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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

安定感の黒単デーモン、アバターからの新戦力をチェック!(スタンダード)
ジャパンスタンダードカップが開催される!計6回目となる今大会、新セットリリースに合わせてスタンダードのチャンピオンを決める、定番イベントとなってきたトーナメントだ。競技イベントのマジックで賞金や副賞を目指してアツい火花を散らせるだけでなく、最新セットがリリースされたばかりでまだ研究が進んでいない環境を遊べるというのも実に魅力的だ。気になった皆はぜひとも横浜の地へ!詳しくは以下のイベント詳細をチェックだ。
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さて、今回は『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』がテーブルトップで発売されたその週末に開催されるジャパンスタンダードカップ。一体どんなデッキが躍進するのか、今後の環境を占う試金石としても要注目なイベントだ。どんなデッキが活躍するのか、それはまだ誰も知らない……が、なんとなくこれがきそうだなという予測は可能だ。既存のスタンダードのデッキをベースに新カードをちょろっと潜ませたもの……そして安定感があるリストに期待してしまうな。

安定感、それ即ちマナ基盤の強さ。マジックにおいてデッキの根幹をなすのは土地だ。2色以上のデッキとなると、複数種類のマナを生み出せる土地を採用しないと任意のマナが手に入らない、色事故という事態が発生する。それを回避するために《湿った墓》《マルチバースへの通り道》《始まりの町》のようなカードを採用するわけだが……これらはライフを失ったりタップ状態で戦場に出たりと、デメリットを併せ持っている。またこれらを採用しても、青マナしか加えられないが手札は真っ赤……というような事故は起きてしまう。そんなリスクを考えれば、基本土地ばかりで構成されたマナ基盤の安定感というものは長期戦となるトーナメントにおいて魅力的に映るもの。現スタンダードであれば、ほぼ《沼》で構成された黒単なんかどうだろうか?
| 2 《魂石の聖域》 22 《沼》 -土地(24)- 4 《玉虫色の蔦打ち》 3 《暗黒騎士、セシル》 4 《時系列の選別者》 4 《マラキールの門番》 4 《止められぬ斬鬼》 4 《アクロゾズの放血者》 -クリーチャー(23)- |
3 《悲劇の軌跡》 2 《苦々しい勝利》 2 《保安官を撃て》 2 《戦略的裏切り》 4 《不浄な別室 // 祭儀室》 -呪文(13)- |
4 《強迫》 4 《虚空の力線》 3 《逃げ場なし》 2 《戦略的裏切り》 2 《黄昏の妨害工作員》 -サイドボード(15)- |
黒単と言えばやっぱりこれ!一撃必殺コンボ内蔵型のミッドレンジ(中速)だ。キーとなるのは《止められぬ斬鬼》。このゾンビは対戦相手にダメージを与えると、そのライフを半分失わせるというえげつない能力持ち。そして《アクロゾズの放血者》は、対戦相手がライフを失う際にその値を倍増させる。この2枚が並ぶと……対戦相手のライフを半分失わせる→それが倍になる、即ちライフをすべて失うことに!20点あろうが100点あろうが1億点あろうがしったこっちゃない、ワンパンでKOする強烈無比なる2枚コンボというわけだ。
斬鬼は接死持ちであるためブロックされても最低限対戦相手のクリーチャーを巻き込む、しかもゾンビらしく破壊されても麻痺状態で戦場に戻るしぶとさを発揮。放血者もそもそも単体で強いというわけで、コンボパーツがそれぞれ純粋に強いのも魅力である。コンボに依存していないため、プランが大きく崩壊するという恐れもなく、そしてうっかり2枚が揃って相手に妨害手段がないと……決着、と。このプレッシャーをかけながら戦えるのが黒単の最大の魅力である。
このアーキタイプは「黒単デーモン」とまとめられることもある。放血者がデーモンであるから、そしてデーモンと組み合わせることで芯かを発揮する《不浄な別室》をメインエンジンとしているからである。この部屋エンチャントは、ターン終了時に手札を1枚もたらすアドバンテージ源。2点のライフを失うが、手札が増えるのであれば十分な出費だ。2回以上誘発させることでしっかりとアドバンテージを確保できるわけだが、これがデーモンをコントロールしていると、ライフを失うのは対戦相手となり自分のライフは逆に増えるという事態に。
そのデーモンはこのエンチャントの別の部屋である《祭儀室》や《魂石の聖域》の起動で確保しても良いが、放血者でも勿論OK。そして放血者によって《不浄な別室》で対戦相手が失うライフも倍になるため、その値は4点に……重てぇ、これが毎ターン行われたら勝負にならないぞと……自分はクリーチャーを展開しながら相手のクリーチャーを除去して殴るというミッドレンジデッキにとって有難い手札を供給してくれる中核として、そして時にライフを締め上げる決め手として、このアーキタイプを支えている。
さて新セットからこの黒単が得られる新戦力候補について見ていこう。まずはやっぱりクリーチャー除去。黒はこれを得意とする色で、現状でも十分に選択肢はあるのだが、やはり新セットの除去というものは気になるところ。2マナ域には《無情な行動》《壮大な破滅》と再録カードの姿が。いずれも当時のスタンダードで活躍したちょっと懐かしの除去で、特に《無情な行動》はインスタントなので使いやすく、カウンターが乗せられているクリーチャーも破壊出来ないながらも弱体化させることができるため無駄になりにくく、信頼できる1枚だ。
またパーマネントとして除去を行うカードも《火の国のドリル》などいくつか見られ、特に気になるカードは《顔泥棒、コー》!この伝説の多相の戦士は、戦場に出た時にクリーチャーを追放。6/6とサイズもデカいため、これで1体追放しつつ攻めていくフィニッシャー役も兼ねる。またクリーチャーが死亡する度にそれを追放、墓地から再利用するのを防ぎつつ、このコーがそのクリーチャーの能力を得るという面白い能力を併せ持っている。この能力コピーは、この手のカードに多く見られる起動型能力はもちろんのこと、誘発型能力をも持つのが特徴的だ。斬鬼の能力を持たせられれば、必殺の一撃や墓地から舞い戻るしぶとさなどを受け継ぎ、暴れ回ってくれることだろう。
それから放血者との相性を考えると、ライフを失わせるカードもチェックしておきたい。《ナマズワニ》は戦場に出た時に沼の数だけダメージを与える、まさに黒単で使えと言わんばかりな1枚。コストは重いが、絆魂で沼分のダメージを与えると同時に自分のライフを回復させてくれるのが偉い。《堕落》にオマケでクリーチャーがついてくると考えれば、この重量級カードもアリだと思えてくる。沼の数の倍のダメージとなると、14点くらいは軽く叩きこんじゃうんじゃないのか?
またもっと軽いクリーチャーであれば《見下す高手、メイ》も良さそうだ。2マナ2/2先制攻撃で使いやすく、プレイヤーが非クリーチャー呪文を唱えるたびに2点のライフを失わせるという、かなりの嫌がらせ能力を持っている。全プレイヤーがこの影響を受けるため、自分の首を絞めることもあるだろうが……クリーチャーの少ないデッキ相手には悪夢のような1枚になり得るね。
ジャパンスタンダードカップでこの《止められぬ斬鬼》《アクロゾズの放血者》コンボを内蔵した「黒単デーモン」と遭遇する可能性、なかなか高いんじゃないかな?長丁場となるトーナメント、単色デッキは色事故が起こりにくく、安定感があるためそれだけで候補に上ってくる。それが一撃で勝てるコンボを内蔵しつつもそれ以外にも勝てる術を持ったデッキであれば、文句なしというところだ。対戦相手が《沼》を2枚以上並べてきたら、このリストになるようなカードを意識すると良い結果に繋がるかもしれない。逆に使う側であれば『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』のカードも取り入れて、自分だけのリストで上位を目指してみてね!
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