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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

緑単上陸、そして大地を揺るがす土の技!(スタンダード)

岩SHOW
Nandisko - 「緑単上陸(タッチ赤)」
Magic Online Standard Challenge 32 トップ16 / スタンダード (2025年11月1日)[MO] [ARENA]
4 《脱出トンネル
4 《寓話の小道
2 《進化する未開地
14 《
1 《
-土地(25)-

4 《ラノワールのエルフ
4 《サッズのヒナチョコボ
4 《ティファ・ロックハート
4 《棘を播く者、逆棘のビル
4 《旅するチョコボ
3 《苔生まれのハイドラ
3 《氷耕しの探検家
-クリーチャー(26)-
3 《幻獣との交わり
4 《蛇皮のヴェール
1 《王のもてなし
2 《激しき乗りこなし
-呪文(10)-
1 《幻獣との交わり
1 《氷耕しの探検家
3 《シードシップの衝突
2 《神出鬼没の狩人、スーラク
1 《
3 《排撃の変異
4 《跨龍兵の突撃
-サイドボード(15)-
Magic Online より引用)

 

 

 今回は開幕デッキリストから!スタンダードの「緑単上陸(タッチ赤)」の登場だ。一時期一気に数を増やしてスタンダードの覇権を握ったタイミングもあったが、最近はトーンダウン。使用率は下がってはいるが、勿論完全に姿を消したわけではなく、このリストのように時折浮上してくる、そんなアーキタイプ。デッキのテーマは上陸。土地を戦場に出すことで誘発する能力のことであり、現スタンダードには《棘を播く者、逆棘のビル》をはじめ、この能力を持ったクリーチャーが多く見られる。

 中でも緑の面々に強いカードが揃っており、特に《サッズのヒナチョコボ》《ティファ・ロックハート》はマナ総量が小さく、最序盤から繰り出せるクリーチャーでありながら上陸でパワーがグイグイと上昇し、大ダメージを叩き出す。これと《苔生まれのハイドラ》らを繰り出しつつ《脱出トンネル》《寓話の小道》など土地1枚で2回分の上陸を誘発できるものとを組み合わせて、効率よくクリーチャーのサイズを上げて瞬間的にライフを溶かす!コンボ要素が強いアグロデッキなのだ。

 

 このアーキタイプには実は細かい部分の違いで様々な型が存在するのだが、最近はこのリストのように《氷耕しの探検家》を用いる型が主流になっているように思う。土地のプレイ枚数を増やして上陸を2倍のアシスト、しかも墓地から土地がプレイできるので上述の生け贄に捧げる土地たちを使いまわして効率よく上陸を誘発させられる。デッキの息切れを防いでくれるこの頼もしい探検家、土地が戦場に出ることで切削で墓地も増えていく。

 これを上手く活用するほど墓地関係のカードはデッキに採用されていない……が、アクセントとして潜ませた《激しき乗りこなし》が火を噴くこともある。1枚だけ《》を採用し、《寓話の小道》などで引っ張ってきて唱えるというタッチ赤の型だ。このソーサリーはクリーチャーのパワーを上昇させて速攻をつける。さらに調和という能力で墓地から唱えられる!なので切削で落ちると無駄なく利用できるのだ。上陸デッキは大ダメージを生み出せるポテンシャルがあるものの、クリーチャーを出して次のターンが来てから殴るというのが基本であるため、ラグが発生する。それでも問題なく押し切れるゲームも多いが、時にこのラグが致命傷になることも。序盤は威勢良く攻めるも、クリーチャーを出しては除去されを繰り返し、最後の数点が削り切れず…というのが定番の負けパターン。《激しき乗りこなし》はこのラグを解消する速攻で、弱点を緩和してくれているのである!

 というわけで久しぶりに上陸デッキを取り上げたが、これには理由がある。もうすぐやってくる新セット『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』にて、土地に関係する能力がデビューするからだ。それが……

 

 土の技!土の技は「アバター 伝説の少年アン」の作中で登場する4つの技の1つで、大地そのものを操り防御したり攻撃したりという能力。マジックのカードではこれを土地をクリーチャー化させる形で再現。土の技1のように数字が設定されており、その値分の+1/+1カウンターを乗せて土地をクリーチャーにする。この土地は速攻を持つため、戦場に出したばかりのものでも問題なく攻撃したりマナを加えられるので安心して運用することが可能だ。

 《解き放たれし王、ブミ》はその土の技の達人であり、土地を4/4と攻めっけ溢れるサイズのクリーチャーに変化させる。本人と併せれば、5マナでパワー9分のクリーチャーが手に入るためマナ効率に優れている。さらにブミが対戦相手にダメージを与えると、土地を全てアンタップした上でクリーチャー化した土地で追加の攻撃を行える。単純にマナ加速としても優れており、《激しき乗りこなし》で速攻を持たせてダメージを叩き込みつつ、追加の展開を行ったり土地で殴って更なるダメージでフィニッシュに持っていくなどパワフルなゲーム体験が出来そうな1枚だ。土地がたっぷりと用意できる上陸デッキに、更なる土地の使い方として土の技……どうだろうか。

 

 《アナグマモグラの仔》もまた土の技を行うクリーチャーだ。アナグマモグラが土の技?しかも神話レア?と思うかもしれないが……これにはしっかり理由がある。アバターの世界で最初に土の技を用いたのはほかならぬこのアナグマモグラであり、人間はこの動物から土の技を学んだのである!面白い設定だ。アナグマとモグラの複合動物という点も、イコリアなどの次元に出てきそうで親しみが持てる。

 そんな《アナグマモグラの仔》は土の技1を行う。値は大きくないが2マナという軽いコストで土地がクリーチャーになる……わけだが、《アナグマモグラの仔》はさらにクリーチャーをタップしてマナを加える際にボーナスでさらに1つ緑マナを得られるようにしてくれる。土の技でクリーチャー化した土地から2マナ加えられるようになるので、効率の良いマナ加速だ。さらに土地だけでなく上陸デッキにはまず採用されている《ラノワールのエルフ》のマナも増えるため、しっかりと動いてから土地をプレイして上陸を誘発させるという動きがスムーズに行えるだろう。また土の技でクリーチャー化した土地が死亡あるいは追放されると、それは戦場に戻る。これを活かして《寓話の小道》などを生け贄にしつつ戻して上陸誘発という作戦も……今まで見たことのないムーブが炸裂しそうだ。

 というわけで既存の上陸デッキと『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』の土の技に関するカードを紹介させていただいた。マジックの根幹をなす土地カード、それをただ単にマナを加えるものではなく戦力として上手く使い切るデッキを組むことが出来れば、良い結果に繋がるはず。プレビューで様々な土地関連のカードも登場するはず、新スタンダード環境が今から楽しみだ!

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