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戦略記事

岩SHOWの「デイリー・デッキ」

アゾリウス・アグロ:気の技と相性の良いカード群!(スタンダード)

岩SHOW
 

 『マジック:ザ・ギャザリング | マーベル スパイダーマン』のリリースから約2ヶ月、早くも次のセットが姿を現す……『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』!このセットはユニバースビヨンド、即ち他コンテンツとのコラボになる。そのコラボ先はセット名と同タイトルのアニメ。アメリカで制作・放送されたもので、我々日本で生活しているプレイヤーにはあまり耳馴染みのないタイトルだが、本国アメリカやその他の国と地域では非常に高い人気を誇っている。

 どのくらい人気かって?このアニメがテレビで放映されていたのは2005年から2008年にかけて、計3シーズン。結構前の作品になるわけだが、これが誰もが知る某世界的ストリーミングサービスにて2020年に視聴可能になった途端……視聴数ランキングで堂々の1位を獲得!本当に誰もが目にしたことのある、超人気シリーズなのだ。実写映画やドラマ化もされており、様々なストリーミングサービスで視聴可能なこの時代。筆者もこのユニバース・ビヨンドを1つの機会として、とりあえず実写ドラマを視聴開始!これが映像も綺麗だし、独特の世界観にハートをキャッチされたよ。

 「アバター 伝説の少年アン」はそのタイトル通りアンが主人公。彼が冒険するその世界は、中国の山岳地帯のようだったりイヌイットがくらす氷の世界だったり、はたまた南方の空気感が漂っていたりと、実にアジア風。マジックのタルキールと通ずるところがある……もしかしてこのアニメの影響を受けたものだったのかな?と思えるほどなので、マジックプレイヤーにもすんなりと馴染むことかと。

 

 そしてこの世界には水、土、火、気(空気)の4つの要素をそれぞれ操る者達がおり、その力を使って人助けをしたり悪事を働いたり……時には力を持つもの同士で戦ったり。それらの技の使い手はベンダーと呼ばれ、さらにそれらを極めし者はアバターと呼ばれる。この世界の調和はアバターにより保たれていたのだが……それが崩れた世界で、最後の気のベンダーであるアンが他のベンダー達と織りなす物語……マジックの背景ストーリーとも近いものを感じるね。そんなわけでアバターを知らない人はこの機会にぜひ、シリーズを知って楽しんでいただきたい。

 

 僕がこのシリーズで好きなキャラクターはアッパ!このバイソンはアンと共に氷漬けになり100年の眠りについていた、彼の親友である。気の民と共に暮らしていたアッパは空を飛ぶことが可能で、その巨体故にアンを始めカタラやサカといった主要キャラクター達を背中に乗せて移動の助けをしてくれる。かわいくて頼もしいマスコットであるアッパ。これをカード化したものの1つが《不動の守護者、アッパ》だ。

 4マナ3/4、瞬速に飛行とバランスの良いスペック。さらにアッパが戦場に出た時、土地とアップ以外の自分のパーマネントに対して気の技を行える。気の技とはパーマネントを追放するアクション。たんに追放するだけでなく、追放されているカードは{2}を支払うことで唱えられる……というわけでアッパは瞬速を活かして自分のクリーチャーを追放、これによりクリーチャー除去を避けるという使い方が狙える。また英雄譚やクリーチャーなどを使いまわして誘発型能力をおかわりするというアドバンテージの取り方も。さらにさらに、追放領域から呪文を唱えると同盟者のトークンを生成する!1/1といえど、何もないところからクリーチャーが出てくる上に、特に回数などの制限もないのだから、かなり硬い盤面を作りだせる!

 というわけでアッパを使ったデッキを考えるなら……

Christopher Medina - 「アゾリウス・アグロ」
地域チャンピオンシップ予選 アメリカ・ボルチモア トップ8 / スタンダード (2025年10月25日)[MO] [ARENA]
4 《始まりの町
4 《マルチバースへの通り道
4 《フラッドファームの境界
2 《不穏な投錨地
6 《平地
3 《
-土地(23)-

4 《内なる空の管理人
4 《ひよっこ捜査員
4 《遠眼鏡のセイレーン
2 《威厳あるバニコーン
2 《勝利の楽士
4 《コスモグランドの頂点
2 《光に導かれし者、ハリーヤ
4 《量子の謎かけ屋
2 《マネドリ
-クリーチャー(28)-
3 《洪水の大口へ
3 《縫い目破り
3 《幽霊による庇護
-呪文(9)-
3 《別行動
1 《縫い目破り
1 《悪魔祓い
1 《幽霊による庇護
4 《スパイダーセンス
3 《安らかなる眠り
2 《嵐の討伐者、エルズペス
-サイドボード(15)-
MTGTop8 より引用)

 

 

 スタンダードでアゾリウス(白青)カラー、軽量クリーチャー主体のアグロデッキ!1マナクリーチャーが実に12枚+《マネドリ》2枚という軽い構成で、手数で戦うデッキであるというのがリストを見ただけでもわかるね。

 その軽いクリーチャーは《ひよっこ捜査員》や《遠眼鏡のセイレーン》など、アドバンテージに繋がるトークンを生成するもの。これらで盤面の頭数を稼いで《威厳あるバニコーン》のサイズを上げたり、《内なる空の管理人》の起動のための頭数を確保したりと、リストの見た目以上にサイズの大きいクリーチャーで戦えるデッキに仕上げられている。このデッキにアッパを採用すれば、これら《ひよっこ捜査員》などを対象に気の技を行い、トークン生成をおかわりするという地味ながら確実に得するムーブが可能に。特に相手のクリーチャーをブロックしたところで追放し、プレイヤーが受けるダメージを抑え込みながらもこれらを再出撃させてもう一度ブロックに、というような展開が理想的だ。

 

 クリーチャーが戦場に出ることでライフを提供、同一ターンに得たライフの値が3点以上になればドローももたらす《光に導かれし者、ハリーヤ》。戦場に出た時にドロー、手札の枚数が少ないと追加ドローも発生する《量子の謎かけ屋》、これらのクリーチャーはこのデッキの主力であるが、共通点としてワープを持っている。マナ総量よりも割安で唱えられるが、ターン終了時には追放されてしまう……追放領域からその後唱えられるという、時間差で本人が出てくるワープ現象的な能力なわけだが……これ、アッパとも噛み合うね。ワープで追放されているカードを唱えることでもアッパの同盟者精製能力は誘発する。ただでさえ強いハリーヤや謎かけ屋がオマケを伴ってくる!戦闘に使って良し、管理人でタップして良し、バニコーンをデカくして良し!強いカードをより強く使う、これぞ勝利への近道!

 というわけで現スタンダードのデッキを振り返りつつ、新カード《不動の守護者、アッパ》への期待を高めてみた。これを書いているタイミングではまだカードが公開されだしたところで、まだまだ判明していない要素がたっぷり。なので皆さんがこれを読んでいる頃には、さらに相性の良いカードが登場しているかもしれないね。『マジック:ザ・ギャザリング | アバター 伝説の少年アン』がもたらす新たなスタンダード環境、楽しみでしょうがないって!

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