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岩SHOWの「デイリー・デッキ」

とことん!スタンダー道!オーバーキル気味?戦告者コンボ(スタンダード)
負け負け!やりすぎオーバーキルだって!
対戦していてこんな感想を抱きながら投了したことは一度や二度じゃないだろう。こちらは土地が止まって所謂事故状態の時、対戦相手は気持ち良いほどのブン回り。そこまでするこたぁないだろうと思うこともあるが、逆に言えば相手事故ってんなぁと手を抜くのもそれはそれでよろしいことではないわけで、オーバーキル(やりすぎ)に見えるかもしれないが全力を出し切って相手にとどめを刺すのは、当然のことでもあるのだ。スタンダードをとことん愛しプレイする皆にデッキやカードの楽しさを伝えたい当コラムとしては、皆が気分よくマジックを、スタンダードをプレイしていただきたい!そう切に願っている。不必要なオーバーキルはしない、あるいは対戦相手がオーバーキルをしていると思っても「何か考えがあって裏目のないようにプレイしているのだろう」と考えるのが、お互いにとって良い結果に繋がるはず!
とまあ説教臭くなる前にここらにしといて、だ。本題に入ろう。世の中にはオーバーキル気味のデッキというものもある。まあほとんどがコンボデッキだな。そこまでする必要ないだろ!と言いたくなるような、しかしそういった大袈裟な勝ち方しかできないというものもあるのだ。良い塩梅に調節できれば20点ダメージ、勝ちとやるのだが、加減がきかないため60点!みたいな。これはオーバーキルというよりはオーバーキル気味、握力が強すぎて一般人と握手できない超人とかそういう風にとらえるのが良いだろう。現スタンダードにそんなデッキがあるかって?あるとも、やりすぎだろ!と笑いたくなるような形で勝利を持っていくデッキが。
| 3 《マルチバースへの通り道》 4 《踏み鳴らされる地》 4 《繁殖池》 4 《植物の聖域》 3 《ソーンスパイアの境界》 4 《ウィローラッシュの境界》 1 《森》 -土地(23)- 4 《ラノワールのエルフ》 4 《灰毛の天才、オーロック博士》 4 《ティムールの戦告者》 4 《荒野無頼団の先駆者》 3 《鉄道の喧嘩屋》 1 《量子の謎かけ屋》 -クリーチャー(20)- |
3 《洪水の大口へ》 1 《削剥》 3 《冬夜の物語》 4 《幻獣との交わり》 2 《密輸人の驚き》 4 《絶望的猛攻》 -呪文(17)- |
2 《炎魔法》 1 《舷側砲の一斉射撃》 2 《屑鉄撃ち》 1 《受け継ぎし地の開墾》 3 《幽体の否認》 2 《無効》 2 《神出鬼没の狩人、スーラク》 2 《解剖道具》 -サイドボード(15)- |
《ティムールの戦告者》コンボ!スタンダードでも特にエッジの効いた逸品だ。キーカード《ティムールの戦告者》はパワー4以上のクリーチャー1体につき呪文を唱えるコストを{1}軽減する。これで重い呪文を軽く唱えることが目的であり、そしてもう1つの重要なパーツが《荒野無頼団の先駆者》。パワー4以上のクリーチャーが戦場に出ることで1ドロー、またこれが戦場に出ることで色マナを1つ加えられる。計画状態にしてターンを跨げば{0}で唱えられ、戦告者と揃えて戦場に並べやすい。これら2体が並ぶと、両者パワー4なので、後続の先駆者は緑マナ1つで唱えられる。先駆者が次の先駆者を招き、どんどんとドローが繋がって……と、所謂チェーンコンボの様相を呈する。
パワー4以上のクリーチャーとして《幻獣との交わり》もカウントできる。これをフラッシュバックで墓地から唱えれば、《召喚:幻獣マディン》に。これが戦場に出るとⅠ能力でライブラリーの一番上からパーマネントが手に入るチャンス。これのフラッシュバックももちろん戦告者で軽減されるため、緑マナ1つで唱え、また《量子の謎かけ屋》のワープなども活用し、パワー4軍団を展開していく……とはいってもいつか必ずマナは尽きてしまう。
これを回避しチェーンを延々と伸ばしていくための手段が《絶望的猛攻》!アーティファクトやクリーチャーのコピーを生成するソーサリーだ。これの不特定マナコスト{X}{X}も、もちろん戦告者で軽減される。そのため、パワー4以上のクリーチャー2体につき対象のコピー1体を生成できるという計算に。これで《荒野無頼団の先駆者》をコピーすれば、戦場に出た時に加えるマナと、他のパワー4以上が戦場に出た時のドローとで大量のリソースが確保できる!さらにそれらのコピーは速攻を持つため、これで対戦相手のライフを削るのに足りるトークンが用意出来ていればジ・エンドだ~ッなのだが、多くの場合はブロック役などがいて1回目では打点が足りないもの。なのでコピーにより確保したリソースで、2回目3回目の《絶望的猛攻》を目指してチェーンしていくことになる。それにより結果、オーバーキル気味な盤面が完成して3ゲーム勝てるくらいのダメージを弾き出す、と。《ティムールの戦告者》でXが丸々軽減されるため、何か特別な理由がない限りは「コピー1体で足りるのでX=1で」とはならないだろう。先駆者のドローは確定で行わなければならないので、ライブラリーを引き切って敗北するというのは論外だが(笑)、そうならない範囲で目いっぱいのコピーを並べてフィニッシュするのがこのデッキの流儀というものだろう。
煽るようにオーバーキルをするのは褒められたことじゃないが、慎重に万全を期して勝利するというのはマジックにおいて必要なこと。またとことんオーバーキル気味な豪快なコンボも存在するため、そういった場面に遭遇しても穏やかな心でありたいものだ。とことんスタンダードを遊び、道を極めれば……禅を極めたかのように落ち着活きはらったプレイヤーに……なれるかな?
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