヴァンの露営地》 1 《偉大なるアラシンの都》 6 《沼》 -土地(22)- 4 《寄生の賢者》 4 《入れ子ボット》 4 《影の帯の盲信者》 4 《復讐に燃えた血術師》 2 《バルトロメ・デル・プレシディオ》 4 《勝利の楽士》 3 《サンスターの模範、ヴォンダム卿》 2 《時系列の選別者》 2 《聖戦士の奇襲兵》 4 《威名のソルジャー、セフィロス》 1 《永劫の無垢》 -クリーチャー(34)- |
2 《堕落した確信》 2 《過去立たせ》 -呪文(4)- |
1 《堕落した確信》 2 《踊り食い》 3 《没収の強行》 1 《聖戦士の奇襲兵》 2 《脅迫戦術》 2 《見捨てられた鉱夫》 2 《真夜中の死神》 1 《過去立たせ》 1 《スーパーヴォイド、ソセラ》 -サイドボード(15)- |
というわけで現スタンダード環境の「オルゾフ(白黒)サクリファイス」のリストをおさらい。サクリファイスはそのまんま生け贄のこと。クリーチャーを生け贄に捧げることで勝つ!そんなステキなアーキタイプだ。《バルトロメ・デル・プレシディオ》《復讐に燃えた血術師》などのサクリファイス、縮めてサクリを行える通称「サクリ台」なる連中がキーカードだ。これらはクリーチャーを生け贄に捧げるというコストで能力を起動し、1ターンに1回という制限やサクリ以外のコストを求められないのが優秀。《寄生の賢者》《入れ子ボット》などの死亡してもトークンが残るクリーチャー、墓地から唱えられる《時系列の選別者》、そしてサクリにもってこいなトークンをもたらす《勝利の楽士》……こういったカードをサクリ台と組み合わせることで、何かを失うという危惧を抱かずに生け贄生活を満喫できる。
サクリ台で生け贄をグルグル行うだけでも諜報を行ったりバルトロメがデカくなったりして楽しいが、それだけでは勝利にはつながらない。なので他のカードとの組み合わせが重要になってくるわけで……このリストではクリーチャーの死亡により対戦相手のライフを失わせる《復讐に燃えた血術師》《威名のソルジャー、セフィロス》がゲームを終わらせる役目を担っている。これらが並んでいる状況でサクリ台を起動しまくり、一気にライフを吸い尽くしてフィニッシュというわけだ。どちらも相手のライフを削るだけでなくコントローラーにライフをもたらしてもくれるので、押されている状況でも適当なクリーチャーを使い捨てブロックに回して粘っていればライフが逆転なんてことも。
またセフィロスは彼自身がサクリ台も兼ねており、カードが引けるため手数を途切れさせないという重要な役割も。4体のクリーチャー死亡により変身すると、このサクリでライフを吸う能力が紋章としてゲームが終わるまで残り続けるのも素晴らしい。セフィロスらとサクリ台でクリーチャーを墓地に送り込んだら、そこから《過去立たせ》でそれらのクリーチャーを戻してもう1回!このムーブで大半の場合フィニッシュへと持っていけることだろう。
自身のクリーチャーが死亡するか追放されるとサイズアップする《サンスターの模範、ヴォンダム卿》。これもまたサクリ台と併せて使うことで盤面を支配できる可能性を秘めており、またパワーが4以上の状態でこれが死亡するとパーマネント破壊も行えるため、ヴォンダム卿自身も生け贄候補である。
さてここで『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』のカードリストをチェックしてみよう。白黒というサクリがテーマの色のカードを眺めていると、そこには《砂のベンダーのあさり屋》というクリーチャーが!このならず者は生け贄を行うと+1/+1カウンターが乗るという、ヴォンダム卿と同様に「オルゾフ・サクリファイス」の戦闘要員を任せられる能力の持ち主だ。またこのあさり屋は死亡すると自身のパワー以下のマナ総量のクリーチャーを墓地から戦場にリアニメイトする。この能力もまたサクリデッキと絶妙に噛み合っている。あさり屋をサクリ台に捧げて、さらに墓地からクリーチャーを拾って……と連鎖させることで対戦相手にとどめを刺すチェーンコンボが炸裂する!
| 4 《神無き祭殿》 4 《ブリーチボーンの境界》 4 《秘密の中庭》 1 《マルチバースへの通り道》 1 《放棄された気の寺》 1 《ダルコヴァンの露営地》 1 《偉大なるアラシンの都》 6 《沼》 -土地(22)- 4 《寄生の賢者》 4 《入れ子ボット》 4 《影の帯の盲信者》 4 《復讐に燃えた血術師》 1 《バルトロメ・デル・プレシディオ》 4 《勝利の楽士》 4 《砂のベンダーのあさり屋》 1 《サンスターの模範、ヴォンダム卿》 2 《時系列の選別者》 1 《賞金稼ぎ、ジューン》 1 《大勢のうちの一人、ジュー・ディー》 4 《威名のソルジャー、セフィロス》 -クリーチャー(34)- |
2 《堕落した確信》 1 《過去立たせ》 1 《戦の犠牲者》 -呪文(4)- |
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そんなわけで新セット『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』のカードを先ほどのリストに加えてみた。ひとまずは新カードお披露目の意味合いも強いリストであり、そもそも締め切りの関係で実際にプレイ可能になる前に考えたリストなので、各々で自分が信じたカードでデッキを構築してほしいところ。
《戦の犠牲者》で同盟者を生成して生け贄役を増量したり、またマナは必要だがこれまでのものと趣が異なるサクリ台である《大勢のうちの一人、ジュー・ディー》や《賞金稼ぎ、ジューン》などなど面白そうなカードが沢山あるので、サクリファイスデッキが好きなプレイヤーは理想のデッキ像を開拓していってほしいなと願うよ。新スタンダード環境はもう目の前、デッキを組んだらショップや大会に遊びに行こうぜ。真っ新でフレッシュな環境が君を待っているッ!
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